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2011年8月5日-7日

原因不明の疾患 ウガンダ、ウェールズから
大腸菌 O104 EU Eurosurveillance

● 原因不明の疾患 ウガンダ、ウェールズから
PRO/EDR> Undiagnosed illness - Uganda: child, ex Wales, RFI 20110806.2377
 情報源 Daily Post, North Wales News、2011年8月6日
アフリカでの休暇中に幼い男の子が、原因不明の病気で死亡した。ケニアのナイロビ Nairobi にある Gertrude's Children's Hospital 病院で、この4歳の男の子が死亡した。12日間の闘病後に細菌もしくはウイルスの感染により死亡した。ウガンダの Kisiizi Mental Health Hospital への募金のためのチャリティーバイクレースのゴール地点付近で、両親とともに休暇を過ごしていて病に倒れた。the Cheshire and Wirral Partnership NHS Trust の看護部長であるこの子の母親は,"数日前からなんとなく調子は悪かったが気に留めていなかった。長旅と食事が変わったばかりだったから。バイクレースの準備をする父親に会うため Kisiizi Hospital に移動したところ、腹痛と下痢が始まり、すぐに医師を受診した。just a 48-hour bug であることを願っていたが、3日目にさらに状態が悪化し、すでに体内に入っていた toxins が臓器を侵し、内出血を引き起こした" と話した。専門医の治療のため、ケニアに空路移送され、回復の兆しが見られたため、両親も医師も安堵していた。"呼吸器をはずされ、応答できるようになっていた" と父親は述べた。"峠を越したものと思っていたが、ほかの臓器も侵されていた" と述べた ...
[Mod.CP- stomach pains, diarrhea and general organ failurr 以外の情報がない。ウガンダの滞在期間も不明であるため、Wales を出発する前に罹患していた可能性も否定できない。それでも、ウガンダで治療効果の見られない病気を見たときは、エボラ出血熱 Ebola hemorrhagic fever (EHF) について想起せざるを得ない。一般的には communities に関連して発生するが、ウガンダにおいて最近、5月6日に Bombo Military Hospital において死亡した Zirobwe Sub County(Luwero district)の12歳少女1名の,エボラ出血熱 EHF の単独感染例が確認されている。この初発例を除いて、他の患者は1人も確認されていないことから、the outbreak virus がかつて感染循環していた strains of EHF virus よりも感染力が弱いのではないか、と推定されている]

