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2009年7月13日

 ●インフルエンザパンデミック(H1N1)2009(03):ワクチン

●C#インフルエンザパンデミック(H1N1)2009(03):ワクチン 20090713.2505
PRO/AH/EDR> Influenza pandemic (H1N1) 2009 (03): vaccine
[1] WHO update
パンデミック(H1N1)2009 短信2: パンデミック(H1N1)2009ワクチンに関する勧告(WHO)
Pandemic (H1N1) 2009 briefing note 2: WHO recommendations on pandemic (H1N1) 2009 vaccines
情報源: World Health Organisation (WHO), Global Alert and Response, EPR、2009年7月13日。
2009 年7月7日、予防接種に関する専門家戦略諮問グループthe Strategic Advisory Group of Experts (SAGE)は、ジュネーブGeneva で臨時会合を開き、the pandemic (H1N1) 2009に関する議論と、ワクチンに関する勧告の立案を行った。SAGEは、パンデックの現況、季節性インフルエンザワクチンの生産状況およびA(H1N1) ワクチン生産能力の見通しについて総括し、今後のワクチンの選択的使用を検討した。委員らは、各国が採用するパンデミックワクチン接種戦略に取り入れるべ き、3つの目標があることを確認した

 −医療システムと国家の重要なインフラ保護
 −有病率と致死率の減少
 −コミュニティ内のパンデミックウイルス感染伝播抑制

各 国は、これらの目標を達成するためには、様々なワクチン配備計画を策定することができるが、その計画は、各国の疫学状況、資源およびワクチンへのアクセ スの可能性に配慮し、対象グループへのワクチン接種キャンペーンとワクチン以外の他の緩和対策を実施可能とするものでなければならない。現在のパンデミッ クの重症度はmoderate(穏やか)で、ほとんどの患者に合併症が見られず、自然治癒傾向であるが、妊娠女性、喘息患者や、病的肥満morbid obesity [body mass index (weight/square of height) = 40 plus. - Mod.JW]などの慢性的な負荷のある一部の患者では、重症化や感染による死亡のリスクが高い状況にある。パンデミックウイルスの拡大を阻止することは 不可能と見られることから、すべての国にとってワクチンが必要である。SAGEは、the pandemic (H1N1) 2009に対応したワクチン開発に着手した国々が、公平性を保持するよう努力することの重要性を強調してきた。以下の勧告が、WHO事務局長あてに提出さ れた

 −すべての国は、必要不可欠な医療インフラの保護のため、医療従事者に最優先に予防接種を行うべきである。初期に利用可能なワクチンの量は 限られたものとなるため、段階的な特定グループへのワクチン接種計画を検討するべきである。SAGEは、以下のグループへの配慮を推奨(suggest) するが、各国固有の状況に基づいて優先順位が決定される必要がある点を注記する;
妊娠女性;慢性疾患をもつ生後6ヶ月以上の患者;15-49歳までの健康 成人;健康な小児;50-64歳までの健康成人;65歳以上の健康成人

 −いくつかのパンデミックワクチンの生産には新技術が投入され、特定の 人口集団での安全性について十分な評価が行われたことがないため、品質に間違いがないか市販後調査を実施することが非常に重要である。さらに各国間で、免 疫原性や市販後の安全性と効果の調査結果を直ちに共有することが、各国のワクチン政策の調整に不可欠となる。

 −全世界的にはワクチンの利用範囲 が制限されること予想され、"drifted(ドリフトした=大きな変化のあった)"ウイルスに対する防御が必要とされることから、SAGEは、oil- in-water adjuvants(アジュバント)製法のワクチンや、弱毒生インフルエンザワクチンの生産や使用の推進が重要と考える

 −北 半球の2009-2010インフルエンザシーズン用ワクチン生産はほとんど完了し、パンデミックワクチンの生産への影響はないと考えられる。SAGEは、 季節性インフルエンザワクチン生産から、パンデミックワクチン生産への"switch"(切り替え)を勧告する必要性はないと考える。

