2007年9月15日

リーシュマニア症、皮膚 米国

● リーシュマニア症、皮膚 米国 
PRO/AH/EDR> Leishmaniasis, cutaneous - USA (TX)
Archive Number: 20070915.3064
 情報源: CBS 11 News (Texas) 、9月14日
治療法がない、まれな感染性の皮膚疾患がテキサス Texas 州北部で発生した。Leishmaniasis リーシュマニア症 または海外任務の軍人から "Baghdad Boils" と呼ばれている。しかし、現在では、南米、メキシコ、中東などでも発生している。テキサス州北部で、過去18ヶ月間に、中東に由来しない 9件の症例が発生している。
医師らが報告した特異的な細菌?は、メキシコ・リーシュマニア [_Leishmania] mexicana_ と呼ばれ、現地由来である。テキサス大学の感染症専門家の説明によると、膿瘍のように見えるが、実際には膿瘍ではなく、潰瘍に見える場合もある。湿潤に見えるが、実際には排液はない。小型の寄生虫で、抗生物質は無効であり、真菌性皮膚病に対する標準的な治療法も効果がないという。典型例では、感染したスナバエ sand flies の刺咬により感染伝播し、ヒト-ヒト感染はない。治療法はないが、腫脹 boils は 6-12ヶ月で自然に消失する。これまで感染が発生していなかった米国には治療薬がない。
[Mod.EP-リーシュマニアは、単細胞の寄生虫である。以前から、テキサス州ではメキシコリーシュマニア_Leishmania mexicana_の報告があった。保有宿主は小型の齧歯類で、感染伝播は_Lutzomyia_ flyが行う。治療法がないというのは正しくない。5価のアンチモン製剤が有効なことが多く、代わりにアンフォテリシンBが使用されることもある。内臓リーシュマニア症の治療に使用される、新しい経口製剤 miltefosin の、粘膜皮膚リーシュマニア症での使用報告は限られており、1件の無効例 drug failure について報告されてい る(Calvopina et al. Am J Trop Med Hyg. 2006; 75: 1074-7)。報告では、テキサス州でのリーシュマニア症感染例の増加 ・ 再興が示唆されている]

● 原因不明の大量死、crappie(魚類)米国
PRO/AH/EDR> Undiagnosed die-off, crappie - USA (MN)
Archive Number: 20070915.3072
 情報源: The Daily Journal Online 、9月15日
当局者によると、発病したり死亡したりする魚の数が増加し始めたのは2007年9月2日からで、死亡した魚は岸付近に打ち上げられ、発病した crappie は水面に浮いている。
[Mod.TG- 確定されていないようだが、最も古くから知られている温水魚の病気の1つである、 Columnaris の可能性がある。原因菌は、_Bacillus columnaris_, _Flexibacter columnaris_, _Cytophaga columnaris_, and most recently _Flavobacterium columnare_ など、多くの名前で呼ばれる細菌である]

● 鳥インフルエンザ 中国
PRO/AH/EDR> Avian influenza (154): China (Guangzhou), duck
Archive Number: 20070915.3071
 情報源: Reuters 、9月15日
中国政府農業部は、南部の主要都市・広州郊外のアヒルに、H5N1型鳥インフルエンザウイルス Avian influenza 感染が疑われる流行が発生していると、2007年9月15日に発表した。当局は、ウェブサイト上で、2007年9月13日までに、広州の Panyu 地区で9830羽のアヒルが死亡したことを伝えた。州当局による初期検査で、トリが高病原性 H5N1型鳥インフルエンザウイルスにより死亡したことが判明したと述べた。中央検査機関での詳細な検査のために送付され、33000羽のアヒルが処分されると説明した。
世界最大の家きんを保有し、庭先の放し飼いのトリが数百万羽に上る中国は、鳥インフルエンザとの戦いの最前線にある。中国では同ウイルスにより16人の死亡を含め 25人の患者が発生しており、トリの感染流行が多数発生し、夥しい数の家禽の処分が行われてきた。
[Mod.AS- 同日の新華社のニュースでは、感染発生場所が Sixian 村 (Xinzao Township in the Panyu district of Guangzhou=広州) と伝えられている。さらに、死亡したアヒルの検体は、州の動物疾患対策管理センターに送付され、初期検査で、H5N1型高病原性鳥インフルエンザウイルスが陽性となったとも述べている。National Avian Influenza Reference Laboratory にも送られているが、結果はまだ発表されていない]

● 口蹄疫、ウシ 英国
PRO/AH/EDR> Foot & mouth disease, bovine - UK (England) (25)
Archive Number: 20070915.3070
[1] よくある質問
 情報源: The Telegraph 、9月15日
Q&A 追加処分は?感染経路は?破壊工作によるものか?他所への波及は?市場で販売されたときの影響は?などが平易に答えられている。
[2] 感染したウシは、2週間ウイルスを保有する
 情報源: The Times 、9月15日

● 結核、シカ カナダ
PRO/AH> Tuberculosis, cervids - Canada (MB) (02)
Archive Number: 20070915.3068
[1] 投稿者;アイルランド、Tom Kelly, MVB、9月15日
20070914.3060 に関して。
どの種においても、結核 Tuberculosis の診断に血液培養が用いられたということを聞いたことがない。ある種の gamma-interferon test のことを言っているのではないだろうか。ハンターはどのような検体を採取し、どの様な検査が行われたのかも興味深い。
[2] 投稿者 North West London Health Protection Unit、Tony Ellam , MVB、9月15日
上記の検査に関して、どのような血液検査で、その感度や特異度について知っている人は教示頂きたい。結核は基本的に空気感染するもので、MB保全計画では、ハンターに対し、銃殺した動物の頭部または肺を提出するよう求めており、TBに対する検査が行われている。血液検査に関する言及について戸惑っている
[Mod.TG-オリジナルの記事で、動物の検査に関しては、わかりにくい。述べられていた血液培養とは、結核の血液検査として行われている、gamma interferon test である。この検査は、全血培養システム内に放出されるリンフォカインの1つのインターフェロンガンマを、測定する]

● ペットフードに関する注意喚起 米国
PRO/AH/EDR> Pet food alert - USA (multistate)
Archive Number: 20070915.3067
[1] Update: AVMA(米獣医学協会) warns of potential new threat to pets
 情報源: American Veterinary Medical Association press release 、9月14日
複数の中国の製造会社製のジャーキー jerky treat によって、ペットに健康被害が出ているとの苦情や報告が、ペットの飼い主や獣医師から多数寄せられている。症状は、嘔吐、下痢、不機嫌などで、知りうる範囲で死亡の報告はない...米獣医学内科学大学の声明 ..社名や商品名は明らかになっていないが、全て中国製のジャーキーに関連している。
[2] 情報源 米獣医内科学大学 American College of Veterinary Internal Medicine (ACVIM) 、9月14日 
...(診断結果は)後天性 Fanconi 症候群である。以下、近位尿細管アシドーシス、低カリウム血症などの症状の説明....
[Mod.MPP-FDAが調査を開始している]

● アフリカ馬疫 セネガル
PRO/AH/EDR> African horse sickness - Senegal (02): Dakar, OIE
Archive Number: 20070915.3066
 情報源: OIE WAHID (World Animal Health Information Database), weekly disease information 2007; 20(37) 、9月14日
感染開始時期 2007年5月21日
新種の病原体による疾患のための報告、African horse sickness virus serotype 2
感染流行発生 Mbao, Dakar および Pikine, Dakar