2011年8月3日

エルシニア症-米国,殺菌処理済ミルク
原因不明の疾患-マレーシア (02) レプトスピラ症、類鼻疽

● エルシニア症-米国,殺菌処理済ミルク
PRO/AH/EDR> Yersiniosis, pasteurized milk - USA: (PA)
Archive Number: 20110803.2345
[1] Brunton Dairy のビン入り牛乳を飲まないように
 情報源 Pennsylvania State Depts of Health and Agriculture 、2011年7月29日。
ペンシルベニア Pennsylvania 州の保健及び農業当局と、郡保健当局 the Allegheny County Health Department は Brunton Dairy(Aliquippa, Beaver County)が製造した乳製品、とくにガラス瓶入りのミルクについて、健康上のリスクをもたらせる可能性があるとして市民に対して注意を呼びかけている。7月15日以降、幼児3名と高齢者2名の計5名が、エルシニア菌 _Yersinia enterocolitica_ により下痢などの症状を発症した。5人はいずれも、現地の製乳業者である同社のガラス瓶入りの未殺菌ミルクを摂取し発病していた。調査が完全に終了するまで、公衆衛生上の観点から、家庭や職場にある同社製ガラス瓶入りミルクはすべて、廃棄または返品し、他の Brunton Dairy 製の乳製品についても十分注意する旨、通達された
[2] 患者が8人確認されている
 情報源 Associated Press 、2011年8月3日。
州保健当局によると、これまでに細菌汚染のあった Pennsylvania 西部の製乳業 Brunton Dairy(Aliquippa)のミルクで発病したことが確認された患者は8人となった。この業者はピッツバーク Pittsburgh の北西25マイルにあり、殺菌されたミルクについては販売許可を与えられているが、現在生産を中断している

● 原因不明の疾患-マレーシア (02) レプトスピラ症、類鼻疽
PRO/AH/EDR> Undiagnosed illness - Malaysia (02): (SK) leptospirosis, melioidosis 20110803.2341
20110802.2329 について。
 情報源 Borneo Post 、2011年8月3日。
the Bakun area で最近発生した、原因不明あるいは怒った霊によるとされていた疾患への調査が終了し、2日の会見で当局者 State health director が、類鼻疽 melioidosis とレプトスピラ症 melioidosis が原因であったことを明らかにした。報道では、ダム建設や自然破壊に怒った森の精霊 spirits of the jungle や、墓地が水没することに対する祖先の怒りによる死亡と書き立てていた ... 死亡した10人は、実際には2011年1月から7月23日までの間に、州内で類鼻疽とレプトスピラ症で死亡した患者の総数のことであったことが分かった ... the Bakun area のケース以外にも、Kapit の2名と Tatau の1名が類鼻疽で死亡したと報告されており、また Kuching, Sri Aman, Betong and Limbang でも各1名の死亡[死因は類鼻疽?]が報告されている。これまでに Bakun Hydroelectric project (Belaga) と Iron Wall Logging Camp in Kapit における2件の類鼻疽の集団発生が報告されていると述べた。年初から7月30日までの Sarawak 州内の類鼻疽検査陽性患者数は31人で、2010年同期は343人だった。レプトスピラ症の患者については、年初から7月23日までの期間に51人の検査陽性患者が発生しているが、2010年は年間合計数が49人だった
hydroelectric Bakun Dam: 岩を積んで表面をコンクリートで固めた、世界で2番目の高さを持つダムで、the Balui River in Sarawak, Malaysia に建設中
 
● 鳥インフルエンザ、ヒト (53) -カンボジア、エジプト
PRO/AH/EDR> Avian influenza, human (53): Cambodia, Egypt 20110803.2338
UN confirms avian flu death in Cambodian girl, case in Egypt
 情報源 CIDRAP (Center for Infectious Disease Research & Policy) News、2011年8月2日。
 -カンボジア
The World Health Organization (WHO) は2日、すでにメディアで報道されていた4歳女児の a fatal case of H5N1 avian influenza を確認した [20110729.2279]。この女児は、 Chork Reaksmey village in Banteay Meanchey province の住民で、7月11日に発病し、当初治療を受けていた私立医院から18日に病院に移送されたが2日後に死亡した。女児の住む村では家きんの死亡が報告されており、女児は死亡した家きんに接触していた。13人の、女児との接触者について行われた H5N1 検査は全員陰性だった。Banteay Meanchey province, の他の2か所の村では、100羽の庭先飼育のニワトリとダックが H5N1 (ウイルス感染)により死亡している。
 -エジプト
さらに the United Nations Food and Agriculture Organization (FAO) が 2日、エジプトにおいて a case of highly pathogenic avian influenza を確認した。The FAO report によると、北部 Al Beheira governorate の症例とされているが、患者の年齢、性別、発生源などの詳細な情報は与えられていない。7月27日に確定診断の検査で陽性が確かめられている。

