◎ エボラ ウガンダ ワクチン,抗ウイルス治療
エムポックス 2か月未満の乳児 CDC,医療従事者の感染 EID
原因不明の出血熱 インド
◎ エボラ ウガンダ WHO
PRO/AH/EDR> Ebola update (13): Uganda, Ebola Sudan strain, WHO
Archive Number: 20220920.8705697
[1] ウガンダ Uganda: Ebola Sudan outbreak
情報源 DW 2022年9月20日
ウガンダで,2019年以来となるエボラウイルス Ebola virus による死亡が確認され,このウイルスに感染し 1人が死亡した the central Mubende district にアウトブレイク発生を宣言したと,20日保健省が発表した。The WHO が,他の 6人の死亡についても調査を行っている。9月19日に the central Mubende district で死亡した男性 1名のウイルス検査が陽性であったと,保健当局が報告した。確定診断されたのは 24歳男性で ... EVD の症状があり,死亡したと 20日にツイートされた。The World Health Organization's (WHO) Africa office は声明の中で,比較的まれなスーダン株 the relatively rare Sudan strain に感染していたと明らかにした。ウガンダにおいてスーダン株が記録されるのは 10年ぶり以上と説明されている。この地域で 9月に死亡し感染が疑われた 6人について the National Rapid Response team が行った調査により,今回の感染が判明した。現在 8例 suspected cases が治療中,とも述べられている ... ウガンダではこれまでに複数のエボラウイルスによるアウトブレイクを経験しており,最後に発生したのは 2019年で少なくとも 5人が死亡している。コンゴ(民)the Democratic Republic of Congo と越境が容易な国境を共有し shares a porous border,(コンゴ(民)では)北西部での流行の終息宣言から 6週間足らずの先月 [8月] にも新たなエボラ感染が確認されている。
[Mod.LK- the Zaire strain をもとにデザインされたワクチン the ERVEBO vaccine の,the Sudan strain スーダンエボラへの有効性が懸念される。ERVEBO® (Ebola Zaire Vaccine, Live also known as V920, rVSVÎ"G-ZEBOV-GP or rVSV-ZEBOV) は,ザイールエボラウイルス Zaire ebolavirus による感染症の予防に対し,米・食品医薬品局 the U.S. Food and Drug Administration (FDA) が認可している。ERVEBO ワクチンは,Merck 社製の,複製競合型,弱毒生,ウシ水疱性口内炎ウイルスリコンビナントワクチン a replication-competent, live, attenuated recombinant vesicular stomatitis virus (rVSV) vaccine である。the WHO Africa's regional director は,ウガンダはエボラのコントロールに不慣れではなく no stranger,その専門性によりウイルスをいち早く発見し,同国の感染拡大阻止の知識を信頼していると述べている。
"(The WHO は)これまでに 7 previous outbreaks of the Ebola Sudan strain(スーダン株エボラ), 4 in Uganda and 3 in Sudan が発生し,ウガンダが最後にスーダン株によるアウトブレイクを報告したのは 2012年であり,ザイール株のアウトブレイクは 2019年であった。the Sudan virus の致死率は過去のアウトブレイクで 41% から100% にまで及んでいる。
"the Ervebo vaccine によるハイリスクの人々へのリング接種 ring vaccination が,コンゴ(民)をはじめいずれの最近のアウトブレイク対応で高い有効性を示しているが,the Zaire strain に対する効果のみの認可である点に注意が必要である。
"1976 in the DRC (当時は Zaire) はじめて確認されたこのウイルスは,自然界の保有宿主がコウモリであり,それ以来アフリカにおいて一連の流行を生じ,およそ 1万5千人が死亡している。(1)
参考項目 Biologic differences between strains of Ebola virus from Zaire and Sudan. J Infect Dis. 1983 Feb;147(2):264-7. doi: 10.1093/infdis/147.2.264. PMID: 6827142 for a comparison of the Zaire and Sudan strains より,
要約
"Studies of 3 outbreaks of Ebola hemorrhagic fever in Zaire and Sudan によると,ザイール株による致死率が 90% であるのに対し,スーダン株では 55%-65% である。細胞培養における分離は,スーダン株に比べ,ザイール株ははるかに容易である; わずかな量のザイール株ウイルス fewer than 10 infectious particles of a Zaire strain で幼若マウス suckling mice は死亡する lethal が,スーダン株ウイルス 10 000 infectious particles of a Sudan strain をもってしても,いずれの動物も死亡しなかった。これらの生物学的データから,抗原関連性のある 2つのウイルスは同じではなく,この結果は遺伝学的,生化学的,免疫学的データでも支持されている。"
スーダン株および他のフィロウイルスに対するワクチン開発に関する論文として,
Protection against Marburg Virus and Sudan Virus in NHP by an Adenovector-Based Trivalent Vaccine Regimen Is Correlated to Humoral Immune Response Levels. Vaccines (Basel). 2022 Aug 5;10(8):1263. doi: 10.3390/vaccines10081263. PMID: 36016151; PMCID: PMC9412258.
