2012年12月5日

ノロウイルス-日本、英国
デング熱-ポルトガル

● ノロウイルス-日本、英国
日本
PRO/EDR> Norovirus - Japan: (OA) deaths 
Archive Number:  20121205.1439571
 情報源 Japan Today, National、2012年12月6日。
大阪府大東市 Daito, Osaka の病院で、ノロウイルス感染流行 a norovirus outbreak が発生し、これまでに 2人の患者が死亡した。11月27日に感染流行が発生して以来、院内の患者および職員 48 patients and medical staff がノロウイルスに感染した。An 88-year-old woman and a 76-year-old man が、感染後の多臓器不全により死亡したとみられている、と 5日報じられた ... 小児や高齢者、慢性疾患患者の脱水につながり、ヒトからヒトへの感染が起きることなど ... 国立感染症研究所 The National Institute of Infectious Diseases は、2012年のノロウイルス感染流行 a norovirus epidemic は、記録上最も発生率が高いものの 1つに入ることから、注意を呼びかけている。12-18 Nov 2011 の週の、およそ 3000 の医療機関からのデータによると、各医療機関あたりのノロウイルス感染が疑われる患者の数は 11.39人で、 同じく 16.42 人だった 2006年以来の高い数字となっている。
[Mod.CP-Norovirus infection は、ヒトの非細菌性急性胃腸炎の原因として最も多いもので、老人ホームや病院などの医療施設において、もっとも感染流行 norovirus outbreaks が起きやすい。先進国で報告される all norovirus outbreaks の 2/3近くが長期滞在ケア施設 long-term care facilities で起きている。施設内にウイルスが持ち込まれるのは、(有症または無症の) 感染患者 infected patients か、職員、見舞客、あるいは汚染された食品である。このような条件で起きた感染流行は、健康な人々に比べ、かなり長期化し、重症化してときに死亡につながりやすい。死亡した 2名の患者については、ノロウイルス感染の直接の結果と言うより、持病が関係した可能性が考えられる]

英国
PRO/EDR> Norovirus - UK (04): (England, Wales) increased activity 20121205.1438971
 情報源 Health Protection Agency [HPA] press release 、2012年12月4日。
HPA update on seasonal norovirus activity
the Health Protection Agency (HPA) が発表したノロウイルス感染による入院患者数 the number of hospital outbreaks of norovirus は2週間で、11月25日の 53人から、12月2日の 40人に減少した。しかし、検査で確定診断された今シーズンの合計患者数 (市中および院内感染含む) は 2313 人で、昨シーズン the last season [2011-12] 同期の 1412 人との比較で 64%の増加となっている。今年の高い活動性の原因は明らかにされていない。確定診断され報告された患者は、実際の市中のノロウイルス感染発生状況のほんのごく一部を表しているに過ぎず、確定 1例 every confirmed case について、報告されていない a further 288 unreported cases が隠れていると見積もられている (Food Standards Agency Report) ...
関連項目 UK (03): (England) hospital outbreaks 20121129.1430890

● 肺炎-ネパール 小児
PRO/EDR> Pneumonia - Nepal: (UD) children, RFI 20121205.1439452
 情報源 The Himalayan、2012年11月30日。
この数日間の寒冷気候のため、Udayapur district で肺炎が増加している。東部の Triyuga Municipality and in Beltar の小児らの間に肺炎が拡がっている。医療施設 Beltar Primary Health Center の関係者によると、先週、some 50 children from Beltar with pneumonia が受診した。学校関係者 the Sagarmatha Higher Secondary School は、生徒の大半が寒さによる肺炎で欠席していると話している。the District Hospital in Udayapur for treatment にも肺炎患者が受診している。
[Mod.ML-肺炎の増加があるようだが、小児らの年齢は明らかにされていない。死者は報告されていない。途上国においては、肺炎には特異的な症状がないことから、一般に胸部レントゲン検査で診断が確定される。医療資源が限られている状況では、X線検査が行えないことも多く、the World Health Organization (WHO) は小児肺炎診断のために、単純な臨床症状に基づくガイドラインを作成している (WHO recommended surveillance standards. 2nd ed. (WHO/CDS/ISR/99.2) World Health Organization, Geneva)。 The World Health Organization は、咳もしくは呼吸困難に加え、多呼吸 a rapid respiratory rate、胸部陥凹 chest indrawing、 または 意識レベルの低下 a decreased level of consciousness の臨床所見をもって、肺炎と定義している。しかしこの肺炎診断基準 these WHO clinical criteria for pneumonia は、小児救急部門を受診して画像により診断された肺炎に対する感度が低い poor sensitivity ことが示されている (Application of the World Health Organization Criteria to Predict Radiographic Pneumonia in a US-based Pediatric Emergency Department. Pediatr Infect Dis J. Jun 2012;31(6):561-4.)。検査学的診断が欠如しており、今回の状況を評価するのは難しい。小児肺炎の起因病原体は非常に多く numerous、小児の年齢、時期、地域による違いが見られる。 ... ]