● ウエストナイルウイルス ギリシャ
PRO/AH/EDR> West Nile virus - Eurasia (03): Greece
Archive Number: 20110803.2336
 投稿者 Anna Papa 8月2日
As of 31 Jul 2011 (epidemiological week 30), 3 human cases of West Nile infection had been reported to the Hellenic CDC (KEELPNO). These are the 1st cases of 2011.

● 原因不明の大量死、ブタ-フランス
PRO/AH/EDR> Undiagnosed die-off, porcine - France: (Brittany), RFI 20110803.2344
Wild boar deaths on French coast baffle authorities
 情報源 Reuters、2011年8月2日。
フランス北西部沿岸地方の the Cotes d'Armor region of Brittany で、野生のイノシシ36頭が原因不明の病気で死亡し、検査により、専門家が指摘したような大量の腐敗した海藻からの流化水素ガス hydrogen sulfide gas が原因である可能性が低いことが分かり、当局は頭を悩ませている。集約農業で使用されている肥料から河川に入る窒素が、フランス沿岸地域の海藻の成長を促進していると環境保護主義者は主張しているが、6頭の野生のイノシシの身体の検査では(海藻からのガス以外も含む)様々なガスの痕跡が確認され、また1頭からは全くガスが検出されなかった。7月後半にイノシシの大半が発見された the town of Morieux 近郊の海岸は、市民の立ち入りが禁止されている。当局は様々な可能性について検討しているが、国内各紙の1面には故意の毒物によるなどと書かれている。政府当局は、2009年に起きた Cotes d'Armor での1頭のウマの窒息死で、体内に大量の硫化水素が検出されたことから、沿岸部での海藻の大量発生への対策を続けていた。
[Mod.TG- 死に至らしめた後に、硫化水素が消散することもあり、胃内に腐敗した海藻が見つからなかったからと言って、有毒ガスを大量に吸入して死亡したことを否定することはできない]

● 原因不明の疾患と死亡、ラクダ科-モーリタニア
PRO/AH/EDR> Undiagnosed disease & death, camels - Mauritania: RFI 20110803.2343
A serious threat to camels in Mauritania

 情報源 C.R.I.De.M (Carrefour de la Republique Islamique de Mauritanie)[French]、2011年8月2日。
モーリタニアのラクダに深刻な問題に直面し、農家は緊急対策を政府や国際機関に求めている。"ラクダを死亡させている病気を明らかにし、地要や予防対策を" との声が上がっている。同国にとって、驚くべき環境適応力を持ち、移動手段として利用されているだけでなく、ミルクと肉の主要供給源でもあるラクダの、個体数を確保することが重要である。ラクダの死亡は、最近、国内各地で発生している: Guidimgha, Brakna, Gorgol and Trarza 。どのラクダも内臓出血を起こし、呼吸器感染を併発していた。衰弱し、突然、口や鼻から出血し、頭蓋内の浮腫を生じる。2010年冬の Adrar のリフトバレー熱 Rift valley fever (RVF) に続く死亡である。季節による移動中も、この the Adrarのウイルスを保持していた可能性も十分にある。Trarza のラクダを診察した獣医師の1人は、パスツレラ症 pasteurellosis を疑っているが、果たして診断は正しいのだろうか。今は分からない ...
[Mod.AS- もちろん正しい診断が必要だし急がなければならない。RVF は小型反芻動物やウシに多いが、ラクダも感染する。もし RVF なら、公衆衛生上も深刻な影響がある]

