2022年3月3日

COVID-19(64)long COVID 院内心停止 イベルメクチン

● COVID-19(64)long COVID 院内心停止 イベルメクチン
PRO/AH/EDR> COVID-19 update (64): long COVID, IHCA, Ivermectin, India, WHO
Archive Number: 20220303.8701774
[1] Long COVID and nerve damage
 情報源 CIDRAP (Center for Infectious Disease Research & Policy) News 2022年3月2日
症状が長引いている COVID-19 から回復した患者 17人についての後ろ向き研究で,10人(59%)に神経損傷があり,治療可能な感染関連性の免疫機能不全が契機となっている可能性がある,と研究者らが述べている。2日の医学誌 Neurology: Neuroimmunology & Neuroinflammation 掲載の論文の中で,Massachusetts General Hospital (MGH) の研究者らは,神経疾患等の既往歴のない long COVID patients のデータを解析した。1人を除いて,いずれも感染は軽症だった。[21 Feb 2020 to 19 Jan 2021] の患者で,平均 1.4年間追跡されており,平均年齢は 43.3歳,女性が約 70%,94%が白人で 19%がラテン系だった。neuropathy ニューロパチー の診断のため,少なくとも 1種類の検査が行われており,63% が皮膚生検 skin biopsies, 17% が電気診断検査 electrodiagnostic tests, and 50% of autonomic function tests を受けていた。重症化した患者は,軸索ニューロパチー axonal neuropathy の診断を受け,もう1人は軽症感染の 3週間後に多焦点性脱髄性ニューロパチー multifocal demyelinating neuropathy と診断された。10人以上が small-fiber neuropathy (SFN) と診断された。主なニューロパチーの症状としては,筋力低下 weakness, 感覚異常 sensory changes, 手足の痛み pain in the hands and feet であり,患者の多くが疲労感を訴えている。35% の患者が副腎ステロイドまたは免疫グロブリンを投与されていた。IgG を投与された 5人の患者が効果があったとしている derive a benefit。時間経過とともに 52% が改善したが完全に消失した症例はなかった ... 
[2] 院内心停止 In hospital cardiac arrest: outcome
 情報源 CIDRAP (Center for Infectious Disease Research & Policy) News 2022年3月2日
病院内で心停止 an in-hospital cardiac arrest (IHCA) が発生した成人の患者 COVID-19 patients は,(感染がなかった心停止の患者に比べ)遅滞なく救命のための除細動を受け生存して退院できる可能性が 35%低いことが,JAMA Network Open の研究で示された。University of Iowa at Iowa City の研究者らが,from March to December 2020 の期間中に全米 286病院で心停止した患者 24 915 patients with IHCA について調査した。このうち 5916 (23.7%) が COVID-19 に感染していた ... 
COVID-19 感染患者IHCA 後の生存退院率は感染のない患者と比較して低く lower rates of survival to hospital release (11.9% vs 23.5%),自発調律による循環への回復 return of spontaneous circulation (53.7% vs 63.6%) も低かった。除細動の遅れも認められたが,エピネフリン投与には遅れはみられなかった ... 
[原著タイトル Association of COVID-19 Infection With Survival After In-Hospital Cardiac Arrest Among US Adults. JAMA Netw Open. 2022;5(3):e220752. doi:10.1001/jamanetworkopen.2022.0752]
[3] イベルメクチン Ivermectin: paper withdrawn 論文撤回
 情報源 Socopen 2022年2月4日
On withdrawing "Ivermectin and the odds of hospitalization due to COVID-19," by Merino et al
... COVID-19 に対するイベルメクチン ivermectin 治療の有効性については,十分なエビデンスが得られていない ... 
SocArXiv Steering Committee statement on withdrawing the paper  ... 
Our grounds for this decision are several:
1. この論文が誤った情報を広め,世界的パンデミックの中で,効果が証明されていない治療を促進している。
2. この論文は,ヒトに対する研究の標準に基づく適切な同意または倫理的保護なしに行われた
3. The paper is medical research - purporting to study the effects of a medication on a disease outcome - and is not properly within the subject scope of SocArXiv.
4. 著者らが利益相反を開示していない
[4] インド India: return to normalcy
 情報源 Al Jazeera 2022年3月2日
インドでは,3月2日まで 3日連続で感染者数が 1万人未満となり,12月後半のレベルに落ち着いている。行動制限緩和について ... 
[5] WHO: Daily new cases reported (as of 02 Mar 2022)
 情報源 WHO 2022年3月2日
[6] Global update: Worldometer accessed 2 Mar 2022 22:52 EST (GMT-5)
 情報源 Worldometer 2022年3月2日
Total number of reported deaths: 5 993 066
Total number of worldwide cases: 440 648 082
Number of newly confirmed cases in the past 24 hours: 1 661 412
[A 7-day series of cumulative data reported by countries, territories, and reporting entities ]