● 大腸菌 O104 EU
PRO/AH/EDR> E. coli O104 - EU (35): final update, commentaries 20110805.2363
[1] ECDC: final update FORTH
 情報源 European Centre for Disease Prevention and Control (ECDC)、2011年7月27日
[2] Commentary
 情報源 CIDRAP (Center for Infectious Disease Research & Policy) News、2011年7月27日
ドイツ政府感染症当局は、the _E. coli_ O104:H4 outbreak の終息を宣言した ... これまでに the ECDC が受けた報告は 3910 infections, including 782 with hemolytic uremic syndrome (HUS) で46 deaths と報告されている。ドイツへの旅行に関係して、米国とカナダからも数例の感染例が報告された。The ECDC は the contaminated seeds の一部が市場や家庭に残っている可能性があるため、今後の感染や流行発生への注意を呼びかけている。問題とされている食品に曝露した人の全体数が見えない段階で、当局が性急に,非常に強毒性の大腸菌 unusually virulent enterohemorrhagic _E. coli_ (EHEC) strain による感染流行との暫定報告を行ったが、"分母がわからないのであれば、分子はただの数字にしか過ぎない." と言われている。ドイツ保健当局が the original case-control study の対象に sprouts を入れていなかったミスが、誤ってキュウリ、レタス、トマトなどと関連づけてしまう結果につながった。このようなミスはどこの国のどんな集団発生でも起きるもので、この教訓を今後のアウトブレイク調査に生かすべきとコメントされている。the 1st case-control study でスプラウトがはずされた理由として(スプラウトを)摂取したと申告したのが患者の半数以下だったことが挙げられている。 "これはいただけない。なぜなら、過去に sprouts が known previous vehicle だったのであるから、どのような場合にも case-control study に入れなくてはならない" と述べている。 "たとえ、患者の半数以下しか食べていないとしても、実際にはそれ以上に食べられている" と述べた。
[3] Commentary
Enterohaemorrhagic _Escherichia coli_ O104:H4: are we prepared now?
 情報源 Eurosurveillance edition 2011; 16(31)、2011年8月4日
著者 AW Friedrich, Department of Medical Microbiology and Infection Control, University Medical Centre Groningen, University of Groningen, the Netherlands
ドイツが中心となった大腸菌感染流行 The outbreak of the _E. coli_ O104:H4 infection は終息し、メディアで取り上げられることも少なくなったが、科学者らの間では流行発生の原因を明らかにする努力が続いている。病原体は全く新しい株だったわけではなく、これまで知られていた菌のわずかな variant によることが分かっているが、 HUSEC-41 と呼ばれるこの菌には extended-spectrum beta-lactamase (ESBL) resistance が備わっている上、 腸管侵襲性と腸管出血性の2つの pathotypes の病原性大腸菌に見られる遺伝子を持っていた。具体的には the classical haemolytic uremic syndrome (HUS)-associated Shiga toxin 2 の遺伝子である。多くの調査が行われているにもかかわらず、男性よりも女性の感染が多かった理由、高い発症率の原因、一次感染源、the reservoir,キャリアの期間、the ESBL resistance の関与の程度、the infectious dose,有症もしくは無症候性の患者からの二次感染の果たす役割などの解明は進んでいない。家人への聞き取り調査などから、最大 15 percent of EHEC cases が二次感染によるとされている。Eurosurveillance に掲載された2件の論文のうち、1人の無症候性男性患者から配偶者と幼い娘への感染についてのフランスからの報告は、母親から検出された the EHEC では its ESBL resistance が消失し、耐性遺伝子を運ぶプラスミドの移動が証明されたとの興味深い内容であった。もう1件は the history of 6 possible household transmissions についての報告で、2例は院内感染、1人は、satellite clusters が発生したドイツ・Hesse 州での検査室内感染によるものだった。この論文では3つの重要な点が示されている。1つめは EHEC O104:H4 の二次感染が考えられているほど、頻度が高くないこと。2つめは(O157, O91, and O103 などの)他の HUS に関連する EHEC の serogroups も確認されており、microbiological serotyping が重要であるが、時間がかかる検査であるため Serotyping data が確認されることはまれであった点。3つめは EHEC infection 患者の院内感染防止対策および検査室内での取り扱いには、特別な配慮が必要なこと、であった
関連項目
E. coli O104 - EU (34): update, non-identity of Korean strain 20110717.2168

● マラリア コロンビア
PRO/EDR> Malaria - Colombia: (LG) 20110807.2388
 情報源 El Heraldo [in Spanish]、2011年8月7日
2011年、the 27th epidemiological week までの期間に La Guajira において187例のマラリア Malaria 患者が報告されており、うち95例は州都 (Riohacha) の患者であったと保健相から発表された。患者のほとんどが第1波の流行により感染した the Wayuu community の患者であった。La Cachaca I and II settlements, Argote, Puerto Caracol, and El Horno communities などで感染が確認されている

● デング熱/デング出血熱
PRO/EDR> Dengue/DHF update 2011 (32)
Archive Number: 20110807.2397
[1] タイ (クラビ Krabi). 6 Aug 2011. Phi Phi, で観光客を含め 20 cases of dengue fever、 Krabi [province], 全体では 380 dengue fever cases の一方、Phuket は過去数年間減少傾向。島内 (?) で、2年ぶりの死者が発生。
[2] ベトナム 1 Aug 2011. 約 23 000 cases of dengue fever in the country, causing 22 deaths so far. ... 南部だけでなく、北部でも患者数が増加している
[3] フィリピン (Pampanga). 5 Aug 2011. the Jose B. Lingad (JBL) Memorial Regional Hospital. で、40 confirmed dengue cases 以上のデング熱を確認
[4] インド India
 - (Jharkhand state). 2 Aug 2011. Among 32 blood samples of viral fever patients 2 dengue cases have been detected.
 - (Delhi). 2 Aug 2011. dengue cases so far this season has gone up to 15, ;One dengue death from east Delhi.
 - (Punjab state). 2 Aug 2011. Dengue is spreading across Ludhiana. Seven new cases confirmed in DMC Hospital Ludhiana. Three cases are from Ludhiana.
[5] タークスカイコス Turks and Caicos ex Bahamas and St. Lucia. 7 Aug 2011. Three cases of dengue fever have been confirmed in the TCI following an outbreak in neighbouring Bahamas. The 3 adults infected are all imported cases, 2 from the Bahamas and one from St Lucia.
[6] トリニダードトバゴ Trinidad and Tobago. 5 Aug 2011. a dengue outbreak in Trincity, an 8-year-old girl died of the disease
[7] ブラジル (Rio de Janeiro state、in Portuguese). 3 Aug 2011. Dengue has now killed 113 people in Rio de Janeiro state, 

