2022年6月15日

原因不明の肝炎(21)イスラエル 米国
COVID-19(141)ワクチン接種 5歳未満でも有効

● 原因不明の肝炎(21)イスラエル 米国
PRO/EDR> Hepatitis, undefined, global (21): children, adenovirus susp, 2021-22
Archive Number: 20220615.8703878
[1] イスラエル Israel: possible link to long COVID
 情報源 The Jerusalem Post 2022年6月14日
Long COVID が,最近世界中で発生している原因不明の小児の肝炎の原因である可能性があると,イスラエルの Schneider Children's Medical Center, Rabin Medical Center-Beilinson Hospital, Rambam Medical Center and Tel Aviv University の研究者らが the peer-reviewed Journal of Pediatric Gastroenterology and Nutrition で報告した。イスラエル国内ではこれまでに合計 12例  cases of unexplained acute hepatitis in children が報告されている。著者らは,成人の重症コロナウイルス感染患者で肝傷害が確認されており,小児では COVID-19 感染の結果として,肝傷害も起こすことのある多系統炎症性症候群 multisystem inflammatory syndrome (MIS-C) が引き起こされることがあるとし,また成人の Post-COVID-19 liver injuries の報告が増えていると述べている。今回の新たな研究において,2022年に肝傷害のため Schneider Children's Medical Center に入院となった 5例が解析された。5例はすべて発症前の SARS-CoV-2 検査陽性だった。第 1例目は 3か月の乳児で,COVID-19 と診断された 21日後に急性肝不全のため入院となった。11日後に肝移植が行われた。この患児はアデノウイルス adenovirus,  SARS-CoV-2 [?], Epstein-Barr virus, cytomegalovirus (CMV) and herpes simplex virus 検査は陰性だった。2例目は 5か月の乳児で,発熱,黄疸,肝腫大のため入院となり,状態が悪化したため肝移植が必要となった。アデノウイルスと SARS-CoV-2 のいずれも陽性で,肝移植後の検査ではサイトメガロウイルス CMV も陽性となった。3例目は生来健康であった 8歳男児で,肝傷害発症前に新型コロナウイルス検査が陽性となった。診断から 130日後に腹痛,嘔吐,黄疸のため尿員を受診した。アデノウイルス感染は認められなかった。4例目も 8歳男児で,COVID-19 診断の約 90日後に腹痛,嘔吐,下痢,黄疸を発症した。アデノウイルス感染は認められなかった。5例目の患者は生来健康であった 13歳男児で,weakness,下痢,黄疸,腹痛を発症後,SARS-CoV-2 検査が陽性となった。検査陽性から 53日後に嘔吐,腹痛,黄疸,肝腫大,肝障害のため入院となり,肝移植が必要となった。移植手術後に CMV とアデノウイルス検査が陽性となった。解析の対象となった患児は,肝臓の問題が発症するまで無症状または軽い症状を示していた。一方,肝臓の合併症を経験した成人患者のほとんどが,重症の COVID-19 患者として ICU 長期入院患者だった。世界中の他の報告でも,肝合併症のある COVID-19 症例の中には,診断後,数週間から数ヶ月経過していた症例が見受けられる。研究者らによると,世界中の原因不明の肝炎症例ではアデノウイルスの検査も陽性であったと報告されているが,アデノウイルスによる重症肝炎の症例は通常免疫が低下した患者にみられるが,今回の症例は肝炎発症前は健康であったことから,アデノウイルスは肝炎の原因ではないと考えている。アデノウイルス感染が肝傷害の原因となっているかについて患者の肝臓検体が調べられたが,アデノウイルスの抗原や肝炎の原因となったことを示す特徴は確認されなかった。世界各国の多数の肝組織の解析でも,アデノウイルスが肝傷害の原因となったことを示す証拠は確認されていない。COVID-19 からの回復後に急性肝障害を起こすメカニズムとして,ウイルスによる直接のダメージ,過剰な免疫反応,阻血,血栓形成,薬剤誘導性障害などがあげられる。報告の患者はすべて COVID-19 重症例ではなかったため,the SARS-CoV-2 ウイルスが結合し細胞内に侵入するためのレセプター the ACE2 receptor を介する直接的な肝臓へのダメージが示唆されると,研究者らは述べている ... 過剰な免疫反応による肝傷害の可能性 ... 最も可能性のある原因は,MIS-C のような感染後の免疫反応,もしくは新型コロナウイルス感染後の異常な免疫反応で,同先行感染にアデノウイルスのような他の感染病原体による感染が続くことで引き起こされる ... 2020年4月の英国からの報告から現在までの経過 ... 原文参照願います。
[出典 Long COVID-19 liver manifestation in children. J Pediatr Gastroenterol Nutr. 2022;]
[2] 米国 USA: incidence compared with past years
 情報源 Centers for Disease Control and Prevention (CDC) 2022年6月14日
原著タイトル Trends in acute hepatitis of unspecified etiology and adenovirus stool testing results in children -- United States, 2017-2022. MMWR Morb Mortal Wkly Rep. 2022.
本文 Summary から:What is added by this report?
4件のデータソースの解析では,パンデミック以前のレベル pre–COVID-19 pandemic levels との比較において,米国の小児における肝炎が関連する救急受診,入院,肝移植,およびアデノウイルス感染 adenovirus types 40/41 percent positivity最近の増加は示されなかった ... 長文,原文参照願います。
[3] USA (Maine)
 情報源 WGME 2022年6月14日
メーン州保健当局 The Maine CDC は,重症肝炎で入院となった小児が現在回復に向かっていると発表した ... 
[4] USA (Georgia)
 情報源 Rome News-Tribune 2022年6月14日
ジョージア Georgia 州内で 10人以下の小児の肝炎が確認されていると,州の疫学担当者が 14日明らかにした。Alabama 州で The pediatric hepatitis outbreak が開始したのは 2021年10月で,これまでに全米で 245人の小児が原因不明の肝炎と診断されており,多くが入院が必要となり,9人の死亡が確認されている... 
関連項目 
Hepatitis, undefined, global (20): children, adenovirus susp, 2021-22 20220614.8703850

