2023年2月14日

髄膜炎 ナイジェリア
医薬品の汚染 デンマーク アイスランド dicloxacillin
ラッサ熱 シエラレオネ
マールブルグ病 赤道ギニア WHO

● 炭疽 ブルガリア
PRO/AH/EDR> Anthrax - Bulgaria (02): (DO) human, goat conf
Archive Number: 20230214.8708391
[1] 情報源 Pro News Dobrich [in Bulgarian] 2023年2月14日
炭疽 anthrax 菌汚染のあるヤギのミルクを摂取した夫婦について,13日に男性の感染が確定し,妻の検査が行われている。6日,the village of Vladimirovo の住民 1名の皮膚炭疽 the cutaneous form of anthrax が報告されていた ... 
[2] 情報源 Novini247 [in Bulgarian] 2月14日
the Dobrich region,the village of Vladimirovo の住民 1名の皮膚炭疽が確認されている。Varna の病院で検査を受け,現在は退院している。動物へのワクチン接種は行われていない。男性と妻が所有するヤギの肉を摂取し,(男性は)そのヤギから感染した ... 
関連項目 
Anthrax - Bulgaria: (DO) human, livestock presumed, RFI 20230213.8708346

● 髄膜炎 ナイジェリア
PRO/EDR> Meningitis - Nigeria (02): (JI) fatal, RFI
Archive Number: 20230214.8708377
 情報源 234Radio 2023年2月13日
across Jigawa state 州全域を髄膜炎アウトブレイク A meningitis outbreak が席巻している。保健省の声明 the Permanent Secretary of the Ministry of Health によると,この流行による 80例 confirmed cases out of 360 suspected cases, with 20 deaths が確認されている ... 
当局は感染予防のため,こまめな手洗いや体調の悪い人への接近を避けるほか,ワクチン接種を受けるよう呼びかけている。
[Mod.ML- 前回の投稿の,1月15日時点で 117 suspected and 12 confirmed cases, with a CFR of 27 per cent から増加した。髄膜炎菌によると思われるが,明示されていない。
ナイジェリア北部の Jigawa State は the nation's meningitis belt 内にあるが,2010年に  WHO が,African meningitis belt countries 各国の 0歳から 29歳までの全年齢層に A群髄膜炎菌ワクチン a meningococcal A conjugate vaccine 接種を行い,Northern Nigeria は the zone that was vaccinated between 2010 and 2013 に入っていた ... 1月25日と同内容]
関連項目 
Meningitis - Nigeria: (JI) fatal, alert, RFI 20230125.8707967

● リーシュマニア症 パキスタン
PRO/AH/EDR> Leishmaniasis - Pakistan: (BA, KP) cutaneous
Archive Number: 20230214.8708376
[1] 情報源 GAVI.org 2023年2月9日
サシチョウバエ the sandfly により伝播される寄生虫疾患の皮膚リーシュマニア症 cutaneous leishmaniasis (CL) が,バロチスタン Balochistan 州内で急速に感染が拡大,保健省 the Federal Ministry of Health は 2022年第1四半期の州内での急増を報告している。患者の大部分が女性とこどもである。大学準教授 Associate Professor of Microbiology and Biomedical Sciences at the University of Lahore によると,自然治癒傾向のある疾患ではあるが,完治するまで月または年単位の期間,平均で 2-8 か月,を要し,治療が行われない場合は,these so-called "Oriental sores と呼ばれる永続的な醜形の病変や腫脹,可動制限を残すことがある。サシチョウバエの刺咬にさらされる,顔面や手足などに現れる。WHO data によると,across Pakistan between 2014 and 2018 において,18万6 703 leishmaniasis cases が報告され,このうち Balochistan province では more than 6万0 000 cases が報告されており,the epicentre already at the time となっている。Balochistan は 2万1 000 in the 12 months between January 2021 and 2022 を記録しており,感染拡大の勢いが止まっていない。特に rural areas において感染が起きている。
[2] 情報源 UrduPoint 1月30日
Médecins Sans Frontières (MSF), also known as Doctors Without Borders, is witnessing a significant increase in cutaneous leishmaniasis (CL) cases in Quetta, Balochistan ... 
参考項目 2022
Leishmaniasis - Pakistan: (BA) cutaneous 20220324.8702195