● 腸炎ビブリオ 米国
PRO/AH/EDR> Vibrio parahaemolyticus, oysters - USA: (WA) 20110807.2394
 情報源 Examiner 、2011年8月5日
4日の州当局 Washington State Department of Health (WSDH) の発表によると、少なくとも12人が、ワシントンWashington 州で生ガキの摂取後に発病した。細菌のビブリオ菌 _Vibrio parahaemolyticus_ を原因とするこの病気は、市販されているものでも、自分で採取したものであっても、生ガキの摂取で起きている
[Mod.LL- 腸炎ビブリオ菌 _Vibrio parahaemolyticus_ は、海水中の常在菌であって、サルモネラ菌や大腸菌のように、存在することが汚水による汚染を意味するわけではない ... Outbreak of _Vibrio parahaemolyticus_ Gastroenteritis Associated with Alaskan Oysters. N Engl J Med 2005; 353: 1463-70 (full article) の要約の紹介]

● 下痢性貝毒 カナダ
PRO/AH/EDR> Diarrheal shellfish poisoning - Canada: alert, recall 20110807.2393
 情報源 Canadian Food Inspection Agency 、2011年8月6日
カナダ政府食品監視局 The Canadian Food Inspection Agency (CFIA) は市民に対し、diarrheal shellfish poisoning (DSP) biotoxin が含まれている恐れがあるとして、下記のムール貝の摂取を控えるよう呼びかけている。これらのムール貝は、7月19日から8月2日までの期間に、Island Sea Farms Inc. 社が "Area: BC 13, Sub Area: 15" or "BC 13-15" の採取地で採取した。
The following mussels are affected by this alert:
 - Saltspring Island Mussels Aquacultured Edulis Mussels 5 lbs (2.27 kg) - All lots up to and including Lot No. 289; all harvest dates up to and including 2 Aug 2011;
 - Albion Fisheries Ltd Mussel N/Shell Saltspring Isl 5lbs - All harvest dates up to and including 4 Aug 2011;
 - Pacific Rim Shellfish Corp Mussels or Gallo Mussels - Various weights. All harvest dates up to and including 31 Jul 2011;
 - Albion/SSI Mussels - Various weights - Ship dates of 20 Jul 2011 to 4 Aug 2011 inclusive;
 - B & C Food Mussels - Various weights - Processing dates of 20 Jul 2011 to 4 Aug 2011 inclusive.
[Mod.LL- ムール貝が関係することもある、渦鞭毛藻類 dinoflagellates が産生する okadaic acid による中毒症 Diarrheal shellfish poisoning (DSP) について報告されているようである。下痢の症状が92%と最も多く、次いで嘔気(80%)、嘔吐(79%)が認められ、摂取から発症までの時間は30分ないし12時間である]

