2023年1月12日

原因不明の致死性疾患 パキスタン 髄膜炎疑い
エボラ ウガンダ WHO 終息宣言
鳥インフルエンザ,ヒト エクアドル H5N1 疑い
カンナビス中毒 米国 小児

● 原因不明の致死性疾患 パキスタン 髄膜炎疑い
PRO/EDR> Undiagnosed fatal illness - Pakistan: (PB) meningitis/meningoencephalitis susp, RFI
Archive Number: 20230112.8707766
[1] 情報源 Tribune 2023年1月6日
地域保健当局者 District Health Authority CEO によると,今週初め,the Mouza Tajpur Pirwala of Rukanpur area の同一コミュニティ内 within the same community のこども 6人を含む 12人の,髄膜炎 meningitis による死亡が報告された。死亡したのは 2歳から30歳であった ... 患者の症状と検査報告から,髄膜炎と診断されている ... 
[2] 情報源 Propakistani 1月6日
Basti Behram Leghari, Rukanpur の 12人の死亡についての医療検討会議で,死亡の原因が髄膜脳炎 meningoencephalitis と確定された ... 
[3] 情報源 Dawn 1月7日
Basti Behram Leghari で6日,新たに 8人が the Shaikh Zayed Medical College Hospital (SZMCH) に搬送された。子どもを中心に 10人以上の命が奪われた,先の原因不明の疾患の症状が認められている ... 
[4] 情報源 Dawn 1月8日
7日,同じ症状のある患者が 8人から 11人に増えたことを受け,Basti Behram Leghari の 12人の死亡について新たな会議が開かれた ... 
病院に搬送された合計 11人の患者の年齢 
The total 11 suspected patients so far shifted to the SZMCH are 
[10, 15, 60, 40, 60, 2, 18, 5, 1.5, 25, and 1.5 years old.] ... 
[5] 情報源 Nation 1月9日
the National Command and Operations Centre (NCOC) の指示により,the National Institute of Health (NIH) の専門家を含むチームが 8日,疫学調査と検体採取のため Rahim Yar Khan (RYK) に到着した。人獣共通感染症の可能性もあるため,動物からの検体も採取する。
[Mod.ML- Basti Behram Laghari village of Rahim Yar District, Pakistan において,原因不明の致死性疾患のアウトブレイクが発生している。Rahim Yar Khan (人口 almost 80万人 residents in 2017) は,パンジャブ州の同地域の中心都市 the capital city of Rahim Yar Khan District in Punjab Province, Pakistan で,患者が入院中の Sheikh Zaid Medical College は the city of Rahim Yar Khan にある。
これまでに 12人が死亡し,ほか 11人が入院となった疾患については,死者は主に小児で,入院患者の年齢は 1.5歳から60歳と幅広い。各報道で,髄膜炎または髄膜脳炎と記載されているが,臨床症状,検査結果,疫学などの詳しい情報が与えられていない。]

