2017年4月11日

Podoconiosis-ウガンダ 非フィラリア症
乳児ボツリヌス症-日本 ハチミツ,死亡 など

東部馬脳炎-スリナム 初報告 OIE
Equine encephalomyelitis (eastern), Suriname,first occurrence of a listed disease
PRO/AH/EDR> Eastern equine encephalitis - Suriname: (WA,PR) 1st rep, OIE
Archive Number: 20170411.4964225
情報源 OIE, WAHID (World Animal Health Information Database), weekly disease information 2017; 30(15) 2017年4月10日
感染開始時期 2016年9月2日
原因ウイルス Eastern equine encephalomyelitis virus
新たな感染流行  (2)
Outbreak 1 (Paarden encephalitis): Weg naar Zee, Wanica, Wanica: backyard
Outbreak 2 (Paarden encephalitis 2): Rijjstdijk, Para: backyard
Total outbreaks: 2
種/頭数/感染数/死亡/廃棄/処分
ウマ Equidae / 4 / 2 / 0 / 0 / 0
Epidemiological comments: suspected origin to be imported equine

Podoconiosis-ウガンダ 非フィラリア症
PRO/EDR> Podoconiosis - Uganda: not filariasis
Archive Number: 20170411.4964096
情報源 The New York Times 2017年4月11日
ウガンダ西部の医学研究者らが最近,象皮病-ゾウのように足が腫れる病態-のアウトブレイクの原因が,間違って理解されていたことを発見した。まれで省みられない熱帯病が,別の病気と間違えられていたことが分かった。象皮病が発生する多くの国々では,蚊族の刺咬によりヒトに感染する(寄生)虫が,その原因となっている。この虫はリンパ節に集まり,大きな塊を作りリンパ節を膨張させ,足からのリンパ液の流れを阻害する。2015年,ウガンダ保健省に,Kamwenge, in western Uganda において象皮病のアウトブレイク an outbreak of elephantiasis が発生したとの報告があり,WHO 事務所とともに調査が開始された。52 suspected victims が確認され,現地では,ゾウの糞を踏んだことが原因との噂が広まっていた。調査担当者らは,リンパフィラリア症を起こす虫が現地の蚊族に拡がったとの仮説を立てていたが,血液検査でこの(寄生)虫は陰性であったと,10日の the American Journal of Tropical Medicine and Hygiene で報告されている。仮説が間違っていたとの証拠は,ほかにも幾つかある。患者の中には,足が腫れ始めたのは1980年にまで遡ると報告するものもあった。大部分の患者は両足が腫れていたが,フィラリア症は片足だけに発症する事が多い。さらに,患者の多くが,あまり蚊族がいない標高 4000フィート以上の場所に住む農民だった。また,陰嚢が腫れたのはたったの1人だった。ひどいときは台車に乗せて動かなければならないほど大きくなる,陰嚢が腫れる症状は,リンパフィラリア症では,足の腫れよりも多く見られる症状である。そこで研究者らは,何らかの,寄生虫疾患以外の病気に罹患していることに気づいた: 患者の病気は,裸足で火山性土壌を歩くことによる podoconiosis であった。この種の土壌には,細かく尖ったアルカリ性のミネラル結晶が含まれ,皮膚に入ると激しいかゆみを生じ,白血球による攻撃を受け,炎症が引き起こされる結果,長時間をかけ,滲出性有痛性病変と繊維組織に置き換わる。アフリカとアジアには約 400万人の Podoconiosis の患者がいるが,ウガンダ西部の医療従事者らにとっては初耳だった。the Kamwenge area は 1960年代まで狩猟採集民に支配された森林地帯であったが,南部から農民が移住し,土壌を耕したことで,250年前の爆発で降った赤土の中の結晶が地表に現れることとなった(Kamwenge は約 80 km east of Rwanda's volcanic Virunga Mountains, part of Africa's Rift Valley)。農民の多くは靴が買えないほど貧しく,聞き取り調査を行ったうち,63 % が裸足で作業し,67 % は作業後に足を洗っていなかった ...
原著タイトル Risk factors for podoconiosis: Kamwenge District, Western Uganda, September 2015. Am J Trop Med Hyg. 10 April 2017. DOI.
[ Mod.EP 注-Podoconiosis は,乳頭腫 the papillomata が苔のように見えることから "mossy-foot"とも呼ばれ,ケイ素を多く含む火山性土壌に長期間素足が暴露することで起きる。このような土壌は,熱帯アフリカ,中米,インド北西部などに見られる。これらの地域では季節性の豪雨により,土壌が露出する。慢性,反復性にケイ素に暴露することにより,リンパ閉塞が起こり,上行性リンパ浮腫を生じる]