● 馬インフルエンザ-モンゴル OIE
PRO/AH/EDR> Equine influenza - Mongolia: (Tuv), OIE 20110803.2342
Equine influenza epidemic breaks out in Mongolia 
 情報源 Xinhua-net 、2011年8月2日。
モンゴル政府当局は、国内の14の県で馬インフルエンザ Equine influenza の発生を確認した。今もウマが重要な役割を担うこの国の18の県で、最近報告されていた感染が疑われる症例について、2日、感染が確認されたと政府広報で発表した。広報によると、副首相は非常事態委員会を招集し、感染流行への対応を話し合った。Bayan-Ulgii, Zavkhan and Umnugobi の3県を除く地域のすべてで感染が確認されていることから、数百万頭へのワクチン接種が必要と見込まれている。馬インフルエンザの流行は、通常、春か秋に発生する、と獣医学当局は話している。モンゴルは、この数十年間に幾度となく、馬インフルエンザ流行を経験している。当局者は、なるべく早くワクチン接種を行わなければならない、と述べた。2007、2008年にホブド Khovd 県で発生した感染流行では、現地の畜産業に大きな損害を与えた。モンゴルの農業分野において、畜産は主要な部分を占めており、4000万頭以上の家畜を抱えており、そのうち200万頭がウマである。
[Mod.AS- October 2007 and May 2008、モンゴルは最も新しいウイルス virus subtype H3N8 による感染流行 epizootic of equine influenza に見舞われ、西部一帯に感染が広がり、広大な地域でのワクチン接種が行われた。 最近の the OIE への報告にあるように、7月9日に 同じサブタイプのウイルスにより、トゥブ県 Ulaanbaatar city で発生した同疾患の再興である]

● 鳥ポックス-英国
PRO/AH/EDR> Avian pox, garden birds - UK: (England) 20110803.2337
 情報源 The Guardian、2011年8月3日。
近年、garden birds (適切な日本語は?) 特に great tits (シジュウカラ) に大きな被害が出ている、トリの病気のまん延に関する追跡調査に対して、環境保護関係者らは、市民に協力を呼びかけている。2006年に、初めての鳥ポックス avian pox の症例として、1羽の British great tit への感染が確認された。それまで、このウイルスは、スカンジナビア、オーストリア、チェコ共和国、スロベニアでしか確認されていなかった。2010年、the pox virus が Wytham Woods (in Oxfordshire) で発生したことが確認されたが、この種の研究としては世界で最も古い1947年からモニター観察が続けられていた、 a population of great tits のうちの1羽だった ... Avian pox により、目や嘴の回りを中心にいぼ状の病変が発生する。 the dunnock, イエスズメ, ムクドリ, モリバト など、英国のトリのほとんどには、軽い症状しか起こらないとされているが、シジュウカラには悪影響が及ぶ。死亡するかどうかは分からないものの、視力や跳ぶ力には影響するため、捕食者に捕まりやすくなる。このウイルスは、昆虫や他のトリから感染する。止まり木やえさ場などとの接触で、間接的に感染することもある。ウイルスは、環境中で何か月も生存することもあるという。
[Mod.AS- ヒトが感染することはない]
写真 avian pox in birds (finch, sparrow, wild turkey, a raptor) and some additional background information 

● カボチャの病気,真菌性病原体-カンボジア
PRO/PL> Fungal pathogens, pumpkin - Colombia: survey 20110803.2335
Researchers find dangerous fungus in pumpkins
 情報源 Caracol TV, Agencia EFE report [in Spanish]、2011年7月28日。
the National University [NU] の研究者らが、カボチャに深刻な被害を及ぼす真菌を確認した。そのうち1つは、これまでにカボチャで確認されたことのない種類の菌であった。カボチャは、カンボジア国内の3600haの耕地で栽培され、6500トンが生産されている、主要な野菜産品のひとつであるが、近年、真菌による被害が発生したため、今回の調査が行われた。発見された真菌の中に、カボチャの葉の病気を発生させる、これまでに知られていなかった _Nigrospora_ species が見つかった。今回調査された3か所の地域で発見された、深刻な被害をもたらせる病原体には、species of _Alternaria_, _Curvularia_, _Fusarium_, _Oidium_, _Penicillium_, _Nigrospora_ and mycelia sterilia [non-spore producing fungi. - Mod.DHA] などが含まれている。最も影響が大きかったのは _Fusarium_ species で sudden wilt により死滅する可能性もある