2011年9月24日

黄疸-インド
トリパノソーマ症(シャーガス病)欧州 ECDC

● 狂犬病-ペルー
PRO/AH/EDR> Rabies, vampire bat - Peru (07): canine
Archive Number: 20110924.2901
 情報源 Diario de Yucatan, Notimex report [in Spanish]、2011年9月21日。
感染したコウモリやイヌから感染する狂犬病 Rabies により、ペルー国内で2011年に20人以上の人々が死亡し、保健省は狂犬病対策キャンペーンを呼びかけることとなった。担当者は、狂犬病がイヌやコウモリなどの森に住む生き物によって都会に持ち込まれていると述べた。 年間でおよそ6万人が urban rabies のリスクがあるとして治療を受けている。公式発表されている数字によると、死亡した19人はコウモリによる咬傷を受けた the Amazonas region の原住民であった。住居に壁が無く、防御手段[ネット?] を用いることも無く、慣習にないため治療を求めることも無い、と報じられている。

● ハンタウイルス-チリ、ペルー
PRO/AH/EDR> Hantavirus update 2011 - Americas (41): Chile, Peru 20110924.2900
[1] チリ (Aysen):Radio Santa Maria [in Spanish]、2011年9月24日。
23日に the Coyhaique Regional Hospita 病院において、2011年の9例目のハンタウイルス Hantavirus 感染が確認された。the La Junta area を訪れた44歳の女性1名で、1ヶ月前にも同じ場所で、女性の夫が同ウイルスに感染している。the Aysen region における感染例は11人となった
[Mod.TY- Andes virus による可能性が高い] 
[2] ペルー: La Region [in Spanish]、2011年9月8日。
この地域 this [Iquitos] area ではまれな3例目のハンタウイルス感染が確認された。

● 黄疸-インド
PRO/EDR> Jaundice - India: (JK) contaminated water, RFI 20110924.2899
 情報源 Kashmir Dispatch、2011年9月22日。
Kashmir's Shopian district 南部の新生児2名を含む3名が黄疸の集団発生により死亡し、ほか13人が入院となっていることが22日に現地報道で伝えられた。同地区の Karwadah 出身の妊娠女性2名も黄疸を発症し、the SMHS hospital に転送された。2人とも出産したが新生児は出生から数分後に死亡した。医師らは新生児は黄疸により死亡したと説明した。女性のうちの1人も、出産後に死亡した
[Mod.CP- 黄疸 Jaundice は、血中および組織内のビリルビン bilirubin 値の上昇により起こる。Bilirubin は赤血球が破壊されるときに生じる老廃物である。黄疸は血液から肝へのビリルビンの移動と体外への排出が妨げられるような、いずれかの状態・原因・因子によって発生する。肝内黄疸の原因として,ウイルス性肝炎 (hepatitis A, hepatitis B, hepatitis C, and hepatitis E viruses), レプトスピラ症 leptospirosis,腺熱 glandular fever (the Epstein-Barr virus を原因とする), およびアルコール、アセトアミノフェン、フェノール化合物などの過剰摂取、自己免疫性疾患、ある種の遺伝的異常がある。Shopian におけるアウトブレイクの原因として最も可能性が高いのは E型肝炎 hepatitis E virus infection で、上水道管理の不備によると考えられる。過去にもインドではこのような感染流行は珍しくなかった]
地図 Shopian District in Jammu and Kashmir state;中心地が Shopian city

● トリパノソーマ症(シャーガス病)欧州
PRO/AH/EDR> Trypanosomiasis (Chagas disease) - Europe 20110924.2898
 情報源 Eurosurveillance edition 2011; 16(38)、2011年9月22日。
原著 The hidden Chagas disease burden in Europe. Euro Surveill. 2011; 16(38):pii=19975
非常在国,すなわち欧州などラテンアメリカ以外において,シャーガス病 Chagas disease のベクターによらない例外的なシャーガス病 Chagas disease の感染伝播が、2000年以降確認されるようになってきた。これらの国々におけるシャーガス病の発生は、特に移民などの人口移動に関係することが多い。20世紀に非常在国でシャーガス病が確認されたのは,北米のカナダや米国と西太平洋のオーストラリアや日本であり、欧州で確認されるようになったのはもっと最近になってからのことである。欧州でのシャーガス病の歴史は3つの時期 significant periods に分かれていて、第1期はブラジルでの発見から72年後の1980年代初頭に初めての欧州でのシャーガス病が報告された時代であった。その後、欧州各国で関心が寄せられ _Trypanosoma cruzi_ の確認が報告され、輸血、先天性感染、実験室事故などのベクターによらない感染伝播と、帰国後の旅行者や養子などの感染者の侵入が散発した。2000年に第2期が幕を開け、欧州各国で患者報告数の増加が認められた。スペインなどの南欧を中心としたラテンアメリカと欧州間の移民が重要な役割を果たした ... 2007年から始まる第3機には様々な試み various initiatives への取り組みが始まった ...

