2007年2月15日

インフルエンザ 交叉免疫、ワクチン
E 型肝炎 スペイン、ブタのキャリア

● 腸チフス アフガニスタン、サモア
PRO/EDR> Typhoid fever update 2007 (05) 20070215.0570
[1] アフガニスタン(ゴール Gohr 州)
 情報源 XinHuaNet、2月15日。
アフガニスタン中央部 Ghor 州で、過去 10 日間に、死者 5人と約 200人以上の感染が発生し、多くはこどもであると、2007年 2月14日の地元紙が伝えた。Charscada 地区で 10日前に感染流行が発生し、医師団が派遣された。
[2] フィジー、ニュージーランド サモアからの輸入例
 情報源 NIU FM News、2月14日。
オークランドの上級衛生官は、大洋州への旅行者に、腸チフスワクチン接種を受けるよう注意を呼びかけている。現在発生中の腸チフス感染症例は、太平洋の島々、とりわけサモアから来たものと思われると述べた。両国は新たな患者発生防止のため協力しており、旅行者に注意するよう呼びかけている。腸チフスはフィジーにおいても問題化しており、最近発生した洪水のため腸チフス患者が増加する可能性がある。

● HIV カザフスタン、院内感染
PRO/EDR> HIV, nosocomial transmission - Kazakhstan 20070215.0569
 情報源 News Agency Radio Freedom [trans.]、2月14日
Kazakhstan: HIV outbreak in Kazakh children and their mothers 母子感染集団発生
カザフスタン南部で新たな HIV ウイルス感染が報告されている。同地域の小児の患者数は 91名[前回投稿の 2006年 10月の 72人から増加] である。小児らは以前からの入院患者で、年齢は 1才から 5才である。既に 8人が死亡した。地元の病院での治療を受けていた、子供らの母親のうち13人も HIV に感染した[20006年10月には7人であった]。HIV ウイルスに汚染された血液による感染の結果、HIV 感染が拡大していると考えられている。以下、ディスポーザブル器具の再使用も疑われていることなど。地域の中心都市 Shymkent では、2007年1月中旬以降、医療スタッフの犯罪的怠慢行為を調査する法的措置が実施され、合計 21人の医療施設の従業員が起訴されることになっている。
地図 カザフスタンの南端 Shymkent

● サルモネラ感染症 米国、ピーナッツバター(2件)
PRO/AH/EDR> Salmonellosis, serotype Tennessee, peanut butter - USA (multistate) (02) 20070215.0568
 情報源 New York Times、2007年2月15日。
ConAgra Foods Inc. 社は、サルモネラ症との関連が疑われる中、消費者に製造番号が "2111" ではじまる、Peter Pan および Great Value ピーナッツバターを廃棄するよう呼びかけている。2006年 8月以降、39の州で 288人の患者が発生したとされるサルモネラ症は、同社の ジョージア州 Sylvester の工場で生産されたピーナッツバターの汚染に関連性が認められた。混入の経緯は調査中となっている。以下、CDC の見解、 20%が入院を要したが死亡例はなく、患者の約85% がピーナッツバターを食べていたこと、発生した州名など

PRO/AH/EDR> Salmonellosis, serotype Tennessee, peanut butter - USA (multistate) 20070215.0563
[1] 患者 100人以上:Reuters.com、2007年2月14日
保健当局は、37の州の 100人以上のサルモネラ症とピーナツバターとの関連を調査中と発表。Peter Pan ブランドのピーナッツバターを製造する ConAgra Fooods 社の広報担当者は、同社が感染源である可能性について、FDA と CDC が調査していることを明らかにした。
[2] ピーナッツバター:FDA News、2007年2月14日
FDAは、Peter Pan ピーナッツバターと Great Value ピーナッツバター の一部に、サルモネラ菌Tennessee 型汚染の恐れがあるとして、摂取しないよう消費者に呼びかけている。

● インフルエンザ 交叉免疫、ワクチン(2件)

