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2011年8月3日-4日

◎ クロストリジオイデス・ディフィシル 感染拡大防御策
狂犬病 中国 年間狂犬病報告2400人
原因不明の疾患 マレーシア

◎ クロストリジオイデス(クロストリジウム)・ディフィシル カナダ
PRO/EDR> Clostridium difficile - Canada (02): (ON) nosocomial, fatal 20110804.2351
 投稿者 Dr. Gregor Caspari、2011年8月2日
20110801.2316 に関し。
Mod.ML が、"医療施設内のクロストリジウム菌による感染拡大防御に、特に手洗いの重要性が再認識される" と記載したが、ほとんどの手指用消毒薬がクロストリジウム・ディフィシル菌芽胞 _C. difficile_ spores に無効である中、どうすべきだと言うのか聞きたい。
[Mod.ML- Dr Caspari はよいところを指摘してくれた。無症候性・有症状を問わず,クロストリジウム・ディフィシル感染症 _Clostridium difficile_ infection 患者から、vegetative forms and spores of _C. difficile_ が皮膚表面と環境中に排菌される。芽胞は表面への接着力を増す an exosporium 外膜 を有する。芽胞は病院内のカーテン、白衣、せっけん、植物、切花、コンピューターのキーボード、便器、家具、便座、シーツ、電話、ナースコール、体重計、血圧計のカフ、体温計、聴診器などから検出され、何か月間もその場所に存在する。下痢症患者に便失禁があると環境汚染は増大し、vegetative forms は空気への曝露に耐えられないため、ほとんどが芽胞による汚染となる。医療従事者 healthcare workers (HCW) の手指には、患者の皮膚やその周囲の環境に触れることで芽胞が付着し、他の患者に菌を運ぶ可能性がある。洗面所で石鹸と水による手洗いを行い、すすいだ後、ペーパータオルで乾かすことは contaminated HCW hands 表面からの vegetative forms and _C. difficile_ spores の除去に効果的であることが証明されている (Measures to Control and Prevent _Clostridium difficile_ Infection. Clin Infect Dis 2008; 46(Suppl 1): S43-9)。普通の石鹸の抗菌効果は、あってもごくわずかである。vegetative forms of _Clostridium_ や他の細菌に効果のあるものであっても(アルコール、クロロヘキシジン、hexachlorophene, iodophors, and triclosan も含め)抗菌石けん・消毒薬 antiseptic handwash or antiseptic hand-rub preparations として使用されるもので clostridial spores 芽胞に有効なものはない。_C. difficile_ infection のある患者をケアする HCW について行われた研究で、直接患者と接触する場合に手袋の着用が手指の汚染を防止することが示された。ひどい汚染から手を守ることが重要で、汚染がひどいと手洗いだけではすべての菌を取り除くことができなくなる可能性があるからである ... 医療従事者が患者 any body substances に触れる場合は常にビニール手袋を使用した前向きのコントロールスタディでは、患者の間の _C. difficile_ diarrhea の発生率が、介入前の 7.7 人cases/1000退院患者あたりから、1.5 cases/1000 discharges に減少した。(Prospective, controlled study of vinyl glove use to interrupt _Clostridium difficile_ nosocomial transmission. Am J Med 1990; 88(2): 137-40: abstract)。_C. difficile_ infection の患者取り扱いの際には、手袋をはずした後に、石鹸と流水で手洗いを行うことが必要である。なぜなら、手袋にあいた微小な穴を通じて、あるいははずす際に、微生物によって汚染される可能性があるからである]

● 狂犬病 中国
PRO/AH/EDR> Rabies - China (03): (GD) canine, control 20110804.2350
 情報源 Daily Mail、2011年8月4日
Rabies outbreak may lead to cull of 30 000 dogs in Chinese city
[広東省 Guangdong province] Jiangmen の当局は、狂犬病 Rabies 症例への懸念から、住民に対して、ペットとしてのイヌの所有を禁止し、8月26日までに譲渡?( re-house) または処分することを求めている ... 番犬として飼育される場合のみ、77万米ドルを超える罰金が免除される。その場合も、ワクチン接種や敷地内での飼育が義務付けられる。日刊紙は、過去3年間に住民42人が狂犬病により死亡したと報じている。専門家の1人は、大量処分ではなく、イヌへのワクチン接種が最も効果的と主張している。中国国内では年間2400人以上が狂犬病で死亡しているとされる。
[Mod.AS- 衛生省によると、中国本土で毎年、4000万人以上が動物に襲われており(20090927.3379)同省は中国が最も狂犬病の危険性のある国の1つと述べている。中国の平均年間狂犬病報告数である2400人を超えるのは、唯一インドだけである。
OIE's Terrestrial Animal Health Code includes chapter 7.7, titled "Stray dog population control"; の前文から: 
"人獣共通感染症、とりわけ狂犬病の予防を含めた Human health は優先課題である。イヌの頭数制限は、狂犬病対策の不可欠な要素の1つである。さらに OIE は動物に不要な苦しみを与えない頭数制限の重要性を理解している ... ". Article 7.7.6. "control measures". ... 2011年9月に韓国ソウルで、 the OIE in collaboration with FAO and WHO, による rabies control, 国際会議が開催される]
[Mod.JWー  "re-house"and "re-home" が何を意味するのか分からない。単に、屋内での飼育を意味するとは思えない]

