2015年10月30日

原因不明の疾患 韓国,肺炎
ジカウイルス コロンビア

● 原因不明の疾患 韓国,肺炎
PRO/EDR> Undiagnosed illness - South Korea : (Seoul) pneumonia, veterinary students, RFI
Archive Number: 20151030.3756621
[1] 原因不明のウイルス に 21 人の獣医学生らが感染
 情報源 The Chosun Ilbo、2015年10月30日
原因不明のウイルス A mysterious virus に 21 人獣医学生ら graduate students at Konkuk University's school of veterinary science in Seoul が感染した。保健当局は、21人全員を隔離し、校内を封鎖している。韓国保健当局 The Korea Centers for Disease Control and Prevention [KCDC] は [28 Oct 2015]、患者らは先週から肺炎を発症しはじめ、疫学チームが大学に派遣されたと発表した。患者らは、修士と博士課程の学生で、from [19 to 28 Oct 2015] 校内の研究施設を使用していたと述べた。現在、政府系の病院に隔離されている。最初に発症した 4人は、Konkuk University Medical Center に入院した後、[28 Oct 2015] the National Medical Center に移送された。いずれの患者も先週、農業フェア a cattle fair in Gyeonggi Province に参加し、また、Chungju, North Chungcheong Province にある同大学が所有する農場 1ヶ所も訪れていた。大学当局者の 1人は、ブルセラ症 brucellosis に感染した可能性を指摘している。しかし、他の専門家は、the _Coxiella burnetii_ bacteria 菌感染による Q熱 との見方を示している ... 
"韓国国内では、Brucellosis and Q fever ともに普遍的ではなく、ヒトへの感染例の発生もまれ" とされている。Hallym University Medical Center の専門家は、農場を訪れたのは 4人だけであり、市中または学校内でしばしば発生のある、マイコプラズマ症や百日咳の可能性が高いと述べている
[2] 新たに 10人の学生が、原因不明の肺炎を発症し、合計患者は 31人となった
 情報源 The Chosun Ilbo、2015年10月30日
Konkuk University's Seoul campus では 29日、新たに 10人の学生が、原因不明の肺炎を発症し、合計患者は 31人となった。これまでに 21人が同様の症状と診断されている。しかし、12種類の既知の感染症の検査の結果は陰性だった。the Korea Centers for Disease Control and Prevention [KCDC] は、引き続いて、原因調査を行っているとしている ... 23人が政府系病院で隔離されているほか、非常に軽い症状の 8人は自宅隔離となっている。全ての患者が、当初疑われていた、ブルセラ症、Q 熱、レジオネラ症の検査が陽性だった。また、マイコプラズマ、クラミジアや、MERS やインフルエンザなどのウイルス検査でも陰性だった。一方で、すでにアウトブレイクが発生したと考えられる 25日のキャンパス内で、the SK Group の就職試験 recruitment exams が行われていたことが明らかになった。
[Mod.ML-短期間に多数の獣医学卒業生らが肺炎を発症したことから、感染源となるポイントから発生したアウトブレイク a point source outbreak 、すなわち、短期間に全員が同じ感染源に曝露したこと、が示唆される ... 正確な疾患の重症度は伝えられていないが、ほぼ 75 % の患者が入院を必要とするほどの病状であった。現時点で、感染が獣医学卒業生に限られていることから、人獣共通感染症であると考えられる。Brucellosis, Q fever, MERS, and influenza, as well as legionellosis, chlamydiosis, and _Mycoplasma_ infection は否定されたとあるが、SARS には言及されていない。レジオネラ症は、どの検査法で除外診断されたか不明だが、非肺炎型のレジオネラ症である、Pontiac fever は、aerosolized _Legionella_ に曝露した人々に高率に感染する a point source outbreak の形をとる。Pontiac fever の診断は血清学的検査で行われる; 培養および尿検査は陰性となることが多い。しかし、the Pontiac fever は通常軽症で、入院が必要になることはない。考えられる他の病原体として、オウム病、野兎病、肺ペスト、炭疽がある。ヒストプラズマ症は、韓国ではまれであるが、急性呼吸器感染の a point source outbreak の原因となりうる。Konkuk University は、ソウルと、Chungju. Gyeonggi Province surrounds Seoul にある a private university で、Chungju はソウルの南東にある North Chungcheong Province の都市である]

