2022年7月28日

COVID-19 ノババックスワクチン Lancet、感染性ウイルスの期間 Nature
類鼻疽 米国 非渡航関連 CDC

● COVID-19
PRO/AH/EDR> COVID-19 update (159): Novavax, long COVID, infectious virus, WHO, global
Archive Number: 20220728.8704732
[1] ノババックスワクチン Novavax:追加接種は可能?
 情報源 MedPage Today 2022年7月27日
最近食品医薬品局の承認を受けたノババックスワクチン the recently FDA-authorized Novavax vaccine (NVX-CoV2373) は,当初はワクチン未接種者に対するワクチンであったが,一部の研究者はブースター接種としても中心的な役割を果たすとみている。従来からあるワクチン技術 a more traditional vaccination technology による,このタンパク質サブユニットワクチン The protein subunit vaccine は,mRNA vaccines による副反応のため接種を躊躇し,より身体への負担の少ない接種を求めていた人々に訴求するだろう。ただし追加接種においても副反応が少ないかどうかは,これから確認されることになる。また新たな変異株が出現する中で,他のワクチンとの交互接種による追加接種 mixing and matching boosters でも免疫強化につながるかについても,疑問が示されている。the Novavax shot は,追加接種については現在未承認であるが,複数の専門家は承認される方向と述べている ... 
Fewer Side Effects, Broader Immunity?
UTHealth in Dallas の研究者の論文で,追加接種 a Novavax boost の効果は期待したほど強力ではなかったとしている。[1]
The Lancet の研究は,an mRNA vaccine plus a single dose of Novavax [mRNA+Novavax] は,2 doses of mRNA と同等の抗体反応を誘導できなかったとしている。[Immunogenicity, safety, and reactogenicity of heterologous COVID-19 primary vaccination incorporating mRNA, viral-vector, and protein-adjuvant vaccines in the UK (Com-COV2): a single-blind, randomised, phase 2, non-inferiority trialThe Lancet 399 (10319): 36-49, 1 Jan 2022. DOI: ]
Science の研究は,3 doses of mRNA vaccines と 2 doses of Novavax plus 1 dose of mRNA の抗体反応は同程度 comparable antibody responses と報告している。[Omicron spike function and neutralizing activity elicited by a comprehensive panel of vaccines. Science 19 Jul 2022. First Release. DOI: 10.1126/science.abq0203]
最後に,The Lancet の別の論文で, 2 doses of mRNA plus a Novavax booster は,他のワクチンによる追加接種の組み合わせを超える抗体反応に利点は認められなかったと報告された。[一部に,異なるワクチンどうしの] 組み合わせの接種に優位性が示されているが,mRNA and Novavax にはそれが認められなかったというものである。[Safety and immunogenicity of seven COVID-19 vaccines as a third dose (booster) following two doses of ChAdOx1 nCov-19 or BNT162b2 in the UK (COV-BOOST): a blinded, multicentre, randomised, controlled, phase 2 trial. The Lancet 398 (10318): P2258-2276. 18 Dec 2021. DOI: ]
免疫の持続性への効果については述べられておらず,mRNA vaccines 接種後のノババックスワクチンの追加接種により,ワクチンによる感染防御効果の急速な減弱が鈍化する可能性があるが,未解明である。
副反応の減少を期待する人にとって,よりエビデンスは少ない。"確かに,反応のメカニズムが異なると予想され,とても関心が高い可能性である"とされているが,追加接種の際の副反応の比較データがないとして注意が促されている。the mRNA side effects の一部はとてもまれであり,ノババックスはかなり接種者が少ないことから,現時点でバランスのとれた比較は難しいと述べられている ... 
[2] Long COVID
 情報源 CIDRAP 2022年7月27日