● エボラ ウガンダ WHO 終息宣言
PRO/AH/EDR> Ebola update (01): Uganda, WHO declares outbreak over
Archive Number: 20230112.8707763
[1] WHO declares end of Ebola outbreak
 情報源 The New York Times 2023年1月11日
The World Health Organization は 11日,4か月近くにわたって数十名の死者が発生したウガンダのエボラアウトブレイクが終息したことを宣言した declared the latest Ebola epidemic in Uganda over。今回のアウトブレイクは首都カンパラ Kampala を含む 9つの地域 districts に波及し,確定患者 142例と死者 55名が発生し,史上 2番目,過去 20年ぶり以上の最悪のアウトブレイク the worst Ebola outbreak となった。死者のうち 7名は医療従事者だった。
The WHO は,エボラ感染の潜伏期間の 2倍にあたる 42日間症例が報告されなかった no confirmed or probable cases 時点で,流行が終息したとみなす。
今回のアウトブレイクでは,初発感染例の特定と追跡が遅れた上,生命の危険やウイルス感染の発生自体についてさえも間違った情報が国民の間に拡散されたことから,対応に支障が生じた。また当局も,ウガンダ中央部にあるアウトブレイクの発生地のロックダウンについては,経済への影響やすでに COVID-19 対応に反発する住民からの怒りを避けるため,当初消極的だった。
今回のアウトブレイクは,認可されたワクチンや治療薬のないスーダン株 the Sudan strain of the virus によるもので,the WHO regional director for Africa は対応が困難である旨,発言していた ... 
致死率は約 50%,between 2014-16 の西アフリカでの史上最悪のアウトブレイクとその後 2018年に発生したコンゴ(民)のアウトブレイク,Ervebo vaccine は the Sudan strain には有効ではないことなど ... 
ウガンダは過去にも複数のアウトブレイクを経験しており,最も深刻な流行は 2000年に発生し,224人が死亡している。
今回の最新のアウトブレイクがはじめて報告されたのは,首都カンパラの西約 145 km にある the Mubende district の病院で感染例が確認された 2022年9月20日であった。24歳のこの男性患者は,高熱,胸痛,けいれんなどの症状を発症し,眼の出血を伴っていた。最終的に隔離されウイルス検査を受けるまでに,複数の医療施設を受診していた。男性は 9月19日に死亡した。ウガンダの当局者らは,発生地および周辺への制限の要求を何週間も拒んでいた ... 10月中旬にようやくウガンダの大統領が,夜間外出禁止と the epicenter of the outbreak とされた Mubende and Kassanda の 2つの地区からの移動および渡航禁止を命じた。しかしそれまでの間にウイルスは首都やビクトリア湖畔 on the shores of Lake Victoria の Jinja 市 を含む全国に拡大した。検疫中の患者の濃厚接触者の逃避もおこり,国際間の感染拡大をおそれて,米国はウガンダへの渡航者のスクリーニングを開始した。
11月後半に最後に確認された患者が退院して流行はコントロールされたと判断され,12月中旬に Mubende and Kassanda のロックダウンが解除された。
12月,3種類のワクチンが the WHO からウガンダに,the Sudan strain への有効性に関する臨床試験のために供与されたが,the vaccine candidates の到着が遅すぎたため,新規の感染例や濃厚接触者への投与は行われなかった with no new cases or contacts。
ウガンダ保健相は,以下のとおり述べた。
"Uganda is now free of active Ebola transmission,"  "But let's remain vigilant."
[Mod.LK- 米国の渡航制限も撤廃された
"The Department of Homeland Security said as of late November 2022 there have been no new confirmed Ebola disease cases reported in Uganda and 2 21-day incubation periods have passed and the restrictions were no longer necessary." (1)]
[厚労省・検疫所 FORTH]
[2] Response not over
 情報源 KEYT-TV, CNN report 2023年1月11日
同様の記事内容 ... 
Unanswered questions
アウトブレイクがあまりに早く終息したため,スーダンウイルスに対し最近開発されたワクチンの試験計画が阻まれてしまった。WHO はウガンダでの第 3相臨床試験を急いでいたが,すでに新規感染者の発生はなく,今後の研究の継続について話し合うことになった。生存患者らについては,体内のウイルス残存についてモニターが行われている。
ザイールウイルスによるアウトブレイク後の調査で,体外からの侵入者 foreign invaders に対する免疫反応が起こらない部位に,感染力のあるエボラウイルスが潜む可能性が示されている。いわゆる免疫回避部位 immune-privileged sites として,精巣などがある。
2021年のギニア Guinea でのエボラアウトブレイクについての遺伝学的解析では,アウトブレイク発生の原因が,5年前のアウトブレイク during the West African outbreak between 2014 and 2016 で感染した人物であった可能性が示され,Ebola Zaire infection が生存患者の一部の体内潜伏している可能性が示唆された。Ebola Sudan について,同じことが言えるかどうかは明らかではない ... 
研究者らは,コウモリがウイルスを保有する可能性があると考えているが,いまだ証明されていない。保有宿主が同定されれば,生息範囲をマッピングし,ヒトの感染例が発生しうる地域において,より良い準備が可能となる。 
"I hope that Uganda will be able to do some of that and answer a lot of these questions for us," 
 ... 原文参照願います。
関連項目 2022
Ebola update (45): Uganda 20221221.8707388

