2022年1月26日

コレラ ベニン WHO
COVID-19(30)免疫不全患者での変異株 (発生) エンデミックの意味

● コレラ ベニン Cholera - Benin
PRO/EDR> Cholera, diarrhea & dysentery update (01): Africa (Benin) WHO
Archive Number: 20220126.8701091
 情報源 WHO, Disease Outbreak News (DONs) 2022年1月25日
ベニンでは,2016年以降毎年コレラ Cholera 患者が報告されており,地域感染 endemic となっている。2021年 3月から4月にかけて第 1波 a 1st epidemic wave of cholera in the commune of So-Ava, Atlantique Department を報告し,3 laboratory-confirmed cases を含む 103 cases が報告されたが,死亡例はなかった。A 2nd epidemic wave が September 2021 に開始し,from 1 Sep 2021 to 16 Jan 2022 の期間中に,1430 cases and 20 deaths (CFR: 1.4 %) が報告された ... 

● COVID-19(30)免疫不全患者での変異株 (発生) エンデミックの意味

PRO/AH/EDR> COVID-19 update (30): variants in immuno-comp., stability, endemic, WHO
Archive Number: 20220126.8701074
[1] 免疫不全患者の変異株 Variants in immunocompromised patients 
 情報源 News Medical Life Sciences [medRxiv pre-print report] 2022年1月23日
the medRxiv preprint server に投稿された新たな研究で,3人の免疫不全患者 immunocompromised patients における新たな変異株 new SARS-CoV-2 variants の新興について報告されている ... 
これまで多くの研究で,ウイルスを完全に排除ができないことによる免疫不全患者の慢性感染 chronic SARS-CoV-2 infections が報告されてきた。体内に長期間ウイルスが存在することで,ウイルス遺伝子が変化し,治療のために使用される抗体などの周囲の環境 environmental threats に馴化することを許してしまう。このことが,とりわけワクチンや自然感染による抗体を回避する能力を有する,新たな変異株が絶えず生み出される源泉となる。スパイクタンパク遺伝子の変異は,スパイクタンパクの抗体エピトーブを変化させ,抗スパイク抗体のスパイク結合を防止したり,阻害したりすることにつながり,結果として中和抗体が新型変異株を阻止できなくなる ... 
Study findings:3人の患者の経過等
Implications
The current study demonstrates the evolution of SARS-CoV-2 within immunocompromised hosts harboring chronic infection and its adaptation through novel mutations that emerged over time.  ... 
the Q498R mutation は,N501Y との共存により,the ACE2 receptorとの結合親和性を著明に促進すると考えられる。1例目と 3例目の患者でみられたように,3つの変異 Q498RN501Y and E484K すべてが起きた場合は相乗効果により,(ウイルスのレセプタ結合領域と ACE2 レセプターとの結合) RBD-ACE2 binding 野生株ウイルスの 50倍に高められると予想される ... CD4 T-cells 数も関係することなど ... 依然として,HIV 感染者の割合が多い the sub-Saharan African population において多くの人々がワクチンを接種していない状況であること ... 原文参照願います。
[原著 Generation of novel SARS-CoV-2 variants on B.1.1.7 lineage in 3 patients with advanced HIV disease. medRxiv 2022.01.14.21267836; doi:]
[2] ウイルス安定性 Virus stability
 情報源 News Medical Life Sciences [bioRxiv pre-print report] 2022年1月21日
日本の研究者らが,the new severe acute respiratory syndrome coronavirus 2 (SARS-CoV-2) variant, omicron が,従来からある変異株に比べ,環境中での安定性が高いと報告した。the SARS-CoV-2 Wuhan strain and variants of concern (VOCs) -- alpha, beta, delta, and omicron variants -- について,survivability 生存性 and infectivity 感染性を比較した。人工の人体皮膚モデル constructed human skin models とプラスチック plastic substrates を使って,変異株の環境中での安定性を評価した。
Introduction
 ... 新型コロナウイルスの感染力増強 the increased infectivity and transmissibility には,患者から排泄されるウイルス量,ウイルス排泄の持続期間,感染が成立するために必要な最小のウイルス量,感染のターゲットとなる部位の変化,そして環境中での安定性増加,など様々な因子が関与する。これまで,the alpha (Pango lineage: B.1.1.7) and beta (Pango lineage: B.1.351) have similar stability との研究報告がある。新型コロナウイルスと SARS ウイルス(SARS-CoV-1) とインフルエンザウイルスの安定性を比較した数件の報告もあった ... 
The study
Limitations of the study
Conclusion
 ... the omicron variant は,VOCs の中で最も環境中での安定性が高かった the highest environmental stability; このことが,omicron  the delta variant と置き換わり,全世界に拡がったことの説明になるかもしれない。また,遺伝学的解析に加え,VOC 拡大のメカニズムの説明に大いに寄与するだろう。
[原著  Hirose R, Itoh Y, Ikegaya H, et al. Differences in environmental stability among SARS-CoV-2 variants of concern: Omicron has higher stability. bioRxiv. 2022; doi: ]
[3] エンデミックとは Meaning of endemic
 情報源 Nature 2022年1月24日
原著 Katzourakis A. Nature. 2022; 601, 485;.
'endemic' の用語は,パンデミックでもっとも誤用された言葉の 1つ one of the most misused of the pandemic となっている。疫学専門家にとって,an endemic infection は全体的な発生率 overall rates が静的な static 状態: 増えることもなければ,減ることもない not rising, not falling ことを意味する。より正確に言えば,集団内のすべての人に感染する可能性があると仮定したときに,感染する可能性がある人の割合と,ウイルスの基本再生産数 the 'basic reproduction number' すなわち 1人の感染者から感染する人の数釣り合うことを意味する。ラッサ熱,マラリア,ポリオがこれに当たり,天然痘も,ワクチンで根絶されるまでそうだった。言い換えると,ある疾患は感染拡大があっても致死性でも endemic になり得る。マラリアにより,2020年に 60万人以上が死亡した。同じ年に1000万人が結核を発病し,150万人が死亡した。Endemic の状態とは,進化によって病原体が慣らされ(馴化し)た結果として,もとどおりのノーマルな生活に戻れることを意味しない。ある感染症が endemic の感染状況になる will become endemic と述べられても,定常状態に達する reach stasis までどれくらいの期間を要し,発生率,有病レベル,死亡率がどれくらいとなり,あるいは重要なこととして,人口のうちのどれくらい,そしてどの区域 (?) which sectors に感受性があるか,については何も言っていない。また安定した状態が保証されているわけでもない。2019年に米国の麻疹アウトブレイクが発生したように,endemic infections から破壊的流行が発生する可能性は残されている ... ウイルスが時間経過とともに病毒性が弱まる become more benign との,バラ色の誤解が広まっているが,それは当てはまらない。特にウイルス感染で重症化する前に感染伝播が起きる SARS-CoV-2 のような場合,進化によってウイルスの毒性が弱まるとの運命づけられた結果などない。alpha and delta は最初に武漢で確認されたウイルスより more virulent であったし,1918年のインフルエンザパンデミックも第 2波がより致死的だったことを考えてみてほしい ...  more, more-dangerous or more-transmissible variants の新興を阻止するための最良の方法は,際限のない感染拡大を止めることであり,そのためには公平なワクチン接種など数多くの集約された公衆衛生的介入が必要である。アルファが初めて確認された英国も,デルタのインドも,オミクロンの南アフリカも,すべて著しい感染拡大が起きていた場所である。endemicity がマイルドで不可避なものと考えることは,間違っている以上に危険な考えである ... 
[4] WHO: daily new cases reported (as of 24 Jan 2022)
 情報源 WHO 2022年1月24日
[Data by country, area, or territory for 24 Jan 2022]
[5] Global update: Worldometer accessed 24 Jan 2022 19:55 EST (GMT-5)
 情報源 Worldometer 2022年1月24日
Total number of reported deaths: 5 622 918
Total number of worldwide cases: 355 216 285
Number of newly confirmed cases in the past 24 hours: 3 089 378
[the detailed global data, a snapshot of the Worldometer table at the time]
[A 7-day series of cumulative data reported by countries, territories, and reporting entities]
関連項目 
COVID-19 update (29): risk assessment, cognitive impairment, global