● 原因不明の疾患 マレーシア
PRO/AH/EDR> Undiagnosed illness - Malaysia (02): (SK) leptospirosis, melioidosis 20110803.2341
 情報源 Borneo Post 、2011年8月3日
20110802.2329 について。
the Bakun area で最近発生した、原因不明あるいは怒った霊によるとされていた疾患への調査が終了し、2日の会見で当局者 State health director が、類鼻疽 melioidosis とレプトスピラ症 melioidosis が原因であったことを明らかにした。報道では、ダム建設や自然破壊に怒った森の精霊 spirits of the jungle や、墓地が水没することに対する祖先の怒りによる死亡と書き立てていた ... 死亡した10人は、実際には2011年1月から7月23日までの間に、州内で類鼻疽とレプトスピラ症で死亡した患者の総数のことであったことが分かった ... the Bakun area のケース以外にも、Kapit の2名と Tatau の1名が類鼻疽で死亡したと報告されており、また Kuching, Sri Aman, Betong and Limbang でも各1名の死亡[死因は類鼻疽?]が報告されている。これまでに Bakun Hydroelectric project (Belaga) と Iron Wall Logging Camp in Kapit における2件の類鼻疽の集団発生が報告されていると述べた。年初から7月30日までの Sarawak 州内の類鼻疽検査陽性患者数は31人で、2010年同期は343人だった。レプトスピラ症の患者については、年初から7月23日までの期間に51人の検査陽性患者が発生しているが、2010年は年間合計数が49人だった
hydroelectric Bakun Dam: 岩を積んで表面をコンクリートで固めた、世界で2番目の高さを持つダムで、the Balui River in Sarawak, Malaysia に建設中

● 日本脳炎 インド
PRO/AH/EDR> Japanese encephalitis & other - India (08): (UP)
Archive Number: 20110804.2356
 情報源 Andhra News、2011年8月3日
Uttar Pradesh's Gorakhpur District の住民らの間で、ウイルス感染症である日本脳炎 Japanese encephalitis の感染の発生が続いている。市内の Baba Raghav Das Medical College [Hospital] には、700人以上の患者が入院した。日本脳炎による死者は107人である。メディアは、the Gorakhpur Medical College Hospital では、過去32年間に7000人以上が脳炎で死亡したと伝えている。

● 肝炎 タジキスタン
PRO/EDR> Hepatitis - Tajikistan: (DU), private dental clinics 20110804.2355
 情報源 Radio Free Europe/Radio Liberty (RFE/RL), Tajik Service、2011年8月4日
Private Tajik Dental Clinics Closed Following Hepatitis Scare
ドゥシャンベ Dushanbe city の委員会は、住民から治療により肝炎 Hepatitis に感染したと訴えがあったことを受け、12の私立歯科医院の営業を停止した

● チクングニア熱 インド
PRO/EDR> Chikungunya (19): India (JH) conf. 20110804.2353
 情報源 The Telegraph 、2011年8月2日
Jamshedpur [Jharkhand state] および周辺地域のウイルス熱患者から採取され、3か所の検査機関に送付された32件の血液検体のうち、8検体でチクングニア熱 Chikungunya 患者が確認された。the School of Tropical Medicine, Calcutta からの報告によると、地区保健当局から送付された10検体中3検体で、チクングニア熱患者と確認された。National Communicable Disease Centre, New Delhi でも10検体中3検体が陽性であり、National Institute of Virology, Pune. に送付された12検体中2検体もチクングニア熱患者のものと確認された ...
[Mod.TY- The 29 Jul 2011 edition of The Times of India では this outbreak は原因不明のウイルスによるものと報じられている。ロンドン London 在住の医師が Jamshedpur in the state of Jharkhand に住む家族らが chikungunya virus infections であったと報告 (20110723.22230)し ProMED-mail が情報提供を依頼していたが、今回の報告で a mixed chikungunya and dengue virus outbreak であることが判明した。20110730.2297 において、Jamshedpur は Jharkhand state の地名であって in West Bengal ではないと指摘されている]