サンゴの死滅-オーストラリア
PRO/AH/EDR> Coral reef kill - Australia: (Great Barrier Reef)
Archive Number: 20170411.4963468
情報源 Sky News 2017年4月10日
記録的に地球温暖化による気温の上昇により,グレートバリアリーフ the Great Barrier Reef の 2/3 の地域で,珊瑚の白化が生じている。空中からの調査で,約 1450 km に渡り,サンゴにストレスがかかり藻が喪失して白色となる,深刻な白化現象が確認されている ...

口蹄疫-アルジェリア(04) OIE
Foot and mouth disease, Algeria,new strain of a listed disease in the country
PRO/AH> Foot & mouth disease - Algeria (04): (SF) bov, st SAT1, new, OIE, st A geno G-IV
Archive Number: 20170411.4963314
情報源 OIE, WAHID (World Animal Health Information Database), weekly disease information 2017; 30(15) 2017年4月10日
感染開始時期 2017年4月7日
原因ウイルス Foot and mouth disease virus
Serotype: SAT1
新たな感染流行 (1)
Outbreak 1: Douar Chouaouet, El Eulma, El Eulma, Setif: farm
種/頭数/感染数/死亡/廃棄/処分
ウシ Cattle / 2 / 2 / 0 / 2 / 0
Affected population: farm with 2 bovines (female veal) that presented the following clinical sings: mouth ulcers and gum erosions.

乳児ボツリヌス症-日本 ハチミツ,死亡
PRO/EDR> Infant botulism - Japan: (Tokyo) honey, fatal
Archive Number: 20170411.4963313
情報源 Japan Times 2017年4月10日
3月30日,足立区の生後 6ヶ月の男児が乳児ボツリヌス症 infant botulism により死亡した。両親がハチミツを与えていたと,都当局者が述べた。1986年に都が統計を取り始めてから初めての,乳児ボツリヌス症による死亡例となった。当局は,1歳未満の乳児には,ハチミツを与えないよう注意を呼びかけている。この男児は,2月16日に咳の症状が出始め,けいれんと呼吸不全により同20日に救急車で病院を受診した。同28日に,乳児ボツリヌス症と診断された。都によると,両親は男児に1ヶ月前から1日2回,ジュースにハチミツを混ぜて与えており,乳児にハチミツを与えてはいけないことを知らなかったと答えている。自宅の開封されたハチミツ容器と男児の便から,ボツリヌス菌 the bacterium _Clostridium botulinum_ が検出されている ... 厚労省は,1986年に千葉県で国内初の症例が確認されたことを受け,全国の自治体に,乳児にハチミツを与えないよう注意喚起を行った。都によると,1986年以降全国で 30件以上の乳児ボツリヌス症が報告されていたが,死亡例はなかった。
参考項目 CDC's report on infant botulism in New York City (ProMED-mail post Infant botulism - USA (New York City) 20030117.0144)

炭疽-フランス ウシ OIE
Anthrax - France,recurrence of a listed disease
PRO/AH/EDR> Anthrax - France: (HM) bovine
Archive Number: 20170411.4962011
情報源 OIE WAHID 2017年4月10日
感染開始時期 2017年4月1日
前回流行時期 2016年11月1日
原因菌 _Bacillus anthracis_
新たな感染流行 (1)
Outbreak 1: Germainvilliers, Haute-Marne: farm
種/頭数/感染数/死亡/廃棄/処分
ウシ Cattle / 467 / 12 / 12 / 0 / 0
Affected population: 12 bovines died on the farm between 1-2 Apr 2017. 2013年,同農場で炭疽が発生している。