● タロイモの病気 ナイジェリア
PRO/PL> Leaf blight, taro - Nigeria
Archive Number: 20220303.8701775
 情報源 Cornell University 2022年2月21日
ナイジェリア Nigeria において,taro leaf blight (TLB,タロイモ葉枯れ病) により,最大 50-95% が失われる歴史的被害が発生している。the Nigerian National Root Crops Research Institute (NRCRI) and Cornell University が協力してこの病気と闘っている。

● COVID-19(63)動物 カナダ シカ
PRO/AH/EDR> COVID-19 update (63): animal, Canada, wild deer
Archive Number: 20220303.8701773
 情報源 bioRxiv 2022年2月25日
原著タイトル Highly divergent white-tailed deer SARS-CoV-2 with potential deer-to-human transmission. bioRxiv 2022.02.22.481551; [preprint, not peer reviewed]
北米においては,ヒトからシカ white-tailed deer へのウイルス逸出 spillover of SARS-CoV-2 の証拠が確認されている。カナダの野生動物での調査で,新しく高度に分岐した株 a new and highly divergent lineage of SARS-CoV-2 を確認した ... 系統発生学解析で,同一地域内の同一時期にヒトから採取されたウイルスとの,疫学的関連性が確認された。

● 感染症 ウクライナ
Infectious Diseases of Ukraine -- e-book (free of charge)
PRO/AH/EDR> Infectious diseases - Ukraine: background
Archive Number: 20220303.8701771
 情報源 GIDEON (Global Infectious Disease Epidemiology Network) 2022年3月1日
Gideon Informatics will distribute this e-book free of charge through the following link:
Enter coupon code: UA22EBOOK at "checkout"

● レプトスピラ症 ニューカレドニア
PRO/AH/EDR> Leptospirosis - New Caledonia: flooding, heavy rains
Archive Number: 20220303.8701767
 情報源 Nouvelle-Calédonie la 1ère [in French] 2022年3月2日
ニューカレドニア New Caledonia において,1月以降すでに 63例のレプトスピラ感染症 cases of leptospirosis が確認され 55人が入院となり,20人が集中治療室に収容された。毎年,雨期に患者が発生している。2021年,229例の感染があり,4人が死亡した。