● 医薬品の汚染 デンマーク アイスランド dicloxacillin

PRO/EDR> Contaminated drug - Europe: (Iceland, Denmark) dicloxacillin, MDRO, recall, RFI
Archive Number: 20230214.8708375
[1] デンマーク
 情報源 Laegemiddelstyrelsen (Danish Medicines Agency) 2023年2月7日
サンド社製ペニシリンカプセル Dicillin Sandoz 500 mg capsules による治療中の患者に対し,同薬剤を薬局に返却して別の製品と取り替えるよう指示が出されている。他の抗生物質と取り替えて,治療を中断しないことが重要である。薬局には代替薬が配布されることが周知されている。
デンマーク医薬品当局 The Danish Medicines Agency に,Sandoz 社が製造する抗生物質のペニシリン the antibiotic Dicillin 500 mg 治療を受けた患者のうち,少数例の多剤耐性菌 multi-resistant CPO [carbapenemase-producing organisms] bacteria 感染例が報告されており,この医薬品が同菌の感染源である可能性がある。2022年10月から 2023年1月までの 4か月間に,互いに関連のない 9例の感染例 confirmed cases が確認されている。2022年9月に製造された単一のバッチの製品 one single batch of Dicillin だけの問題と考えられている。現在,1つのバッチか,あるいは,より多数の製品が関係するかについて調査中であるが,同社はすべての all Dicillin packages の回収を行っている ... 
Questions and answers about the recall of the antibiotic Dicillin
[2] アイスランド
 情報源 Island.is 2023年2月8日
 ... デンマークで販売された,特定のバッチの抗生物質 A specific batch of the antibiotic Dicillin の,同一の菌による汚染が確認されている。アイスランドにおいても同様の製品が under the name Staklox の商品名で販売されているが,これは同社製カプセル製剤である。アイスランドの医薬品当局は Staklox の販売を差し止め,調査を行っている。また同薬を処方された患者からの回収も行っている ... 
アイスランドで 2022年7月に Staklox を服用した 1人が,デンマークで確認されたものと同じ菌による感染症を発症している ... 
Notice from the Danish Medicines Agency from 7 Feb 2023 
News from the Icelandic Medicines Agency from 9 Feb 2023
News from the Statens Serum Institut in Denmark from 6 Feb 2023
[3] ECDC: Recall of the antibiotic Dicillin from Sandoz in Denmark
 情報源 ECDC Weekly Summary 2023年2月10日
- The Danish Medicines Agency has reported 9 cases of infection with a multidrug-resistant carbapenemase- producing pathogen in patients treated with Dicillin 500 mg produced from the company Sandoz.
- While further investigation is ongoing to determine whether one or several batches are involved, Sandoz has recalled all Dicillin packages and put them in quarantine.
- There is a possibility of further cases being detected in the coming weeks in countries where contaminated batches of Dicillin have been distributed and sold.
[Mod.ML- Dicillin は dicloxacillin の商品名で,ペニシリン系経口ベータラクタム抗生物質である。グラム陽性球菌に対する活性があり,メチシリン感受性ブドウ球菌,連鎖球菌,およびペニシリン耐性のベータラクタマーゼ産生黄色ブドウ球菌に有効である。しかし,MRSA は dicloxacillin に耐性を有する。
 ... 
The source of the "CPO" が Dicillin と考えられているようだが,同菌による感染症の種類,同菌の菌名,ジェノタイピングが行われたのであれば全患者からの菌の一致,同薬との関連が同定された根拠,などは示されていない。
Danish authorities による "CPO" とは,通常多剤耐性菌感染症に用いられる抗生物質に対して,耐性のある細菌を指している。CPO が他の細菌に比べ,より病原性が強い disease-causing とか感染力があるというわけではない。腸管内に存在しても病原性を示さない可能性もある。ただし,この菌あるいは他の感染症を発症した場合には,その菌に効果のある抗生物質で治療することが重要となる。
The ECDC report above では,the "CPO" is a multidrug-resistant carbapenemase-producing pathogen と特定されているが,病原菌の名前は示されておらず,抗菌薬感受性の詳細についても記載がない。
さらに,2022年7月に Dicillin を服用したアイスランドの患者が,デンマークの感染症の原因菌と同じ菌 the "same" bacteria による感染症を発症したとある。
2022年9月製造の単一のロット one single lot of Dicillin との関係が示唆されている一方,デンマークとアイスランドのサンド社は全製品 all Dicillin の回収を行っているとされているが,製造された場所と流通の範囲は示されていない]

