2011年12月29日-30日

インフルエンザ (79) -オーストラリア H275Y mutant cluster NEJM
原因不明の呼吸器疾患-ミャンマー 

● 日本脳炎など-インド
PRO/AH/EDR> Japanese encephalitis & other - India (41): UP
Archive Number: 20111230.3710
 情報源 Zeenews 、2011年12月30日。
ウッタルプラデシ Uttar Pradesh 州東部で新たに2人が脳炎で死亡し、2011年の死者が643人になった。Basti and Gorakhpur の各病院で、82人もの小児が現在脳炎のため入院中である。

● 狂犬病-米国
PRO/AH/EDR> Rabies - USA (13): (MA) bat, human
Archive Number: 20111231.3718
 情報源 WCVB TV Boston、2011年12月30日。
州内では75年ぶりに、マサチューセッツ Massachusetts 州の男性1名が狂犬病 Rabies に感染した。60歳代の Barnstable County に住むこの男性は、自宅でコウモリから感染したと見られている。Boston-area hospital に入院中で、危険な状態にある ... 1983年に30歳の Waltham man が狂犬病に罹患し死亡したが、アフリカでのイヌ咬傷による感染と見られている。米国への帰国から約3か月後に発症し、1983年1月に死亡している。

● インフルエンザ (79) -オーストラリア H275Y mutant cluster
PRO/EDR> Influenza (79): Australia (NS) H275Y mutant cluster
Archive Number: 20111230.3706
Community Transmission of Oseltamivir-Resistant
A(H1N1)pdm09 Influenza
 情報源 N. Engl. J. Med. (NEJM), 2011; 365:2541-2542、2011年12月29日。
H275Y neuraminidase substitution を伴うオセルタミビル耐性の季節性インフルエンザウイルス Oseltamivir-resistant pre-pandemic seasonal influenza A (H1N1) viruses が2008年に世界中に蔓延し,oseltamivir の効果が減弱した。オセルタミビルに耐性の A(H1N1)pdm09 と呼ばれている pandemic 2009 A (H1N1) viruses は、oseltamivir による治療を受けた患者から検出され、the community 内の未治療の患者からの検出は1%未満であり、閉鎖環境や患者との濃厚接触を通じてのみ感染伝播が起きたと報告されている。われわれはオーストラリア国内の持続性感染伝播 sustained community transmission of oseltamivir-resistant A(H1N1)pdm09 viruses を確認した。2011年5月から8月にかけて、 the Hunter New England region(of New South Wales, Australia)の地域の、救急外来、集中治療室、医院の患者182人から Reverse-transcriptase-polymerase-chain-reaction-positive A(H1N1)pdm09 viruses が得られた。ウイルスのオセルタミビル耐性を分析したところ、合計29件の A(H1N1)pdm09 viruses (16 %) に、耐性の原因となる the H275Y neuraminidase substitution が認められ、全ての症例が抗ウイルス薬 the adamantine class に耐性だった。培養を試み 90 isolates を得、うち15検体に the H275Y substitution を認めた。the H275Y isolates に対する蛍光ベースのノイラミニダーゼ阻止アッセイ fluorescence-based neuraminidase inhibition assay では、oseltamivir に対する the IC50 value (the concentration of drug required to inhibit neuraminidase activity by 50 percent) は、wild-type strains に比べ513 倍、peramivir に対しては80倍高い値であった。しかしいずれも zanamivir 感受性は保たれていた。H275Y variants の発生頻度は、6月に 4 in 50 viruses (8 %)、7月に 20 in 85 viruses (24%)、そして8月には 4 in 45 viruses (9 %) だった。ヘマグルチニンとノイラミニダーゼの塩基配列解析 Hemagglutinin and neuraminidase sequence analysis (Global Initiative on Sharing All Influenza Data accession numbers, EPI334765-33 4790 and 335634-335637) で、耐性ウイルス株 the resistant strains 同士の近似性 (99.9 to 100 percent hemagglutinin nucleotide similarity and 99.6 to 100 percent neuraminidase nucleotide similarity) が認められ、単一の変異株の感染拡大 the spread of a single variant が示唆された。患者の大部分は、豪第7の都市Newcastle の半径50km圏内に住んでおり、3人については90, 150, and 490 km 離れた地域に住んでいた。州内では、シドニー Sydney などの他の地域で Two genetically related strains が確認されている ... the 29 patients with resistant influenza のうち、検体が採取される以前に oseltamivir の治療を受けていたのはわずか1名で、年齢は4歳から62歳までの平均31歳であり、153人の感受性ウイルスの感染患者とほぼ同じだった。oseltamivir-resistant influenza の患者の5人が、5歳未満だった。the 2011 influenza vaccine の接種を受けた3人を含め、耐性ウイルスには the vaccine strain との相同性が保たれていた。4つの家庭内で2人の患者発生があり、いっしょに短期間のドライブ旅行をした2人の患者も含まれている。残りの患者らには、耐性ウイルスに感染した他の患者との疫学的関連性は認められなかった。
関連項目 20110825.2594

