2011年7月15日

● 日本脳炎ほか インド
PRO/AH/EDR> Japanese encephalitis & other - India (02): (AS)
Archive Number: 20110715.2145
 情報源 The Telegraph、2011年7月14日
The Sivasagar district [Assam state] は、2011年に、この10日間で死亡した10人を含め21人が死亡した脳炎対策について Dispur へ支援を求めている。1月以降、79 cases が報告されている。Jorhat district [Assam state] では、about 20 cases of encephalitis and 8 deaths が確認されたことを受け、予防接種が行われた

● ギラン・バレー症候群 メキシコ 米国,カンピロバクター
PRO/AH/EDR> Guillain-Barre syndrome - Mexico (SO) USA (AZ) (02): campylobacter 20110715.2144
 情報源 KTAR、2011年7月14日
The CDC は、当局 Arizona and Mexico health authoritis による、2011年3月に始まった下痢症流行の調査に対し協力を行っている。 the Yuma County Public Health Services District の責任者は、カンピロバクター campylobacter infections 感染が予想される下痢症の増加が見られる、と話している。2か月間で 36 cases in Yuma County が認められたが、通常は1年間で 28 cases である、と述べた。アリゾナ Arizona 州に接する、メキシコ北部の Sonora の 15 cases についても調査されている。the Yuma cases のうちの 6例がギラン・バレー症候群 Guillain-Barre syndrome を発症したが、これは比較的まれな例である、と説明されている

● レプトスピラ症 フィリピン
PRO/AH/EDR> Leptospirosis - Philippines 20110715.2143
 情報源 Examiner.com、2011年7月12日
列島中に発生した洪水により、フィリピン国内のレプトスピラ症 Leptospirosis 患者が爆発的に増加している。the San Lazaro Hospital in Manila の関係者が12日、7月1日以降、6人が同菌による感染で死亡したことを明らかにした。合計37人の患者が受診した。保健省の新興再興感染症プログラムの責任者は、1月1日から6月25日までに、合計521例のレプトスピラ症患者と38人の死者が報告されていると述べた

● 新型肺炎アデノウイルス

PRO/AH/EDR> Novel pneumonia-associated adenovirus, titi monkey, human 20110715.2141
 情報源 Nature News、2011年7月14日
Respiratory virus jumps from monkeys to humans
TMAdV (Titi monkey adenovirus) と名付けられた新型のアデノウイルス adenovirus が、a titi monkey colony と研究者とその家族に感染した。PLoS Pathogens [see Chen EC et al. PLoS Pathog. 7(7), e1002155 (2011)] で報告された。titi monkeys (_Callicebus cupreus_) のコロニーの飼育担当者(研究者)の,はじめてのヒトでの感染が確認された ... 2009年5月、the California National Primate Research Center in Davis の a colony of titi monkeys に致死性の呼吸器感染流行が発生した。飼育されていた65頭のサルのうち、23頭が肺炎などの症状を発症し、19頭が死亡もしくは処分される結果となった ... 感染した研究者は4週間にわたり、インフルエンザ様の上気道感染を発症し、このセンターを訪れたことのない研究者の家族の1人も発病したことから、TMAdV がヒト-ヒト感染する可能性が示された

● サルモネラ感染症 米国
PRO/AH/EDR> Salmonellosis, prison - USA: (PA) 20110715.2140
 情報源 The Washington Post, Associated Press (AP) report、2011年7月15日
刑務当局者によると、ペンシルベニア Pennsylvania 州北西部の1か所の刑務所で 6月、300人以上の収容者らがサルモネラ感染症 Salmonellosis を発症したことを明らかにした。the USA Penitentiary-Canaan in Waymart で、受刑者320人と職員4人が感染した outbreak は、提供された chicken fajitas が原因であったことが、15日 The Bureau of Prisons によって明らかにされた ...
[Mod.LL- fajita とは、小麦粉やcorn tortilla に載せて供される grilled meat 一般を指し、鶏肉、豚肉、海老、牛肉などが好まれる]

