2011年10月9日


グラム陰性菌-スペイン、多剤耐性 ECDC

● グラム陰性菌-スペイン、多剤耐性
PRO/EDR> Gram negative bacilli, multidrug resistance - Spain 20111009.3028
 情報源 Eurosurveillance, Volume 16, Issue 40、2011年10月6日。
原著タイトル "Trends in yearly prevalence of 3rd-generation cephalosporin and fluoroquinolone resistant Enterobacteriaceae infections and antimicrobial use in Spanish hospitals, Spain, 1999 to 2010."
要約
入院患者の感染症の主な原因は,大腸菌、肺炎桿菌、腸内細菌(_Escherichia coli_, _Klebsiella pneumoniae_, and _Enterobacter_ spp.)である。感染症の患者における、第3世代セファロスポリンとフルオロキノロン 3rd-generation cephalosporins and fluoroquinolones 耐性の状況、抗生物質の使用状況、とこれらの相互関係について調査した。1999年から2010年までのスペイン国内の入院患者の、感染症と使用された薬剤のデータベース (The database of national point prevalence study series of infections and antimicrobial use among patients hospitalised in Spain over the period from 1999 to
2010) の解析を行った。265病院の6万人の患者について調査したところ、合計 19 801 _E. coli_, 3004 _K. pneumoniae_ and 3205 _Enterobacter_ isolates であった。この12年間に、フルオロキノロンの使用が飛躍的に増加 (5.8-10.2 %) したが、3世代セファロスポリン 3rd-generation cephalosporins (6.4-5.9 percent, p=NS) では増加が認められなかった。3世代セファロスポリンに対し,大腸菌 (5-15%) と肺炎桿菌 (4-21%) では著しい耐性化が認められたが、腸内細菌 (24%) では変化がなかった。フルオロキノロン耐性については、大腸菌 (16-30%)、肺炎桿菌 (5-22%)、腸内細菌 (6-15%) ともに大きく増加した。大腸菌と肺炎桿菌に関し、抗生剤使用率と耐性の間に強い相関 (the rate of fluoroquinolone use and the resistance to fluoroquinolones, 3rd-generation cephalosporins, or co-resistance to both, for _E. coli_ (R=0.97, p less than 0.01, R=0.94, p less than 0.01, and R=0.96, p less than 0.01, respectively), and for _K. pneumoniae_ (R=0.92, p less than 0.01, R=0.91, p less than 0.01, and R=0.92, p less than 0.01,respectively).) が認められた。3世代セファロスポリンの使用といずれかの抗生物質への耐性との間には、相関が認められなかった。腸内細菌との有意の相関も認められなかった]