● ボツリヌス症-米国 創傷、薬物関連
PRO/EDR> Botulism, wound, drug-related - USA (02): (WA) 20110924.2896
 情報源 Seattle Post-Intelligencer、2011年9月14日。
保健当局者らは、汚染ヘロイン "black tar" heroin を注射していたと見られる King County の住民が関係する2例のボツリヌス症患者について調査を行っている。8月後半、このヘロインの使用歴のある King County woman の女性1名が、言葉のもつれ、複視、眼瞼下垂のため、病院を受診した。1週間後に、同じ薬物注射使用歴のある男性1名も、同様の症状のため受診した。いずれも病状が悪化して集中治療室に入院となり、死亡する危険性のある1 of the serotypes of _Clostridium botulinum_ によるボツリヌス症と確定診断された。

● 日本脳炎-インド
PRO/AH/EDR> Japanese encephalitis & other - India (21): (Delhi) 20110924.2892
 情報源 Indian Express、2011年9月24日。
市内で 4人の日本脳炎 Japanese encephalitis (JE) [virus infection] の患者が確認され、旅行歴がないことから、デリー Delhi 市内で感染したと見られている

● レプトスピラ症-インド
PRO/AH/EDR> Leptospirosis, fatal - India (02): (KL) 20110924.2886
 情報源 News Tonight、2011年9月23日。
ケララ Kerala 州当局は the Malabar area におけるレプトスピラ症 rat fever (leptospirosis) の感染拡大防止策として、私立病院を含む医療機関に発熱外来を設置することを決めた ... Kozhikode regionで約256人の感染が疑われる患者が確認されており、33人については感染が確定診断されている。また43人の死亡原因がレプトスピラ症である可能性があり2人について確定診断された。

● インフルエンザ A (H1N1) 2009、動物-カメルーン,ブタ 2010
PRO/AH/EDR> Influenza A (H1N1) 2009, animal (04): Cameroon, porcine, 2010 20110924.2897
UCLA scientists find H1N1 flu virus prevalent in animals in Africa
 情報源 UCLA (University of California, Los Angeles) Newsroom、2011年9月22日。
原著 Pandemic A/H1N1/2009 influenza virus in Swine, Cameroon, 2010. Vet Microbiol. 2011; in press, accepted manuscript. doi:10.1016/j.vetmic.2011.09.003.(subscription required for the full paper). 
カメルーン北部の村において、調査されたブタの何と 89%が豚インフルエンザとして知られる H1N1 ウイルスに感染していた。これらのブタは野生に放牧されていたブタであった、と研究者は述べた。ブタはヒトから H1N1 に感染したとされている。カメルーンのブタで確認されたウイルスと、わずか1年前に (米国の) サンディエゴ San Diego で検出されたウイルスが、全く同じ virtually identical であったと説明しされている
 
● ウシ結核-米国
PRO/AH/EDR> Bovine tuberculosis, bovine - USA (06): (IN) 20110924.2891
20110918.2839 に関し。
 投稿者 米・Indiana Board of Animal Health、Doug Metcalf 、2011年9月23日。
インディアナ Indiana 州動物衛生当局より ... Press release [15 Sep 2011]
Bovine TB investigation ends, wild surveillance continues

● 馬ヘルペスウイルス-北米
PRO/AH/EDR> Equine herpesvirus, equine - North America (15): (CA) 20110924.2890
 情報源 San Jose Mercury News, Associated Press (AP) report、2011年9月21日。
カリフォルニア California 州当局者 The state Department of Food and Agriculture は21日、Tuolumne, San Joaquin, and Sonoma の各郡で、複数頭のウマが馬ヘルペスウイルス equine herpesvirus に感染したことを明らかにした。現在、12の郡で 22 confirmed cases が確認されている

● 原因不明の大量死、魚類-米国 ガス爆発の衝撃
PRO/AH/EDR> Undiagnosed die-off, fish - USA (03): (AR) gas bubble trauma susp. 20110924.2889
 情報源 Reuters、2011年9月20日。
Little Rock 内のアーカンソー川 Arkansas River 沿いで、大量の死亡した魚が、20日、野生動物監視当局者により発見され、その数は増えるものと見られている。前日に釣り客から、数十匹の dead white bass が報告されていた。死亡しているのは、この河川に多く見られる体長13-20cmの white bass が中心で、7月にオープンした the Two Rivers Bridge の歩道付近で多く発見されている。トキシンや酸素濃度については問題が無く、寄生虫の検査の結果が判明するまで、1か月近く要すると説明されている。2010年12月に the Arkansas River で多数の freshwater drum(ニベ) and yellow bass(バス) が死亡し、1ヵ月後にも 500匹の drum が死亡している。当局者らは、放水ゲート開放による、溶存酸素と窒素の増加が原因と結論した。同時に発生した鳥類の大量死は、大晦日に(花火などによる)爆音が原因となった、鈍的外傷によるものとされた。今回の大量死は、別の場所で発生しており、 gas bubble trauma との関連性は低いと当局者は述べている。季節の変わり目の温度変化による可能性もある、と述べた。

● ボツリヌス症、鳥類-米国
PRO/AH/EDR> Botulism, avian - USA (02): (CO) 20110924.2888
 情報源 Aurora Sentinel 、2011年9月15日。
Aurora 市当局によると、8月に市内の複数の公園で、ボツリヌス症感染流行により、多数のダックが死亡した。 Utah Park and Expo Park で死亡したダックの検査により、avian botulism による死亡であることが確認された ...
参考情報 (avian botulism) 20110923.2878

● White nose syndrome-北米,コウモリ
PRO/AH/EDR> White nose syndrome, bats - North America (06): USGS report 20110924.2887
Universal precautions for the management of bat white nose syndrome
(WNS)
 情報源 United States Geological Survey (USGS) Wildlife Health Bulletin 2011-05、2011年9月22日。
white nose syndrome の原因が、寒冷条件下で生育する真菌の _Geomyces destructans_ であるとの証拠が集まりつつある (Blehert et al, 2009; Cryan et al, 2010; Blehert et al, 2011).。この真菌はコウモリに感染し、多数の増殖構造物(芽胞)を産生し、コウモリが冬眠する洞窟や鉱山の表面で生育する。 (Puechmaille et al, 2011; Blehert et al, 2011) このため、真菌が発生した洞窟や鉱山が感染源となり、侵入したヒトにより感染が拡大した可能性がある