2012年4月20日

腸チフス ザンビア、ジンバブエ、インド、サモア
鳥インフルエンザ、ヒト (45)-中国 H5N1抗体保有

● ボツリヌス症-カナダ
PRO/EDR> Botulism - Canada:(ON), salted fish, alert, recall 
Archive Number: 20120420.1108660
 情報源 Canadian Food Inspection Agency、2012年4月20日。
カナダ政府食品監視局 The Canadian Food Inspection Agency (CFIA) は市民に対し、以下の塩蔵・加工魚製品 consume the salted and cured fish product (fesikh) を摂取しないよう呼びかけている。ボツリヌス菌芽胞 spores of _Clostridium botulinum_ による汚染の可能性があるとしている。問題の商品は、真空パック入りの whole fesikh mullet (ボラ) で、コードや製造日等の情報は付いていない。Lotus Catering and Fine Food 社(1960 Lawrence Ave. E, Toronto) の製品で、4月17日以前に販売された。この製品の摂取による3例の患者が報告されている ...

● 手足口病-ベトナム
PRO/EDR> Hand, foot & mouth disease - Viet Nam (07) 20120420.1108616
Viet Nam HFMD outbreak now at 28 000 cases, 18 dead, according to Red Cross
 情報源 Examiner.com、2012年4月19日。
EV-71 [Enterovirus-71] を原因とする強毒型の手足口病 hand, foot and mouth disease (HFMD) がベトナム国内にまん延し、小児の死亡が懸念されている。国際赤十字社 the International Federation of Red Cross and Red Crescent Societies (IFRC) の担当者は18日、2012年のこれまでの感染患者が28000人を超え、18人が死亡していることを明らかにした。1週間前の、2万1千人、死者16人から増加した。死亡した小児の80%が3歳未満で、16人が南部の患者だった。2011年の大規模流行では、10万人以上が感染し、200人近い死者が出ている ...
[Mod.CP- ベトナムのHFMD 感染流行の勢いは止まりそうもない。1969年にカリフォルニア California 州で初めて報告されて以来、EV-71 は世界中の感染流行の原因として報告され、東アジアと南アジアでも1997年から感染流行の報告が続いている。急性弛緩性麻痺、肺水腫、心筋炎、致死性脳炎などの重症神経疾患は少数に留まる事が多い。 20120408.1093926 にあったように、" 東南アジアの EV71 infection の疫学は複雑である。The EV-71 viruses は、構造遺伝子の塩基配列 the structural VP1 gene sequence に基づいて、3種類の系統 3 independent lineages, A, B, and C に分けられる; each group は少なくとも15%以上の他系統との相違 divergence が認められる。例えば最近行われた、中国北東部の軽症および重症患者から分離された EV-71 strains の研究では、7 circulating EV-71 viruses が確認されている (PLoS ONE 7(3): e32405. doi:10.1371/journal.pone.0032405, 29 Mar 2012 )。これら7種類の EV-71 viruses は、4種類の異なる distinct EV-71 strains 間で起きた遺伝子組み換え genetic recombination events を含有していた]
関連項目 (06) 20120417.1104577

● 狂犬病-カナダ、ドミニカ共和国から
PRO/AH/EDR> Rabies - Canada (03): (ON) human ex Dominican Republic 20120420.1108474
Testing suggests Toronto rabies case infected in Dominican Republic
 情報源 The Globe and Mail (Toronto), The Canadian Press report、2012年4月19日。
80年以上発生が無かったトロント Toronto の狂犬病 Rabies 患者は海外で感染していた。ウイルスの検査により、the island of Hispaniola のイヌで確認されているウイルス株による感染であることが判明したと当局者が述べた。カナダで確認されている狂犬病ウイルスとは異なるウイルスと説明されている。合計15人のカナダ人医療従事者に、予防措置が実施されている ... この患者と何らかの接触があった177人の医療従事者が特定されたが、その多くは感染の可能性はなかった。患者が生存中であるため、個人情報はほとんど明らかにされていないが、41歳の男性で、カナダに帰国するまで、数か月間ドミニカ共和国で働いていたと報告されている。今も感染の経路は分かっていない ... 狂犬病ウイルスの遺伝子を詳しく調べることで、動物の種類やどの地域の動物であるかなどについて多くのことが明らかになる、とCDC の研究者は述べている ...
関連項目 20120418.1105793