◎ バルトネラ症 ペルー

PRO/AH/EDR> Bartonellosis - Peru: (PI) 20110715.2139
 情報源 RPP Noticias [in Spanish]、2011年7月11日。
the La Mercedes Hospital of Chiclayo [Lambayeque region] において、19才の男性がバルトネラ菌感染症 bartonellosis (別名 Carrion's disease and Peruvian wart) により死亡した。Piura region の農民で、発熱が続くため紹介されたが8日に死亡した。医師は、腎不全を合併し死亡に至ったと述べた。1例のみの発生ではあるが、排除されたと考えられていた Carrion disease に感染していたことに驚いている、と話した。
[ModLL-Bartonellosis は、いくつかの newly emerging pathogens による感染症から構成される。1909年に赤血球に付着した生物が報告された。_Bartonia_, later _Bartonella bacilliformis の用語は、1993年以前に確認された the only member of the group に限って使用されている。類似するグループの _Rochalimaea_ (named for Rocha-Lima) が最近 _Bartonella_ に統合された。当初はリケッチア rickettsiae と考えられていたが、_Bartonella_ bacteria はリケッチアと異なり培養液 artificial media 中でも生育する。
12種類以上の species が the genus _Bartonella_ に属し、ヒトに病原性を示すのは3 species と考えられているが、今後間違いなく新たな other significant human pathogens in this genus が確認されるだろう。_B. bacilliformis_ がオロヤ熱 Oroya fever and verruga peruana (Peruvian wart, also known as Carrion's disease) の原因となる。_B. henselae_ は cat scratch disease (CSD,ネコ引っ掻き病) の、_B. quintana_ は trench fever(塹壕熱)の原因となる。_B. henselae_ or _B. quintana_ は、ホームレスや HIV 感染・AIDS 患者の、肝の紫斑病? peliosis of the liver (bacillary peliosis と呼ばれることが多い; 肝内の血液貯留嚢胞を特徴とする) の原因となる。ヒトに病原性を示す可能性のある New species としては、_B. vinsonii_, _B. clarridgeiae_, and _B. elizabethae_ がある。動物では Several of these other species が発見されている。_Bartonella bacilliformis_ は,ペルー、エクアドル、コロンビアの the Andean Mountain regions に常在 endemic し、実質的には above sea level に存在するが、高地とジャングルとの間のより高度の低い地域にまん延する傾向にある。ベクターは the sandfly, _Lutzomyia verrucarum_ である。
_B. bacilliformis_ による急性感染症は、1871年に La Oroya, Peru 近郊で発生したアウトブレイクから名付けられ7000人以上が死亡した。生存者の一部は後に、verruga peruana (Peruvian wart) と呼ばれる皮膚病変を生じた。この皮膚病変は the 1871 outbreak 以前 -- おそらくthe pre-Columbian era にまで遡って -- から知られていたが、Oroya fever との関連性は知られていなかった。1885年に若き医師 Daniel Carrion は、この皮膚病研究のために病変の血液を自分に注射した。彼が Oroya fever を発病したことで解明された。Oroya fever がしばしば Carrion's disease と呼ばれるのは、彼の死を賭した実験への敬意の表れである。1909年に細菌 _B. bacilliformis_ そのものは分離されていたが、病原菌であることが判明したの1940年である。
The _Bartonella_ genus には少なくとも 11 bacteria species があり、このうち 4 種類がヒトに病原性を示す。[* 第2パラグラフと齟齬あり] その中には cat-scratch disease and bacillary angiomatosis が含まれる。
しかし一般にバルトネラ症 bartonellosis(の用語)は_B. bacilliformis_ による疾患に限定して用いられる。この病気は、南米西部の a small area of the Andes Mountains に限局して発生する; ほとんど全てがペルーコロンビア、エクアドルの患者である。bartonellosis は1940-41年に大流行が発生したが、その後は散発するにとどまっている。疾患への対策は、知られている唯一のベクターの対策 Control of sandflies にかかっている。
この菌は、血流に入ると赤血球に付着する。赤血球内に侵入することもある。進行すると最大で宿主の赤血球の90%が破壊され、重症の溶血性貧血となり、高熱、筋肉痛、関節痛、せん妄、昏睡などを伴う。感染した患者は、急性期から2-8週間後に verruga peruana を発症することがあるが、先行する急性期症状や菌血症の時期を示すことなく典型的な症状が見られることもある。未治療で放置されると、これらの病変が数か月から数年間続く。直径4cmまでの血液の充満した様に見える水疱が、主に頭部や四肢に形成される。圧痛があり、出血や潰瘍を生じることもある。
Bartonellosis は、症状と bartonellosis 発生地域への最近の渡航歴により気づかれ、血液中や病変からの _B. bacilliformis_ の分離により、確定診断される。治療の根幹は抗菌薬で、この細菌は、chloramphenicol, penicillins, and aminoglycosides などの複数の抗生物質に感受性を示す。貧血症に対しては、輸血が必要となることもある。抗生物質の使用で bartonellosis による死者は激減した。抗生物質が登場するまでは、この発熱性疾患の死亡率は40%に上っていた。抗生剤により、致死率は8%に低下している。重症貧血症と二次感染などの合併症により死亡する。感染が治療されれば、後遺症なく治癒する]

