2012年10月2日

チクングニア熱 -イエメン
アスペルギルス髄膜炎-米国、薬剤の汚染
狂犬病ーナイジェリア、ペルー

● チクングニア熱 -イエメン
PRO/EDR> Chikungunya (16): Yemen (Taiz)
Archive Number: 20121002.1320427
 情報源 News Yemen [In Arabic]、2012年10月1日。
政府保健当局者 the Director of Health は、関係各局に対し、"almkrvs" (疾患名) の報告があった Villages of Sharhab, Alrona, Taiz (Governorate) において、(dengue/chikungunya に対する) 感染対策を実施するよう指示したことを明らかにした: 9月27日までに 36 cases が報告されている。
[Corr.SB-イエメンにおいて "almkrvs、bone-breaker を意味する" の語が、chikungunya virus infections を表す用語として使用されており、dengue に対しては "damal Dank" という言葉が用いられている]。
the Directorate Sharhab Alrona in Taiz では数十家族が chikungunya disease "almkrvs," (bone-breaker) に感染している ... 2週間前から、医療施設の乏しい地域で感染が拡大している ...
[Mod.TY- the word "almkrvs" が the local term for chikungunya virus infections であったとしても、デング熱も同時に発生している可能性がある。イエメンではこれまでに何度も several previous outbreaks of dengue が発生している (比較的新しい流行 20120704.1189075)]

● C型肝炎-インド
PRO/EDR> Hepatitis C - India: (PB), high incidence 20121002.1320417
3100 hepatitis C cases, only 87 stated
 情報源 Hindustan Times、2012年10月 1日。
1600 in Baghapurana, 600 in Langeana village, 900 in Badhni Kalan town、および周辺の、多くの貧しい人々が、C型肝炎 hepatitis C のウイルス感染により発病しているが、保健当局は Baghapurana, Badhni Kalan and Nihal Singh Wala の各市民病院に肝炎検査施設を設置することなく流行に対応しようとしており、同調査チームが把握しているのはわずか 87例のみである ... Langeana では合計 4人の住民が、村内のキャンプでの献血で、肝炎の感染が判明した。過去 10年間、保健当局は C型肝炎の検査施設の設置 any camp for the hepatitis-C examination を一切行ってこなかった、とされている

● ムンプス-エジプト ワクチン不足
PRO/EDR> Mumps - Egypt: vaccine shortage 20121002.1320324
Egyptian Children Face Mumps Outbreak
 情報源 The Disease Daily、2012年10月 1日。
Marashda [official name Al Marāshidah located in Qina governorate] では100人以上の小児 (with 43 cases and 70 infections reported ?) のムンプス Mumps 感染が報告されている。保健省は深刻な流行ではないとしているものの、多数の児童が感染を避けるため学校を欠席している ... 今回の流行は、エジプト国内のワクチンが不足する中で発生した。行政側の問題で、期限切れワクチンの交換に遅れが生じている。私立病院では接種可能であるが、多くの患者にとって費用が高額なため接種できない事態となっている
 
● エボラウイルス病-コンゴ(民)
PRO/AH/EDR> Ebola virus disease - Congo DR (17): (OR) 20121002.1320245
 情報源 Times Live, South African Press Association (SAPA)-Agence France-Presse (AFP) report、2012年10月1日。
コンゴ民主共和国 the Democratic Republic of Congo (DRC) のエボラウイルス感染流行 An outbreak of Ebola virus disease において、感染が疑われる患者 81人のうち、死者は最大 36人に達する可能性がある、と 1日保健省が発表した。9月 29日の時点で 20人の感染が確定された患者の他、32 likely and 29 suspected が登録されている。死亡した患者 36人のうち、10人についてはウイルス感染が直接の死因であったことが確かめられている。8月中旬に the eastern Orientale province で初めて発生が確認されて以来、健康監視が行われている患者の数は 216人に達している。患者の大多数が the town of Isiro および周辺地域の住民である。1976年に病名の由来となった河川の近くで初めて報告されてから、DRC では 8件の outbreaks of Ebola が報告されている。
[Mod.CP- 9月27日の保健省の報告は 79例で、そのうち 19例が検査で確定されたほか、 32 probable but not yet confirmed cases, and 28 suspected cases で構成されていた。すなわちそれから 72時間で、1名が確定診断され、1例の感染が疑われ、可能性例の数は変わっていない事になる ... 感染流行中の死者は33人から 36人に増えているが、エボラウイルス感染による死亡は10人未満のままである]
関連項目 (16): (OR) 20120928.1314555