● 麻疹
PRO/EDR> Measles update 2011 (26) 20110807.2392
[1] アイルランド:Irish Central 、2011年8月4日
当局 Ireland's Health Service Executive (HSE) は、欧州全域で発生中の麻疹 Measles 感染流行に注意するよう呼びかけている。2011年のアイルランドで発生した麻疹感染のおよそ10%が、海外での感染だった ... 1月以降にアイルランドで、およそ110例の麻疹患者が発生した。予防接種率は91%だが、95%に高めることが必要とされている。
[2] ルーマニア:Ongoing measles outbreak in Romania, 2011
 情報源 Eurosurveillance, Volume 16, Issue 31、2011年8月4日
 原著タイトル Ongoing measles outbreak in Romania, 2011. Euro Surveill. 2011;16(31)
要約
2011年1月から6月までの間に、国内42地域のうち29日から2072例の麻疹患者が報告され、感染流行が発生している。患者の多くが、国内北西部のワクチンを接種されていない小児の感染で、1歳から4歳までの小児が最も多かった(893人) 
[3] 英国 (West Midlands):Sunday Mercury、2011年8月7日
the West Midlands の麻疹感染患者がこの1年間で倍増した。当局 The Health Protection Agency がこの半年間に確認した麻疹ウイルス感染患者は小児30人で、一方、2010年の1年間の患者はわずか13人だった。学齢期の患者が最も多かったが、20歳代と30歳代も8人が感染した。全国では、1月以降 654人が麻疹に感染しているが、2010年は 374人だった ...
* The West Midlands 英国第2の人口を持つバーミンガム Birminghamなど 
[4] エチオピア:Radio Netherlands Worldwide, Africa、2011年8月6日
国連当局 The UN refugee agency (UNHCR) は6日、飢餓を逃れるため、ソマリアの難民が押し寄せる南東部 Dollo Ado camps, の麻疹と見られる感染流行に、注意するよう呼びかけた
[5] フィリピン (Capiz):Philippines Information Agency、2011年8月2日
保健当局は Capiz での麻疹感染数増加への対応策を強化している。7月29日現在、Capiz では 43人の麻疹感染が確認された ... Capicenos, の41人ほか Aklan and Iloilo, Roxas City, Dao, Pilar and Panay、Ivisan and Jamindan, Dumalag, Mambusao, Panitan, President Roxas and Sigma など ... 
[6] カナダ (Ontario):Brandon Sun, The Canadian Press、2011年8月4日
オンタリオ Ontario 州の首席医務官は、ムンプス及び麻疹の患者数が増えていることに触れ、ワクチン接種を呼びかけている。Quebec の2人のほか Canada's Wonderland and a [Lake] Simcoe resort において麻疹患者が確認されている。トロント Toronto Public Health では、金融街の高級すし店 Ki で発生した July 2011 outbreak of the mumps の調査が続いている
[7] メキシコ Mexico
 - (Guanajuato): Pulso, El Universal、2011年8月6日
当局者 Secretary of Health of Guanajuato は、州内初の麻疹患者を報告した。Celaya 市の45歳の男性で、米国およびカナダへの旅行中に感染した
 - (Sonora):El Reportero [in Spanish,]、2011年8月1日
保健省の疫学当局長は、麻疹ウイルスに感染したフランス人の少女と同じ欧州からのフライトに、ワクチンを接種されていない3人の旅行客が搭乗していたことを報告した。いずれも Ciudad Obregon の住民であるこれらの乗客らが、以前にワクチンを接種していなかったとしても、10日間以上発病がないか、注意深く見守ることを示唆した。
[8] 米国(ペンシルベニア):CentralPA.com、2011年8月4日
2011年、州内で13人の麻疹患者が確定診断された。6 in Perry County, 4 in Berks County and 3 in Bucks County.
[9] ニュージーランド New Zealand
 - (オークランド):Yahoo News New Zealand 、2011年8月1日
The Auckland Regional Public Health Service (RPHS) は、1日現在 the Auckland region で94人の麻疹感染が確認される可能性があると発表した。West Auckland を中心に、Central Auckland, North Shore, and Manukau などで感染が確認されている
 - (Waikato):Radio New Zealand News 、2011年8月4日
保健当局 Waikato health authorities により、この2日間にさらに2人の麻疹感染が確認された。オークランドにおいて3か月におよんで発生中の麻疹感染流行が Waikato にも波及した

● ハンタウイルス 米国、チリ
PRO/AH/EDR> Hantavirus update 2011 - Americas (34): USA, Chile
Archive Number: 20110806.2381
[1] 米国 (New Mexico)
 情報源 ABQ News 、2011年8月3日
McKinley County の59歳の女性1名が、University of New Mexico Hospital ( Albuquerque) に入院し、現在危険な状態にある。 州内で確定診断された5例目の hantavirus pulmonary syndrome [HPS] の患者であることが、3日、当局 the New Mexico Department of Health から発表された。"ハンタウイルス感染 cases of hantavirus [infection] は、まれだが、2011年に5人の患者が発生していることから、これを機に、すべての住民に対する、感染ネズミへの曝露リスク低減のためのガイドライン遵守の重要性を、再確認してほしい," と、当局者が会見で語った。2011年これまでに3例の HPS による死亡患者が発生している: 1月の 51-year-old McKinley County woman ; 5月の 35-year-old Torrance County man ; および7月の 23-year-old man from McKinley County である。5月に報告のあった 39-year-old McKinley County man は治癒した ... The main carrier of the disease in New Mexico は the deer mouse [_Peromyscus maniculatus_] である。
[Mod.TY- McKinley County, New Mexicoにおいて、この2週間で2例目の HPS である。Sin Nombre virus, maintained in _Peromyscus maniculatus_ populations によると考えられる]
[2] チリ (Aysen)
 情報源 Radio Santa Maria [in Spanish]、2011年8月6日
the Institute of Public Health [ISP] に送付された検体検査の結果、ハンタウイルス感染が疑われていた 71歳女性の死亡原因が確定された ... このほかに 35-year-old from the Picaflor area north of Manihuales と、42-year-old from Sector 6 Lagunas のいずれの患者も the Coyhaique Regional Hospital に隔離され状態は安定している2人の感染が疑われており、the ISP で検査が行われている。the Aysen region のげっ歯類の個体数が増加している間は、市民への啓蒙などの対策を続けるとしている。
[Mod.TY- Andes virus によると考えられる]
地図
関連項目 20110731.2306