● 狂犬病 メキシコ 米国
PRO/AH/EDR> Rabies (04): Americas (Mexico, USA) wildlife, cat, dog, human exp, fatal
Archive Number: 20230112.8707757
メキシコ Mexico
[1] Oaxaca and Nayarit: bat, cat, human exposure
 情報源 Outbreak News Today 2022年12月31日
Oaxaca
メキシコ南西部 The state of Oaxaca, in southwestern Mexico で,12月に野生動物の咬傷による 4人の狂犬病 cases of human rabies が報告された。女性 1名小児 3名が州内で感染し,現地当局によるとこのうち 2人が危険な状態となっている。すべてコウモリによる咬傷が原因である。いずれの症例も the community of Palo de Lima, belonging to the Sierra Sur から報告された。保健当局者 health secretary in Oaxaca の話によれば,患者らは an "extremely marginalized" community(辺境地域)の住民だった。
Nayarit
The Nayarit government 当局によると,はじめてとなる,飼いネコによるヒトの狂犬病感染例 the 1st case of human rabies が,the Institute of Epidemiological Diagnosis and Reference (InDRE) で行われた検査で確定された。ペットのネコによる咬傷を受けた 29歳女性で,ネコはワクチンを接種しておらず,攻撃的な行動を示していた。11月13日,この29歳女性はワクチンを接種していなかった飼いネコに咬まれたが,ネコは攻撃的な行動を示し,3日後に死亡した。約 4週間後,患者に狂犬病に一致する神経症状が見られたと報告されている。現時点で女性の状態は安定しているが,残された命は限られている but with a reserved life prognosis
[2] Oaxaca: update on bat bite victims
 情報源 Daily Star 1月9日
コウモリに襲われた 2人の幼いきょうだいが,わずか数日の間をおいて死亡した。山岳部の村 the remote mountain village of Palo de Lima in Mexico の 8才女児が 7日死亡し,7歳の弟も 2022年12月28日に死亡していた。弟は Doctor Aurelio Valdivieso General hospital in Oaxaca に入院していたが,死亡するまで,検査で狂犬病 rabies と診断されていなかった。3人目の兄弟である 2歳の妹も,治療のため 9日間入院したが,現在退院している。この女児も,他の 2人のきょうだいを襲ったコウモリにより背中に咬傷を受けていた。3人はともに 12月初旬に咬傷を受け,その後しばらくして later 同月中に祖父が病院を受診させていた。貧困のためすぐに病院受診をさせることができなかったと,当局者が説明している ... 
米国 USA
[3] New Jersey (Middlesex County): dog, raccoon
 情報源 NJ.com 1月4日
[4] Arizona (Pinal County): bobcat, human exposure
 情報源 AZ Central 1月4日
[5] Virginia (Chesapeake): fox, human exposure
 情報源 WTKR.com 1月6日
[6] Georgia (Habersham County): kitten, human exposure
 情報源 Now Habersham 1月7日
[7] Virginia (Rockingham County): cat, possible human exposure
 情報源 Augusta Free Press 1月10日
 ... 原文参照願います。

● 鳥インフルエンザ,ヒト エクアドル H5N1 疑い

PRO/AH/EDR> Avian influenza, human (02): Americas (Ecuador) H5N1 susp, RFI
Archive Number: 20230112.8707760
 情報源 Reuters 2023年1月10日
エクアドル Ecuador で国内初となる 9歳女児の鳥インフルエンザ感染例 its 1st case of human transmission of bird flu が確認されたと,10日保健省 the Health Ministry が明らかにした。同国が動物衛生緊急事態 an animal health emergency を宣言して 1か月後に,まれなヒトでの感染が発生した ... 女児の健康状態についての報告はない ... 
関連項目 
Avian influenza (06): Americas (Ecuador, Chile) poultry, wild bird, HPAI H5N1 20230111.8707753

● カンナビス中毒 米国 小児

PRO/EDR> Cannabis poisoning - USA: child, increased cases, edibles
Archive Number: 20230112.8707758
 情報源 Washington Post 2023年1月3日
6歳未満のこどもらが食用大麻 edible cannabis products を誤食する事例が,2017年の 217件から,2021年には 3054件と,約 13倍の増加があったことが,the journal Pediatrics 掲載のデータ研究 a study of national poison control data で示された。5年間の累計の件数は 7043件だった。the National Poison Data System (NPDS) データシステムが把握する,年間 85万件以上のこの年齢層の毒物暴露の中で占める割合は小さいながら,急増している。いくつかの考えられる増加の原因として: Edible cannabis products が,子どもの注意を引きやすいお菓子のような包装である come in child-appealing forms, such as colorful gummy candies or tasty desserts; 子どもが開けにくい包装になっていない; recreational marijuana マリファナを合法化する州が増えている ... 
あるケースでは,近所の食料品店で選んだシリアル a colorful crispy cereal treat で中毒症状となったが,保護者は麻 hemp から抽出される delta-8, a form of THC (tetrahydrocannabino) が入っていることに気づいていなかった... やや長文です。

● ダイズの病気 米国 Tobacco ringspot virus
PRO/PL> Tobacco ringspot virus, soybean - USA: (IN) atypical
Archive Number: 20230112.8707759
 情報源 Indiana Prairie Farmer 2022年12月23日
3年以上前から,少数のダイズ栽培農園の一部で,収穫が近い時期に異常な症状が確認されていた。品種を問わず,他に比べて緑色のままで,spindly with few nodes, and have small pods の状態だった。明らかな収量の減少はなく,被害も広がらなかったが,毎年同じ状況が繰り返されている。当初,tobacco ringspot virus (TRSV) に類似する症状と考えられており,2021年に Purdue Plant and Pest Diagnostic Laboratory の検査でも TRSV が強く疑われたが,結論には至らず,2度目の検体採取では TRSV は検出されず ... 
So far, the cause of the symptoms remains unclear