● ジカウイルス コロンビア
PRO/EDR> Zika virus - Colombia (02)
Archive Number: 20151030.3756619
 情報源 El Tiempo [in Spanish]、2015年10月28日
コロンビア国立衛生研究所 The [Colombian] National Institute of Health が、the departments of Bolivar, Cordoba, Norte de Santander, San Andres and Sucre の各地においてジカウイルス Zika virus 感染の発生を確認した。発生が確認されている都市は、Arjona, Cartagena, Cordoba, Santa Rosa, Turbaco, Monteria, San Cayetano, San Andres and Sincelejo である。政府保健省 The Ministry of Health and Social Protection は、Cartagena de Indias (Bolivar department) に到着した 1名の旅行者により国内にウイルスが持ち込まれたと見ている。チクングニア chikungunya [virus] で起きたことと同じである; Zika virus はコロンビアに定着した。イースター島 Easter Island (Chile) から南北アメリカに導入され、6月にはブラジルで発生が確認され、 (コロンビア) 国内への波及が懸念されていた。 ネッタイシマカthe _Aedes aegypti_ mosquito は、デングとチクングニアだけでなく、今や Zika も伝搬する能力を備えた ... この病気では、メスのネッタイシマカの刺咬の 3-12日後に、発熱と発疹が現れる。あまり高熱にはならず、眼が赤くなるが眼脂や痒みを伴うことはない。赤または白色の皮疹 skin spots、関節と筋肉の散在性の痛み、腰背部痛や頭痛、そして少数例では、神経や免疫学的症状が見られることがある。いずれの症状も、デング熱やチクングニア熱と比べると侵襲性が低いと考えられている。治療は、アセトアミノフェンと抗ヒスタミン薬によるが、自己判断での服薬はすべきではない。

● カンピロバクター症、腸管出血性大腸菌 EHEC 米国
PRO/AH/EDR> Campylobacteriosis, E. coli EHEC - USA (02): (ID) unpasteurized milk
Archive Number: 20151030.3755260
 情報源 Food Poisoning Bulletin、2015年10月28日
アイダホ州保健当局者 Idaho health officials は、10月上旬に発生した生ミルクによるアウトブレイクについて、12人の発病により終息したと見ている。2人が入院した。Natural Farm Fresh Dairy in Kuna の生ミルクを飲んだ 4人が腸管出血性大腸菌 (EHEC) _E. coli_ O157: H7 に感染し、4人がカンピロバクター症 campylobacteriosis を発症した。ほかにも 4人が食中毒と見られる症状を発症している。この Ada and Canyon counties 両郡のカンピロバクターと大腸菌の感染患者について、20日にアイダホ州保健当局 the Idaho Department of Health から報告された後、10日間、新たな患者は報告されていない。州農業当局 The Idaho Department of Agriculture が行った問題のミルクの検査では、2つの菌は検出されなかった。しかし、検査されたミルクは、患者らの原因となったミルクとは別の製造バッチだった 

● 真菌感染、薬剤汚染 米国 2012-2014
PRO/EDR> Fungal infection, contaminated drug - USA: 2012-2014, follow up
Archive Number: 20151030.3755591
 情報源 MMWR 64(42);1200-1201、2015年10月30日
Update on Multistate Outbreak of Fungal Infections Associated with Contaminated Methylprednisolone Injections, 2012-2014

● 赤痢 米国
PRO/EDR> Shigellosis - USA (06): (CA,MO)
Archive Number: 20151030.3755457
[1] カリフォルニア California
 情報源 Food Poisoning Bulletin、2015年10月28日
カリフォルニア州のレストラン the Mariscos San Juan No 3 restaurant in San Jose, California が関係する赤痢感染流行 The shigellosis outbreak は、再び拡大し始めた。27日現在、190人の患者が確認され、92人が確定診断されている。 現在、Santa Clara, San Mateo, Alameda, Santa Cruz, Marin, and Merced counties の住民らの間で患者が確認されている。ほとんどの患者が、16日または17日にこのレストランで食事していた ...
[Mod.LL-a report from 29 Oct 2015 では、レストランの従業員 1名も赤痢患者と確認されたと伝えているが、アウトブレイクの患者の 1人であり、原因ではないと見られている]
[2] ミズーリ Missouri
 情報源 Prairie Village Post、2015年10月28日
例年この時期になると、大人も子どもも、お休みが多くなる。しかし 2015年は、とりわけ、ある感染症が急増している。赤痢 Shigellosis は赤痢菌 _Shigella_ を原因とする下痢性疾患である。 カンザス市保健当局 the Kansas City, Missouri, Health Department によると、この地域で発生する赤痢患者は、通常は年間わずか 10人程度だが、今年 [2015] は、150人以上に跳ね上がっている。カンザス市の患者のほとんどが、幼稚園や小学校の児童である ... 赤痢患者のほとんどは自然治癒する。抗生物質に反応する患者がいる一方で、カンザス市において、一部の抗生物質に耐性を示す 3種類の菌株 3 strains が確認されている。合併症のない患者については、下痢で失われた水分の補給が主な治療目標となる。

● コレラ ギリシャ
PRO/EDR> Cholera, diarrhea & dysentery update (33): Greece , RFI
Archive Number: 20151030.3755455
 投稿者 独・Heinz Dewald、2015年10月30日
20151027.3746833 に関し。
コレラが疑われた患者 the suspected case of cholera on the island of Kos について、新たな情報があっただろうか。
[Mod.LL- ... ProMED-mail も本症例についてさらなる情報を期待する。この患者は、 (コレラ Cholera ではまれな) 高熱があったことが報告され、また、難民ではなく、オランダ人旅行者であったことなどから、コレラの可能性は低いと考えられる。先進国への輸入コレラ感染からの二次感染は発生しにくい。ヒトからヒトへのコレラ感染は、全くと言っていいほど起こらない not at all common]