● 日本脳炎 インド,中国(2件)
インド
PRO/AH/EDR> Japanese encephalitis & other - India (09): (UP) 20110806.2380
 情報源 News 24 、2011年8月6日
ウッタルプラデシ Uttar Pradesh 州東部で新たに1名の脳炎による死者が発生し、2011年の死者数が128人に達した。5日、13 new cases が BRD Medical College Hospital に入院した。2011年の脳炎患者 731 encephalitis cases のうち、最も発生が多いのは、Gorakhpur and Kushinagar の両地区である。ブタのウイルスによる The fever は、蚊に刺されることでヒトに感染する。
[Mod.TY- 20110804.2356 では107 deaths from Japanese encephalitis virus infections がいることが示唆されていたが、現在128 cases とされている。説明されていないが、ブタと蚊族についての記載があることから明らかに JE virus だと分かる。すべての患者が laboratory confirmed as JE virus infections であるのか知りたい]

中国
PRO/AH/EDR> Japanese encephalitis - China: (HK) 20110806.2379
 情報源 RTHK、2011年8月6日
香港 Hong Kong で4年ぶりに日本脳炎 Japanese encephalitis の患者が確認された。この6歳女児の患者は、7月に発熱と嘔吐のため Tuen Mun hospital に入院した。現在病状は安定している。最近の渡航歴はなく、家族4人に対して健康監視が行われている。日本脳炎は蚊族媒介性のウイルス性疾患である。
[Mod.TY- 香港は完全に the geographic distribution of JE virus の範囲に入っている。20040623.1672 には、1996、2003、2004年の各1例の自所内感染例を含む、7人の香港の sporadic cases of JE が報告されている]

● 胃腸炎 オーストラリア
PRO/EDR> Gastroenteritis - Australia: (QL) school children 20110806.2378
 情報源 ABC NEWS、2011年8月4日
クイーンズランド保健当局 Queensland Health から胃腸炎流行を注意する書面が、州西部の保護者らに届けられている。Barcaldine および Longreach で多数の患者が報告されており、ウイルスによる感染が疑われている。Longreach Hospital の医師は、非常に感染力が強いと述べている。"下痢や嘔吐がおさまっても、最低48時間は学校や幼稚園に行かないこと" と述べ、"小児は、回復後も感染力が残っていることがあり、流行阻止には(回復後の出席を遅らせることが) 最も重要" と説明している。the rotavirus vaccine が導入されてから、小児の胃腸炎は大きく変化しており、今回の流行はロタウイルス rotavirus ではないと考えられる。 Barcaldine の患者からの検体が調べられている"と説明した。
[Mod.CP- 胃腸炎症状の病期が短く、ノロウイルス norovirus infection ではないかと考えられる。 Queensland に rotavirus vaccine が導入されているのであれば、Infection by a rotavirus の可能性は低いが、現行の rotavirus vaccines は all rotavirus genotypes に効くわけではない。Norovirus gastroenteritis は突然発症し病期が短いことから(同疾患である)可能性があり、学校に通う生徒だけでなく、家族も同じように感染する可能性がある]

● レジオネラ症 ニュージーランド
PRO/EDR> Legionellosis - New Zealand (04): increased incidence
Archive Number: 20110805.2369
 情報源 The New Zealand Herald, New Zealand Press Association (NZPA) report、2011年8月4日
ニュージーランド国内でのレジオネラ症 legionellosis -- commonly known as legionnaires' disease の発生増加に、専門家らは頭を悩ませている。保健省の最近の報告によると、2009年から2010年にかけて、患者数が141%増加した。従来よりこの肺炎様の感染症は、培養土を吸い込んだり、配管、冷却塔やエアコン内の汚染水への暴露により発生している。2010年に報告のあった178人の患者のうち、死者は5人、入院が136人だった。2011年の上半期も89人と、依然として増加が続いている。2010年同期の報告数は63人だった ... 2010年に最も多くの患者が発生したのは、Canterbury の58 reported cases であったが、 an outbreak よりも少なく "cluster" classification, レベルだった。患者数は増加しているものの死者はそれほど増えておらず、感染が疑われた場合にすぐに受診することを勧めている。毎年、7-8人の死者を記録しているが、医療を受けない場合はさらに上昇すると説明した ...
関連項目 20110530.1658 20110525.1586

