2015年7月30-31日 [タイトル]

回帰熱 (ボレリア)-オランダ エリトリアから
鳥インフルエンザ、ヒト (118) CDC H5亜型 ウイルスのリスク評価
エボラ-レストン、コウモリ-フィリピン
サイクロスポラ症-スペイン リゾート
植物毒による暗殺-英 2012年、疑い
MERS-CoV (98)-サウジアラビア、韓国、WHO など

7月31日
腺疫、ウマ-独、ブラジル
PRO/AH/EDR> Glanders, equine - Germany, Brazil: transport restrictions, sporting events
Archive Number: 20150731.3548728

炭疽-米 (18) 検査室のミス
PRO/AH/EDR> Anthrax - USA (18): laboratory errors, impacts
Archive Number: 20150731.3549968

シラミ媒介性回帰熱 (ボレリア)-オランダ 亡命希望者、エリトリアから
Louse-borne relapsing fever (_Borrelia recurrentis_) in asylum seekers from Eritrea, the Netherlands, July 2015
PRO/EDR> Louse-borne relapsing fever - Netherlands: asylum seekers, ex Eritrea
Archive Number: 20150731.3549645
情報源 Eurosurveillance edition 2015; 20(30)、2015年7月30日。
エリトリアから最近オランダに到着の 2名の発熱患者についてマラリア検査が行われた。血液塗沫検査で、寄生虫は発見されず、スピロヘータが確認された。_Borrelia recurrentis_ を原因とする回帰熱 Louse-borne relapsing fever と診断された。いずれも患者も、治療に伴い、激しい Jarisch-Herxheimer reactions [inflammatory reaction observed after antimicrobial treatment of several infectious diseases] の合併症が認められた ...  G 翻訳

レジオネラ症-米 (03) ニューヨーク市、死亡
PRO/EDR> Legionellosis - USA (03): (New York City) fatal
Archive Number: 20150731.3549644
[1] ニューヨーク市の死者 2名
情報源 CNN、2015年7月30日。
[2] the Bronx の感染者数 46人に
情報源 WABC-TV, 7online.com、2015年7月31日。

鳥インフルエンザ、ヒト (118) CDC H5亜型 ウイルスのリスク評価
New CDC laboratory study suggests US H5 bird flu viruses currently pose low risk to people
PRO/AH/EDR> Avian influenza, human (118): CDC H5 virus risk assessment
Archive Number: 20150731.3548675
情報源 CDC, Seasonal Influenza、2015年7月29日。
米国内の鳥類で確認されている 2種類の H5亜型鳥インフルエンザウイルス: H5N2 and H5N8 の、ヒトの健康への影響 (リスク) をより深く理解するために、CDC で行われた検査室内での実験から得られた、新たな研究結果が明らかになった。それによると、米国内で確認されている the H5N2 and H5N8 bird flu viruses は、ほ乳類に対する致死性が低く less lethal in mammals、ヒトに対して深刻な疾患や死亡の原因となっているアジアの H5亜型鳥インフルエンザウイルスに比べて複製能が低いことが示されている。まとめると、米国の新たな鳥インフルエンザウイルスは、現在の状態 in their current form では、容易にヒトに感染したり感染が拡がったりする可能性は低く、Asian H5 viruses によるより重症な疾患と比べ、軽症もしくは中程度の疾患となる傾向にある。パンデミックによるヒトの健康リスクの原因となるには、米国の鳥インフルエンザウイルスはさらに変化する必要がある。[29 Jul 2015] the Journal of Virology に掲載のこの研究報告には、いくつもの検査結果を統合して得られたもので、その中には、動物実験や培養ヒト肺細胞を用いた実験などが含まれている ... 実験内容の説明など ... マウスの実験では、非常に高用量のウイルスを与えられたマウス以外では重症化しなかった。肺内でウイルスが確認されたが、アジアのウイルスに比べ、より軽い病像 disease characteristics を示した。フェレットの実験では、H5亜型鳥インフルエンザウイルスに感染させたフェレットから、同じケージ内の未感染フェレットへの感染伝播は起こらなかった。このことから、感染のある家きんとの濃厚接触がない限り、ヒトへの感染は起こりにくい unlikely to spread efficiently ことが示された。また感染したフェレットの症状は概して軽症で、重症化の特徴である、多臓器への効率的な感染拡大も起こらなかった。これらの結果は、ほ乳類での低または中の病原性を示した、以前の韓国の H5N8 bird flu viruses の研究結果と矛盾しない。また、ウイルスのヒト肺細胞での複製能を調べたところ、重症化に結びつく肺および気道細胞への感染能はわずか a trait であることから、アジアおよびその他の地域でヒトの死亡原因となっている the Asian H5N1 viruses に比べ、H5N2 and H5N8 viruses は、ヒト肺細胞および気道細胞において、極めて低いレベルで複製されていることが示された。複製は起きているものの、ヒトの季節性インフルエンザウイルス H1N1 flu virus 程度のレベルであった ...
原著 (The full reference) Pathogenesis and transmission of novel HPAI H5N2 and H5N8 avian influenza viruses in ferrets and mice. J Virol posted online 29 July 2015, doi:10.1128/JVI.01438-15; subscription required, abstract 

