2011年6月16日

コレラ-米国
チクングニア熱-コンゴ共和国

● コレラ-米国
PRO/EDR> Cholera - USA: (NY) : RFI
Archive Number: 20110616.1840
 投稿者 Larry Lutwick MD, ProMED Bacterial Disease Moderator、2011年6月16日。
12日、IDDM 糖尿病の63歳の男性が、4日間続く、嘔吐、発熱、血便、腹痛のない、大量の水様下痢症のため入院 [in Brooklyn, NY] となった。 Brooklyn, NY で clams (貝) を購入し、6日と7日に食べていた。妻は貝を食べておらず、8日に夫が発症したときも発病しなかった。貝は調理したということだったが、調理方法や、調理するまで貝が入っていた容器に料理が接触していないかについては、明らかではない。ハイチ、ドミニカ、ドイツへの旅行及び現地から来た人との接触、ペットとの接触はない。3月中旬にピロリ菌の除菌を行っているが、発症の6週間前に終了した。1日4-6Lの、血液や粘液が混じらない、緑色の水様下痢便が続いており、ICU 入院の上、積極的な輸液と電解質補正を行った。当初、クロストリジム菌 _C. difficile_ トキシンが陽性となり、経口バンコマイシン vancomycin が開始されたが、CT の画像上は腸炎の所見はなかった。多量の水様下痢便と、調理法が確認できない貝の摂取とから、感染症コンサルタント医は、コレラもしくはコレラ類似疾患を疑っている。便培養では、カーブ型のグラム陰性桿菌が見つかり、生化学的検査でコレラ菌 _Vibrio cholerae_ であることが判明した。 O type の結果は未到である。管内でほかの患者は報告されていない。腎不全は、深刻な体液喪失に起因すると考えられ、治療開始前のクレアチニン値は最高 9.7 まで上昇した。

● 原因不明の呼吸器疾患-スペイン
PRO/EDR> Undiagnosed respiratory disease - Spain: (Madrid), RFI 20110616.1839
 投稿者 米・Columbia University 学生、Mar Velarde、2011年6月16日。
スペインのマドリードへの旅行中に、マドリード Madrid 北部地域で、多数の呼吸器感染患者が発生しているとの情報を得た。非常に激しい咳と発熱を伴ったインフルエンザのような症状で、家族内で多数の患者が感染することから、非常に感染力が強いのではないかと思う。
[Mod.TY- 患者数、患者背景、臨床症状、そして診断名がわかるとうれしい]

● 鳥インフルエンザ、ヒト (48) -エジプト、WHO
PRO/AH/EDR> Avian influenza, human (48): Egypt, WHO 20110616.1837
Avian influenza situation in Egypt - update 53 更新53
 情報源 WHO Global Alert and Response (GAR)、2011年6月16日。
エジプト保健省は、死者3名を含む5人の鳥インフルエンザ A(H5N1) ウイルス感染患者について報告した。
The 1st case is a 40 year old female from Aswan District, Aswan Governorate. She developed symptoms on 14 May [2011],;, recovered, and was discharged.
The 2nd case is a 21 year old pregnant female from Ashmoun District, Menofia Governorate. She developed symptoms on 21 May [2011], ; died on 29 May 2011.
The 3rd case is a 31 year old male from Shobra Elkhima District, Qaliobia Governorate. He developed symptoms on 21 May [2011], ; died on 5 Jun 2011.
The 4th case is a 3 years old male from Elzawya District, Cairo Governorate. He developed symptoms on 23 May [2011] ; died on 2 Jun 2011.
The 5th case is a 16 years old male from Ashmoon District, Menofia Governorate. He developed symptoms on 21 May [2011] ;recovering.

● チクングニア熱-コンゴ共和国
PRO/EDR> Chikungunya - Africa (02): Republic of the Congo 20110616.1835
Outbreak of chikungunya [virus infection] in the Republic of the Congo
 情報源 UN Integrated Regional Information Networks (IRIN) News、2011年6月15日。
首都ブラザビル the Republic of Congo's capital [Brazzaville] で、2週間に900人以上の、発熱と激しい関節痛を起こす蚊族媒介性ウイルス感染症のチクングニア熱 Chikungunya が疑われる患者が報告されている。14日、保健当局者が発表した。ブラザビルの南にある、Bacongo and Makelekele で、6月初旬に初めての患者が報告された。隣国ガボンで行われた検査では、48検体の半数以上でウイルス検査陽性が確認された。Chikungunya は、捻じ曲がった "to become contorted" を意味する the Kimakonde language に由来する言葉で、患者の身体が曲がった様 the stooped appearance を現している。