PRO> Influenza virus, cross-protection 20070215.0562
 情報源 PLoS Medicine, Vol. 4, issue 2, February 2007 [URLなし]
Cross-reactive neuraminidase antibodies and protection
"Cross-Reactive Neuraminidase Antibodies Afford Partial Protection against H5N1 in Mice and Are Present in Unexposed Humans (マウスにおける交叉反応性ノイラミニダーゼ抗体による H5N1 に対する部分的防御効果と、非暴露者における獲得)" というタイトルの論文が掲載された。著者は、米国テネシー州メンフィスにあるセントジュード小児病院感染症科 Matthew R. Sandbulte らである。H5N1 型ウイルス曝露に対する免疫応答と、マウスにおける交叉免疫の解析に関する論文である。
背景
H5N1 型パンデミックインフルエンザ感染流行は、一般人口にトリ由来のウイルスに対する免疫がないため、容易に拡大する可能性がある。この状況は、血球凝集素を 介した免疫に関連する可能性があるが、H5N1型ウイルスのノイラミニダーゼ(avN1) と、endemic なヒト H1N1 型ウイルスのノイラミニダーゼ (huN1) は、同じ血清型に分類されている。huN1に対する免疫応答が、H5N1型インフルエンザウイルス感染時に、交叉感染防御効果に作用するとい う仮説を立てた。
方法と結果
DNA ワクチン接種により、マウスを現在のヒト H1N1 型ウイルス株のノイラミニダーゼ NA に対する免疫を付 与した。これらのマウスに、huN1 (PR8-huN1) もしくは avN1 (PR-8avN1) を有する(bearing) 組み替えインフルエンザウイルス A/Puerto Rico/8/34 (PR8)、または、H5N1 型ウイルスA/Vietnam/1203/04 に感染させた。免疫されていない別のマウス(純粋マウス)に、ワクチン接種さ れたマウスの血清を接種した後、H5N1 型に感染させた。また、ヒトの血清検体で、avN1 に対する反応性が調べられた。接種により、huN1 に対する血 清IgG増加し、同族の(homologous ) 感染ウイルスに対する十分な防御効果が認められた。予防接種が行われたマウスは、H5N1 型ウイルスもしくは組み替え型 PR8-avN1 ウイルスの感染死に対して、部分的防御効果を示した。免疫されたマウスから純粋マウスに接種された血清によって、同様の H5N 1型による死亡に対する防御効果が認められ た。ヒトの血清の解析から、一部のヒトに、avN1 のシアリダーゼ sialidase 活性を抑制する抗体が存在することが示された。
結論
ほ乳類の宿主において、huN1による体液性免疫が、H5N1 型ウイルス感染に対して、部分的な防御効果を示す可能性が示された。得られた結果から、一部の ヒトには、ある程度の H5N1 型インフルエンザに対する抵抗性があり、これは季節性インフルエンザに対するワクチン接種によって、誘導もしくは増強されてきた可能性が示唆された。
[Mod.CP- インフルエンザビリオン virion のノイラミニダーゼ成分の交叉防御効果作用の可能性に関する疑問は以前にも検討されており、未解決のままであった。鳥及び人インフルエンザウイルスを使っ た、上記のマウスの実験においては、液性免疫の交叉防御作用の可能性と、現存する[* 原文の exiting は、exisiting の間違い?]、N1を含有する季節性インフルエンザウイルスワクチンによる予防接種が、現在の H5N1 型鳥イ ンフルエンザに対して部分的防御効果を供与する可能性が示された。]

インフルエンザワクチン 2007/2008-北半球
PRO> Influenza vaccine 2007/2008 - N Hemisphere 20070215.0566
 情報源 World Health Organisation (WHO), CSR, recommendations、2月15日。
2007/2008年の北半球のインフルエンザシーズンに使用する、インフルエンザウイルスワクチン株の推奨される構成成分
 - an A/Solomon Islands/3/2006 (H1N1)-like virus;
 - an A/Wisconsin/67/2005 (H3N2)-like virus*;
 - a B/Malaysia/2506/2004-like virus

● 病原大腸菌 オーストラリア O157
PRO/AH/EDR> E. coli O157, unknown source - Australia (SA) (03) 20070215.0565
 投稿者 Dr. Ann Koehler Director, Communicable Disease Control Branch Dept of Health, South Australia、2007年2月15日。
南オーストラリア州の感染流行は、病原性大腸菌 O157 に関連している。志賀毒素遺伝子に相同する特徴を備えた、11症例が確認された。HUS は発生して いない。以前に分離された 4つの株のパルスフィールドゲル電気泳動 [PFGE] は、異なったパターンを呈している。しかし、1995年の大規模な流行時 (O111によるものであった)においても、複数の PFGE パターンが認められている。疫学調査は継続されている。現時点では感染源の特定はされていない が、牛肉や精肉製品の疑いは少なくなっている。