● コレラ 南北アメリカ
PRO/EDR> Cholera, diarrhea & dysentery update 2011 (24): Americas 20110804.2349
[1] ハイチおよびドミニカ共和国: PAHO 最新状況、注意喚起
Epidemiological alert: Cholera situation in Haiti and the Dominican Republic
 情報源 Pan American Health Organization (PAHO)、2011年7月26日。
ハイチ
2010年の epidemiological week (EW) 42 [17-23 Oct] のコレラ Cholera 感染流行発生以来、2011年7月10日の時点までに、388958人のコレラ患者が報告され、このうち 53.2% (206882人) は入院を必要とし、5899人 (1.5%) が死亡した。between EW 20 and 25 [16 May-26 Jun 2011] に、雨期による感染者数増加を認めた後、この3週間は減少が続いている。Nord and Nord Ouest, の2か所で、新たなコレラ患者の増加が記録された。
ドミニカ共和国
EW 42 [18-24 Oct] of 2010 up to EW 29 of 2011 [18-24 Jul 2011] の期間、ドミニカ共和国では合計13200人のコレラ患者が記録され、コレラ感染による死者は87人だった。過去2週間に、25 provinces and 53 municipalities. で感染伝播が確認されている。The Distrito Nacional and the provinces of Elias Pina, San Cristobal, San Juan, San Pedro de Macoris, Santiago, and Santo Domingo Est & Ouest で、最も感染率が高くなっている
[2] 南北アメリカ: WHO Annual Report
 情報源 WHO Weekly Epidemiological Record (WER)、2011年7月29日。
2010年、およそ1年ぶりにハイチ国内にコレラ _Vibrio cholerae_ O1 感染が導入された。初発患者が確認されたのは2010年10月の the departments of Centre and Artibonite で、瞬く間に全国に拡大し、致死率は、特に医療機関へのアクセスに制限のある農村部で高く、一部地域では30%を超えた。2010年12月31日時点で、首都ポルトープランス Port au Prince.を含む全国の地域から、死者3390人を含め、179379人の患者が報告されていた。患者の30%、死者の23%が、Artibonite department. からの報告であり、Port au Prince も 39 279 cases (22 percent of all cases reported in Haiti), including 356 deaths (9 percent of all deaths from cholera reported in Haiti) を記録した。7月3日時点で、感染流行は継続しており、合計患者数は、死者5609人を含む合計 381 236 cases である。
ドミニカ共和国
2010年11月、ドミニカ共和国内でコレラの感染が確認されはじめ ... ハイチ同様、現在も感染流行が続いている。6月末時点で、死者117人を含む1872人の感染が検査で確定されている。
その他の地域
コレラ菌 _V. cholerae_ O1 の国内感染伝播が報告されているのは、マルティニーク (6 cases), Mexico (1), and Canada (1) で、カナダからは輸入感染患者1名も報告されている。
[3] 米国,ハイチおよびドニミカ共和国から
 情報源 Emerging Infectious Diseases Journal (EID)、2011年8月1日。
原著タイトル Cholera in United States associated with epidemic in Hispaniola. Emerg Infect Dis. 2011 Nov;

● レジオネラ症 英国
PRO/EDR> Legionellosis, fatal - UK: (Wales) 2010 closure 20110804.2348
 情報源 BBC News Southeast Wales 、2011年8月2日。
調査担当者らは、感染流行の原因は不明のままとなる可能性を認めた。the south Wales valleys で死者を出したレジオネラ肺炎 Legionnaires' disease の感染流行は "very unusual climatic conditions" が原因であったと考えられると当局者が述べた。the 2010 outbreak では、 85歳の男性1名と49歳の女性1名が死亡し、22人が入院となった。 が、the Cynon Valley, Merthyr Tydfil and Rhymney Valley areas において単一の感染源は特定されなかった。4か所の冷却塔の検査でレジオネラ菌が陽性となったが1つに絞り込むことができなかった。一部の患者らはこの地域外の commercial and retail premises に関係しており、一方、疑惑のあった Merthyr Tydfil の無届けの冷却塔の検査は陰性だった。the Heads of the Valleys outbreak と呼ばれ、2010年9月3日から10月12日まで続いたこの感染流行は、the Heads of the Valleys road の両サイド(between Abergavenny in Monmouthshire and Llandarcy in Neath Port Talbot)を中心に感染が発生し、この地域に住居や職場を持つ多数の人々にインフルエンザ様症状が認められた。患者の一部は胸痛や嘔吐を訴えていた。
関連項目 20101014.3725

