2011年6月7日-8日

 大腸菌 O104 -EU
 発疹チフス-米国

● ライム病-ロシア
PRO/AH/EDR> Lyme disease - Russia: (NZ) 
Archive Number: 20110608.1742
 情報源 Komsomolskaya Pravda [in Russian]、2011年6月2日。
Nizhny Novgorod 地方当局 he regional office of Rospotrebnadzor [Federal Service for Consumer Protection and Human Welfare] より、ダニによる刺咬、ダニの感染率、ダニ媒介性ボレリア症例 tick-borne borreliosis [ライム病 Lyme disease] cases についての報告が公開された ... 年初からこれまでに、5例の tick-borne borreliosis [Lyme disease] cases. が発生している。23匹のダニで the antigens of _Borrelia burgdorferi_ が確認された (全件中 1.7%)。

● インフルエンザ (39) WHO
PRO/EDR> Influenza (39): WHO update 20110608.1743
Influenza update 135 [3 Jun 2011]
 情報源 WHO Global Alert and Response (GAR), influenza update、2011年6月3日。
概況
- 北半球の温帯地方では、The influenza season has finished
- 南北アメリカとサハラ以南の tropical countries でも引き続き減少傾向
- 南アは influenza A(H1N1)2009, を中心としたウイルス感染の増加を報告

● 手足口病-ベトナム
PRO/EDR> Hand, foot & mouth disease - Viet Nam (03): HCM Ho Chi Minh 
Archive Number: 20110607.1739
 情報源 Report received from the Institute Pasteur, Ho Chi Minh City, Viet Nam、2011年6月7日。
4月から5月にかけて、ホーチミン市 Ho Chi Minh City 内で、手足口病 hand, foot and mouth disease (HFMD) の患者が急増した。市内の小児病院及び南部のDong Thap, Dong Nai, Binh Duong and Tien Giang の各省から集められた、174人の患者からの検体について、the Laboratory of Enteric Viruses of the Pasteur Institute in HCMCで RT-PCR assays による検査を行ったところ、human enterovirus 71 (HEV 71) in 43/174 (25 percent) of cases and other enteroviruses in 91/174 (52 percent) of cases.との結果が得られた。死亡した5人の患者の髄液や咽頭スワブの検体で HEV 71 が確認された。8人の患者 (死亡例2を含む) が HEV 71 sub-genotype C4 に感染し、 Dong Thap 省の1例の HEV71 sub-genotype C5 感染していたことが示された。同研究所によると、ベトナム南部では2003年以降、 HEV 71 C4 and C5 strains の感染が蔓延している。

● 炭疽-バングラデシュ
PRO/AH/EDR> Anthrax, human, livestock - Bangladesh (05): (SR, PB) 20110607.1738
[1] 情報源 bdnews24.com、2011年6月3日。
Shahjadpur Upazila [subdistrict] で新たに3人の炭疽 Anthrax 感染が判明した。Pabna district でこの8日間に感染した患者は49人となった。Bara Maharajpur village の2人と、Chakharipur village under Porjana union council of Shahjadpur Upazila の1人が、炭疽感染の検査で陽性となった、と医師が述べた ... 獣医学担当チームは、家畜の感染が最も深刻な Saratail in Shahjadpur and Satbila in Ullapara upazilas を調査のため訪れた。責任者は、感染発生地域のすべてのウシはワクチンを接種されているとのべた ...
[Mod.MHJ- "Were vaccinated" は決まり文句となっている。家畜の大流行のあった2010年にはワクチンを接種しているかもしれないが。しかし、2011年の予測された流行の発生に対して、3月や4月に Sirajganj でワクチン接種が行われたという報告は、未だ聞いていない。バングラデシュの畜産当局が使用しているのは、少なくとも23年以上前に入手したオーストラリア製ワクチンであり、有効性や抗原性のチェックも行われていない]
[2] 情報源 bdnews24.com、2011年6月5日。
ワクチン接種に関する情報など 