● COVID-19(62)ファイザーワクチン小児への接種 CDC 脆弱な集団

PRO/AH/EDR> COVID-19 update (62): Pfizer, children, CDC, vulnerable populations, WHO, global
Archive Number: 20220303.8701755
[1] Pfizer vaccine in children
 [A] New York State Department of Health
情報源 The New York Times 2022年2月28日
Pfizer-BioNTech のコロナウイルスワクチンの 5-11歳の小児への接種は,年長児および成人への接種に比べ,かなり有効性が低いことが,ニューヨーク州保健当局の新たなデータで示された。米国内では,The Pfizer vaccine がこの年齢層への接種の承認を受けた唯一のワクチンであるが,the omicron surge 中のデータでは,接種完了後 1か月以内であっても,感染予防については事実上効果が認められなかった。年少児におけるワクチンの効果の著しい低下は,接種量が年長児や成人の 1/3 であることに由来する可能性がある。臨床試験でより接種量が少ない 2-4歳児のワクチンが低迷する結果が示されたことに続く報告となった ... the omicron surge の最中の between 13 Dec 2021 and 31 Jan 2022 にワクチンを接種した,852 384 newly fully vaccinated children aged 12-17 years and 365 502 children aged 5-11 years のデータを解析した。入院に対する予防効果は,年長児では 85% から 73% に低下し,より年少児では 100% から 48% にまで低下していた。しかしながら,入院する患児が少数であることから誤差範囲の大きい推定値となる。感染防御についてはより信頼性が高くなる。年長児においては,66%から 51% に低下し,年少児では 68% から 12% に著しく低下していた。2022年1月30日までの 1週間において,この数字は劇的に変化がみられ,12歳の感染に対する予防効果が 67% であったのに対し,11歳ではわずか 11% だった。この 2つの年齢グループ間の違いは衝撃的である。生物学的相違は最小であると考えられるが,一方,12歳児には成人と同じ 30㎍ のワクチンが接種されたのに対し,11歳児には 10㎍ しか接種されていない ... 17歳以下の COVID-19 による死者数は少なくとも 851人に上っている ... ワクチン接種量が見直されることは珍しくないが,いくつかのデータから年少児にとって危険性を孕む発熱の副反応が多くなることが示されており,より高用量の接種を行って免疫反応を増強するオプションは選択されないかもしれない ... もう 1つのオプションはオミクロン変異株を阻止するようデザインされたタイプのワクチン,または複数の変異株の混合タイプとなるかもしれない。Pfizer-BioNTech, Moderna and Johnson and Johnson はいずれも omicron-specific versions of their vaccines の臨床試験を行っている。次の変異株は,オミクロンとは,デルタとオミクロンよりずっと大きく異なっている可能性がある。しかし,いくつもの株を認識することで身体が鍛えられ,新たなウイルス株の感染を予防する機会をより与えてくれるだろう ... Novavax,Sanofi,GSK 等が開発中のワクチンなど ... 原文参照願います。
 [B] Centers for Disease Control and Prevention (CDC)
 情報源 STAT 2022年3月1日
5-11歳の小児に対して the Pfizer-BioNTech Covid-19 vaccine の予防効果が低いとの New York State の研究結果に対し,1日の the Centers for Disease Control and Prevention (CDC) からの 10州における新たなデータでは異なる結果が示されている。2 doses of the Pfizer vaccine はオミクロン株に対してはどの年齢層においても感染予防効果が十分ではないが,重症化予防については各年齢層で同程度の効果が保持されていると述べられている。年少児における,急速な効果減弱や著しい低下は示唆されなかった。全体像をみれば New York State で観察された徴候はみられない,と the CDC's program manager for COVID vaccine efficacy studies は答えている。医学誌 Morbidity and Mortality Weekly Report 掲載のこの研究に加え,ウェブサイト上に他のデータからの統計も投稿されている。5-11歳と 12-15歳において,きわめて類似する発症率が観察される,としている ... the CDC の研究報告では,オミクロン変異株が循環する期間における,救急室受診に対する against emergency department or urgent care visits ワクチンの予防効果は,12-17歳では between 34% and 45% vaccine effectiveness5-11歳では 51% だった。5-11歳に対するワクチン接種の開始は 2021年11月であり,接種時期がかなり最近であるため,12-17歳と比較して抗体レベルが高い傾向にある。Vanderbilt University のワクチンの専門家は,5-11歳に使用される接種量が少なすぎるとは,まだ確信していないと述べている。いずれの研究結果からも明らかなことは,年少児にも年長児においても,オミクロン変異株に対して 2回接種では十分ではないことである,としている ... 
[2] 脆弱な集団 Vulnerable populations: health outcomes
 情報源 CIDRAP (Center for Infectious Disease Research and Policy) 2022年3月1日
Alzheimer's disease その他の認知症のためのメディケア受益者,とりわけ施設居住者とマイナー人種は,the COVID-19 pandemic において他の集団に比べ,より死亡率が高いことが,28日の JAMA Neurologyで報告された ... 原文参照願います。
[3] WHO: daily new cases reported (as of 1 Mar 2022)
 情報源 WHO 2022年3月1日
[Data by country, area, or territory for 1 Mar 2022
[4] Global update: Worldometer accessed 1 Mar 2022 22:49 EST (GMT-5)
 情報源 Worldometer 2022年3月1日
[A 7-day series of cumulative data reported by countries, territories, and reporting entities]
Total number of reported deaths: 5 984 586
Total number of worldwide cases: 438 986 670
Number of newly confirmed cases in the past 24 hours: 1 763 262
関連項目 
COVID-19 update (61): masks, bact. meta-transcriptomics, variants, ECMO, WHO 20220301.8701730

