2007年2月19日

ハンタウイルス肺症候群 南米

● 鳥インフルエンザ、ヒト エジプト
PRO/AH/EDR> Avian influenza, human (39): Egypt, WHO 20070219.0628
 情報源 World Health Organization (WHO), CSR, Disease Outbreak News、2月19日。
Egypt: Avian influenza situation - WHO Update 6
2007年2月19日、エジプト人口保健省は、新たなインフルエンザA(H5N1) 感染ヒト患者を発表した。この患者は、エジプト中央公衆衛生検査所及び NAMRU-3 (米国海軍第3医科学研究所)での検査により確定された。 2007年 2月14日、シャルキーヤ Sharkia 行政区在住の 5歳男児が症状を呈して入院し、現在状態は安定している。患者は、発症の 1週間前に病鳥への曝露があった。患者との接触者は健康であり、厳重な監視下に置かれている。エジプトでは、現在までに確認された患者22名のうち、13名が死亡している。
関連項目 (38): Egypt, WHO 20070216.0584

● ハンタウイルス肺症候群 南米
PRO/AH/EDR> Hantavirus pulmonary syndrome - South America (02) 20070219.0623
 情報源 Info Region [trans.]、2月14日。
[ブエノスアイレス Buenos Aires 県の亜行政区である] Almirante Brown Partido の環境調整局長は報道機関に対し、同地方で過去数ヶ月間に 3人がハンタウイルスに感染した件に関し、患者はそれぞれ個別に発生しており、適切な対策が取られていると明言した。2006年12月に2例の感染が気づかれた。1例は Ministro Rivadavia もう1例は Claypole 近郊の Don Orione で発生した[いずれも Almirante Brown にある]。2006年1月には、同じく Don Orione の 59 歳の女性 1名の、3例目が発生した。Lucio Melendez de Adrogue 病院に入院後、まもなく退院した。
以下、実施された対策 .... 12月の 2例のうちの 1人は、ボリビア国内で感染したと考えられる、ボリビアからアルゼンチンの親戚を訪ねた 17歳少年で、パラグアイやボリビアの国境地帯では以前からハンタウイルス感染が頻繁であり、このため活動的な調査が行われていたとする当局者のコメント。オナガピグミーコメネズミ long-tailed pygmy rice rat [_Oligoryzomys longicaudatus_] がハンタウイルスの保有宿主である。
[Mod.TY- いずれかの患者で心肺系の問題が生じたのかそれとも発熱のみであったのか、また、ハンタウイルスが確認されたかを知ることは有用である]
地図 Almirante Brown Partido  
写真 _Oligoryzomys longicaudatus_

● デング熱 パラグアイ、アルゼンチン、ブラジル、インドネシア
PRO/EDR> Dengue/DHF update 2007 (09)
Archive Number: 20070219.0630

 ● 炭疽 オーストラリア、カナダ(2件)
PRO/AH/EDR> Anthrax, human, bovine - Australia (VIC) (05) 20070219.0626
 情報源 News.com.au 、2月19日。
一次産業局 Department of Primary Industries (DPI) 当局者は、ビクトリア Victoria 州北部 Kyabram 近郊の Wyuna の農場の乳用雌ウシが 2007年 2月18日に死亡した事を受け、残った群れにワクチンの接種を行っている。最近数週間に Stanhope 付近の 8農場と Tatuna のもう1つの農場で炭疽菌 Anthrax が確認されたことに引き続いて発生した感染流行 であった。
以下、前回の感染流行であったため(Wyuna の)感染流行に対して迅速に対応がなされたこと、土壌中の炭疽菌が乾期にウシが草を求めて深く 土を掘ることで感染が発生すること、農家に対し家畜の異常に注意するよう呼びかけていることなど。