7月30日
炭疽-ウズベキスタン SA ウシ ヒト、疑い
PRO/AH/EDR> Anthrax - Uzbekistan: (SA) bovine, human, susp
Archive Number: 20150730.3548246
情報源 AKI Press、2015年7月30日。
region で新たな炭疽感染 A new wave of anthrax が確認されたと、ラジオで伝えられた。25日、the village of Islamabad in Pastdargom district の住民 19人が炭疽と診断され入院した ...

C型肝炎-米 (04) TN 注射用薬物
PRO/EDR> Hepatitis C - USA (04): (TN Tennessee) injection drug use
Archive Number: 20150730.3544980
情報源 WATE、2015年7月27日。
テネシー州保健当局 The Tennessee Department of Health は C型肝炎の感染について、市民によりいっそうの注意を呼びかけている。

炭疽-加 (06) AB ウシ
PRO/AH/EDR> Anthrax - Canada (06): (AB) bovine
Archive Number: 20150730.3548199
情報源 Alberta Farmer/Alberta Agriculture And Forestry、2015年7月30日。
アルバータ州農業当局 Alberta Agriculture and Forestry に、the Fort Vermillion area の 2つの肉用牛農場で炭疽感染 confirmed cases of anthrax 確認の報告があった ...

エボラ - レストン、コウモリ-フィリピン
PRO/AH> Ebola-Reston, bat - Phillippines
Archive Number: 20150730.3548017
情報源 EcoHealth Alliance、2015年7月27日。
環境衛生団体 EcoHealth Alliance がフィリピンで行った調査で、様々な種のコウモリにおいて、レストンエボラウイルス evidence of Reston Ebola virus (RESTV) が確認された。17日の科学誌 the Virology Journal に掲載された論文 "Molecular evidence of Ebola Reston virus infection in Philippine bats" の調査チームは、a 2008 - 2009 outbreak の際、フィリピン各地の養豚場で Reston Ebola virus が確認されたことをきっかけに招集された。フィリピン政府当局は、ブタの疾患の主要因はブタ繁殖呼吸器症候群 Porcine Reproductive and Respiratory Syndrome と結論づけたが、ブタは、Ebola Reston virus にも感染していたことが分かった。後に、アウトブレイクが起きた地域の農場や処分場の作業員らが、抗体 Ebola Reston antibodies を保有していることが明らかになり、おそらくは感染したブタから同ウイルスに曝露していたことが示唆された。ウイルスへの曝露による、ヒトでの発病は確認されていない ... この研究チームは、(フィリピンで発生した) the 2008-09 outbreak の農場付近の複数の地点で、コウモリの調査を行い、21種類 454頭のコウモリからサンプルを採取した ... 今回の研究では、フィリピン国内のコウモリで初めて the 1st molecular evidence of Reston Ebola virus infection が示された ...
{Mod.PMB -調査された 21種類のコウモリのうち、はっきりと感染が確認されたのは、3 _Miniopterus schreibersii_  (out of 44 tested; 6.8 percent) だった ... ]

サイクロスポラ症-スペイン CN 観光リゾート
Angry tourists have complained about the the 4-star Holiday Village in the Costa Los Gigantes [Santa Cruz de Tenerife, Canary Islands] resort.
PRO/AH/EDR> Cryptosporidiosis - Spain: (CN) holiday resort
Archive Number: 20150730.3547731
情報源 The Mirror、2015年7月29日。
the Holiday Village Tenerife の宿泊客らは、サイクロスポラ [_Cryptosporidium_] 発生に抗議している。12人を超える患者が下痢などの症状を訴え、英国人観光客らが怒りを表している ...

植物毒による暗殺-英 2012年、疑い
PRO/AH/EDR> Plant poison assassination - UK: 2012, susp
Archive Number: 20150730.3546376
情報源 The Telegraph、2015年7月25日。
ロシア人資産家で、情報提供者 supergrass であった Alexander Perepilichnyy (当時 44歳) は、秘密旅行先のパリから Surrey の自宅に戻ったその日に死亡した。英捜査当局は事件性を否定したが、仏捜査当局は事件として取り上げ、死亡の 48時間前にパリで毒物を与えられていたと見ている。死後剖検により、胃内容から、ロシアや中国で暗殺目的に使用されることが多い、遅効性有毒植物の _Gelsemium elegans_ が認められた。死亡前の 3日間、the prestigious Bristol Hotel in Paris にチェックインしていた ...