● 鳥インフルエンザ 米国 家きん,野鳥
PRO/AH/EDR> Avian influenza (58): USA, mixed poultry, wild, captive bird
Archive Number: 20220303.8701765
[1] New Hampshire (Rockingham County): wild mallards
 情報源 WMUR 2022年2月28日
[2] Connecticut: wild ducks
 情報源 The Register Citizen 2022年3月1日
[3] Indiana (Dubois County): commercial turkeys
 情報源 ABC News 2022年3月1日
[4] Florida (multiple counties): wild birds
 情報源 Space Coast Daily 2022年3月2日
[5] Iowa (Pottawattamie County): non-commercial poultry
 情報源 KCCI 2022年3月2日

● 腸チフス ナミビア

PRO/EDR> Typhoid fever - Namibia: (Windhoek)
Archive Number: 20220303.8701761
 情報源 Xinhua 2022年3月2日
ナミビア保健相 Minister of Health and Social Services は 2日,首都で腸チフスの感染例が確認されていると述べた。1月初めての感染例が報告されて以来,濃厚接触者ら 9人について検査を行ったところ,濃厚接触者 3人中 2人の検査が陽性となったと述べた。これまで河川の水を利用する Kavango East and Kavango West regions を中心に報告されていたが,Windhoek district in Khomas での感染報告は 5年間で 1例のみであったと報告されている。

● 原因不明の真菌感染 マンゴー
PRO/PL> Undiagnosed fungus, mango - India: (TN)
Archive Number: 20220303.8701757
 情報源 The Hindu 2022年2月25日
Krishnagiri district のマンゴー農家は,the Horticulture Department 当局への感染のあったマンゴーの花のサンプル提出により,蔓延する真菌感染症対策を行っている ... 

● クロノバクタ-感染症,サルモネラ菌症 米国 粉ミルク
PRO/AH/EDR> Cronobacteriosis, salmonellosis - USA (03): powdered form., alert, recall, fatal
Archive Number: 20220303.8701756
 情報源 CDC 2022年2月28日
Abbott Nutrition は,_Cronobacter_ contamination 菌による汚染のおそれがあるとして,乳児用粉ミルク Similac, Alimentum, or EleCare powdered infant formulas の回収を行っている。The FDA はまた,リコールされている粉ミルクによる 1件のサルモネラ菌感染症 one complaint of _Salmonella_ infection を報告した。CDC は,このサルモネラ菌感染症例と粉ミルクとの関連性は確認していない。
Fast facts
Illnesses: 4
Deaths: 2
States: 3 (Minnesota, Ohio, Texas)
Recall: yes
Investigation status: active
Recalled powdered infant formula
Advice for parents and caregivers
Symptoms
What healthcare providers/laboratories should do
Description of cases
About _Cronobacter_
How _Cronobacter_ bacteria can spread

● パッションフルーツの病気 ニュージーランド
PRO/PL> Fusarium wilt, passion fruit - New Zealand
Archive Number: 20220303.8701762
 情報源 Radio New Zealand 2022年2月24日
fusarium disease, also known as passion fruit wilt のため,パッションフルーツ農家の一部は収穫の最大 80% を失っている。温暖化により過去 2年間により蔓延したと,The NZ Passion fruit Growers Association としている。2015年に NZ 国内ではじめて確認されたが,それ以前から常在していたと考えられている。

● 鳥インフルエンザ 英国 家きん
PRO/AH/EDR> Avian influenza (57): Europe (UK) poultry, HPAI H5N1
Archive Number: 20220303.8701758
 情報源 Farming UK 2022年3月2日
Redgrave, Suffolk 近郊の 1カ所の養鶏場で,高病原性鳥インフルエンザ HPAI of the H5N1 subtype が 1日確認された。2月26日に a premises near Elmswell, Suffolk において,同 25日に a site near Ledbury, Herefordshire においても確認されている。