long-COVID symptoms に関する新たな 2件の論文のうち,1件 [Cognitive impairment 13 months after hospitalization for COVID-19, Open Forum Infectious Diseases, 2022, ofac355, DOI: ] は,53% の入院患者 hospitalized COVID-19 patients において感染から 13か月後になっても認知機能障害 cognitive impairment ("brain fog") が続いていると報告し,もう 1件 [Symptoms and risk factors for long COVID in non-hospitalized adults. Nat Med (2022). DOI: ] では,脱毛性機能障害,などの新たな症状が,外来患者に持続する症状のリストに加えられている。
[3] 感染性ウイルス Infectious virus
How long is COVID infectious? What scientists know so far
 情報源 Nature 2022年7月26日
SARS-CoV-2 ウイルス感染例にわずか数日間の隔離がアドバイスされることが多いが,一部の症例で,より長期間,他者へのウイルス感染伝播が続く可能性があるとのエビデンスが蓄積されている。the US Centers for Disease Control and Prevention (CDC) が 2021年12月に COVID-19 患者の自己隔離期間を半分に短縮する勧告を行った際には,科学的根拠に基づく変更と述べられていた。the CDC は具体的に,ほとんどのウイルス感染伝播 most SARS-CoV-2 transmission は病初期に起きており,発症の 1ないし2日前から,発症から 2または3日後までと述べられている。当時も今も,多くの研究者がこの決定について議論している。多くの患者は発症後第 2週目に入っても感染性が保たれていることを示す一連の研究が,このような異議を後押ししている。推奨される隔離期間の短縮は,いまや世界中に広まっているが,新たにそれを支持するデータが示されたためではなく,政治的に決められた。感染性がどのくらいの期間つづくのかは本質的には変わっていないと,Massachusetts General Hospital in Boston の感染症専門医が述べている。the medRxiv preprint server 掲載の同医による研究では,オミクロン株に感染した患者の 1/4 は,発症後 8日目においても感染性が継続していたことが示唆されている。
A numbers game(多数決)
人種,個人差などがあり,結局は a numbers game であり,a probability の問題であると,スイスのウイルス学者は述べている。変異株,ワクチン接種,過去の感染による自然免疫レベルなど,様々な要因がウイルス排除に影響する。体調が悪ければ他者との接触を避けるので,症状の程度も他者への感染に影響を与える。ほとんどの科学者が自信を持って述べていることは,すでに感染力が失われた場合でも,一部は PCR 検査陽性になるということである。一方,感染性 infectiousness に関しては,実際に複製を行っているウイルス actively replicating virus が産生するタンパクを検出する,迅速抗原検査 lateral flow (or 'rapid antigen') tests が,より良い指標 a better guide to infectiousness となりうる ... 迅速抗原検査が陰性でも発熱や咳が続く場合は,持続する症状への注意は重要だが,感染性が継続していることを意味するものではない。多くの症状は,ウイルス [感染] そのものではなく,免疫反応によるものである。
Transmission tests
英国などでは,制限緩和と同時に,無料の抗原検査キットの配布も中止した。したがって,多くの人々が検査なしに 5日後から隔離を中止することを想定し,科学者らは特に解除後どれくらいの割合の患者に感染性が残されているかを調査した ... "10日間を越えて infectious であることは,極めて少ない very unusual " 。 ... 変異株やワクチン接種回数に関係なく,(発症後)7日から 10日目の時点で,かなりの数の患者に感染を拡大させるのに十分な高用量のウイルス viral loads が残っていたことが示されている [medRxiv] ... 
'Rebound phenomenon'
 ... 
[4] WHO: daily new cases reported (as of 27 Jul 2022)
[Data by country, area, or territory for 27 Jul 2022]
[5] Global update: Worldometer accessed 27 Jul 2022 20:46 EST (GMT-5)
  Total number of reported cases: 578 351 573
 Total number of reported deaths: 6 410 548
 Number of newly confirmed cases in the past 24 hours: 1 328 468
[the detailed global dataA 7-day series of cumulative data reported by countries, territories, and reporting entities] 
関連項目 
COVID-19 update (158): next generation vaccines, antivirals, WHO, global 20220727.8704690