● A群連鎖球菌、猩紅熱 中国 
PRO/EDR> Streptococcus group A, scarlet fever - China (11): (HK,MO) RFI 20110715.2138
 情報源 the Ministry of Health epidemiological data [in Chinese]
Scarlet fever cases reported in June 2011: 9773
May 2011: 9308
April 2011: 5023
March 2011: 2795
February 2011: 1000
January 2011: 3100
Total year to date (YTD): 30 999

● 口蹄疫 北朝鮮
PRO/AH> Foot & mouth disease - North Korea (08): genotyping
Archive Number: 20110715.2150
 情報源 FAO World Reference Laboratory for Foot-and-Mouth Disease (WRLFMD) 7月15日

● ヘンドラウイルス、ウマ オーストラリア(2件)
PRO/AH/EDR> Hendra virus, equine - Australia (13): (QL)
Archive Number: 20110715.2149
 情報源 The Sydney Morning Herald 7月14日
 A pony named
Cheeky died from the virus at the Blazing Saddles trail-riding property near Kuranda earlier this week. So far, 9 horses have been killed or put down since 20 Jun [2011] as a result of the virus following outbreaks in Queensland and New South Wales (NSW).

PRO/AH/EDR> Hendra virus, equine - Australia (12): (QL,NS) 20110715.2137
 情報源 Google News, Agence France-Presse (AFP) report、2011年7月14日。
オーストラリアで、Hendra virus に感染したウマ1頭が処分され、今回の流行により死亡したウマとしては9頭目となり、2か所の州のおよそ50人が曝露した。fruit bats (flying foxes) からウマに感染し、ヒトでも高い死亡率を示すこの疾患は、すでに1頭が死亡し9人がウイルスに曝露した、この New South Wales で2例目の感染発生となった ... (今回の流行では)ヒトの感染例は発生していないが、1994年の Hendra virus 新興以来、7人が感染し、4人が死亡している。発見された the Brisbane suburb に因んで命名されたこの Hendra virus は、オーストラリア固有の感染症と考えられており、感染したコウモリの尿や糞で汚染された、コウモリの食べかけた果実や水、食べ物から感染する

● 炭疽 米国
PRO/AH/EDR> Anthrax, livestock - USA (03): (ND) alert 20110715.2147
 情報源 AgWeek、2011年7月14日
ND livestock producers warned of anthrax danger
the Mouse (Souris) and Missouri rivers 沿いの畜産農家は、この夏に家畜に対するワクチン接種について、獣医師に相談する必要がある。 "River floodwaters に炭疽菌芽胞 anthrax spores が含まれており、またすでに土壌中に露出している可能性もあるため、リスク the risk of anthrax on pasture and grazing land 増大の危険性がある" とされている

● 野兎病 フランス
PRO/AH/EDR> Tularemia, wildlife - France: (PC) hare 20110715.2142
 情報源 Eurosurveillance edition 2011; 16 (28)、2011年7月14日
Outbreak of tularaemia in brown hares (_Lepus europaeus_) in France, January to March 2011
... 2011年1月から3月にかけて Pas-de-Calais で発生した、フランス国内の an outbreak of tularaemia in brown hares についての報告