葉枯れ病、ブラックカルダモン-印 SK
Blight threatens cardamom crop
PRO/PL> Leaf blight, black cardamom - India: (SK)
Archive Number: 20150730.3547172
情報源 The Huffington Post、2015年7月21日。

原因不明の死亡、ヒツジ-アイスランド (02)  RFI
PRO/AH/EDR> Undiagnosed deaths, ovine - Iceland (02): RFI
Archive Number: 20150730.3546935
情報源 BBC News、2015年7月28日。
アイスランドでは、国内で多数のヒツジが死亡し、農家を悩ませている。2015年春、北部および西部を中心におよそ 5000頭が死亡したが、専門家も原因を明らかにできないでいる。一説に、最近起きた火山噴火により放出された硫黄 sulphur が、植物に混じりヒツジが栄養不良に陥ったことが原因とも言われている。the Holuhraun lava field において、6か月間、多量の噴火が続いている ...

 Oily spot、ザクロ-印 MH
Bacterial blight affects pomegranate
PRO/PL> Oily spot, pomegranate - India: (MH)
Archive Number: 20150730.3546876
情報源 FreshPlaza, The Financial Express report、2015年7月28日。

ムンプス-米 (04) IL、MO 大学生
PRO/AH/EDR> Mumps - USA (04): (IL, MO) university students
Archive Number: 20150730.3546295
[1] Illinois: university students
[2] Missouri: university students

MERS-CoV (98)-サウジアラビア、韓国、WHO
PRO/AH/EDR> MERS-CoV (98): Saudi Arabia, South Korea, MOH, WHO
Archive Number: 20150730.3545902
[1] 韓国- MOH
情報源 South Korean Ministry of Health [in Korean]、27-30 Jul 2015
As of [30 Jul 2015] there have been:
186 laboratory confirmed cases of MERS-CoV infection, including
36 deaths,
138 recoveries, and
12 currently active cases, including
3 in critical condition
最終更新から:
0 newly confirmed cases
0 newly reported fatalities and
0 newly reported recoveries
[2] サウジアラビア, 3 new cases, 2 new deaths - MOH
情報源 Saudi Arabia Ministry of Health、26-29 Jul 2015
As of (29 Jul 2015) there have been a total of:
1057 laboratory confirmed cases of MERS-CoV infection including
467 deaths,
583 recoveries, and
7 currently active cases
the last ProMED-mail update [20150726.3536078] 以降、
2 newly confirmed cases,
2 newly reported fatalities and
2 newly reported recoveries
[致死率 44.2 percent]
[3] サウジアラビア - WHO
Middle East Respiratory Syndrome coronavirus (MERS-CoV) - Saudi Arabia 29 Jul 2015
情報源 WHO Emergencies preparedness, response, Disease Outbreak News (DONs)、2015年7月29日。
厚労省検疫所 FORTH

[4] 新たな研究報告 New research initiatives

1. Prophylactic and postexposure efficacy of a potent human monoclonal antibody against MERS coronavirus. Proc Natl Acad Sci USA. 2015. pii: 201510199. [Epub ahead of print]
要約
 ... われわれは、知りうる限りで初めて、1名の感染した患者の memory B cells から、強力なウイルス中和抗体 a potent MERS-CoV-neutralizing antibody を分離した。LCA60 と呼ぶこの抗体は、スパイク蛋白の新たな部位に結合し、分離された複数の MERS-CoV 感染を、the cellular receptor CD26 への結合を阻止することにより、強力に中和 (感染を阻止) した。adenovirus expressing human CD26 を形質導入し MERS-CoV を感染させたマウスを用いた実験で、曝露前と曝露後のいずれの条件でも、効率的な感染防御効果が示された。この抗体は、MERS-CoV に感染したヒトの、曝露前 ・ 曝露後の感染 (発症) 予防や、治療に用いることができる可能性がある ...
[The full article ]

2. Evaluation of candidate vaccine approaches for MERS-CoV. Nat Commun. 2015; 6: 7712. doi: 10.1038/ncomms8712.
要約
 ...  the receptor-binding domain (RBD) of the viral spike (S) glycoprotein だけを (ターゲットに) 絞って行われてきたワクチン開発だが、満足すべき中和抗体反応 optimize neutralizing antibody (NAb) response は得られていない。今回われわれは、S DNA の全長 full-length S DNA と S1 subunit protein を基本とする免疫原 immunogens を用いて、マウスおよびヒト以外の霊長類のウイルス several MERS-CoV strains に対する、十分に有効な血清中和抗体作用 robust serum-neutralizing activity が導き出されることを示すことができた。血清学的解析とモノクローナル抗体 murine monoclonal antibodies 分離により、接種 immunization によって、RBD and, non-RBD portions of S1 and S2 subunit に対する中和抗体が誘導されたことが分かった ...
[The full article ]
関連項目 (97): South Korea, Saudi Arabia 20150726.3536078