● ラッサ熱 シエラレオネ

PRO/AH/EDR> Lassa fever - West Africa (04): Sierra Leone (SO)
Archive Number: 20230214.8708373
 情報源 Sierra Loaded 2023年2月13日
国内南部 Dambala Selenga Chiefdom, Bo District, in Southern Sierra Leone でラッサ熱 Lassa fever により 2人死亡したと,保健衛生省 The Ministry of Health and Sanitation が明らかにした。2人の死亡についてはすでに確定されており,政府当局は出血熱の感染拡大防止のためのサーベイランスを開始したと報じられている。地域対応当局チームは,死亡した 2人は女性で,現在は患者は確認されていないと報告している。この報告で,死亡した 2人には関連があるとされている。同省広報担当者は,この地域は,過去数年間に北部では感染症例を報告している唯一の地区である Tonkolili を含む感染地帯 the infection belt 内にあると述べた。米国 CDC によると,このウイルスは the common African rat により伝播される急性ウイルス性感染症(の原因)とされている。調査により,シエラレオネ,リベリア,ギニア,ナイジェリア Sierra Leone, Liberia, Guinea, and Nigeria などの西アフリカの一部で endemic であり,地域全体にベクターの動物が生息するため,周辺国にも感染リスクが存在すると考えられている。
[Mod.TY- 2人の死亡例の発症日が示されていないが,おそらくごく最近のことなのだろう。シエラレオネにはラッサ熱が常在し散発的な発生がある。アフリカから欧州への輸入例が発生しており,2019年のシエラレオネからオランダに持ち込まれた症例 (20191130.6810227) などがある。
2人の死亡例のラッサウイルス感染経路が,院内なのか,他の場所であるのか不明であるが,おそらくげっ歯類保有宿主 (the multimammate mouse (_Mastomys ntalensis_ and _M. erythroleucus_) and the African wood mouse (_Hylomycus pamfi_)) による汚染のある環境からの感染だろう。ラッサウイルス感染症は通常致死的ではなく,ヒトの感染のおよそ 80% が無症候性となる。非致死感染例では重症の多系統疾患となることがあり,肝臓,脾臓,腎臓など複数の臓器にウイルスが感染する。ラッサ熱の潜伏期間は 6-21日間の幅がある(WHO)]
画像 the _Mastomys natalensis_ mouse, the rodent reservoir of Lassa fever virus
 and _M. erythroleucus_ and _Hylomycus pamfi_ [URL]
参考項目 2019
Lassa fever - West Africa (41): Netherlands ex Sierra Leone, WHO 20191130.6810227

● マールブルグ病 赤道ギニア WHO

PRO/AH/EDR> Marburg virus disease - Equatorial Guinea (01): (KN) WHO conf
Archive Number: 20230214.8708367
 情報源 WHO Equatorial Guinea 2023年2月13日
赤道ギニア Equatorial Guinea は 13日,国内初のマールブルグ病アウトブレイク its 1st-ever outbreak of Marburg virus disease の発生を確認した。西部 the country's western Kie Ntem Province で少なくとも 9人死亡したことを受けて行われた初期調査で,同ウイルス性出血熱検査の陽性結果が確認された。保健当局は 7日に地区当局から注意喚起を行った後,検体をセネガルのパスツール研究所 the Institut Pasteur reference laboratory in Senegal に送付し,確認検査が行われた。Institut Pasteur で検査が行われた 8検体のうちの 1件ウイルス陽性が判明した。これまで 9人が死亡し,16例の発熱,倦怠感,吐血および下血のある疑い例 suspected cases が報告された。
より詳しい調査と接触者追跡等の緊急対応が行われている ... 
マーブルブルグ病 Marburg virus disease は強毒性の疾患 a highly virulent disease で,出血熱の症状を来たし,致死率は最大 88% に及ぶ。エボラ病と同じ種類 the same family のウイルスに属している。Marburg virus 感染により,突然の高熱,激しい頭痛,極度の疲労感を発症する。多くの患者が 7日以内に重症の出血症状を発症する。このウイルスはオオコウモリ fruit bats からヒトに感染伝播され,感染した患者の体液,環境および物との直接の接触を介してヒトの間で感染が拡大する。承認されたワクチンや治療用の抗ウイルス薬はない。しかし,経口または経静脈補液の支持療法や対症療法が生存率を向上させる。効果が期待される治療法として,血液製剤,免疫治療,薬剤治療などがあり,第 1相臨床試験データのある候補ワクチンについて評価が行われている。
[Mod.TY- 8 samples [of the 9 suspected cases:?] of Marburg virus infection in Equatorial Guinea were tested at the WHO reference laboratory in Senegal.
うち,1件の検体のウイルス検査が陽性となり,国内初の感染例が確定診断された。
these 9 fatal and 16 suspected cases の発症時期,可能性のある共通暴露源,等の情報は示されていない。実施中の調査により,これらの情報とともに,今後さらなる感染例が報告されるだろう。今回の深刻なアウトブレイクに対する政府と WHO の迅速な対応を称賛する]
参考情報 
WHO Africa -Equatorial Guinea(2月13日)/厚労省検疫所・FORTH
WHO(2月25日)/厚労省検疫所・FORTH
関連項目 
Undiagnosed hemorrhagic fever - Equatorial Guinea: (KN) RFI 20230211.8708310

● アフリカ豚熱 中国 ブタ
PRO/AH/EDR> African swine fever - Asia (04): China (Hong Kong) pig, WOAH
Archive Number: 20230214.8708380
Hong Kong - African swine fever virus
 情報源 WOAH-WAHIS (World Animal Health Information System) 2023 2月13日
Started: 1 Feb 2023
Reason for notification: recurrence
Causal agent: African swine fever virus
Outbreak location: Ta Kwu Ling, Sheung Shui, North: Farm
種/個体数/感染/死亡/廃棄/と畜/ワクチン接種
Swine / - / - / 45 / - / 0 / -
Affected population: the government received reports on a number of pig carcasses disposed at the animal carcass collection station recently. Farms nearby were inspected and samples collected from pigs in a licensed pig farm tested positive for ASF virus.