"要約.
マールブルグウイルス The Marburg virus (MARV) およびスーダンウイルス Sudan virus (SUDV) はフィロウイルス the filovirus family に属する ... 複数種のフィロウイルスのワクチン開発 potential prophylactic vaccine solutions に関心がもたれる。これまでに,非ヒト霊長類 NHP での異なるワクチンによる 2回接種法 a 2-dose heterologous vaccine regimen (Ad26.Filo, MVA-BN-Filo) の試験を行い,既報の protective effect against EBOV に加え,2つのウイルス both SUDV and MARV に対する完全な感染防御反応 a fully protective immune response についても確認した。ワクチンにより誘導された糖タンパク結合抗体レベル The vaccine-induced glycoprotein (GP)-binding antibody levels は,抗体レベルと生存アウトカムとの相関が示され,非ヒト霊長類の攻撃試験の結果の予測因子 good predictors of the NHP challenge outcome となり,また the high discriminatory capacity of the logistic model でもあった。EBOV, SUDV, and MARV に対する抗体反応 the elicited GP-specific binding antibody response は 1年以上安定していた。
Overall, the NHP data indicate that the Ad26.Filo, MVA-BN-Filo regimen may be a good candidate for a prophylactic vaccination strategy in regions at high risk of filovirus outbreaks." ]
[2] WHO: Antivirals(抗ウイルス薬)
情報源 360 2022年9月16日
The World Health Organization (WHO) が,はじめてのエボラウイルスの治療ガイドラインを出版し,モノクローナル抗体使用 the use of 2 monoclonal antibodies が強く推奨されている。16日発行のこのガイドラインは,2種類のウイルス疾患救命治療薬 life-saving drugs が推奨され,これはモノクローナル抗体薬の解析結果 a review and analysis of clinical studies for the monoclonal antibodies mAb114 (known as Ansuvimab or Ebanga) and REGN-EB3 (Inmazeb) が踏まえられている。during Ebola outbreaks に臨床試験が実施された ... ZMapp and remdesivir などを使用すべきでないとの推奨も行われている ...
関連項目
Ebola update (12): Congo DR (NK) vaccination, Uganda (KR) screening equipment 20220827.8705265
● インフルエンザ 米国 ブタ由来
PRO/AH/EDR> Influenza (06): USA (WI) swine origin
Archive Number: 20220920.8705682
情報源 Outbreak News Today 2022年9月16日
ウィスコンシン州における変異インフルエンザウイルス感染例 a human case of infection with influenza A(H1N2) variant (A(H1N2)v) virus [in Wisconsin] について,The Centers for Disease Control and Prevention (CDC) が 16日に報告した。米国内では 2022年に合計 7 human infections with variant novel influenza A viruses が報告されている。18歳未満の患者で,現地当局の調査が行われている ...