● エルシニア症 米国
PRO/AH/EDR> Yersiniosis, pasteurized milk - USA: (PA)
Archive Number: 20110803.2345
[1] Brunton Dairy のビン入り牛乳を飲まないように
 情報源 Pennsylvania State Depts of Health and Agriculture 、2011年7月29日
ペンシルベニア Pennsylvania 州の保健及び農業当局と、郡保健当局 the Allegheny County Health Department は Brunton Dairy(Aliquippa, Beaver County)が製造した乳製品、とくにガラス瓶入りのミルクについて、健康上のリスクをもたらせる可能性があるとして市民に対して注意を呼びかけている。7月15日以降、幼児3名と高齢者2名の計5名が、エルシニア菌 _Yersinia enterocolitica_ により下痢などの症状を発症した。5人はいずれも、現地の製乳業者である同社のガラス瓶入りの未殺菌ミルクを摂取し発病していた。調査が完全に終了するまで、公衆衛生上の観点から、家庭や職場にある同社製ガラス瓶入りミルクはすべて、廃棄または返品し、他の Brunton Dairy 製の乳製品についても十分注意する旨、通達された
[2] 患者が8人確認されている
 情報源 Associated Press 、2011年8月3日
州保健当局によると、これまでに細菌汚染のあった Pennsylvania 西部の製乳業 Brunton Dairy(Aliquippa)のミルクで発病したことが確認された患者は8人となった。この業者はピッツバーク Pittsburgh の北西25マイルにあり、殺菌されたミルクについては販売許可を与えられているが、現在生産を中断している

● 鳥インフルエンザ、ヒト カンボジア、エジプト
PRO/AH/EDR> Avian influenza, human (53): Cambodia, Egypt 20110803.2338
 情報源 CIDRAP (Center for Infectious Disease Research & Policy) News、2011年8月2日
UN confirms avian flu death in Cambodian girl, case in Egypt
 -カンボジア
The World Health Organization (WHO) は2日、すでにメディアで報道されていた4歳女児の a fatal case of H5N1 avian influenza を確認した [20110729.2279]。この女児は、 Chork Reaksmey village in Banteay Meanchey province の住民で、7月11日に発病し、当初治療を受けていた私立医院から18日に病院に移送されたが2日後に死亡した。女児の住む村では家きんの死亡が報告されており、女児は死亡した家きんに接触していた。13人の、女児との接触者について行われた H5N1 検査は全員陰性だった。Banteay Meanchey province, の他の2か所の村では、100羽の庭先飼育のニワトリとダックが H5N1 (ウイルス感染)により死亡している。
 -エジプト
さらに the United Nations Food and Agriculture Organization (FAO) が 2日、エジプトにおいて a case of highly pathogenic avian influenza を確認した。The FAO report によると、北部 Al Beheira governorate の症例とされているが、患者の年齢、性別、発生源などの詳細な情報は与えられていない。7月27日に確定診断の検査で陽性が確かめられている。

● Bagaza virus、野鳥 スペイン
PRO/AH/EDR> Bagaza virus, wild birds - Spain: (AN) 2010 20110804.2354
 情報源 Emerging Infectious Diseases (EID)、2011年8月0日。
原著タイトル Bagaza virus in partridges and pheasants, Spain, 2010. Emerg Inf Dis 17(8): 1498-501
要約
2010年9月、スペイン南西部 Cadiz [Andalusia] において、異常な数の野鳥 (ヤマウズラ partridges and キジ pheasants) が死亡しているのが発見された。Reverse transcription PCR 法および ウイルス分離により、フラビウイルス感染であることが判明した。核酸配列の完全解読により、サハラ以南のアフリカとインドに分布する、フラビウイルスの1種である Bagaza virus 感染による死亡であることが判明した。以下、背景、臨床症状、検査結果、結語。
[Mod.TY- ProMED-mail 初の report of Bagaza virus である。the 3 Aug 2011 edition of La Voz Digital [in Spanish] は、_Culex_ mosquitoes により伝播された Bagaza virus によると報じている。渡り鳥、もしくは販売目的の違法な外来種の取引により、アフリカからスペインへの初めてのウイルス導入と述べている]