WHOの Dr Margaret Chan事務局長は、現在のパンデミック状況に適合するとの認識から、2009年7月11日に上記の勧告を承認した。新たなエビデンスが得られれば、変更 されることがあることも付け加えられた。SAGEは、1999年にWHO事務局長により、ワクチンと予防接種に関する主要諮問委員会として設立された。 15人のメンバーで構成され、各委員は、各自の能力を活かし、世界中の幅広い分野を代表しており、その中には疫学、公衆衛生、ワクチン学、小児科学、内科 学、感染症学、免疫学、薬物制御学、programme management、予防注射配送、医療行政(医学管理)学が含まれる。SAGEの会議にはこのほか、....も参加した(原文参照願います)。
[2] カナダでの報道 Canada Press report
情報源: The Canadian Press、2009年7月12日。
豚 インフルエンザワクチンの生産は思いがけない障害に突き当たっている。製薬会社は、鶏卵内でのワクチン株ウイルスの成長が、がっくりするほど低いと報告さ れている。WHOはこれまで、卵を使用したワクチン生産量(the yield 収量)は、季節性H1N1ウイルス用ワクチン製造時の収量の半分かやや低いとしていた。インフルエンザワクチンのほとんどが、卵でウイルスを 増殖させている製薬各社に依存している。新たなシード株は、ワクチン生産量増加への期待を込めて作成されていると、WHOのワクチン責任者Dr. Marie-Paule Kienyが述べている。しかし、生産量が伸びなければ、パンデミックワクチンが生産ラインから産出されるまでの時間が遅くなり、さらに、カナダなどのワ クチンを購入した国々でも、国民を守るのにかかる時間が延びることになる。パンデミックワクチンを事前に購入(発注)しなかった国では、製薬会社が販売量 を確保できるまで、相当の遅れが生じる。すべてが計画通り順調に進んだとすれば、ワクチン完成までに長時間を要することを示唆するものは何もない。問題 は、価格がいくらになるか?であると、ミネソタMinnesota大学の研究者が述べた。ワクチンを作る魔法はない。問題となるのは、いくらかかり、いつ どこで使用できるかである。収量の問題は、WHOのスタッフが先週行った、ジュネーブに本部を置くこの国際保健機関にワクチンに関するアドバイスを行う、 専門家委員会の臨時会合でのプレゼンテーションで明らかになった。SAGEと呼ばれるこの機関は、パンデミックワクチンの使用に関する様々な疑問に対し て、WHOからの助言を行う目的で召集された。利用可能となったときに、どのグループにワクチンを優先的に使用するかや、成分を増強することで、限られた 供給量でより多くの使用が見込めるアジュバントの使用を、WHOが製薬会社に勧告するのか、といった内容が盛り込まれている。...Dr. Wenqing Zhang of the WHO's global influenza programによると、いわゆる野生株ウイルス(現在循環中のウイルスなどの、非修飾ウイルス)を使用するワクチンメーカーは、細胞培養媒体である Vero細胞での季節性H1N1ウイルスの培養時と同様の収量を報告している。しかし、この方法でインフルエンザワクチンを製造するメーカーはほとんどな い。多くのメーカーは卵を使い、収量増加のチャンスを広げる目的で作成した、再集合やハイブリッドのシード株ウイルスを培養している。これらのシード株ウ イルスの製造方法はいくつかあるが、最終産物は、ワクチンが目的とするウイルスの外部遺伝子external genesと、良好な増殖成績が実証されている別のウイルスの内部遺伝子との、ハイブリッドウイルス株である。WHOのワクチン計画責任者Kienyの発 表は、収量は"less than optimal(最良とはいえない)"とし、WHOの研究機関のネットワーク内の各施設は、できるかぎり早い、新たなワクチンウイルスの製造に取り組んで いることを明らかにした。今回の発表は、収量がワクチン使用の可能性に与える影響を示したものであった。およそ、8億5千万−9億人分ないし18億人分の パンデミックワクチンが必要であるとされている。最小限の予測値は、1人当たり1回の接種で十分な場合の契約した各国の必要量であり;最大値は2回接種が 必要な場合である。もしも、すべての製薬メーカーが有効性が期待できる最低限の用量とし、季節性H1N1生産と同程度の収量を確保し、各国が1人1回接種 とした場合、2009年11月中旬までに、事前に発注を受けたすべてのワクチンの生産を完了できるだろうと述べた。最善のシナリオのためには、製薬メー カーのすべての生産能力をパンデミックワクチンに注ぎ、南半球の来年度[2010年]のインフルエンザシーズン用季節性インフルエンザワクチンの生産に、 一切振り替えないことが必要となる。製薬メーカーが用量を低く抑えず、事前購入した各国がすべての接種者への2回接種を要求したとすると、富裕国のワクチ ンメーカーが、中−低所得国にワクチン製造にとりかかるのは、2009年4月中旬にずれ込む可能性がある、との見通しを明らかにした。世界のインフルエン ザワクチンの生産能力の90%が、季節性インフルエンザワクチンを使用する高所得国に集中している。収量の少ないワクチンウイルス株により、大幅なスケ ジュールの遅れを生じるだろうと、警告した。季節性インフルエンザワクチン生産の半分の収量と仮定すると、single-shotでlow-dose regimeの場合でも、すべての契約発注量の生産を終えるのは、2010年1月中旬になると見られる。発表では、low-yieldであることは、たと えlow-dose shotsで生産する場合でも、各国が2回接種を選択すれば、その全契約の遂行には2010年6月までかかることを意味するとしている。