● Blueberry rust 英国
PRO/PL> Blueberry rust - UK: 1st rep (Scotland)
Archive Number: 20220126.8701100
 情報源 New Disease Reports 2022年1月
原著タイトル First report of _Pucciniastrum minimum_ (syn. _Thekopsora minima_) causing leaf rust on _Vaccinium corymbosum_ (blueberry) in the United Kingdom and pathogenicity on _Vaccinium myrtillus_ (bilberry). New Disease Reports. 2022; 45(1): e12057; doi: 10.1002/ndr2.12057.

● COVID-19(31)動物 中国
PRO/AH/EDR> COVID-19 update (31): animal, human, China (Hong Kong) hamster, origin discussed
Archive Number: 20220126.8701086
 情報源 Bloomberg 2022年1月20日
 ... 原文参照願います。

● ニューカッスル病 スイス
Newcastle disease virus (inf. with), Switzerland
PRO/AH/EDR> Newcastle disease - Switzerland: (ZH) poultry, OIE
Archive Number: 20220126.8701077
 情報源 OIE-WAHIS (World Animal Health Information System) 2022 2022年1月24日
感染開始時期 20 Jan 2022
前回流行時期 19 Nov 2017
病原体 paramyxovirus type 1 (PMV-1)
新たな感染流行
Outbreak location: Niederglatt, Dielsdorf, Zurich,farm
種/個体数/感染/死亡/廃棄/と畜/ワクチン接種
Birds / 500 / 15 / 0 / 500 / 0 / 0