● マカダミアナッツの病気,Husk spot オーストラリア
PRO/PL> Husk spot, macadamia - Australia: (QL) 20110804.2347
Wet weather brings on macadamia disease
 情報源 Australian Broadcasting Corporation (ABC) Rural、2011年7月25日
クイーンズランド州 Queensland で栽培されているマカダミアナッツに、真菌の病気である Husk spot が発生し、熟す前に木から実が落ち、毎年約850万米ドル相当の被害が出ている。2010年は、異常に湿度が高かったため、流行発生につながったと専門家は見ている
[Mod.DHA- Husk spot of macadamia は、真菌の_Pseudocercospora macadamiae_ が原因でおこり、2003年に commercially grown _Macadamia integrifolia_ in Queensland ではじめて報告された]

● ウエストナイルウイルス ギリシャ
PRO/AH/EDR> West Nile virus - Eurasia (03): Greece
Archive Number: 20110803.2336
 投稿者 Anna Papa 8月2日
As of 31 Jul 2011 (epidemiological week 30), 3 human cases of West Nile infection had been reported to the Hellenic CDC (KEELPNO). These are the 1st cases of 2011.

● 原因不明の大量死、ブタ フランス
PRO/AH/EDR> Undiagnosed die-off, porcine - France: (Brittany), RFI 20110803.2344
 情報源 Reuters、2011年8月2日
Wild boar deaths on French coast baffle authorities
フランス北西部沿岸地方の the Cotes d'Armor region of Brittany で、野生のイノシシ36頭が原因不明の病気で死亡し、検査により、専門家が指摘したような大量の腐敗した海藻からの流化水素ガス hydrogen sulfide gas が原因である可能性が低いことが分かり、当局は頭を悩ませている。集約農業で使用されている肥料から河川に入る窒素が、フランス沿岸地域の海藻の成長を促進していると環境保護主義者は主張しているが、6頭の野生のイノシシの身体の検査では(海藻からのガス以外も含む)様々なガスの痕跡が確認され、また1頭からは全くガスが検出されなかった。7月後半にイノシシの大半が発見された the town of Morieux 近郊の海岸は、市民の立ち入りが禁止されている。当局は様々な可能性について検討しているが、国内各紙の1面には故意の毒物によるなどと書かれている。政府当局は、2009年に起きた Cotes d'Armor での1頭のウマの窒息死で、体内に大量の硫化水素が検出されたことから、沿岸部での海藻の大量発生への対策を続けていた。
[Mod.TG- 死に至らしめた後に、硫化水素が消散することもあり、胃内に腐敗した海藻が見つからなかったからと言って、有毒ガスを大量に吸入して死亡したことを否定することはできない]

● 原因不明の疾患と死亡、ラクダ科 モーリタニア
PRO/AH/EDR> Undiagnosed disease & death, camels - Mauritania: RFI 20110803.2343
 情報源 C.R.I.De.M (Carrefour de la Republique Islamique de Mauritanie)[French]、2011年8月2日
A serious threat to camels in Mauritania
モーリタニアのラクダに深刻な問題に直面し、農家は緊急対策を政府や国際機関に求めている。"ラクダを死亡させている病気を明らかにし、地要や予防対策を" との声が上がっている。同国にとって、驚くべき環境適応力を持ち、移動手段として利用されているだけでなく、ミルクと肉の主要供給源でもあるラクダの、個体数を確保することが重要である。ラクダの死亡は、最近、国内各地で発生している: Guidimgha, Brakna, Gorgol and Trarza 。どのラクダも内臓出血を起こし、呼吸器感染を併発していた。衰弱し、突然、口や鼻から出血し、頭蓋内の浮腫を生じる。2010年冬の Adrar のリフトバレー熱 Rift valley fever (RVF) に続く死亡である。季節による移動中も、この the Adrarのウイルスを保持していた可能性も十分にある。Trarza のラクダを診察した獣医師の1人は、パスツレラ症 pasteurellosis を疑っているが、果たして診断は正しいのだろうか。今は分からない ...
[Mod.AS- もちろん正しい診断が必要だし急がなければならない。RVF は小型反芻動物やウシに多いが、ラクダも感染する。もし RVF なら、公衆衛生上も深刻な影響がある]

