2012年12月4日

炭疽-アルメニア、ヒトの感染例増加
原因不明の呼吸器疾患-ブラジル

● 炭疽-アルメニア、ヒトの感染例増加
PRO/AH/EDR> Anthrax - Armenia (08): increased human cases 
Archive Number: 20121204.1437948
 情報源 Vestnik/News Armenia、2012年12月4日
Anthrax outbreak in Armenia

アルメニア Armenia において、合計 55例の炭疽感染患者が報告されている。このうち 10例については、確定診断された。10月、the Gegarkunik Region of Armenia で炭疽感染症状のある 10人が入院となった。11月初旬にも Ushi (in the Aragots Region) の住民が炭疽 anthrax のため入院となった。the Tavush and Armavir Regions では、炭疽感染の動物が報告されている。
[Mod.MHJ-これまで、OIE に対してわずか 1件の報告 a single OIE report of 2 outbreaks in cattle in Gegarkunik region, plus side comments of outbreaks in Tavush and Armavir regions しかなされていなかったが、今回複数のヒトの感染例 multiple human cases in Gegarkunik, Aragots, and Kotayk regions が明らかになった。(炭疽菌に) 汚染された肉 Contaminated meat が、と畜された場所と離れた地域で売られている可能性がある。こうして 10, 20, 30 humans の感染が発生する]

● インフルエンザ-米国
PRO/EDR> Influenza (110): USA (MS) 20121204.1437901
 情報源 MCHerald.com, Associated Press report 、2012年12月3日。
'Shaping up to be a bad flu season:' Early cases rise in Mississippi
保健当局は 3日、南部の 5つの州 Alabama, Louisiana, Mississippi, Tennessee and Texas でインフルエンザが疑われる患者が急増しており、優位の感染循環ウイルスの感染により、特に高齢者で重症化 sicker の危険性があると述べた。a bad flu season となる可能性があるが、時間が経過しなければ何ともいえない、と the director of the Centers for Disease Control and Prevention [CDC] が発言した。国民 Americans の 1/3 以上がワクチンを受けており、これまでのところ、ワクチン the vaccine とウイルス the strains of flu は一致しているという

● レジオネラ症-オーストラリア
PRO/EDR> Legionellosis - Australia: (VI Victoria) cooling tower susp 20121204.1436695
 情報源 Herald Sun、2012年12月3日。
メルボルン北東部 Melbourne's northeast において、レジオネラ症 an outbreak of legionnaires' disease が発生し、住民らに対しインフルエンザ様症状への注意が呼びかけられている。11月、Bundoora において、細菌 [_Legionella pneumophila_] を含む水滴を吸入することで感染する同疾患の患者が 3例確認された。3例の患者全てが、Bundoora および周辺地域の住人もしくは勤務者だったことが明らかになり、保健当局 The Department of Health が調査を開始した。38, 56, and 72歳の男性 2名と女性 1名の患者らは、入院したが現在回復に向かっている。当局は冷却塔 a cooling tower の調査を行っているが、結果判明まで数日間を要すると説明した ... 2010年、Doncaster の複数の冷却塔により感染した 3人の患者が入院となっている。2012年のこれまでのレジオネラ症患者は 55例で、昨年同期に比べ 7例少なくなっている。

