2011年5月30日

◎ キャサヌール森林病-インド

● レジオネラ症-ニュージーランド
PRO/EDR> Legionellosis - New Zealand (03): (MA)
Archive Number: 20110530.1658
 情報源 Radio New Zealand News、2011年5月30日。
the Marlborough region で発生したレジオネラ肺炎の流行 outbreak of Legionnaires' disease の原因として、冷却塔からの蒸気が疑われている。公衆衛生当局 Nelson Marlborough Public Health Service は19か所の冷却塔を調査し、このうちの1つが、4月に3人が感染したものと同じ菌で汚染されていることを発見した

◎ キャサヌール森林病-インド
PRO/AH/EDR> Kyasanur forest disease - India: (KA Karnataka) 20110530.1657
 情報源 The Hindu、2011年5月23日。
2011年、Shimoga で合計11人がキャサヌール森林病 Kyasanur forest disease (KFD、別名 monkey fever) に感染したと報告されている。KFD はダニ媒介性ウイルス熱で、高熱、頭痛、出血などの症状が見られる。サルから、ダニを介してヒトに感染伝播される。Tirthahalli taluk で17人に感染が疑われ、採血検体のうち11検体が検査陽性だった。3月に森林内 the forests of Mandagadde and Konandur region で複数のサルの死亡が報告されており、KFD の流行はそれに続いて発生した。感染流行によりこの地域の農業活動は中止に追い込まれている。検査が陽性となった11人のうち、 6人がKonandur region、5人が Mandagadde region の出身者だったが、いずれも治療により回復した。この地域では、およそ4000人に対して予防的に KFD ワクチンが接種されている。さらに、森林に入ったり、薪拾いをしたり、野外で仕事をする人々には、ダニよけの dimethyl phosphate を使用するよう呼びかけられている。
[Mod.TY- 20090302.0860 のコメントから。
"Kyasanur forest disease (KFD) はフラビウイルス科 the family _Flaviviridae_ の Kyasanur forest disease virus (KFDV) の感染が原因となり,KFDV は1957年に初めて the Kyasanur forest in Karnataka (formerly Mysore) state, India の弱ったサルから分離された。主な宿主は小型のげっ歯類であるが、トガリネズミ shrews、コウモリ、サルもウイルスを保有する。感染ダニ (_Haemaphysalis spinigera_ is the major vector) の刺咬により感染が伝播される。ヒトは、ダニからも、感染した動物、たとえば死にかけたサルなどからも感染する。ヤギ、ウシ、ヒツジなどの大型動物にも感染することがあるが、これらの動物から感染することはない。ミルクを通じて感染が伝播されることもない。基本的には the Shimoga and Kanara district of Karnataka, India でしか発生しない病気で、乾期の森林内において若年成人が感染することが多い。感染後3-8日の潜伏期間を経て、突然の発熱、頭痛、激しい筋肉痛、咳、脱水、消化器症状、出血などの症状が発生する。極端な低血圧や異常な血小板、赤血球、白血球の減少が認められることもある。発症後 1-2 週間で一部の患者は後遺症を残さず治癒する。しかし、多くの患者は2相性の経過をたどり、第3週の初めから第2波の症状として発熱と脳炎の症状が現れる。診断は血液からのウイルス分離、もしくは enzyme-linked immunosorbent serologic assay による血清学的診断による。毎年およそ 400-500 cases of KFD が発生し、致死率は3-5 %である。"
KFD virus and its variants は、インド国内にとどまらず、世界中の広い範囲の地域で確認されている。サウジアラビアでは A variant of KFD virus, Alkhurma virus が確認されている。Nanjianyin China virus の遺伝子の塩基配列は KFD ウイルスと高い相同性 highly homologous が認められている。20090303.0871 の中で Prof. Steve Berger は、以下のように述べている; "... the Andaman and Nicobar Islands の住民の 22.4 %は seropositive for KFD in 2002," "インド国内で a safe and effective inactivated vaccine が入手できる."]

● サルモネラ症-米国、serotype Altona
PRO/AH/EDR> Salmonellosis, serotype Altona - USA: chicks, ducklings exposure 20110530.1656
 情報源 CDC, _Salmonella_ homepage、2011年5月27日。
CDC は関係各機関と連携し、複数の州にまたがって発生した、サルモネラ症流行 multistate outbreak of human _Salmonella [enterica_ serotype Altona infections] に関する調査を行っている。25日現在、合計25人が _S._ Altona に感染した、と11州: Indiana (1), Kentucky (3), Maryland (2), Minnesota (1), North Carolina (4), New York (1), Ohio (7), Pennsylvania (2), Tennessee (2), Virginia (1), and Vermont (1).から報告されている。感染があったのは、2月25日から4月25日までの間で、年齢は1歳未満から84歳、死亡した患者はいない ... 以下、アウトブレイクの調査 (患者 16人 (76 %) of 21 に生きた家禽 (chicks, chickens, ducks, ducklings, geese, and turkeys) との接触が確認され、16人全員が ヒナchicks, ducklings, or both と接触があり,14 人 (88 %) が各地の agriculture feed store, Feed Store Chain A でこれを購入し、飼育していた)など