● 馬インフルエンザ モンゴル
PRO/AH/EDR> Equine influenza - Mongolia: (Tuv), OIE 20110803.2342
 情報源 Xinhua-net 、2011年8月2日
Equine influenza epidemic breaks out in Mongolia 
モンゴル政府当局は、国内の14の県で馬インフルエンザ Equine influenza の発生を確認した。今もウマが重要な役割を担うこの国の18の県で、最近報告されていた感染が疑われる症例について、2日、感染が確認されたと政府広報で発表した。広報によると、副首相は非常事態委員会を招集し、感染流行への対応を話し合った。Bayan-Ulgii, Zavkhan and Umnugobi の3県を除く地域のすべてで感染が確認されていることから、数百万頭へのワクチン接種が必要と見込まれている。馬インフルエンザの流行は、通常、春か秋に発生する、と獣医学当局は話している。モンゴルは、この数十年間に幾度となく、馬インフルエンザ流行を経験している。当局者は、なるべく早くワクチン接種を行わなければならない、と述べた。2007、2008年にホブド Khovd 県で発生した感染流行では、現地の畜産業に大きな損害を与えた。モンゴルの農業分野において、畜産は主要な部分を占めており、4000万頭以上の家畜を抱えており、そのうち200万頭がウマである。
[Mod.AS- October 2007 and May 2008、モンゴルは最も新しいウイルス virus subtype H3N8 による感染流行 epizootic of equine influenza に見舞われ、西部一帯に感染が広がり、広大な地域でのワクチン接種が行われた。 最近の the OIE への報告にあるように、7月9日に 同じサブタイプのウイルスにより、トゥブ県 Ulaanbaatar city で発生した同疾患の再興である]

● 鳥ポックス 英国
PRO/AH/EDR> Avian pox, garden birds - UK: (England) 20110803.2337
 情報源 The Guardian、2011年8月3日
近年、garden birds (適切な日本語は?) 特に great tits (シジュウカラ) に大きな被害が出ている、トリの病気のまん延に関する追跡調査に対して、環境保護関係者らは、市民に協力を呼びかけている。2006年に、初めての鳥ポックス avian pox の症例として、1羽の British great tit への感染が確認された。それまで、このウイルスは、スカンジナビア、オーストリア、チェコ共和国、スロベニアでしか確認されていなかった。2010年、the pox virus が Wytham Woods (in Oxfordshire) で発生したことが確認されたが、この種の研究としては世界で最も古い1947年からモニター観察が続けられていた、 a population of great tits のうちの1羽だった ... Avian pox により、目や嘴の回りを中心にいぼ状の病変が発生する。 the dunnock, イエスズメ, ムクドリ, モリバト など、英国のトリのほとんどには、軽い症状しか起こらないとされているが、シジュウカラには悪影響が及ぶ。死亡するかどうかは分からないものの、視力や跳ぶ力には影響するため、捕食者に捕まりやすくなる。このウイルスは、昆虫や他のトリから感染する。止まり木やえさ場などとの接触で、間接的に感染することもある。ウイルスは、環境中で何か月も生存することもあるという。
[Mod.AS- ヒトが感染することはない]
写真 avian pox in birds (finch, sparrow, wild turkey, a raptor) and some additional background information 

● カボチャの病気,真菌性病原体 カンボジア
PRO/PL> Fungal pathogens, pumpkin - Colombia: survey 20110803.2335
 情報源 Caracol TV, Agencia EFE report [in Spanish]、2011年7月28日
Researchers find dangerous fungus in pumpkins
the National University [NU] の研究者らが、カボチャに深刻な被害を及ぼす真菌を確認した。そのうち1つは、これまでにカボチャで確認されたことのない種類の菌であった。カボチャは、カンボジア国内の3600haの耕地で栽培され、6500トンが生産されている、主要な野菜産品のひとつであるが、近年、真菌による被害が発生したため、今回の調査が行われた。発見された真菌の中に、カボチャの葉の病気を発生させる、これまでに知られていなかった _Nigrospora_ species が見つかった。今回調査された3か所の地域で発見された、深刻な被害をもたらせる病原体には、species of _Alternaria_, _Curvularia_, _Fusarium_, _Oidium_, _Penicillium_, _Nigrospora_ and mycelia sterilia [non-spore producing fungi. - Mod.DHA] などが含まれている。最も影響が大きかったのは _Fusarium_ species で sudden wilt により死滅する可能性もある