◎ メタノール:エタノールによる早期治療

メタノール中毒の症状,エタノールによる早期治療の可能性

PRO/EDR> Alcohol contamination, fatal - Ecuador: methanol
Archive Number: 20110830.2667
 情報源 Associated Press、2011年8月29日。
アルコールにより48人が死亡し500人以上が被害を受け、一部は永久に視力を失った。
[Mod.TG- Methanol (wood alcohol) は木の乾溜 the destructive distillation によって得られる。メタノールは車のウォッシャー液、 ガソリン添加物など広い用途で使われている。
メタノール中毒 methanol toxicity の集団発生は、メタノールが混入したウィスキー methanol-contaminated whiskey などのアルコール飲料の摂取により起きる。2種類の有毒代謝物 toxic metabolites, ホルムアルデヒド formaldehyde とホルム酸 formic acid が生成されメタノール中毒が発生する。除去率 elimination rate は葉酸プール the folate pool に依存し,一般に霊長類 (の葉酸プール) は小さく、ヒトを含めて霊長類は他の動物に比べてメタノール毒性への感受性が高い。40% 溶液を15ml(小さじ3杯)飲んで死亡した例が報告されているが、一般には最低致死量は30ml とされている。積極的な治療を行うことで 500-600 ml を飲んでも救命可能だが、わずか 10 ml でも失明することがあり、個人の耐用量に左右される。消化管からの吸収がよく、30-90分後に血中レベルがピークとなって各組織に分布し、硝子体液 the vitreous humor と視神経 optic nerve は高濃度となる。最も高濃度となるのは腎臓、肝臓、消化管で、脳と筋肉、脂肪は低い。メタノールの酸化はエタノールの10倍以上遅く、longer elimination half-life となる。発症の時期は摂取から40分後から72時間後までと幅広く、同時に摂取したものにより変わる。しかし症状がないことで重症を除外することはできない。通常の潜伏期間は12-24時間である。
臨床症状としては、頭痛、めまい、気力低下、意識混濁など、軽度から中等度のエタノール中毒と同じ症状である。重症例では脳浮腫によると考えられる昏睡やけいれんが見られる。エタノールと異なり多幸感は得られない。かすみ目 Blurred vision、視力低下 decreased visual acuity、光線過敏 photophobia などを訴えることが多い。視野狭窄、瞳孔固定と散瞳、網膜浮腫、視神経板の充血などの所見が認められる。直ちに治療を行うことが症状回復に必須であるが、視力障害 visual defects は重症例の最大 25%で永続する。メタノールは粘膜を刺激するため、嘔気、嘔吐、腹痛の原因となる。発症初期の段階では、催吐剤 ipecac による腸管からの異物除去 gut decontamination や胃洗浄も適応がある。しかし、メタノールとエタノールが混ぜられている場合、これらの治療が有効な早期の段階で患者が異変に気づく可能性はほとんどない。10%デキストロース dextrose 溶液にエタノールを加えた静脈注射が有効である可能性がある。エタノールは、メタノールの the elimination half-life を延長させるため、この治療は数日間かかり、その間患者は入院が必要となる。腎不全の回避のために透析も必要となる。血液透析は an effective treatment である]

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