● 腸チフス ザンビア、ジンバブエ、インド、サモア

PRO/EDR> Typhoid fever update 2012 (09) 20120420.1107274
[1] ザンビア Zambia (Central Province):imes of Zambia、2012年4月16日。
カブウェ Kabwe の腸チフス Typhoid fever 患者が、2週間前の発生以来204人に増加した。15日、当局者は新たに2人の患者が記録された、と述べた。発生のあった町の11か所に貯水タンクが設置された。14日には、the Central Province capitalで新たに11人が治療を受けている。
[2] ジンバブエ Zimbabwe (Harare):The Standard、2012年4月8日。
ハラレ Harare の人口が密集する郊外では、2011年10月の感染流行発生以降、現在も腸チフス患者の発生が続いている。Beatrice and Wilkins の2か所の感染症病院の患者のほとんどが、Dzivarasekwa and Kuwadzana high-density suburbs の患者で、これらの地域ではしばしば断水が起きている。"2012年1月1日には、患者数が最も多い Dzivarasekwa and Kuwadzana において、1日あたり90例の患者を受け入れていたが、現在では20例以下に減少している" と病院関係者が述べた ... 2011年10月以降の、ハラレ Harare の腸チフス患者は4000人を超え、一方で、過去2か月間に1000人近くの赤痢患者が治療を受けている。
[3] インド India (Punjab):Times of India、2012年4月16日。
気温の急激な変化に伴って、各病院では小児を中心に1日40-45例の下痢のある腸チフス患者を受け入れている ... 腸チフスは抗生物質で治療可能だが、一般的に使用される抗生物質への耐性が広がっている。
[4] サモア Samoa (Upolu):Radio New Zealand International、2012年4月19日。
保健省は、刑務所 the main Tafaigata prison の受刑者10人の感染が確認されている、腸チフス感染流行の原因調査を開始した。

● 鳥インフルエンザ、ヒト (45)-中国

PRO/AH/EDR> Avian influenza, human (45): China (JU) poultry workers, seroprevalence 20120420.1108659
Study finds H5N1 antibodies in Chinese poultry workers 
 情報源 CIDRAP News、2012年4月19日。
H5N1鳥インフルエンザ が発生し、2人の感染者が確認されている江蘇省 Jiangsu において、家きん飼育労働者306人について行われた血液検査に関する研究の結果、2.6%にあたる8人に、H5N1感染の血清学的証拠が認められた。BMC Infectious Diseases 掲載のこの中国人研究者からの報告によると、同省の3つの郡で、hemagglutinin inhibition assay titer of 1:160 を陽性とする方法で調査が行われた。これら3つの郡から採取された検体の陽性率は0から5.4%であったが、個々の抗体価や H5N1ウイルスとの接触歴の詳細については明らかにされていない。また、検査に用いられた2種類のウイルス株のうち、2010 H5N1 strain 大して陽性であった検体はなかった; 陽性検体は全て、2005 H1N1 strain も陽性だった。"これらの研究結果から、中国国内の鳥類からヒトへのインフルエンザウイルス H5N1 virus の感染伝播は、低いままである"、と結論付けられている。
[Mod.CP- 原著 Seroprevalence of avian influenza A (H5N1) virus among poultry workers in Jiangsu Province, China: an observational study: BMC Infectious Diseases 2012, 12:93 doi:10.1186/1471-2334-12-93
要約
(背景) Since 2003 to 06 Jan 2012、中国国内の鳥インフルエンザ感染患者数は41人で、このうち27人が死亡している。しかし、公式発表される致死率の高さは、無症候性もしくは軽症のH5N1感染例が含まれていないために、過大に評価されたものである、との意見も一部にある。本研究は、より真に近い感染率を理解し、H5N1ウイルスのヒトへの人獣共通感染の潜在的リスク評価を行うことを目的として行われた。方法: 最もH5N1に感染した鳥類への曝露リスクが高いと考えられる、poultry workers のグループの血清学的疫学調査 seroepidemiological survey を、江蘇省の、水禽の生息地である湖のある3つの郡において実施した。306 participants からの採血検体について H5N1 血清学調査を行い、併せて家禽との接触についての聞き取りを行った。 (結果) The overall seropositive rate は、(抗体陽性率) 2.61 percent for H5N1 antibodies だった。家禽の個体数は、年齢と性別を調整した後も、2.39倍の潜在性感染のリスクを高めていた。 (結論) トリからヒトへの、鳥インフルエンザ H5N1 virus 感染率は低いままだった。より多くの家禽を飼育している労働者は、血清抗体陽性のリスクが高かった"]

● リステリア症-英国
PRO/AH/EDR> Listeriosis - UK (03): (N. Ireland) nosocomial, fatal, background 20120420.1107753
20120415.1101822 に関し。
 投稿者 英・North Cumbria University Hospitals、Graham Clive、2012年4月19日。
英国内では、医療施設の給食に関係するリステリア症感染 outbreaks of listeriosis が数多く報告されてきた。感染源として、サンドイッチやサラダなどが含まれている; それらは、外部で調理され病院内に配達される点に注目すべきである。ノルウェーの病院では、カマンベールチーズが関係することが示唆される感染流行が、短い潜伏期間で発生している
関連項目 20120418.1105643

● アナプラズマ症-米国、ウシ
PRO/AH/EDR> Anaplasmosis, bovine - USA: (OH) 20120420.1107673
 情報源 WLWT-TV、2012年4月17日。
Adams County のウシの間に、ダニが媒介する血液疾患のアナプラズマ症 Anaplasmosis の感染が広がっており、2011年には、感染したウシの半数が死亡する同疾患について、州南部の5か所の農場から発生が報告されている ...