関連項目
Influenza (05): USA (OH) swine origin, H1N2v 20220904.8705269
● エムポックス 乳児,医療従事者の感染
PRO/AH/EDR> Monkeypox update (70)
Archive Number: 20220920.8705683
[1] 世界 Confirmed and suspected cases by country as of 19 Sep 2022:
情報源 Centers for Disease Control and Prevention (CDC)
Total confirmed cases: 62406
Total deaths: 20
[2] 米国 The US CDC reports cases in the following states:
情報源 CDC
Total confirmed monkeypox/orthopoxvirus cases: 23 893
[3] 米国 USA (Florida): case in infant(乳児)
情報源 CDC. MMWR Morb Mortal Wkly Rep 2022 (early release) 2022年9月19日
原著タイトル Monkeypox in a young infant -- Florida, 2022. MMWR Morb Mortal Wkly Rep. ePub: 19 Sep 2022
2022年8月,発疹と蜂窩織炎 a rash and cellulitis があり入院した生後 2か月未満の乳児 1名の,エムポックス感染が疑われる症例 a suspected case of monkeypox について,フロリダ州保健当局 the Florida Department of Health (FDOH) に通報された。5日前からの上肢,下肢,体幹の,膨隆のある単一の紅斑 a raised erythematous rash について救急室での診察を受け,発疹スワブの細菌培養,水痘,単純ヘルペス,HIV 検査はいずれも陰性だった。2日目の救急室受診時に,発疹が全身にびまん性に播種する疱疹病変となり,多くが中心窩を伴っていた。molluscum contagiosum 伝染性軟属腫の診断で入院となり,上肢の掻爬病変に伴う二次性細菌性蜂窩織炎に対する経静脈抗生物質治療が開始された。病変はさらに,背部,足底,顔面,眼瞼に拡大し,入院後数日間で膿疱に変化した。発症から 10日後の前額部および背部の病変の,オルソポックスウイルス PCR 検査 Orthopoxvirus DNA and Clade II Monkeypox virus DNA by polymerase chain reaction で陽性となり,the Florida public health laboratory and CDC で確定診断された。経口抗ウイルス薬 oral tecovirimat と免疫グロブリン Vaccinia Immune Globulin Intravenous による治療を受けた。眼瞼病変からの眼合併症予防のため,Prophylactic trifluridine drops 点眼も行われた。全期間を通じ発熱は認めなかった。治療を完遂し完全回復した。
乳児には海外渡航歴,発疹出現前 3週間以内の発熱性感染症,免疫不全状態,保育施設での預かり,自宅以外での預かりはなかった。自宅では 4人が育児 caregivers に携わっていた ... 乳児と同じベッドに寝ていた 1人にエムポックスハイリスク暴露行動と血尿と発熱,発疹の症状があり,(乳児の入院後)a positive Orthopoxvirus DNA test result を受けていた ... 残る 3人がワクチン接種を受け,乳児の発症から 21日目の時点で症状は見られていない。
[4] 米国 USA (Los Angeles county): healthcare worker contracts monkeypox
情報源 ABC 7 2022年9月15日
米国内ではじめての医療従事者の職業上の暴露後のエムポックス感染例が,Los Angeles [LA] County で今週初めに報告された。世界中で知られている 8例の医療従事者の感染のうちの 1例と説明されている ...
[5] 欧州 Europe: cases including healthcare workers(検体採取時の感染)
情報源 Prensa Latina 2022年9月15日
15日の the European Center for Disease Prevention and Control (ECDC) 報告で,欧州全体で 23 837例の感染 ... 670例の入院,226例の診療 ? required clinical care,5人の集中治療室入院,3人の死亡が明らかにされた。The World Health Organization (WHO) and the ECDC には 91 cases of monkeypox infection among health professionals の報告があり,このうち 3人が検体採取時に体液に触れたことによる感染だった。
[6] Healthcare worker case(針刺し事故)
情報源 Emerging Infectious Diseases journal 2022年9月19日
原著タイトル Monkeypox Virus Transmission to Healthcare Worker through Needlestick Injury, Brazil. Emerg Infect Dis. 2022; 28(11)
要約
針刺し事故による患者から医療従事者へのエムポックス感染について報告する。針刺しの 5日後に,接種部位に病変が出現した。発症前の PCR 検査で MPXV-positive が確認されていた; 発症から 19日後の退院時の血液でもウイルス陽性が持続していた。暴露後予防措置により,経血液感染が予防できていた可能性がある。
関連項目
Monkeypox update (69) 20220918.8705645
● 原因不明の出血熱 インド
PRO/AH/EDR> Undiagnosed hemorrhagic disease - India: (HR)
Archive Number: 20220920.8705681
情報源 Hindustan Times 2022年9月16日
The district civil hospital in Sector 6 の病院を多数の高熱の患者が受診しているが,医師らは原因を確認できていない。救急室のベッドは満床で,1つのベッドに2人の患者を寝かせている状態である。38.3℃ 以上の発熱,激しい身体の痛み,眼の痛み,出血,血小板数減少の症状がある ... 現在,42人の高熱の患者が入院中で,1日約 800人の救急外来受診患者のうち 80%が高熱の患者である,と説明されている。鼻出血や血尿などの出血症状があり,血小板数が 2万未満または血圧が低下した患者を入院させている。すべて,dengue shock syndrome デングショック症候群の症状であると述べた。この地域では 2022年に 367人のデング熱確定例が報告されており -highest in the tricity-,1人が死亡している。しかしながら,この数値は高熱患者による死亡を反映していない。専門家は,複数の背景要因があり,デング,ツツガムシ,ウイルス感染,ウイルス性出血熱などの熱帯病の可能性がある。症状を精査して検査を行うとしている。血液センターの関係者は,8月分を超える 10-12 demands 血小板輸血の要求が毎日あるが,1日に 100 であった昨年のこの時期よりもずっと少ないと述べている。
[Mod.TY- This report is confusing.