● E 型肝炎 スペイン、ブタのキャリア

PRO/AH/EDR> Hepatitis E, porcine carriers - Spain 20070215.0561
 情報源 PigProgress.net 、2月13日。
Hepatitis E common in Spanish pigs スペインのブタに E 型肝炎拡がる
バ ルセロナ大学のスペインの研究者らは、国内の養豚産業に E 型肝炎のウイルスが、広く感染していることを指摘した。同ウイルスの根絶は困難となったことも危惧している。同大学の獣医学部は、スペインのブタの中で、 E型肝炎ウイルス感染がどの程度拡がっているかについて調査した。このウイルスはブタからヒトに感染し、重症肝疾患の原因となる可能性がある。スペインの 41カ所の養豚場において、E 型肝炎感染の証拠を、ELIZA 検査を用いて調査を行った。このうち 40カ所で、ブタが E 型肝炎ウイルス抗体を保有しており、97.6% の養豚場で現在または過去に同ウイルスが存在したことが判った。とりわけ、高年齢の雌ブタは同ウイルスを保有しており、60.8% の個体でウイルスが保持されていた。生後 6週以下の若い子豚は 36.2%、年齢が上の子ブタでは感染率が上昇した。スペインの養豚業界に E型肝炎が土着感染する可能性のあることを指摘した。
[Mod.AS- 背景の情報については、前稿 20050822.2477(チャドの E 型肝炎)の Mod.CP によるコメントがある: E 型肝炎は多くの途上国において、公衆衛生上の重要な問題である。小さな一本鎖 RNA の、カリシウイルス様の腸管ウイルスによる E 型肝炎は、現在分離された Hepevivirus 属に分類されている。E 型肝炎ウイルスは糞口感染経路で伝播され、上水道の糞便による汚染に関連して発生する。E 型肝炎による死亡率は、貧しい社会の妊婦においては 25%に達するが、一般にはもっと低い。E 型肝炎の発病自体は、医療制度が進んだ国ではまれにしか発生しないが、健康な人での血清中の抗体保有率は高率であることもある。E 型肝炎は、上水道の清浄化と、適切な下水処理施設があれば、ほとんどコントロール可能である。しかし、E型肝炎ウイルスが人獣共通感染症の病原体でもあ り、野生動物の中に保有動物が存在するとの証拠が多く見つかっている。飼育及び野生動物の多くの種で、抗E型肝炎ウイルス抗体が保有されており、ヒトの E 型肝炎ウイルスに近縁の、動物の E 型肝炎ウイルスが分離されている。トリの E 型肝炎ウイルスとヒトのウイルスは、やや遠縁にあることが判っている。ブタは、このウイルスの主要な保有宿主であり、ブタを取り扱う職種や獣医師は、感染 するリスクが極めて高く、、高い抗体保有レベルがそれを表している。さらに、日本においては、ブタや野生のイノシシの生食と関連した急性 E 型肝炎の事例が発生している。効率的な細胞培養法がないことが、ワクチン及び治療薬の開発を妨げている。さらに前の投稿 (20041128.3183; E 型肝炎死亡例、日本 ・ 北海道)に対する Mod.CP のコメントでは: "E型肝炎ウイルス感染は、日本の各地の飼育・野生いずれ のブタにおいても普遍的に発生している;このため、全ての豚肉(イノシシ肉)は十分に調理して食べる必要がある" とある。ブタは、このウイルスに感染しても臨床症状を呈さないようであるが、保有宿主となっている疑いがある]

●  狂犬病 ベラルーシ共和国、ロシア
PRO/AH/EDR> Rabies, animals - Belarus 20070215.0574
 情報源 News agency Belorusskie noviny [trans.]、2月13日
共和国衛生疫学公衆衛生センターによると、動物の狂犬病症例 91件が、2007年 1月の間に報告された。Brest 地方 9件, Vitebsk 地方 22件 , Gomel 地方 18件, Grodno 地方 11件, Minsk 地方 12件, Mogilyov 地方 19件となっている。首都 Minsk での報告はない。報告の多くはキツネで、ついで飼育されているイヌおよびネコに多い。テン3匹とヤマネコ1匹の報告がある。2006年、2名が狂犬病で死亡している。
[Mod.AS- ベラルーシ共和国の狂犬病感染状況は落ち着いている WHO のウェブサイトで参照できる.動物に対する経口ワクチンをベラルーシ共和国で実施が検討されようとしているか知る手助けになるだろう]