● 原因不明の呼吸器疾患-ミャンマー 
PRO/EDR> Undiagnosed respiratory disease - Myanmar: (CH) RFI
Archive Number: 20111229.3700
 情報源 Chinland Guardian、2011年12月28日。
Falam Township, Chin State の3か所の村 Hnahthial, Ngailan and Haimual villages で80人以上が原因不明の病気に罹患した。18日に始まったこの流行に対し、当局は緊急チームを派遣した。少なくとも47人が深刻な状態にある。村人の1人は "インフルエンザのような、発熱、頭痛、嘔吐、咳などの症状があり、10歳未満の小児らを中心に患者が発生している" と述べ、死者は報告されていないが、その可能性はあるとしている。約40戸からなる Hnahthial village が最も深刻な影響を受け、およそ50人の住民が罹患している。14戸のみの Ngailan villageでは 20 people,22 households の Haimual village でも10人が発病している。国連がビルマの最貧地区と位置づける Chin state には人口50万人に対して設備の整った病院が12しかない。
[Mod.CP- 情報が不十分であるがインフルエンザが最も近い。3日現在、ミャンマーは FluNet に地域内のインフルエンザウイルス感染の情報を提供する83カ国に入っていない。過去ミャンマーは、6月から8月にかけての雨期に一致して季節性に発生していた]
[Mod.MPP- the 1st report of an undiagnosed respiratory outbreak in Myanmar である。鑑別診断として influenza, parainfluenza とその他の呼吸器ウイルスが挙げられる]
 * Chin state is in the western part of Myanmar sharing borders with both India and Bangladesh 

● NDM-1 carrying Enterobacteriaceae-インド
PRO/EDR> NDM-1 carrying Enterobacteriaceae - India (03): comment
Archive Number: 20111230.3708
 情報源 DNA India 、2011年12月30日。
the carbapenems などの抗生物質への耐性に関与する the NDM1 (New Delhi mettalo-beta-lactamase-1) enzymeを産生するグラム陰性菌は、抗生物質治療の最終ラインに対しても耐性を獲得しつつある。この数年間に Colistin and Tigacycline などの旧世代の薬剤に抵抗性を持ち始めている、と医師は警戒している

● ブルセラ症-アルゼンチン
PRO/AH/EDR> Brucellosis, human, canine - Argentina (02): comment
Archive Number: 20111230.3707
 情報源 Gideon、2011年12月29日。
20年間、アルゼンチンのブルセラ症 Brucellosis 発生は減り続けていたが、1050年代の米国並みの数字が続いていた

● 炭疽-アルゼンチン
PRO/AH/EDR> Anthrax, bovine - Argentina (03): (BA)
Archive Number: 20111230.3709
 投稿者 アルゼンチン ・ Laboratorio Azul Diagnostico SA、Dr Ramon Noseda、2011年12月29日。
National Highway 5 に近い、the Partido de Trenque Lauquen (Beruti) に放牧されていた located、64頭の Aberdeen Angus cattle の群れから採取された、1件の中手骨 metacarpal sample から、27日炭疽菌 _Bacillus anthracis_ が培養された。このウシは体温が上昇して死亡した。獣医による剖検で、自然開口部からの出血と脾腫が確認された。90日以上前に Sterne ワクチンを接種されており、電気柵により the lake 周辺地域は立ち入れなくなっていた。ヒトの感染は報告されていない

● カラスの大量死-スイス
PRO/AH/EDR> Raven die-off - Switzerland: poisoning susp.
Archive Number: 20111230.3705
 情報源 Blandische Zeitung [in German]、2011年12月21日。
数羽の sick ravens カラスが13日 the Wuhrlochpark (Neuchatel) の歩行者に発見された。数羽はすでに死亡していた

● アフラトキシン-米国: ドッグフード
PRO/AH/EDR> Aflatoxin, dog food - USA: recall
Archive Number: 20111230.3704
[1] 情報源 Z6 Mag、2011年12月28日。
The FDA は、高濃度のアフラトキシン aflatoxin が検出されたドライドッグフードの回収を発表した。コーン製品 corn products において自然発生するアフラトキシンは、一般に真菌の副産物 mold by-productであり,ドッグフードの製造の際に混ぜられる corn が回収の対象となった。Arrow brand dog foods は、the aflatoxin dry dog food recall の対象商品の1つとなっている ... 
[2] 情報源 FDA、2011年12月14日。