● デング熱-ポルトガル
PRO/EDR> Dengue - Portugal (05): (MA) 20121205.1439368
 情報源 Examiner、2012年12月3日。
10月初旬より、マデイラ the island of Madeira in the Autonomous Region of Madeira において発生中のデング熱 The dengue fever outbreak は、今も増加が続いていることが、3日の the European Centre for Disease Prevention and Control (ECDC) の最新報告で明らかになった。11月25日現在の数字は1819 dengue cases で、1週間前の報告は 1672 cases だった。加えて、2ヶ月前の感染流行開始以降、感染した患者のうち、少なくとも 118人が入院となった。今回の感染流行に関係して死亡した患者は報告されていない。確定診断された症例の大多数が Madeira Island の住民であり、特に島の中心となる港湾のある the city of Funchal に集中している。このほか、列島内で居住者のある Porto Santo でも感染が報告されている。島への旅行者で帰国後にデング熱感染が判明した患者の数も、1週間前の 33人から 43人に増えた; Portugal (10), the UK (14), Germany (10), Sweden (1), France (3), Finland (2), Denmark (1), Spain (1), and Slovenia (1)。デングウイルスのベクターであるネッタイシマカ _Aedes aegypti_ が島内に存在することが以前より知られていたことから、保健当局者は、深刻な事態だが予想外のことではなかったと述べた。疫学概要 an ECDC Epidemiological Summary of the outbreak によると、感染した複数の患者検体からのウイルス遺伝子の解析 sequence analysis of viral genomes では、ベネズエラとコロンビアで感染循環する 1型デングウイルスの塩基配列と高い相同性が示されており、a Latin American origin である可能性がきわめて高い、とされている。
関連項目 (04) 20121124.1422925

● 黄熱-スーダン
PRO/AH/EDR> Yellow fever - Africa (33): Sudan (Darfur) 20121205.1438307
 情報源 Radio Dabanga、2012年12月5日。
Central Darfur 保健当局者 Central Darfur's Minister of Health は、2例の新たな黄熱感染例 2 new cases of yellow fever の発生と回復した 5例について、5日発表した。4日の最新の統計によると、州内の患者数はfrom 387 to 394 に増加したが、新たな死亡は報告されていない。the localities of Mukjar and Bendessey におけるワクチン接種 the vaccination campaign が完了し、現在の残りの地域で活動が続いている。6日までに終了予定と説明されている ...
West Darfur 保健当局者 the state's Minister of Health が、6日ないし 9日に the locality of Foro Baranga において、黄熱ワクチン接種 the yellow fever vaccination campaign が開始されると発表した。 ... the 4 localities of El-Geneina, Mornei, Kornek, and Habila において接種が完了し、接種目標が 80%に設定されていたところ、90 per cent of all residents に接種が行われたと説明した。また、the localities of Sirba and Jebel Moun において、新たな黄熱感染例が発生 the emergence of new yellow fever cases した可能性がある、との通報があったことを明らかにした。感染者数は 204 cases に増加したが、死者数は 49にとどまっている。

● ブルータング-欧州 BTV-14 ワクチン株
PRO/AH/EDR> Bluetongue - Europe (13): BTV-14, vaccine strain
Archive Number: 20121205.1439689
[1] ラトビア Latvia, ポーランド Poland
Vaccine strain BTV-14 in Latvia and Poland: Update Outbreak Assessment
 情報源 DEFRA, International disease monitoring/Preliminary outbreak assessments, Reference: VITT/1200 BTV in Eastern Europe 2012 、2012年11月30日。
[2] ラトビア Latvia, リトアニア Lithuania, ポーランド Poland
Bluetongue Virus in Estonia, Latvia, Lithuania and Poland
 情報源 DEFRA, International disease monitoring/Preliminary outbreak assessments, Reference: VITT/1200 BTV in Eastern Europe 2012、2012年11月28日。
[3] エストニア Estonia, results pending
 情報源 Baltic-course、2012年12月3日。
[4] ロシア Russia, update
 情報源 All-Russian Research Institute for Animal Health (FGBI-ARRIAH), Vladimir. Office of Veterinary Surveillance, report on the epizootic situation in the Russian Federation for the 1st half of 2012. Bluetongue (pages 33-34) [trans.]、2012年12月4日