● 類鼻疽 米国

PRO/EDR> Melioidosis - USA (02): (MS) non-travel, local soil reservoir
Archive Number: 20220728.8704722
 情報源 CDC Health Alert Network 2022年7月27日
Melioidosis Locally Endemic in Areas of the Mississippi Gulf Coast after _Burkholderia pseudomallei_ Isolated in Soil and Water and Linked to 2 Cases - Mississippi, 2020 and 2022
Summary
The CDC により,米国本土 in the continental USA の土壌中では初めてとなる類鼻疽菌 the bacterium _Burkholderia pseudomallei_ (_B. pseudomallei_) の存在が確認された。まれであるが重症の疾患である類鼻疽 melioidosis の原因菌である。2例の類鼻疽患者に関する調査のため行われた,ミシシッピ州南部 the Gulf Coast region of southern Mississippi の土壌及び水質環境検体のサンプリングの中で検出された。2020年の [症例の] 確認のどれほど前から同菌が存在し,また米国本土でどれほど広い範囲に存在するのかは判っていない。研究モデルで,the Gulf Coast states の環境条件が類鼻疽菌の生育に資することが示されている ... 
Background
今回の発見につながった The 2 melioidosis patients は互いの関連はないものの,the Gulf Coast region of southern Mississippi 内の地理的に近接する地域に住んでいた。国外への渡航歴は認められなかった。両者の診断は,2年の間を空けた 2020年7月と 2022年5月である。遺伝学的解析により,2例は同じ西半球由来の新しい株 the same novel strain from the Western Hemisphere に感染していることが判明した。両患者とも肺炎による敗血症のため入院となり,既知の類鼻疽のリスク因子を有していた。血液培養検査で類鼻疽菌が陽性となり,適切な抗微生物薬治療により回復した ... 居住地の調査,類鼻疽菌の解説,米国内の類鼻疽感染例(年平均 12例,渡航歴あり,汚染された輸入品関連),類鼻疽の症状,蔓延国(タイ,オーストラリア北部など) ... 
Recommendations
関連項目 
Melioidosis - USA: non-travel, aromatherapy spray, 2021, fatal 20220304.8701797

● ハンタウイルス感染症 ボリビア
PRO/AH/EDR> Hantavirus - Americas (25): Bolivia (TR)
Archive Number: 20220728.8704733
 情報源 Opinion [in Spanish] 2022年7月25日
the El Tigre community, in the municipality of Padcaya, Tarija において 5例のハンタウイルス感染例 positive cases of hantavirus [infection] が確認されていると,the Bermejo Health Coordinator のベクター担当者が報告した。1名が死亡した。同地域及び周辺地域に,引き続き注意喚起が行われている ... 
関連項目 
Hantavirus - Americas (21): Bolivia (TR) 20220708.8704291

● ポリオ パキスタン
PRO/EDR> Poliomyelitis update (32): WPV1 AFP (Pakistan)
Archive Number: 20220728.8704718
 情報源 The Friday Times 2022年7月27日
パキスタン Pakistan の the North Waziristan district [Khyber Pakhtunkhwa] において,新たに 1例のポリオ感染 a new case of poliovirus が確認され,2022年の累計患者数が 14例となった。ポリオ研究所 The Pakistan Polio Laboratory によると,新たな感染例は 6月30日に発症した生後 8か月の女児である。
[Mod.MPP- 2022年にパキスタンで確認された WPV1 感染による AFP cases(急性弛緩性麻痺症例)のうち,13 例は North Waziristan からの報告だった。7月22日に Lakki Marwat から 1例が報告されたことから,outside of North Waziristan (both districts are in Southern Khyber Pakhtunkhwa) に拡がったことが示唆された。4月以降,ほぼ毎週 Southern Khyber Pakhtunkhwa から報告されている。2022年に確認された野生株ポリオウイルス感染例は 17例となった -- 14 in Pakistan, 1 in Afghanistan, 1 in Malawi, and 1 in Mozambique.]
関連項目 
Poliomyelitis update (31): WPV1 AFP (Pakistan), VDPV2 (USA), cVDPV2 (Nigeria, Yemen) 20220723.8704617

● 日本脳炎など インド
PRO/AH/EDR> Japanese encephalitis & other - India (15): (AS)
Archive Number: 20220728.8704717
 情報源 Latest LY, Press Trust of India (PTI) report 2022年7月26日
アッサム Assam 州で 26日,新たに 3例の日本脳炎 Japanese encephalitis に死亡が報告され,7月の累計死者数が 44例となった。the statement of the National Health MissionAssam では,8 new cases raised the tally to 274 と明らかにされている

● 狂犬病 ブラジル、米国
PRO/AH/EDR> Rabies (33): Americas (Brazil, USA) animal, human
Archive Number: 20220728.8704708
[1] ブラジル Brazil (Federal District): cat, human
 情報源 Play Crazy Game 2022年7月26日
the Federal District [DF], Brazil の狂犬病患者 An adolescent with human rabies は,ICU に入院後 1か月以上が経過した今も危険な状態のままである。この患者は 15-19歳の男性で,5月21日にネコに引っ掻かれたことにより感染した。発生を受け,Saúde [保健当局?] は地域内の動物 animals in the DF に対する狂犬病ワクチン接種キャンペーンを予定し,24カ所で接種可能なヒトのワクチン接種の重要性について改めて呼びかけている。ブラジリア Brasília でヒトの感染が報告されたのは 1978年以来... 
米国 USA
[2] Alabama (Autauga County): fox, dog, human exposure
 情報源 Alabama News Network 2022年7月8日
[3] California (El Dorado County): skunk, cat
 情報源 Mountain Democrat 2022年7月7日
[4] South Carolina (Laurens County): fox, dog, human exposure
 情報源 Fox News Carolina 2022年7月20日
[5] South Carolina (Aiken County): fox, human, dog exposure
 情報源 WRDW 2022年7月22日
[6] Minnesota (Polk County): skunk, puppies
 情報源 Fox 9 News 2022年7月20日