原因不明の血小板数減少を伴う発熱患者があり,デングなどの熱帯病が示唆されると述べている。一方で,2022年に 367例のデング熱 confirmed cases が確認されたとも述べており,デングのアウトブレイクが発生していると考えられるが,現在の高熱の患者とデングアウトブレイクとの関連は示されていない。]
● 鳥インフルエンザ 南アフリカ ペンギン
PRO/AH/EDR> Avian influenza (173): South Africa, penguin, HPAI H5N1
Archive Number: 20220920.8705691
情報源 News24 2022年9月17日
ケープタウンのペンギン Cape Town's well-loved penguin が新たな脅威である鳥インフルエンザ avian flu に直面している。the Boulders Penguin Colony コロニーで確認された。2021年には,the Western Cape の海鳥でも感染が確認されている ...
関連項目
Avian influenza (142): South Africa (WC,GT), HPAI H5N1, poultry, wild, 2021 20220624.8704049
● ランピースキン病 インド ウシ
PRO/AH/EDR> Lumpy skin disease - Asia (24): India (MH) cattle, recurrence, spread, vaccination
Archive Number: 20220920.8705679
[1] LSD recurrence in Maharashtra
情報源 NDTV 2022年9月18日
Maharashtra 州で 126頭のウシがランピースキン病ウイルス the lumpy skin disease [LSD] virus 感染により死亡し,感染は 25 districts に拡がっていると,17日に州畜産当局 the state's animal husbandry department が明らかにした。
ウシの死亡があったのは,47 in Jalgaon district, 21 in Ahmednagar district, 2 in Dhule, 18 in Akola, 14 in Pune, 2 in Latur, 6 in Satara, 5 in Buldhana, 7 in Amravati, 1 in Sangli, 1 in Washim, 1 in Jalna, and 1 in Nagpur District ...
[2] Genotyping, vaccine efficacy
情報源 The Hindu 2022年9月19日
2022年,The lumpy skin disease (LSD) virus によりインド国内で少なくとも 5万頭以上のウシが死亡している。2019年のウイルスと異なる構造であることが原因の可能性があり,新たなワクチン開発の要否が問われている ... 原文参照願います。
関連項目
Lumpy skin disease - Asia (21): India, cattle, spread, control, vaccination 20220901.8705350
● ウエストナイルウイルス ドイツ、ウマ
PRO/AH/EDR> West Nile virus (13): Europe (Germany) horse, WOAH
Archive Number: 20220920.8705668
[1] Mecklenburg-West Pomerania: horse
West Nile fever, Germany
情報源 WOAH-WAHIS (World Animal Health Information System) 2022 9月16日
Started: 5 Sep 2022
Last occurrence: 1 Oct 2018
Causal agent: West Nile virus [WNV]
新たな感染流行
Outbreak location: Lewitzrand, Parchimer Umland, Ludwigslust-Parchim, Mecklenburg-Vorpommern [Mecklenburg-West Pomerania]: farm
種/個体数/感染/死亡/廃棄/と畜/ワクチン接種
Equidae / 11 / 1 / 0 / 0 / 0 / 0
[2] Thuringia: horse
West Nile fever, Germany
情報源 WOAH-WAHIS 2022 2022年9月16日
Started: 27 Aug 2022
Last occurrence: 14 Sep 2021
Causal agent: West Nile virus [WNV]
新たな感染流行
Outbreak location: Erfurt, Thuringen: farm
種/個体数/感染/死亡/廃棄/と畜/ワクチン接種
Equidae / 12 / 1 / 0 / 0 / 0 / 0
関連項目
West Nile virus (11): Europe (Germany) horse, captive bird, zoo, WOAH 20220912.8705544