● 原因不明の呼吸器疾患-ブラジル
PRO/AH/EDR> Undiagnosed respiratory disease - Brazil: (PA) RFI 20121204.1436678
 情報源 Para Government press release [in Portuguese]、2012年12月2日。
Patients with respiratory syndrome are transferred from Curuca to Belem
公衆衛生当局 The State Department of Public Health (Sespa) は、重い呼吸器症状があり原因が特定されていない患者 5人の Curuca Municipal Hospital から Belem [the capital of Para State] への移送を決定した。この 5人の患者に加え the Municipal Hospital of Curuca では、1日に Santa Casa の 17才の女性が the ICU で死亡して以来、さらに 14人の感染が発生している。17歳のこの患者については、Curuca の住民で、いとこが the Municipal Hospital の看護師 nursing technician で同じ症状を発症していたことから、調査が行われている。この若年女性は妊娠中であり、感染後胎児が死亡していた。家族に剖検の承諾を問い合わせている。当初、放射性物質による汚染の被害者 victims of radioactive contamination で、レントゲン写真の現像に使われる化学製品が原因と考えられていたが、軽度の発熱、息切れ、乏尿、低血圧、低血糖、徐脈、消化管出血などの症状の原因として考えられない、として棄却された。当局は現在、ウイルス、細菌、真菌感染症を疑っている。患者の鼻咽頭分泌物や血液などの検体について、Lacen [State Laboratory] and the Evandro Chagas Institute で、H1N1 やハンタウイルスを含め、様々な検査が行われている。原因不明のまま ciprofloxacin and Tamiflu による経験的な治療が行われたが、効果が見られなかった。病院の水質 the water supply of Curuca City Hospital 検査も実施されている ...
[Mod.MPP-新たな地域で、中東のサウジアラビア、ヨルダン、カタールから報告されている新型コロナウイルスによる、急性重症呼吸器疾患の院内感染が発生したかと思われた。奇異な臨床症状として、比較的徐脈との記載がある。(低酸素血症による) 呼吸困難や発熱があれば、通常頻脈となる。徐脈 a relative bradycardia と関係する病態として、腸チフス typhoid fever、レジオネラ症 legionnaires' disease、オウム病 psittacosis、発疹チフス typhus、レプトスピラ症 leptospirosis、マラリア malaria、バベシア症 babesiosis、デング熱 dengue fever、そしてウイルス出血熱 viral hemorrhagic fevers がある (see refs 1,2,3 below)。低血糖について Mod. ML は、細菌性敗血症早期に最も多く認められる血糖値異常は低血糖であると述べている。深刻な低血糖は、敗血症末期にしばしば認められる。心血管系虚脱を伴う低血糖は、副腎不全の患者の兆候である。他の報道 (in Portuguese) では、the Hospital in Curuca during the period 23-24 Nov 2012 で呼吸器症状のある患者 19 cases with respiratory symptoms が報告されていると伝えている。詳しい調査で、低血糖、徐脈、消化管出血の症状が明らかにされた。記事の後半部分では、病院内の給水を通じて病原体に暴露した可能性が論じられており、レジオネラ症 legionellosis も疑われる。(報道では 19 cases が 24-48 hour period 期間中に報告されたと伝えており) これが発症日を意味しているかは明らかではないものの、共通の感染源への暴露 a common source exposure が予想される ... ]
References
1. Relative bradycardia in infectious diseases. J Infect. 1996; 33(3): 185-91. Abstract
2. The diagnostic significance of relative bradycardia in infectious disease. Clin Microbiol Infect. 2000; 6(12): 633-4. Full article 
3. Dengue and relative bradycardia [letter]. Emerg Infect Dis [serial on the Internet]. 2007 Apr [accessed 3 Dec 2012]. Full article  

● 原因不明の疾患、ネコ-タイ
PRO/AH/EDR> Undiagnosed disease, feline - Thailand: RF
Archive Number: 20121204.1438005
 情報源 The Nation (Thailand)、2012年12月3日。
Cat deaths at temple indicates cat flu outbreak
Angthong province の1カ所の寺のあちこちで数匹のネコが死亡していた事件で、初期調査により猫インフルエンザ cat flu disease が原因であることが判明した、と 3日当局 a provincial livestock official が発表した。Wat Khao Kaew in Pho Thong district の、生き残りで症状のあるネコに、抗生物質の注射が行われた。治療法はなく、対症療法を行うよりほかない。当局者は、診断を確定するために、唾液を検査用に提出する予定であると述べた。それまで 200頭ほどいたネコのうち、先週以降、1日におよそ 2頭の割合で死亡しているという。死亡する前のネコには、身体の潰瘍、咳、鼻汁、食欲不振、けいれんなどの症状が認められた、と報告されている。
[Mod.AS- "cat flu" の用語の多くは、猫ウイルス性鼻気管炎 feline viral rhinotracheitis (FVR; a herpesvirus) と猫カリシウイルス感染 feline calicivirus (FCV) infections に対して誤って使用されている。これらのウイルスに二重感染 Dual infections することも珍しくない; いずれも宿主特異性 host-specific があり、ヒトの健康に対するリスクはない。世界中で発生が知られている。他の病原体、特に FIV (Feline immunodeficiency virus)、あるいはクラミジア _Chlamydia psittaci_、マイコプラズマ _Mycoplasma spp_、レオウイルス reoviruses も検討すべきである ... ]
参考文献: "Feline Respiratory Disease Complex"  

● 鳥インフルエンザ-インド
PRO/AH/EDR> Avian influenza (62): India (GJ Gujarat) wild birds, susp.
Archive Number: 20121204.1437680
 情報源 DailyBhaskar.com, Daily News & Analysis (DNA) report、2012年12月3日。
Victor village in Rajula range of Amreli district  近郊の湿地帯 (塩田 salt pans) で、38羽のツル cranes が突然死亡し、致死性の鳥インフルエンザウイルスの再興が懸念されている。1日、およそ 5羽の死亡が愛鳥家から森林当局に通報されたのをきっかけに明らかとなり、2日にもさらに30羽の死亡や数羽が衰弱しているのが確認された。弱っていたトrのうちの 3羽が死亡し、(死亡したのは) 合計 38羽となった。死亡したツルをエサとしていたと見られる 2羽のワシ eagles の死亡も確認されている。ツルは、シベリア Siberia からグジャラートのこの地域 this part of Gujarat に移動して、冬の 4か月間を過ごす。この塩田は、製塩会社 GHCL が所有する ...
[Mod.PMB-2012年のこれまでにも、インドでは複数件の野鳥や家禽の鳥インフルエンザ感染流行 H5N1 outbreaks が報告されている。ツルの種類の記載がないが、おそらく common cranes (_Grus grus_) と考えられる]