● サルモネラ感染症-オランダ、米国 ギリシャから スモークサーモン
PRO/AH/EDR> Salmonellosis - Netherlands, USA ex Greece: smoked salmon, alert, recall 20121002.1320025
[1] オランダ Netherlands
 情報源 BBC News、2012年10月2日。
オランダ the Netherlands のスモークサーモン Dutch smoked salmon を食べたオランダおよび米国の数百人が、サルモネラ感染症 salmonellosis に感染したとオランダの保健当局が発表した。オランダで約 200人、米国で約 100人が発病したことを発表した the National Institute for Public Health (RIVM) は、これは the "tip of the iceberg" にすぎない可能性もある、としている。オランダの魚加工業者 Foppen が製造したスモークサーモンの、小売店からの回収が行われている。Foppen 社は、流通大手の Heijn を含む主要スーパーマーケットチェーンにこの商品を提供していた。
[2] 米国 USA ex Netherlands
 情報源 NY Daily News, Associated Press (AP) report、2012年10月2日。
サルモネラ菌 salmonellae に汚染されたスモークサーモンにより、オランダと米国で多数の患者が発生し、大規模な商品の回収が行われていることが、2日、The National Institute for Public Health and the Environment から明らかにされた。Dutch company Foppen 社の製品で、オランダ国内のスーパーの他、米国を含む世界中で販売されていた ... 米国内の販売先は wholesaler Costco のみ、とされている ... 同社の原因調査で、(ギリシャ国内の) 工場の生産ラインが疑われている
[Mod.LL- 報告開始の時点でかなり大規模なこの感染流行において、サルモネラ菌の型 The serotype of _S. enterica_ に触れられていない。今のところ、米国政府当局や Costco による注意喚起や商品回収の動きはないようである。食用魚によるサルモネラ症感染流行は一般的ではなく、捕獲後に魚類が汚染されたことが原因である可能性が高い]

● アスペルギルス髄膜炎-米国、薬剤の汚染
PRO/EDR> Aspergillus meningitis - USA: (TN, NC) contaminated drug 20121002.1320024
 情報源 The New York Times、2012年10月2日。
外来神経外科センター the Saint Thomas Outpatient Neurosurgery Center in Nashville で、鎮痛目的にステロイド髄内注射された患者らの間で、髄膜炎感染流行 an outbreak of meningitis が発生し、テネシーTennessee 州で 2人が死亡、ほか 9人にも感染が広がっている。ノースカロライナ North Carolina 州でも同じ治療手技を受けた患者 1名が発病し、当局は他の州からも患者が報告される可能性があるとしている ... アスペルギルス _Aspergillus_ という一般的ではない真菌により、ステロイド薬が汚染されていたことが原因と見られている。ロット番号が同じ同薬剤が回収され、現在閉鎖されている the Nashville clinic で治療を受けた 700人以上の患者らと連絡が取られている。
参考項目 20021212.6046

● 狂犬病ーナイジェリア、ペルー
ナイジェリア
PRO/AH/EDR> Rabies - Nigeria: (CR) canine, human, susp. 20121002.1320026
Rabies deaths in Cross River State
 投稿者 Shamsudeen Fagbo, DVM、2012年9月30日。
... (Cross River) 州内で 4か月間に約 8人が、狂犬病と見られる原因で死亡している。確定診断のため、イヌの頭部が the NVRI [National Veterinary Research Institute, Vom, Nigeria] に送付されている。