PRO/AH/EDR> Rabies, animals - Russia (Multi-region) 20070215.0573
[1] ロシア (チェリャビンスク Chelyabinsk region)
Rabies Situation aggravated in Southern Urals
 情報源 News agency Chelyabinsk.ru [trans.]、2月13日。
[チェリヤビンスク地方] Kizilskiy 地区で、1匹の狂犬病のキツネがウシ1頭を咬んだ。感染したウシとの接触者がワクチンを接種されている。2007年、同地方ではすでに7ヶ所で狂犬病の発生が報告されている。
[2] ロシア (ダゲスタン Dagestan), ウシ
Outbreak of rabies registered in the Dakhadevsky district of Dagestan
 情報源 News agency Regions.ru [trans.]、2月12日。
同地域で数頭のウシが死亡したことを受け、住民らは医療機関を受診している。狂犬病ワクチンが接種された。
[3] ロシア (Rostov region)
7 cases of rabies among animals recorded for the week in the Rostov region
 情報源 News agency YugMedia [trans.]、2月12日。
2007年 2月5-11日の間に、Rostov 地方で 7件の動物の狂犬病感染事例が報告された。2月6日、1匹の死亡したキツネが同地方北部で発見され、狂犬病感染が判明した。7日には、Zavetinsliy 地区の農場で1頭のウシの感染が判明した。2007年1月にある農場で見つかっている1匹のキツネによる感染と考えられる。7日、Salsk 地区で狂犬病のオオカミ1匹が処分された。そのほか、Belaya
Kalitva 市で死亡していた複数の野良犬や、Zymovnikovskiy, Myllerovskiy および Kujbyshevskiy 市で射殺されたキツネ3匹の狂犬病が確認されている。
[Mod.NP- チェリヤビンスク地方は、ヨーロッパやアジアに接したロシアの中心部にある; 以下詳細な地勢の説明。記事の内容は、診断方法が記載されていない、潜伏期間が短すぎるなど、整合性に欠けている、など]