● ペスト-米国
PRO/AH/EDR> Plague - USA (03): (NM) bubonic 20110530.1655
 情報源 Examiner.com、2011年5月27日。
2011年、the 'Land of Enchantment' では、ハンタウイルスとペスト Plague の感染者が発生し、人々にネズミが媒介する病気があることを知らしめた。ニューメキシコ州保健当局 the New Mexico Department of Health が27日に発表した今回の患者は、腺ペスト患者として2例目の患者となった。Santa Fe County [the 1st case of 2011も同じ地域で発生] の78歳の男性で、入院中であるが回復しつつある ...
[Mod.LL- 米国内のペスト菌感染 _Yersinia pestis_ infection は、そのほとんどが、アリゾナ、ニューメキシコ、コロラド、ユタの "Four Corners" states で発生しており、東海岸では発生したことがない。ニューメキシコ州では、1949年から2010年までの間に262人の患者が報告されている]

● クリミアコンゴ出血熱-インド
PRO/AH/EDR> Crimean-Congo hem. fever - India (05): (GJ) 20110530.1653
 情報源 DNA (Daily News & Analysis)、2011年5月29日。
州保健局 The [Gujarat] State Health Department は、クリミアコンゴ出血熱 Crimean-Congo hemorrhagic fever (CCHF) の患者と接触のあった42人について、発熱監視を行っている。畜産当局も、家畜のサーベイランスを開始した。Uandani village in Vadnagar taluka of Mehsana district.の住民1名が感染した。現在 CCHF ウイルスの確認検査が行われている ...
[Mod.CP- 感染源についてコメントされていないが、CCHF ウイルス感染ダニ _Hyalomma_ ticks を持ったウシとの接触である可能性がある。ウシは感染しても CCHF ウイルス感染の症状を示さないことが多い]
地図 the districts of Gujarat state

● 原因不明の死亡、ヒツジ-サウジアラビア
PRO/AH/EDR> Undiagnosed deaths, ovine - Saudi Arabia: RFI 20110530.1652
 情報源 Emirates 24/7 News、2011年5月28日。
サウジアラビアの農夫は、300頭いるヒツジがすべて小屋の中で死んでいるのを発見し驚いた、と28日に報じられた。西部の町 Qunfudha にあるこの農場の小屋を1時間前に見た時には、どれも生きていたと証言している。何年も前からヒツジの飼育を行っており、16人家族を養う唯一の手段となっていた。農業省の調査担当者は、死亡したヒツジの検体を採取した、と記事に書かれている。
[Mod.TG- 実際に家畜が突然死亡する原因として多いのは、反芻アシドーシス Ruminal acidosis であるが、ruminal acidosis を起こす穀物などの物質がなければその可能性は低い。もしオーナーがある種の飼料を与えていたのなら、窒素 nitrates と青酸 prussic acid (cyanide) のいずれもが大量死の原因となりうる ... 診断法など]
[Mod.AS- 感染症よりは a toxic or metabolic による可能性が高い]

● 狂犬病-インドネシア
PRO/AH/EDR> Rabies - Indonesia (12): (BA) update 20110530.1651
Administration pushes back rabies-free deadline to 2015
 情報源 The Jakarta Post、2011年5月26日。
バリの行政当局は26日、狂犬病対策が思うように進んでいないため、島内からの狂犬病排除の期限を、3年後から、2015年に変更した ...

● Prunus necrotic ringspot virus -サウジアラビア
PRO/PL> Prunus necrotic ringspot virus - Saudi Arabia: (JF) 1st rep 20110530.1649
 情報源 British Society for Plant Pathology, New Disease Reports、2011年5月0日。
原著タイトル _Prunus necrotic ringspot virus_ in apricot (_Prunus armeniaca_) and peach (_P. persica_) newly reported in Saudi Arabia. New Disease Reports (2011) 23, 26; DOI:10.5197/j.2044-0588.2011.023.026 
サウジアラビア国内の果樹栽培地域では、毎年160万トン以上のフルーツが生産されているが、重要な病原体である _Prunus necrotic ringspot virus_ (PNRSV) が、隣国のヨルダン、レバノン、シリアで発生したとの報告が行われていた。近年、サウジアラビア北部の Al Juof [Al Jawf] で、アプリコット apricots (_Prunus armeniaca_) とモモ peaches (_P. persica_) in Al Juof [Al Jawf] の感染が確認されている ...
[Mod.DHA- _Prunus necrotic ringspot virus_ (PNRSV; genus _Ilarvirus_) は、サクラ属 genus _Prunus_ の多くの品種、たとえばモモ、ネクタリン、アプリコット、プラム、チェリーに感染し、また、バラ、ホップ、キュウリなどの、他の属の宿主にも感染することが知られている ... ]