● 炭疽-ギニアビサウ,インド
ギニアビサウ
PRO/AH/EDR> Anthrax, human, bovine - Guinea Bissau (OI, BM) 20110616.1833
 情報源 Romandie News, Agence France-Presse (AFP) report [in French]、2011年6月9日。
動物にもヒトにも感染する炭疽 Anthrax に汚染されていた肉を摂取したことにより、ギニアビサウ国内で4人が感染したことが、8日政府保健当局により明らかにされた。The Veterinary Services Branch of Guinea-Bissau は、Mbunhe in the Bissora area [Oio region] (Bissau の北約70km) で3人の死亡が報告されていることを公表した。死亡した患者らは、伝統的な割礼儀式に参加した席で、炭疽に感染したウシの肉を食べたとされており、(国内西部) Biombo からも、同じく汚染された肉を食べた4人目の死亡が報告されている。the Bissora sector での発生後、急速に東方に拡大し、家畜の盛んな (the excellent livestock rearing)、 the Bafata and Gabu regions に感染が広がった。同地域で50頭の牛が死亡した。このうち40頭のウシが死亡した Gabu からは、首都 Bissau.に多くの肉が出荷されている

インド
PRO/AH/EDR> Anthrax, human, livestock - India (02): (OR) 20110616.1830
 情報源 IBNLive, The New Indian Express report、2011年6月15日。
Tumudibandh block in Kandhamal district [Orissa state] の各地の村で、炭疽が急速に拡大している。Sanaguchuka village in Gumma panchayat からの報告の後、10日後には、Bilamala and Belaghar panchayats.の10か所以上の村に広がった。患者4人からのスワブ及び血液検体について、13日に検査陽性となった。これまでに25人の感染が判明している

● ヤギ痘-中国,ワクチンに起因する死亡
PRO/AH/EDR> Goat pox - China: (JS), vaccine-induced mortality 20110616.1838
 情報源 China Daily, Xinhua News Agency report、2011年6月15日。
江蘇省 Jiangsu province 東部で4000頭以上のヤギが、ヤギ痘 Goat pox ワクチン接種から数日の間に死亡したことが、15日、現地当局から公表された。Rudong county のヤギが、ワクチンを接種されてから2-3日後に涙を流したり食欲が低下したりする症状が見られ、下痢が続いた ...
[Mod.AS- この数年間、中国政府当局による、動物ワクチンの製造に対しての、要求される検査や、許可手続と運用などに、疑問や懸念が持たれていた。以前の例では、中国国内で使用されている弱毒生ワクチンが原因と見られる、1997年の台湾でも口蹄疫感染流行がある]

● 狂犬病-中国
PRO/AH/EDR> Rabies - China (02): (HE), canine, dog meat trade 20110616.1836
 投稿者 Merritt Clifton、2011年6月15日。
河南省 Henan から吉林省 Jilin province.のイヌの肉を食べさせるレストランに約500頭のイヌを運ぶトラックが、北京 Beijing の活動家によって一旦阻止されたものの結局は通過させた2011年4月14日の事件についての調査から始まった。狂犬病対策実施の議論に関する the Shangshen Animal Foundation 記者会見に参加した
 
● ブルータング-欧州 英国清浄化
PRO/AH/EDR> Bluetongue - Europe: UK free, surveillance 20110616.1832
[1] Bluetongue restrictions lifted from 5 Jul 2011
 情報源 Farmers Weekly Interactive、2011年6月13日。
英国 Great Britain は、2年間で1例も発生がなかったことにより、7月5日、bluetongue [BTV] free の地位を再び取り戻す見込みである ...
[2] 科学的見解 Scientific Opinion を公表
 情報源 EFSA (European Food Safety Authority) Journal、2011年6月8日。
EFSA Panel on Animal Health and Welfare: Scientific Opinion on bluetongue monitoring and surveillance. EFSA Journal 2011; 9(5): 2192; doi:10.2903/j.efsa.2011.2192
要約
委員会からの要請により、以下の点についての科学的見解 Scientific Opinion を公表する
1) the expected prevalence (design prevalence) under different circumstances, and,
2) an updated scientific assessment of the size of the relevant geographical area for the purpose of monitoring and surveillance programmes for bluetongue.