● MERS-CoV
PRO/AH/EDR> MERS-CoV (07): Turkey, animal reservoir, dromedary camel, serology, comment
Archive Number: 20220728.8704709
 投稿者 OHSU, Dept. of Family Medicine・Timothy Herrick 2022年7月27日
20220726.8704686 に関し。
投稿に " [Unlike SARS-CoV-2, ... ] SARS-CoV-2 と異なり,MERS-CoV cases の患者数は極めて少ないのは,初回接触時のヒトへの感染伝播が弱いという特徴があるため." とある。
トルコの現地の状況について述べられたものかもしれないが,一般にヒト-ヒト感染が起こらないかのように聞こえ,1人の発端例から発生した韓国の深刻なアウトブレイクを見れば,この説明は一般化できない。Human-to-human transmission of this entity は大きな脅威であり,個人防護衣による感染制御を積極的に行うべき。

● マールブルグ病 ガーナ
PRO/AH/EDR> Marburg virus disease - Ghana (04)
Archive Number: 20220728.8704707
 情報源 Reuters 2022年7月27日
新たに 2例のマールブルグ病患者 more cases of Marburg virus in Ghana を確認したと,同国初のアウトブレイク発生報告から 2週間後となる 27日に a senior The World Health Organization (WHO) official 当局者が明らかにした。最初の 2例は southern Ghana's Ashanti region で発生し,いずれも下痢,発熱,嘔吐の症状が認められた後,病院内で死亡したと報告されている ... around 180 contacts がフォローアップされている。症例が報告された地域が different regions in Ghana であり,a "very difficultsituation となっていると述べ,現時点での症例数は多くないが,各発生地点 every hotspot で感染拡大を阻止しなければ,より複雑(な状況)になるとしている。
関連項目 
Marburg virus disease - Ghana (03) 20220726.8704676

● ブルセラ症 アイスランド、キルギスタン(2件)
PRO/AH/EDR> Brucellosis, canine - Iceland: 1st local case, dog, suspected
Archive Number: 20220728.8704734
[1] 情報源 RUV (Icelandic National Broadcasting Service) 2022年7月28日
食品獣医学当局 MAST, the food and veterinary authority が,アイスランド Iceland 国内の 1頭のイヌのブルセラ菌感染 _Brucella canis_ [_B. canis_] の確証を得るため,調査を続けている ... 国内において _Brucella canis_ 感染が疑われる症例の確認は今回が初めてとなる ... 
[2] 情報源 MAST (Matvælastofnun; The Icelandic Food and Veterinary Authority) News [in Icelandic] 2022年7月26日
MAST は,a notification of a suspected _Brucella canis_ bacterial infection in a dog の報告を受けた。国内で初めての報告となった

PRO/AH/EDR> Brucellosis - Kyrgyzstan: (OH) cattle, human, spread, RFI
Archive Number: 20220728.8704726
 情報源 Turmush [in Kyrgyz] 2022年
26日の the Osh region に関する会合で,上半期に計画されたワクチン接種の 95%,診断の 91%が完了したと述べられた。1377 horses, 54 558 cattle, 2817 sheep and goats, and 95 dogs から採血した検体のブルセラ症 brucellosis 検査で,ウシ 235頭のブルセラ症が確認された

● 炭疽 米国 ウシ
PRO/AH/EDR> Anthrax - USA: (CO) cattle
Archive Number: 20220728.8704706
[1] 情報源 Denver 7 2022年7月27日
飼育中の 7頭が突然死した肉用牛の群れ a beef cattle herd in Sedgwick County の,炭疽感染 A confirmed case of anthrax が確認されたと,コロラド州農業当局 the Colorado Department of Agriculture (CDA) が明らかにした ... 
[2] 情報源 Outbreak News Today 2022年7月27日
Colorado agriculture officials have confirmed anthrax in at least 2 beef cattle herds in Sedgwick County. These are the 1st confirmed cases of anthrax in cattle in Colorado since 2012,  ...