● ペスト 米国
PRO/AH/EDR> Plague - USA (17): (OR) bubonic
Archive Number: 20151030.3755255
 情報源 Oregon Health Authority News and Information、2015年10月29日
オレゴン州公衆衛生当局 The Oregon Health Authority's Public Health Division は、Crook County の 10歳の少女の腺ペスト感染例 a case of bubonic plague の発生を確認した。この少女は、18日の Heppner in Morrow County 近郊でのハンティング旅行中に、ノミの刺咬を受けペストに感染したと見られている。旅行の 3日後に発症し、Bend で入院した。集中治療室で治療を受けている。当局による、Crook, Deschutes, and Morrow counties の調査が行われているが、他に感染患者は発生していないと見られている ... オレゴン州内で 1985年以降に確認された患者は、わずか 8人である。

● 小型養蜂群甲虫、ハチ イタリア
PRO/AH/EDR> Small hive beetle infestation (_Aethina tumida_) apis - Italy : (LB) OIE
Archive Number: 20151030.3756838
 情報源 OIE, WAHID (World Animal Health Information Database), weekly disease information 2015; 28(45)、2015年10月30日
Small hive beetle infestation (_Aethina tumida_), Italy、reoccurrence of a listed disease
感染開始時期 2015年9月15日
前回流行時期 2014年12月15日
病原体 _Aethina tumida_
新たな感染流行 (4)
Outbreak 1: Reggio Calabria, Taurianova, Calabria: apiary
Outbreak 2: Reggio Calabria, Varapodio, Calabria
Outbreak 3: Reggio Calabria, Varapodio, Calabria
Reggio Calabria, Oppido Mamertina, Calabria
感染した種/個体数/感染数/死亡/廃棄/処分
Bees (hives) / 250 / 14 / 0 / 250 / 0
写真 small hive beetles, _Aethina tumida_

● 水胞性口内炎 米国
PRO/AH/EDR> Vesicular stomatitis - USA (25): (UT) livestock
Archive Number: 20151030.3756784
 情報源 Daily Herald、2015年10月29日
ユタ Utah 州獣医学担当者は、家畜農家らに対し、以下の各郡: Beaver, Carbon, Duchesne, Emery, Grand, Kane, San Juan, Uintah and Weber で水胞性口内炎 vesicular stomatitis virus (VSV) が確認されているとの助言を行っている

● 狂犬病 台湾
PRO/AH/EDR> Rabies - Taiwan : (CH) ferret-badger, human exposure
Archive Number: 20151030.3756351
 情報源 Focus Taiwan、2015年10月30日
Woman bitten by rabies-infected ferret-badger in Chiayi [County]
山岳地域の Meishan Township (in Chiayi County) 在住の女性 1名がイタチアナグマ a ferret-badger に襲われ、後の狂犬病検査でアナグマが陽性となったと、30日に動植物衛生当局 the Bureau of Animal and Plant Health Inspection and Quarantine が明らかにした。1960年代に島内で排除が確認された後、2013年に台湾での狂犬病の再興が確認されて以来、同町で狂犬病が確認されたのは初めてと説明されている。この 79歳の女性は、27日に自宅の庭でアナグマに襲われた。捕獲後の検査で 29日に狂犬病ウイルスが陽性であることが確認された。女性には、免疫グロブリンとワクチンが注射されている。2013年以降の台湾では、72 townships in 9 counties and cities で狂犬病感染例が報告されており、その多くが野生のイタチアナグマ wild ferret-badgers であり、わずかながらハクビシン masked palm civets の感染も発生している。
[Mod.MHJ-本報告に a dead ferret-badger (_Melogale moschata_) のきれいな写真が掲載されている]

● アメリカ腐蛆病 南アフリカ
PRO/AH/EDR> American foulbrood, apis - South Africa (04)
Archive Number: 20151030.3755456
 情報源 South African Broadcasting Corporation (SABC)、2015年10月28日
ミツバチの間のアメリカ腐蛆病 American foulbrood disease の感染拡大は、森林伐採などにより深刻化する可能性があると、専門家らが指摘している。the Western Cape では 1940年に商業的養蜂群 commercial bee colonies の 40 % が失われた

● 小麦の病気,Tan spot ニュージーランド
PRO/PL> Tan spot, wheat - New Zealand : (CA)
Archive Number: 20151030.3754119
情報源 Radio New Zealand、2015年10月28日
Wheat farmers told to watch for tan spot
カンタベリー Canterbury の農家に対し、最近地域全体で確認されている小麦の病気、tan spot への注意が呼びかけられている