● 鳥インフルエンザ ブルガリア ドイツ
PRO/AH/EDR> Avian influenza (138): Europe, poultry, HPAI H5N1, H5, WOAH
Archive Number: 20220615.8703885
[1] ブルガリア Bulgaria (Dobrich): poultry, HPAI H5
 情報源 WOAH-WAHIS (World Animal Health Information System) 2022年6月13日
[2] ドイツ Germany (Lower Saxony): poultry, HPAI H5N1
 情報源 WOAH-WAHIS (World Animal Health Information System) 2022年6月14日

● ツツガムシ病 インド 死亡
PRO/AH/EDR> Scrub typhus - India (03): (KL) fatal
Archive Number: 20220615.8703883
 情報源 NDTV, All India/Press Trust of India report 2022年6月12日
38歳女性が,ツツガムシ病 scrub typhus により 12日,Thiruvananthapuram の公立医科大学病院で死亡した。過去 3日間で 2人目の死亡例で ... 40km 離れた,ケララ州 a native of Cherunniyoor [Thiruvananthapuram district in the state of Kerala の 15歳の小児が,現地で 'chellu pani' と呼ばれるこの疾患により 9日死亡している。
 
● A型肝炎 レバノン
PRO/EDR> Hepatitis A - Lebanon: (Tripoli)
Archive Number: 20220615.8703880
 情報源 The National 2022年6月14日
レバノン第2の都市 Lebanon's 2nd city of Tripoli で,数週間前に発生したアウトブレイクにより 174例の A型肝炎症例 cases of hepatitis A が報告されている。保健当局は,4月下旬に現地水道システムで行われている工事による汚染が原因とみているが,The North Lebanon Water Corporation 側は Tripoli's water is safe for domestic and drinking use と述べている ... 

● ブルセラ症 ヨルダン
PRO/AH/EDR> Brucellosis - Jordan: (MA,KA)
Archive Number: 20220615.8703881
 情報源 Watana News [in Arabic] 2022年6月14日
the governorates of Mafraq and Karak で発生したブルセラ症 the incidence and prevalence of brucellosis [Malta fever] は,国内最大規模であることが新たな研究で判明した ... in the Karak, and east of the capital, Amman において,最も感染リスクが高かったのは,Mafraq and Karak の動物だった... 

● オーツ麦の病気 オーストラリア
PRO/PL> Red leather leaf, oat - Australia: (WA), alert
Archive Number: 20220615.8703874
 情報源 WA Department of Primary Industries and Regional Development (DPIRD) 2022年6月9日
2021年,西オーストラリア州 Western Australia [WA] ではじめて確認されたオーツ麦の病気 red leather leaf (RLL) を,栽培農家は注意している。数年間にわたって south eastern Australia で発生しており,収穫量や品質に影響が出る可能性がある ... 

● COVID-19(141)ワクチン接種 5歳未満でも有効
PRO/AH/EDR> COVID-19 update (141): vacc. effectiveness in children, WHO, global
Archive Number: 20220615.8703865
[1] Vaccine effectiveness in children under 5
 情報源 The New York Times 2022年6月13日
食品医薬品局 The Food and Drug Administration は 12日,ウイルスを防御する抗体レベルから判断すると,3回のワクチン接種 3 doses of the Pfizer-BioNTech coronavirus vaccine が,5歳未満の小児の予防 in preventing COVID-19 illness in children under 5 に有効であると発表した ... 
[2] WHO: daily new cases reported (as of 13 Jun 2022)
 情報源 WHO 2022年6月13日
[Data by country, area, or territory for 13 Jun 2022]
[3] Global update: Worldometer accessed 13 Jun 2022 21:09 EST (GMT-5)
 情報源 Worldometer 2022年6月13日
Total number of reported cases: 541 033 990
Total number of reported deaths: 6 332 482
Number of newly confirmed cases in the past 24 hours: 488 955
[A 7-day series of cumulative data reported by countries, territories, and reporting entities]
関連項目 
COVID-19 update (139): aerosol spread, in utero exposure, long COVID, WHO, global 20220611.8703811

● 狂犬病 カナダ ブラジル アルゼンチン 米国
PRO/AH/EDR> Rabies (24): Americas (Canada, South America, USA) animal, human exp & death
Archive Number: 20220615.8703866
カナダ Canada
[1] Nunavut territory: dog, fox
 情報源 Nunatsiaq News 2022年6月1日
南米 South America
[2] ブラジル Brazil (Minas Gerais): human (suspected, fatal)
 情報源 Play Crazy Game 2022年5月29日
Belo Horizonte で 5月28日に死亡した 4歳女児 A 4-year-old indigenous child については,狂犬病の疑い suspected human rabies がもたれている。郊外から搬送され,the João XXIII Emergency Hospital, in the Center-South region 病院に入院していた。2022年の Minas で 4例目となる。
[3] アルゼンチン Argentina (Misiones): calf, human exposure
 情報源 Zyri 2022年6月12日
米国 USA
[4] Texas (Denton County): cat
 情報源 CBS News 2022年5月28日
[5] Virginia (Fairfax County): coyote, dog and human exposure
 情報源 The Washington Post 2022年6月7日