ペルー 
PRO/AH/EDR> Rabies - Peru (07): (PU) human, dog bite 20121002.1319488
 情報源 Diario Correo (Peru) [in Spanish]
汎米保健機関 the Pan American Health Organization (PAHO) と保健省 the Ministry of Health of Lima が、狂犬病 Rabies によるヒトの死亡発生の調査のため Juliaca に入った。死亡したのは Macusani の住民で、7月31日に親戚を見舞うために訪れた病院の 3階で顔面にイヌによる咬傷を受けた。この 34歳の男性は同日直ちに予防接種を受けていたが、その後の治療 the [post-exposure] treatment を受けていなかった ... その後体調が悪化し、9月18日に Macusani で死亡した ... 地元で行われた剖検の結果、男性の狂犬病検査は陽性だった。
[Mod.JG病院内のしかも 3階の入院区域でイヌの咬傷を受けたのは、病院当局の責任問題であり、論外である]
[Mod. PMB- ラテンアメリカの、イヌとネコの生態は、先進国とかなりの部分で相違があり、これは主に社会経済的制約、文化的認識、貧弱なインフラに負うところが大きい。飼い主のいないイヌやネコと、放し飼いの飼育動物がかなりの数に上るうえ、飼育されていてもワクチンを接種されたことがないものが大部分を占めている]

● ツツガムシ病-インド
PRO/AH/EDR> Scrub typhus - India (09): (HR, PB) 20121002.1319742
 情報源 The Indian Express、2012年10月1日。
the tricity [Chandigarh, Mohali, and Panchkula をまとめて the Tricity と呼んでいる] の住民らに対し医師らは、ツツガムシ病 Scrub typhus への注意を呼びかけている。丘陵地帯 hilly regions of the Himalayas including Shimla, Assam, West Bengal だけに発生すると考えられていたこの病気が、平地 the plains (Chandigarh, Panchkula, and the surrounding areas) にも広がりつつある、と報告されている。2012年に検査機関 PGI [Postgraduate Institute, Chandigarh] に送付された、成人および小児からの 62件の血液検体のうち、50検体が検査 Weil Felix assay 陽性となった" とされ、ほとんどの患者に発熱、咳、筋肉痛などの症状が見られた、と説明されている ... Himachal Pradesh 州の各病院で最近、14人が死亡し、この数日間は州内各地から1日平均 100 cases 以上を受け入れている、と医師は述べた ... 原因とされる_Orientia tsutsugamushi_ は、原則的に、the species _Leptotrombidium akamushi_ (chigger mite) に属するダニ mites (一次宿主) が保有されており、secondary (scrub=低木) vegetation のある地域で感染することが多いため、scrub typhus と呼ばれている。このほか、砂浜、山岳砂漠、赤道直下の雨林などでの発生も報告されている
参考項目 20120906.1282795

● リフトバレー熱-モーリタニア
PRO/AH/EDR> Rift Valley fever - Mauritania: human, susp, RFI 20121002.1318661
 情報源 FluTrackers, Al Khaleej report [in Arabic]、2012年10月1日。
モーリタニア Mauritania で新たなリフトバレー熱感染流行 a new epidemic of Rift Valley Fever の脅威が高まっている。the Sheikh Zayed Hospital in Nouakchott より 9月30日、RVF による 20歳の患者 1名の死亡が報告された。保健省が、死亡した患者が住んでいた村を調査している。the state of Brakna で 同日死亡した若年女性 1名についても RVF が死因として疑われている。

● White nose syndrome-米国、コウモリ
PRO/AH/EDR> White nose syndrome, bats - North America (19): USA 20121002.1320325
 情報源 Infozine.com、2012年9月29日。
2006年から 2009年までの間に、white-nose syndrome (WNS) により、絶滅危惧種に初めて登録された種の 1つである、The Indiana bat の個体数が毎年 10%減少し、すでに北米で約 700万頭が死滅していたことが分かった