● 鳥インフルエンザ 英国、ハンガリー、インドネシア
PRO/AH/EDR> Avian influenza (34): UK (England), Hungary, Indonesia (Madura) 20070215.0572
[1] 2 outbreaks of H5N1 avian influenza in farm geese, Hungary, January 2007
2007年1月、ハンガリー農場のガチョウで 2件の H5N1型感染流行
 情報源 Eurosurveillance, vol 12, issue 2、2月15日。
1. 第1の感染流行
2007 年1月21日、(ハンガリー南部 Csongrad 郡)Lapisto 村に近い、1農場のガチョウの死亡が増加していることが、獣医学当局に報告された。 3355羽からなる群れで、1月19日に2羽が死亡し、以後20日に8羽、21日に18羽が死亡した。調査に入った21日には、神経学的所見を有するトリ 30羽以上が発見された。以後、とられた対策の説明(中略)。国内およびWeybridgeの検査室で高病原性 H5N1型鳥インフルエンザウイルスが確認される。従業員らは鳥インフルエンザの処分に際し、必要な防護策(すなわち、頭部の覆いがついたタイベック防護服 Tyvec overall with headwear, ゴム長靴, 厚手の作業用ゴム手袋, FFP3 filterがついた呼吸器保護材)を用意されたが、すべての推奨された衛生手順を遵守せず、ウイルスとの接触が否定できなかったため、ウイルスの結果判明後に予防的治療薬が投与された。
2. 第2の感染流行
2007年1月25日、獣医学当局は、第1の流行発生地から9km離れた Derekegyhaza のガチョウ農場で新たな鳥インフルエンザが疑われる感染流行の通報を受けた。生後4週の 6000羽と、8週の3386羽のガチョウの群れであった。以後、死亡数の増加と処分、A/H5N1 型と確定されたこと、処分に当たった者は手順どおりであったため、予防内服は行われなかったことなど。
[2] Outbreaks of highly pathogenic avian influenza (A/H5N1) in commercial poultry in Hungary and the UK; public health implications?
英国およびハンガリー、起源の論争、ヒトの健康面
 情報源 Eurosurveillance, vol 12, issue 2、2月15日。
2006 年にも発生しているハンガリーの流行発生はそれほど驚かれなかったが、英国サフォーク州の大規模シチメンチョウ農場での発生例は、同国初でもあり注目を集めている。当初言われた野鳥によるものだとすれば、EUの広い範囲の野鳥に鳥インフルエンザ感染が拡大しているはずである。野鳥からの隔離が困難な庭先飼育をする農家にとっても問題となる。しかし、英国の農場は野鳥と接触しない閉鎖式であり、一方EU内の野鳥サーベイランスにおいて数ヶ月にわたって H5N1型陽性の個体は確認されていない。英国とハンガリーで分離された鳥インフルエンザウイルスは、96.96%の割合で一致した。現在、感染の経路や方向などが、EUと両国の調査対象となっている。当局は家禽と処分作業員の防御とを優先課題としている。一般市民へのリスクはほとんどなく、欧州の家禽飼育をおこなうものには低いながら現実的リスクが存在する。
野鳥での鳥インフルエンザ サーベイランス地図
[3] 家禽所有者への重要なメッセージ、2006年
 情報源 Eurosurveillance, vol 12, issue 2、2月15日。
自分と家族を守るために
-自宅にトリを入れない、子供への周知教育、病鳥/死鳥を自ら処理しない、やむを得ず処理する場合の装備や手順、感染経路の説明、過酸化物 (Virkon S)・ 有機酸化合物 (Farm Fluid S) ・ グルタールアルデヒド (Parvocide Plus) ・ ヨード化合物などによるケージ等の消毒、発病または病死したトリは調理しても食べないことと、発熱 ・ せき ・ 咽頭痛があれば医師の相談すること。
[4] インドネシア/東ジャワ州、マデラ Madura 島
Some poultry culled in Bangkalan, Madura
 情報源 Antara News、2月15日。
インドネシア東ジャワ州マデラ島 Bangkalan で、鳥インフルエンザが確認されたことを受け、約50羽の家禽が処分された。同地区でのヒト感染患者は発生していない。

● 旋回病、魚類 米国
PRO/AH/EDR> Whirling disease, fish - USA (MD Maryland) 20070215.0571
 情報源 The Baltimoresun.com、2月15日
Parasite infects 80 000 MD trout; Whirling disease forces killings at hatcheries and lowers spring stocks
マス8万匹、寄生虫に感染; 孵化場で旋回病による死亡増加、春用のストック目減り
マスの椎骨や頭蓋骨の変形を起こし、このため死ぬまで回りながら泳ぐようになる寄生虫が、メリーランド州西部の 2つの孵化場の 8万匹に感染したと、州当局社 2007年 2月14日に明らかにした。”旋回病 whirling disease ” は西部の州でマスの個体数を激減させ、2カ所の孵化場から流れを下った、ポトマック川の北の支流でも確認されていると、述べた。以下、多 数の場所で検査が行われている事について(中略)。寄生虫の _Myxobolus cerebralis_ は、ヒトや他の種の魚にはリスクはない。孵化場へは、トリやクマの脚についた土壌によって感染拡大した可能性がある。以下、歴史、 経過など。この寄生虫はマスの幼魚の頭蓋骨や椎骨に寄生し、体を湾曲させ、頭部を変形させ、尾を黒色化させる。成魚まで生き延びた個体は寄生虫を保有し、 増殖させ、死亡時に水中に多数の芽胞を放出する。この芽胞は微少な虫に食べられ、成長して魚に感染するまで虫の体内で過ごす。

●  口蹄疫、ウシ マレーシア
PRO/AH/EDR> Foot & mouth disease, bovine - Malaysia (Peninsular) (02) 20070215.0564
 情報源 New Straits Times、2月15日
Kelantan 州では 2007年初の、Jeli の 24頭のウシの口蹄疫感染 確定報告
2007 年1月31日、Batu Melintang 近郊の Kampun Air Satan の 6軒の飼育者が保有するウシで、最新の口蹄疫症例の発生報告があったと、Kelantan 獣医学局副部長が述べた。2006年、同部署では 28件の口蹄疫により、184頭が感染した。同州には 4万以上の飼育者がいて、約 11万頭のウシが飼われている。