● 大腸菌 O104 -EU (13)
PRO/AH/EDR> E. coli O104 - EU (13): case update, new countries 20110607.1737
[1] 症例発生状況
 情報源 The Detroit News, Associated Press (AP) report、2011年6月7日。
ドイツ政府当局は、近代史上最も致死性の高い大腸菌 E. coli 感染流行により、新たに94人が感染したことを発表した。The Robert Koch Institute [RKI] によれば、7日現在のドイツ国内の患者数は2325人に上っている。新たな患者発生数は減少傾向にあり、ピークを過ぎた可能性がある。腎不全につながることもある重症合併症の患者数は、12人から642人に増えている。
[2] 感染源に関する議論
 情報源 Spiegel Online International 、2011年6月6日。
大腸菌感染流行 the _E. coli_ [O104] outbreak in Germany による死者の数は、すでに21人以上となり、ハンブルグ Hamburg とその周辺を中心に約2200人の感染者が確認されている。しかしこのほかにも、国内の他の地域や国外にも感染が広がっており、スウェーデン、デンマーク、オランダ、その他の国々で、死者1名と多くの感染が報告されている。患者の多くが、ハンブルなどのドイツ北部への旅行者である。[4-5日の] 週末、生のスプラウトが新たな犯人として浮かび上がった。5日、西部 Lower Saxony 州の農業局長は、ハンブルグ近郊の the Uelzen district の農場から採取した検体について、検査を行っていることを明らかにした。(疑惑の)度合いが強く、市民に対してこのスプラウトの摂取を控えるよう呼びかけられるほどであったが、6日の当局の発表では、40検体中23検体の検査は陰性と報告された。残る17検体については、さらに検査が必要と説明されている。その日のうちに、スプラウトがアウトブレイクの原因であるとの疑いは消えていないとコメントしている。しかし、今回のアウトブレイクは、汚染のあったスペイン産キュウリも発見されている、ハンブルグの大規模卸売り市場と何らかの関係があることを示している。一方、当局は、農場、出荷、貯蔵、パック詰めのいずれで汚染が発生したかは、まだ分からないとしている。サッカー競技場30個分の広さを持つこの広い市場の小売業者らは、トマト、キュウリ、レタスなどを避けるよう、the RKI's の勧告が日替わりで変えられることによる、生野菜全般への風評被害に苦しんでいる。スペイン産キュウリへの注意喚起も、外交問題から補償問題に発展しつつある。the Hamburg market では、およそ150品目のフルーツや野菜について自主検査を行い、いずれも大腸菌による汚染がないとの結果を得ているものの、売り上げは半分に満たず、毎日多数の野菜箱が廃棄されている ...
[3] カナダ,ドイツから
 情報源 Toronto Star 、2011年6月6日。
GTA (Greater Toronto Area) 在住で、ドイツを旅行した男性1名が、カナダで初めての、欧州の感染流行関連の大腸菌 _E. coli_ [O104] の患者と疑われていることが、当局により6日明らかにされた。Peel Region に住むこの男性は、最近ドイツを旅行し、野菜を含む現地食を食べていた。簡易検査で、海外の大腸菌と関連のあるトキシンと同じ物が同定されている
[4] フィンランド,ドイツから
 情報源 Xinhua News Agency、2011年6月3日。
ヘルシンキ Helsinki で、1例の the _E. coli_ (EHEC) bacterial infection 患者が確認されたことが、当局 the Finnish National Institute for Health and Welfareから3日発表された。患者から分離された大腸菌の特徴は、ドイツのものと類似していた。この患者は最近ドイツを旅行している。

PRO/AH/EDR> E. coli O104 - EU (09) & USA: correction 20110608.1744
20110603.1701 のコメントにある、Mato Grosso state は Brazil であって、ドイツではない

● プリオン病 (06) 英、仏、米、スイス、TSE
PRO/AH/EDR> Prion disease update 2011 (06) 20110607.1736
[1] 英国: National CJD Surveillance Unit - monthly statistics as of Mon 6 Jun 2011 - no new vCJD cases
 情報源 UK National CJD Surveillance Unit, monthly statistics、2011年6月6日。
[2] フランス: Institut de Veille Sanitaire - monthly statistics as of
Thu 26 May 2011 - no new vCJD cases
 情報源 IVS - Maladie de Creutzfeldt-Jakob et maladies apparentees [in French]、2011年5月26日。
[3] 米国: National Prion Disease Pathology Surveillance Center - cumulative case numbers for 2011 up to 28 Feb 2011 - no vCJD cases [2011年2月28日以降更新なし]
[4] TSE overview
 情報源 EFSA (European Food Safety Authority) Journal 2011; 9(1):1945、2011年1月19日。
原著 EFSA Panel on Biological Hazards (BIOHAZ): Joint Scientific opinion on any possible epidemiological or molecular association between TSEs in animals and humans. EFSA Journal 2011; 9(1): 1945. doi:10.2903/j.efsa.2011.1945
要約
動物およびヒトの TSEs [transmissible spongiform encephalopathies] に関して、現在ある科学的根拠について総括し検討する ... 長文です。
[5] スイス: 2例目の BSE 確認
A case of BSE in an old cow in the Canton of Bern
 情報源 Swiss Confederation, press release [in German]、2011年5月24日。

● 発疹チフス-米国
PRO/AH/EDR> Murine typhus - USA: (TX) 20110607.1734
 情報源 Statesman.com、2011年6月4日。
2011年の1月から5月にかけて、地域の保健当局は、2009年や2010年の同期と比べ、より多数の発疹チフス Murine typhus 患者に関する調査を行った。一旦は "まれ"な疾患だったものが、再びテキサス州中部 Central Texas に根を下したともいえる。この5か月間で、郡保健当局 the Austin/Travis County Health and Human Services Department は、8例の発疹チフス murine typhus感染の確実および可能性例について調査を行い、このほか2例が疑い例として調査が続いている。2010年のこの時期の症例数は5例、2009年は6例だった。少数例であるので、統計上の有意差はないかも知れない、と当局者は述べている。しかし、Travis County は endemc の状態にあり、住民らに注意が必要と呼びかけている
地図

● アフリカ豚熱(豚コレラ)-ロシア
PRO/AH/EDR> African swine fever - Russia (10): (KD) susp., RFI 20110607.1735
 情報源 Live Kuban (Krasnodar) [in Russian]、2011年6月7日。
the [Tbilissky] district [one of the 38 districts of Krasnodar Krai [Territory]. にある1か所の私営農場で、31頭のブタが突然死した。採取された検体の検査結果は出ていないが、当局は非常事態の体制をとっている。