● クリミア・コンゴ出血熱 ロシア
PRO/AH/EDR> Crimean-Congo hem. fever - Russia (02): (ST) 20110805.2368
 情報源 Stavropolskaya Pravda [in Russian]、2011年7月26日
[Stavropol territory] 地域当局 The regional service of Rospotrebnadzor [Federal Service for Consumer Protection and Human Welfare] は、19名のクリミア・コンゴ出血熱 Crimean-Congo hemorrhagic fever (CCHF) について報告した。このうち 8名は、畜産業に従事していている間に感染した。他の11人は郊外での余暇の間の感染だった ...
[Mod.CP- the 2010 season 中の Mod.NP comment より: 
当局 The Federal Health Agency "Stavropol Research Institute Against Plague" は、過去2年間の the epizootic situation in Stavropol の解析結果について報告を行った。その中で、異常気候がダニの個体数増加を招き、生活環の変化を生じていると述べられている。特に CCHF のベクターである _Hyalomma marginatum_ の成長サイクルが 30-45日遅くなり、幼虫の大量発生が7月末になったため、the range of _Hyalomma marginatum_ が、the Stavropol territory 西部・北西部・中央部の新たな地域でも発生が確認されることとなった、とされている。2011年も同じ傾向が見られる可能性があり、CCHF 対策は、家畜や牧草地に対するより強力な disinfestation treatment にかかっていると言える]
参考項目 20100519.1664

● 炭疽 南スーダン
PRO/AH/EDR> Anthrax, human - South Sudan (02): (WB) 20110805.2367
 情報源 WHO South Sudan Weekly Report、2011年7月18日
今回の報告期間 [week 28, 12-18 Jul 2011] に ur River county [Western Bahr el Ghazal state] から新たに12人の皮膚炭疽 Anthrax 患者が報告された。[情報源にある] 図1に示したとおり、累積患者数は83人となったが、死者は報告されていない。発生のピークは5月で、一旦減少に向かっていたが今週再び増加に転じた。多くの患者が報告されているのは、Mabior Abiem, Maynang, Thaqueng, and Gieric villages(すべて Jur River county)である。

● エルシニア菌症 米国
PRO/AH/EDR> Yersiniosis, pasteurized milk - USA (02): (PA) 20110805.2366
 情報源 Beaver County (PA) Times、2011年8月4日
州保健当局は、Beaver and Allegheny counties の10人が、現地乳業者のミルクを摂取後、体調を崩しているとの情報を得た。Pennsylvania Department of Health の広報担当者は4日の電子メールで、Beaver County と Allegheny County [in western Pennsylvania] のそれぞれ5人が、Brunton Dairy (Independence Township) 製のガラス瓶入りの殺菌処理済のミルクを摂取した後、細菌により発病したと述べた。6月15日以降、1歳から75歳までの男性と女性各5人が、エルシニア _Yersinia enterocolitica_ 菌による下痢などの症状を発症した 
[Mod.LL- 殺菌処理に問題がなく、製乳所から細菌が検出されないとすると、汚染の原因は分からない。以前のこのような集団発生の際に行われた議論では post-pasteurization contamination による汚染の可能性が最も高いとされた。flavors of the milk であるのかについては記載がない。瓶入りミルクだったことは rat bite feverの病原体である _Streptobacillus moniliformis_ による有名な感染流行を思い出させる。マサチューセッツの地名に因み Haverhill fever と呼ばれたこの集団感染では、自宅に配達されたボトル入りミルクによって感染が拡大したが、配達先の戸外に置かれている間に、ビンの上の部分にネズミが触れたことでミルクが菌で汚染されたと見られている]
関連項目
Yersiniosis, pasteurized milk - USA: (PA) 20110803.2345