● 慢性消耗性疾患-米国
PRO/AH> Chronic wasting disease, cervids - USA (UT Utah), Canada
Archive Number: 20111230.3703
[1] USA (Utah): Wildlife.Utah.gov 、2012年12月23日。
Utah 州内の新たな地域で、慢性消耗性疾患 chronic wasting disease (CWD) に感染したシカ1頭が確認された。2011年秋の more than 1200 deer, elk and moose から採取された検体の検査を終えた検査担当者 Technicians at the Utah Veterinary Diagnostic Laboratory in Logan により,同地域で初めてとなる州南西部の the San Juan deer hunting unit のシカの検査陽性が確認された 
[2] Canada:Prince Albert Daily Herald、2012年1月22日。
the Prince Albert District の game farm で死亡したシカ1頭が、検査の結果、chronic wasting disease (CWD) 陽性が2011年11月に確認された 

● 原因不明の疾患、バニラ-インド
PRO/PL> Undiagnosed disease, vanilla - India: (KA)
Archive Number: 20111229.3701
 情報源 Deccan Herald、2011年12月25日。
Sringeri [Chickamagaluru district] のバニラ栽培農家に被害が出ている
[Mod.DHA- Vanilla_ は genus of climbing terrestrial tropical orchids の仲間で、商業的に栽培されているものとして_V. planifolia_ (Bourbon vanilla), _V. tahitensis_, and _V. pompona_ などがあり、世界各地 different regions で栽培されている。風味付食材 Vanilla food flavouring agents は、豆 the plants' processed beans の抽出物で、サフラン saffron に次いで2番目に高価なスパイスである]

● マレーバレー脳炎-オーストラリア
PRO/AH/EDR> Murray Valley encephalitis - Australia (10): (NSW)
Archive Number: 20111229.3699
 投稿者 豪・NSW Ministry of Health、Dr Sean Tobin、2011年12月29日。
ニューサウスウェールズ州保健当局 NSW [New South Wales state] Health は、マレーバレー脳炎ウイルス the Murray Valley encephalitis (or MVE) virus in NSW が確認されたことを受け、州南部および西部の住民と旅行者に対し、蚊族の刺咬回避に特に注意するよう呼びかけている。The MVE virus は 南部の Leeton, Hay and Moama および西部の Brewarrina, Walgett, Nyngan and Coonamble からおよそ100kmの the Macquarie Marshes にそれぞれ配置されたニワトリ sentinel chickens で確認されている。ニワトリで MVE の陽性反応が確認されることは NSW においては比較的まれである。現時点で感染リスクがあると考えられるのは、the Great Dividing Range の西の地域で、河川や湿地周辺、とりわけ the Murray, Darling, and Paroo rivers とその支流 tributaries 沿いの地域と、最近洪水のあった州西部が、最も危険である。ウイルスを保有し鳥類や時にヒトに感染伝播する、蚊族の個体数の増加に一致して、ヒトの感染リスクは高まる。気温の上昇と降雨が、蚊族の固体数を増加させる。昨夏と昨秋、NSW では蚊族、ニワトリ、およびヒト2名の cases of MVE infection が確認されているが、2011年は今のところヒトの感染例と、蚊族トラップでのウイルス確認は報告されていない。

● リーシュマニア症-アルゼンチン
PRO/AH/EDR> Leishmaniasis, human - Argentina: (MN)
Archive Number: 20111229.3698
Leishmaniasis in Eldorado, Misiones patient
 情報源 Misiones [transl.] 12月29日
Misiones 州において、イヌの飼い主に,リーシュマニア症 Leishmaniasis を伝播する_Lutzomyia longipalpis_ [sandflies not mosquitoes] の感染伝播を阻止する責任がある。重要である。感染リスクの軽減のみならず、日々の the sandfly vector 駆除も実施するよう、保健当局は呼びかけている

● ポテトの病気,Bacterial ring rot-オランダ
PRO/PL> Bacterial ring rot, potato - Netherlands (South)
Archive Number: 20111229.3697
 情報源 FreshPlaza 、2012年12月21日。
South Holland でポテトの ring rot の発生が確認されたことから、NFUS [National Farmers Union of Scotland] は全ての英国内の栽培農家に対して、種芋 seed [tubers] が安全で病気がないか確認するよう呼びかけた
[Mod.DHA- Ring rot of potato は、細菌の_Clavibacter michiganensis_ subsp. _sepedonicus_ を原因とし、トマト、ナスなどの、Many solanaceous species にも感染する]