◎ Ackee 中毒-ジャマイカ

熟していない果実には the ripe aril のおよそ20倍の高濃度の hypoglycin A が含まれる
長鎖脂肪酸酸化の停止と糖新生の抑制により低血糖を生じる 
未治療により死亡するおそれがある

PRO/EDR> Ackee poisoning - Jamaica: alert 20110115.0176
 情報源  Jamaica Observer 、2011年1月14日。
保健省が unfit and unopened ackees を避け,fit and well opened ackees だけを食べるよう注意を呼びかけている。2010年12月1日から2011年1月12日までの間に35人の ackee poisoning の患者が確認されている。また中毒防止には,種やピンクもしくは赤い膜を十分に除去し調理前によく洗う事も必要で、熟していない果実には高濃度のトキシンが含まれていると説明した。(他の食材とは別に)Ackees だけを調理すべきとも述べられている。樹上で自然に完全に開くまで取ったり食べたりしてはいけない、というのはくり返し言われてきた。Ackees を茹でた湯はすぐに捨て、他の料理に使っては行けないと述べられている。十分に熟さない ackee には高濃度の hypoglycin と呼ばれる toxin が含まれ、食べると死亡することもある。中毒症状として、嘔吐、腹痛、めまい、下痢、発汗などが知られている。このような症状がでた場合、sweet drink を摂取しながら直ちに病院を受診すること。中毒患者はすべて自宅で調理した場合に限られていて、缶入りの ackee では中毒は起きていない。
[ModTG- ジャマイカでは主食 ackee fruit (_Blighia sapida_) は、"Jamaican vomiting sickness" or "Jamaican vomiting sickness syndrome" (どちらも JVS と略される) の原因で,激しい嘔吐と極度の低血糖が起きる。The ackee fruit は熟すと brilliant red or red-orange color になり,はじけて種が露出するようになれば,黒い種のまわりの The yellowish aril という果肉部分が食用になる (edible)。赤い果皮 The red peel には high levels of hypoglycin A and hypoglycin B が含まれるため,果肉といっしょに食べてしまわないよう注意が必要 ... 2種類の水溶性有毒物質が検出されており、The 1st toxin, hypoglycin A は L-(alpha)-amino-(beta) -[methylene cyclopropyl]propionic acid であり、Hypoglycin B は a (gamma) -L-glutamyl derivative (誘導体) of hypoglycin A で,hypoglycin A より毒性が弱い。Hypoglycin A は the aril (種皮) にも含まれるが、B は含まれない。熟していない果実には the ripe aril のおよそ20倍の高濃度の hypoglycin A が含まれる。A,B ともに種子の中にも含まれているため、種の入っている the seeds and the membrane はどちらも有毒である。現在 Hypoglycin A は単に hypoglycin と呼ばれているが、transamination and oxidative decarboxylation によって methylene cyclopropyl acetic acid (MCPA) に代謝される。MCPA は nonmetabolizable carnitine and coenzyme A (CoA) esters を形成し、これら cofactors の組織レベルを低下させ、他の生化学反応に利用されにくくする。CoA と carnitine はともに長鎖脂肪酸酸化過程の必須 cofactors であり、また、この酸化が糖新生活性に不可欠であることから、結果として低血糖が生じる。このほか MCPA は、butyryl CoA, glutaryl CoA, and isovaleryl CoA などの several acyl-CoA dehydrogenases の脱水作用を抑制し、the inhibition of butyryl CoA dehydrogenase によって hexanoyl CoA and butyryl CoA のレベルで長鎖脂肪酸の酸化が停止する。この結果、nicotinamide adenine dinucleotide (NADH) と acetyl CoA の産生が低下する。NADH and acetyl CoA はそれぞれ、a cofactor of 3-phosphoglyceraldehyde phosphate dehydrogenase および an activator of pyruvate carboxylase であり、濃度が低下すれば糖新生 gluconeogenesis 抑制につながる。The inhibition of glutaryl CoA dehydrogenase によって glutaryl CoA が蓄積し、糖新生初期の律速段階であるtransmitochondrial malate transport が阻害されることで、糖新生が抑制される。hypoglycin action による低血糖に血中インスリン濃度の変化は関与しない。Jamaican vomiting sickness は、突然発症する嘔吐を特徴とし、ackee を含む食事摂取から2-6時間後にはじまる全般的な上腹部不快が先行する。一旦発症すると急速に進行し、多量の発汗、頻脈、頻呼吸、頭痛、全身衰弱の症状が認められる。最大18時間の衰弱期の後、第2波の嘔吐が開始し、治療されない場合、痙攣、昏睡、死亡につながる。患者の25%にけいれん Tonic-clonic convulsions がおきる。死亡患者の85%に痙攣がみられる。Reye syndrome 類似の肝臓の脂肪壊死がおきることもある。死亡するまでの期間は平均12.5時間で、発熱や下痢はおこらない]
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