● サルモネラ感染症 米国
PRO/AH/EDR> Salmonellosis, serotype Heidelberg - USA (02): ground turkey, recall 20110805.2365
[1] CDC report
 情報源 CDC, _Salmonella_ homepage 、2011年8月4日
CDC は農務省食品安全監視局 the Department of Agriculture's Food Safety and Inspection Service(USDA-FSIS) と協力し、ground turkey が原因と見られる a multistate outbreak of _Salmonella_ Heidelberg infections の調査を行っている ... 
3月1日から8月3日までの合計76人の患者の内訳: AL (1), AZ (2), CA (6), GA (2), IA (1), IL (7), IN (1), KY (2), LA (1), MA (1), MI (10), MN (1), MO (2), MS (1), NC (1), NE (2), NV (1), NY (2), OH (10), OK (1), OR (1), PA (5), SD (3), TN (2), TX (9), and WI (3). ... 
54人中28人(54%) がシチメンチョウの挽肉 ground turkey を食べたと答えている。健康人に対する質問では、聞き取り前の1週間に食べた人の割合は11%だった。3月7日から6月27日までに、4か所の小売店で購入された 4 ground turkey samples の培養で the outbreak strain が検出された
[2] Recall
 情報源 Los Angeles (CA) Times 、2011年8月4日
食品大手の Cargill は、サルモネラ菌汚染の疑いのある 3600万ポンド以上の fresh and frozen ground turkey の自主回収を開始した。保健当局より _Salmonella [enterica_ serotype] Heidelberg による汚染の可能性があるとされたためで、このタイプのサルモネラ菌によりカリフォルニア California の男性1名が死亡し、ほか79人が発病している
関連項目
Salmonellosis, serotype Heidelberg - USA: ground turkey 20110730.2296

● 食中毒 トルコ
PRO/EDR> Foodborne illness, Russian tourists - Turkey: (AL) alert 20110805.2364
 情報源 Channel 6 News, BNO News report、2011年7月27日
トルコのリゾート地 Alanya [Antalya province] において食中毒と見られる症状により,100人近いロシア人観光客が医療機関を受診したと7月27日に当局が発表した。98人の旅行客らが発病し、8人は今も入院中である。当局はこの旅行客らの滞在先である the Club Gunes Garden hotel の飲食品のサンプルを採取した。2011年5月には港湾都市の Bodrum で、現地旅行会社が企画した船旅で bootleg whiskey を飲んだロシア人5人が死亡している。
[Mod.LL- 海外からの旅行客は食中毒に罹患しやすい。症状や潜伏期間など、もっと詳しい情報がないと、生物学的トキシン、毒物、ウイルス、細菌、寄生虫など、いずれの可能性もある病因についての推測が不可能である]

● ウエストナイルウイルス ギリシャ
PRO/AH/EDR> West Nile virus - Eurasia (04): Greece 20110805.2359
[1] Evidence of enzootic circulation of West Nile virus (Nea Santa-Greece-2010, lineage 2), Greece, May to July 2011
 情報源 Eurosurveillance Edition 2011; 16 (31)、2011年8月4日
要約
歩哨ニワトリ sentinel chickens の利用も含めたウエストナイルウイルス West Nile virus (WNV) のサーベイランスネットワークが、2011年5月から7月の期間中、Thessaloniki county, Greece, で実施された。2011年夏としては初めて7月6日に確認された a chicken WNV isolate が、分子学的に確定診断された。The partial NS3 sequence の部分が、2010年に central Macedonia [region] で確認された the Nea Santa-Greece-2010 WNV lineage 2,と同じだった。このことから、WNV は central Macedonia では、活動性の感染循環が継続しており、ギリシャ北部で越冬したことが示唆された。
[2] 成人1名の感染確認
 情報源 Greece Greek Reporter 、2011年7月29日。
the area of Karditsa, Greece で成人1名のウエストナイル脳炎 West Nile encephalitis 感染例が確認された。現地当局は直ちに感染対策に動いた。2010年に Central Macedonia [region] and Thessalia を中心に 257例の感染が確認され、そのうち 191人が重症脳炎を発症した ... the Hellenic Centers for Disease Control は報道関係者に対し、 the weekend 23/24 Jul [2011]、 only 6 infections in pigeons のみで、ヒトでの感染はないと報告していたが、7月24日、 the Hellenic CDCから、軽症の脳炎症状のある。the 1st human case of the summer period 2011 が発表された

● 肝炎 タジキスタン
PRO> Hepatitis - Tajikistan (02): background 20110805.2370
 情報源 GIDEON (Global Infectious Disease & Epidemiology Network)、2011年8月5日
20110804.2355 に関し。
a recent outbreak in Dushanbe の発生があったものの、タジキスタン及び周辺各国の B 型肝炎発生率は、1990年代以降相当減少しており、米国内とほぼ同じである。
興味深いことにこの(減少)傾向は、universal hepatitis B vaccination が導入される10年前から始まっている

● 東部ウマ脳炎 米国
PRO/AH/EDR> Eastern equine encephalitis - USA (02): (WA) 20110807.2387
 情報源 The Associated Press、2011年8月5日
ワシントン Washington 州 [あとで New York state に訂正:20110807.2395] 農業当局 The state Department of Agriculture and Markets によると、2011年の第1例目となる東部ウマ脳炎 Eastern equine encephalitis が Oneida County において確認された 