● 麻疹 (35)
PRO/EDR> Measles update 2011 (35) 20111009.3027
[1] WHO
 情報源 World Health Organisation (WHO), Global alert and Response (GAR) 、2011年10月7日 FORTH より
ヨーロッパ
9月20日の時点では、WHOヨーロッパ地域の53の加盟国のうち40ヶ国が1月から7月までの期間に26,025人の麻疹確定患者を定期のサーベイランス流行報告としてヨーロッパ事務局へ報告した。最も多い症例報告は今年上半期のフランスからで14,025人。さらに患者のうち11人が死亡(6人がフランス、ドイツ、キルギス、ルーマニア、マケドニア旧ユーゴスラビア、イギリスでそれぞれ1人)した。ヨーロッパ地域で循環している主な遺伝子型はD4で、2008年イギリスで流行した型と同じで、最近の発生はイスラエルで9月に報告された12人である。
アフリカ
地域事務局は9月時点で大流行を報告しており、コンゴ民主共和国で103,000人、ナイジェリアで17,428人、ザンビアで5,397人、エチオピアで2,902人が報告されている。地域事務局に死亡者の定期の報告はないが、コンゴ民主共和国内のWHO事務所は2011年に1,100人以上の麻疹関連死亡者の発表をしている。
アメリカ
現地発生の最終報告は2002年だった。2011年、アメリカ地域事務局は他地域からの麻疹ウイルス輸入にリンクするいくつかの発生報告を受けている。最大の流行発生はカナダ、ケベック州の742人で、うち89人が入院したが、死亡者はなかった。ほかアメリカ合衆国(213人)、エクアドル(41人)、ブラジル(18人)、コロンビア(7人)、メキシコ(3人)、チリ(6人)から報告されている。これらの発生のほとんどがヨーロッパからの輸入にリンクするものであったが、アメリカ合衆国とチリでの発生はそれぞれマレーシアとエクアドルからの輸入例で、ケニアにリンクしていた。
[2] フランス
 情報源  Environ2b [in French]、2011年10月7日。
the l'Institut National de Veille Sanitaire (InVS) は、麻疹感染流行が数か月間にわたり沈静化しているとの見方を示した。フランス国内では、2008年1月1日以来、22000人近い麻疹患者を報告しており、The 3rd epidemic wave は、前2回の波と比べ、"massive," と表現されている。2011年の8ヶ月間に、14600人近い患者が報告され、16例に神経学的合併症が見られ、647人に重症肺炎が発生し、6人が死亡した。3月のピーク後、急激な減少を示している。
[Mod.CP- 患者数の減少は、ワクチン接種率の向上か、感受性のある患者が減少した(感染してしまった)結果と思われる]
[3] ロシア (Astrakhan)
 情報源  Province.ru News Agency [in Russian]、2011年10月5日。
過去3年間、 Astrakhan では麻疹の報告がなく a measles-free region の状態であると考えられていたが、the Leninskii region of Astrakhan の住民らを中心に、新たな感染が発生している
[4] フィリピン (Iloilo)
 情報源  Sun Star Iloilo、2011年10月7日。
The Iloilo Provincial Health Office (IPHO) 保健当局は、麻疹の集団発生のあった4つの地域 4 barangays [communities] of Batad, in Iloilo に住む、生後6-11か月の小児に対し、ワクチンの一斉接種を受けるよう勧めている
[5] エクアドル Ecuador [in Spanish]
 -  (Tungurahua):El universo、2011年10月3日。
the province of Tungurahua の麻疹感染流行は、the parish of Quisapincha の農村部から Ambato に広がり、患者の数は、9月27日の31人から、10月4日には68人に増加した。
 -(Quito):El Comercio、2011年10月3日。
the Baca Ortiz Hospital. で10歳の麻疹感染1例が確認された。Ambato.の親類を訪問した際に感染したと見られている。
[6] 米国 (Minnesota)
 情報源  Star Tribune 、2011年10月3日。
8月に入院となった1名の Dakota County baby が発端となった、ミネソタ州で第2の麻疹感染流行 Minnesota's 2nd measles outbreak of the year [2011], が終息した、と当局が発表した
[7] ニュージーランド New Zealand
 - (Auckland):Radio New Zealand、2011年10月4日。
 - (Bay of Plenty):he Daily Post 、2011年10月8日。

● ボツリヌス症-米国,鳥類
PRO/AH/EDR> Botulism, avian - USA (04): (NV) 20111009.3031
 情報源 The Republic、2011年10月8日。
ネバダ州でもっとも重要な水辺の近くにある、私有のハンティング用の湖で、2000羽近いダックなどの鳥類が、鳥ボツリヌス症 Botulism, avian で死亡した

● 東部ウマ脳炎-米国
PRO/AH/EDR> Eastern equine encephalitis - USA (17): (WI) equine 20111009.3030
 情報源  WQOW.com、2011年10月7日。
The Chippewa County Department of Public Health が、3 頭のウマが、東部ウマ脳炎 eastern equine encephalitis (EEE).により死亡したことを明らかにした

● 原因不明の死亡、ウマ-オーストラリア
PRO/AH/EDR> Undiagnosed deaths, equine - Australia 20111009.3029
[1] 情報源  ABC.net.au 、2011年10月7日。
ゴールドコースト the Gold Coast 西の農場で7頭のウマが死亡し,ほか5頭が安楽死となり、中毒が疑われている
[2] 情報源 French Tribune 、2011年10月8日。
Beaudesert in the Kooralbyn region 近郊の農場ですでに17頭が犠牲となっている原因不明の病気で、残っていたうちの1頭も生き延びるチャンスは低いと見られている