◎ 狂犬病 コウモリによる感染

コウモリへの暴露は気づかれないことも多い
PRO/AH/EDR> Rabies, update - USA (21): October 2010 20101028.3907
 情報源: Corpus Christi Caller.com、2010年10月27日。
コウモリ Mexican free-tailed bat を助けようとして近寄った少女に、コウモリは歯牙を突き立て、少女は病院を受診し、ワクチン接種を開始された。後にコウモリの狂犬病感染が判明した。
[Mod.PC-記事の「コウモリの20%が感染している」との内容は一般には受け入れられがたい。異常のないコウモリの感染率と、何らかの異常があるために検査に出されたコウモリの感染率には大きな差がある。SCWDS Briefs, Rabies in Bats, July 1998, 14.2 によると、ハワイ Hawaii 州を除く全米でコウモリの狂犬病の報告があり、カリフォルニア California とテキサス Texas 州からの報告が最も多い。(1年間に狂犬病の検査で陽性とされる野生動物の8-27%に当たる)コウモリの狂犬病感染は、感染陽性の野生動物の種としてはそれ程多くないが、近年米国内での狂犬病感染によるヒトの死亡例のほとんど全てがコウモリに関係したものだった。このことは、ヒトから採取されたウイルスの遺伝学的解析によっても確かめられている。検査を行えば、コウモリの狂犬病ウイルスか、他の動物、たとえばアライグマ、スカンク、コヨーテ、イヌなどの狂犬病ウイルスなのかが判別できる。1981年以来米国内で24人が狂犬病感染により死亡しているが、このうち21人はコウモリに関係する狂犬病ウイルスによるものだった。さらに症例研究によると、コウモリに咬傷を受けても、気づかれなかったり、虫刺されとして見過ごされたりする可能性があることも分かった。21例のうち、コウモリの咬傷が確認されたのはわずか1例のみで、他の10例は後からコウモリの接触があったと説明されたものだった。これらを合わせても、狂犬病患者のうち何らかの形でコウモリへの曝露があったことが分かったのは、わずか52%に過ぎなかった。このようにコウモリの咬傷や狂犬病ウイルス感染が気づかれにくいことを受け、当局は曝露後接種に関する市民への勧告を変更した。はっきりした咬傷や擦過傷が確認できない、様々な状況 -例えば、寝ている間にコウモリが室内に入っているのに気づいたとか、子どもや障害者の部屋でコウモリを見つけたなど- においてもワクチン接種を考慮するとなっている。コウモリの検査が行えない状況では治療が望ましい。無作為に採取された異常のないコウモリでの狂犬病の蔓延率は1%未満である]