PRO/AH/EDR> Anthrax, bovine - Canada (SK) 20070219.0625
[1] 2007 年 2月4日の週に、2頭のウシが炭疽で死亡した
 情報源 Saskatoonhomepasge.ca、2月16日。
Prince Albert area と the Rose Valley-Archerwill District で死亡した。2006年夏には、州の歴史上最悪の炭疽流行で、サスカチュワン Saskatchewan 州北東および北中部で約 800頭の家畜が死亡した。牧草を食ん でいるときに土壌中の芽胞を摂取したことによる死亡であった。今回の 2頭のウシは芽胞に汚染されたえさによって感染した。以下、炭疽の芽胞を中心とした解説、今回感染が発生した群れは何れも 2006年夏のワクチン接種群であったが、一部に抗体産生が十分でないものがある可能性や、ワクチン製造者は 6-12ヶ月間有効としていることなど。
[Mod.MHJ- 干草を作る時期に降雨があり、乾燥したわらに汚染された土壌が跳ね上がって混じる場 合はとくに、干草が汚染されることは珍しいことではない。約10年前、米国オクラホマ州で同様の冬の炭疽感染流行が発生し、汚染がひどい干草を購入して使 用した群れで大流行した。2006年にワクチン接種を受けたウシがなぜ感染したかを説明することは難しいが、寒冷な気候は、動物の元々の抵抗性と免疫の発 現力を弱める。草食動物における冬季の感染例発生の可能性--米国ノースダコタ州のウマに最近発生した--はあるが、冬に炭疽感染例が発見された場合に、 まず疑われるのはえさであろう]
[2] ウシのワクチン接種状況など
投稿者 カナダ食品監視局 Sandra Stephens 、2月19日。
干草は共通のものではなく、すなわち、同じ場所の干草ではなかった。しかし、州全域は相当湿度が高く wet、どの干草農地も同じような水浸しの状況であっ た。プリンスアルバート Prince Albert(RM461) の南の農場は昨年(2006年)の夏、感染陽性の農場であった。Melfort(RM397) の南東の農場では、昨夏の感染発 生は報告されていない。何れの群れでも昨年夏にワクチンの接種が行われている。1つの群れは、いくつかの新たな群れを増やしているので、その接種状況はわ からない。いつの群れのオーナーは、数頭のワクチン接種もれがあったことを認めている。死亡した個体にはワクチン接種がなされていたと、オーナーは記憶し ている。いずれの群れも、再びワクチン接種を行った。

● リフトバレー熱 ケニア
PRO/AH/EDR> Rift Valley fever - Eastern Africa (18): Kenya, bovine 20070219.0624
 情報源 Kenya Broadcasting Corporation (KBC)、2月18日。
ケニア・リフトバレーの Kajiado 地区で初めて、2件のウシのリフトバレー熱 (RVF) 感染が報告された。これ以前、数例のヒトの(RVF)感染のみが報告されていた。通常、動物からヒトに感染する疾患であるため、これは驚くべき状況であった。2件のウシの感染流行は、Mashuru division と Loitokitok (現在はdistrict) で発生した。陽性となった 2検体は、地区内でアトランダムに採取されたものであった。これを受け、ランピースキン病のために実施されていた禁足令は継続される。両地区へ合計 10万回分のワクチンが供与される予定である。家畜の所有者に、ワクチン接種後7日間以上製品を出荷しないよう求めた。 [この慎重な処置は、潜伏期間中の個体にワクチンが接種される場合や、ワクチン接種後すぐの免疫成立前に感染する可能性を考えてのものと思われる] 一方、[モンバサの北] Malindi 地方の Msabaha 亜地区で、宗教上の理由で家族が病院受診を拒否した、17歳の少女1 名が、RVF で死亡した疑いがもたれている。彼女の親類縁者は、Miracle Revival Fellowship Pentecostal church (ペンテコスト派奇跡復活共同体教会の)の信者で、薬物や入院は、神を疑うことに値する罪深い行為と信じている。自宅で死亡した少女の家族らも感染の可能性が高い。彼女の死亡は同地区5例目となる可能性があるが、住民らは受療行為に消極的であるため、正確な死亡数を把握することは困難である。
[Mod.AS- WHO のケニアおよびソマリアの RVF 最新情報 (2007年1月30日) によると、Kajiado 地区は多数の患者が報告されている地域に含まれている。ケニア政府から OIE への、動物 (ヒツジ、ヤギ、ウシ、ラクダ)の臨床的 RVF 症例報告は、2007年 1月9日に提出され、北東州の南部 Garissa、Galmagara での感染流行について触れられており、2006年 12月4日に開始し、同22日に確認されたと報告されている [報告]。国内の他の場所で発生した動物の新たな RVF 感染と、さらにはヒトの感染と死亡も発生した、今回のニュースは、感染が発生しうる種での、無作為抽出の調査 [血清学的 ?] に基づいている; 残念ながら動物での発症例についての情報は含まれてなく、ヒトの感染患者が感染流行発生の見張り役となってしまった。これは今に始まったことではない。忘れられた歴史の 1ページとして: 南アフリカにおいて、RVF は、1950年に数人の獣医師が感染し、インフルエンザ様症状を発症し、ブルームフォンティーン Bloemfontein 人工授精センターで行われた剖検によって、初めて確認された。こののち、RVF ウイルスがすでに感染循環しており、農村地帯で 6ヶ月間に数十万頭の動物と数千人のヒトに感染していたが、疑われることも確定されることもなかったことが判明した。同じような状況は、その後の複数の他の国でも発生した。ケニアとタンザニアのヒトと動物、およびソマリアのヒト(どこからかの動物での報告が待たれている)での RVF 感染発生報告から考えると、ウガンダ、エチオピア、エリトリア、スーダン、エジプト、イエメンなどの、感染発生の恐れのある他の国々で、RVF が発生しても不思議ではない]