● 原因不明の疾患、ヒツジ、ヤギ パキスタン
PRO/AH/EDR> Undiagnosed disease, ovine, caprine - Pakistan: (PB) RFI 20110807.2390
 情報源 Dawn Com (Pakistan)、2011年8月5日
地域内で、ヤギとヒツジが感染症に襲われている。若いヤギやヒツジの outer lips にPimples(擦り傷? )が現れウジがわいている。獣医学当局はこれを感知しておらず、適当な病名をつけることすらしていないが、農業従事者らは現地語で "Thaddi" と呼んでいる ... senior veterinary officer は Thaddi は病気ではなく the cattle [おそらくヒツジやヤギの間違い] がとげのある草を食べようとして唇を怪我したもので、幼い動物は(よく知らずに)食べるため、唇にけがをした結果ウジが発生するのだと述べている。また、とげのある植物のない砂漠の地域から、ほとんどの植物にとげがある Chakwal に侵入した動物に起きているという。一方牧民の1人は Thaddi は雨期の小さな動物を襲う致死性疾患だと説明している。
[Mod.AS- ... 入手可能な公開情報では、現地語の "Thaddi" or "Thadi" は小反芻獣疫 PPR (Peste des petits ruminants; Ref 1) or 牛疫 rinderpest (Ref 2) と訳されている。ヒツジもヤギも感染していると報告されていることから、ウシに感染し、最近全世界での根絶が宣言された牛疫の可能性はきわめて低いと考えられる:ただし確認をお願いしたい。小型反芻動物に感染する PPR はパキスタンを含むインド亜大陸での地方感染が知られている]

● 大量死、コイ 米国
PRO/AH/EDR> Die-off, carp - USA (05): (MI): koi herpes virus 20110807.2386
 情報源 Livingston Daily.com、2011年8月4日
ミシガン州当局 The Michigan Department of Natural Resources は3日、6月に Kent Lake at Kensington Metropark で死亡して発見された検体から、コイヘルペスウイルスが確認されたと発表した。同湖では6月後半に、数日間で300から500匹のコイの死亡が確認されている。これまでに、州内の野生の魚類で Koi herpesvirus が確認されたことはなかったが、2003年に Grand Rapids 近郊の私有のコイ飼育池で発見されている。ヒトの健康への影響はない

● 腺疫 英国
PRO/AH/EDR> Strangles, equine - UK (02): (Scotland) 20110806.2371
 情報源 The Irvine Herald、2011年8月5日
East Ayrshire の複数の厩舎で、ウマのインフルエンザの1種である腺疫 strangles に2頭がが感染した。検疫体制が実施されている

● コーヒーの病気,炭疽病 ベトナム
PRO/PL> Anthracnose, coffee - Viet Nam: (DO) 20110805.2358
 情報源 Viet Nam News、2011年7月30日
約 6万haあまりの中央高地の the Central Highland province of Dak Nong のコーヒー畑のうち、30-40%のコーヒーの実が落果し、収穫量が数千トン減少するものと見られている。コナカイガラムシ mealy bug の1種の pseudococcus に感染し、ここ数年の多雨による湿度上昇と相まって、茎の腐食が起きたと考えられている
[Mod.DHA- ベトナムのコーヒーの anthracnose symptoms については多数の真菌の関与が確認されており、この中には _Glomerella cingulata_ (previously _Colletotrichum gloeosporioides_), _C. acutatum_, _C. capsici_, _C. boninense_ and a number of unknown species などが知られている]

● コショウの病気,Quick wilt 萎凋病 インド
PRO/PL> Quick wilt, black pepper - India: (GA) 20110805.2357
 情報源 The Times of India (TOI), Times News Network (TNN)、2011年8月2日
ゴアの栽培コショウ Goa's pepper crop に Foot rot disease の被害が発生し、専門家は30-40%の減産を見込んでいる。quick wilt とも呼ばれ、豪雨、適切な対策の遅れ、急速な感染拡大などにより、一部地域では全滅に近い状態になった。古くからの品種にはそれほど大きな被害が出ていない反面、収量増加のために改良された新しい品種が全滅した 
[Mod.DHA- Quick wilt (also called foot rot) of black pepper (_Piper nigrum_) は、真菌類似の病原体 _Phytophthora capsici_ を原因とし、インドのコショウに対し、最も深刻な影響を与える病気と考えられている]