2007年2月7日

ポリオ アフリカ、アジア
髄膜炎菌性疾患 ウガンダ、アラブ首長国連邦、ブルキナファソ WHO
鳥インフルエンザ、ヒト エジプト、インドネシア

● C 型肝炎 エジプト
PRO/EDR> Hepatitis C - Egypt
Archive Number: 20070207.0487
 情報源 AllAfrica.com, IRIN report、2007年2月7日。
エジプトで 500万人が C 型肝炎ウイルスに感染 1980年以前に、エジプトでかつて流行した水系感染症の住血吸虫感染流行の対策とし ての、農村部の住民に 対する政府の治療キャンペーンの後遺症によるところが大き い。頻回の注射を含む治療は、衛生的な手順に 従わず結果として血液媒介性の HCV が 住民に拡がることとなった

● ポリオ アフリカ、アジア
PRO/EDR> Poliomyelitis - Worldwide(21): Africa, Asia 20070207.0485
[1] チャド:WHO Epidemic and Pandemic Alert and Response、2月7日。
2007 年1月23日、チャドの保健省は、新たなポリオ (3型)患者 1名を確認した。チャ ドのポリオ患者として は、2005年 12月以来となる。N'Djamena出身の 2才女児は、 2006年 11月 26日にマヒを発症した。分離されたポ リオウイルス株の遺伝子配列の解 析から、ナイジェリア北部で感染循環するポリオウイルスに関連したもの であるこ とが示された。ポリオが確定されたことを受け、保健省は、2007年 1月 25-28日に、全国で集団接種 キャンペーンを展開し、約250万人の5歳以下の児童に接種した。次回 のポリオ予防接種キャンペーンは、 2007年 2月 24-26日に予定されている。詳しい情 報は、世界ポリオ根絶イニシアティブにある。
[2] カメルーン:Polio Eradication websit、2月7日。
(2006年12月6日にマヒを発症した、1型の)カメルーンの最近の症例の遺伝子配列の 解析により、遺伝学的 にナイジェリア北部で現在感染循環しているポリオウイルス と関連があることが示された。予防接種対策は 終了している。
[3] ナイジェリア:Polio Eradication website、2月7日。
先 週、新たに7人の患者が北部の州から報告があった。ナイジェリアの最近の症例 は、2006年12月17日にマ ヒを発症した。次回の定期追加予防接種デー(IPDs)の準 備が進行中で、1価の経口1型ポリオワクチン (mOPV1)を使用して、2007年5月1-4日 に北部の州で実施されることになっている。
[Mod.MPP- チャドの野生株のポリオウイルス3型が、遺伝学的にナイジェリアの感染循環株と 相同であるとすれば、 ポリオ3型を含むワクチンを使った予防接種が必要ではないか との疑問が生じる]
[4] インド:Polio Eradication website、2月7日。
2006年から今週まで、新たな6人の患者が、ウッタルプラデシとビハル州から報告さ れた。さらに、2007年 初となる、2007年1月5日にマヒを発症した、1型患者1名がビ ハル州から報告され、インドで最新の症例であ る。
[5] パキスタン: Polio Eradication website、2月7日。
2007 年、この1週間に、Sindhおよび北西辺境州から、新たな2人の患者が報告され た。いずれも3型で、2 007年1月9日および16日にそれぞれマヒを発症した。後者がパキスタンの最新の症例 である。2007年1月25日 の全国ポリオ会議について(省略)。
[Mod.MPP- チャドとカメルーンの新たな症例が遺伝学的に、ナ イジェリアで感染循環している 野生株ポリオ1および3 型と相同であると確定されたことから、ナイジェリアのポリ オの状況は、今も野生株ポリオウイルス輸出国 であり続けていることが明白であ る。インドの感染状況も同じで、アンゴラでのウイルス感染流行はイン ドの感染 循環株と関連していたことを想起させる。レビューの地図 ソマリア、 アンゴラ、ケニア、エ チオピアに加え、今も土着感染しているアフガニスタン]

● 髄膜炎菌性疾患 ウガンダ、アラブ首長国連邦、ブルキナファソ
PRO/EDR> Meningococcal disease update 2007 (06) 20070207.0484
[1] ウガンダ (West Nile)
 情報源 Independent Online、2月7日。
ウガンダ北西部の髄膜炎菌感染流行で、27人の死亡と、約930人の感染があり、スーダン難民の帰宅が妨げられていると、当局が2007年2月7日に述べた。ワクチンの接種が開始されていると保健当局が述べた。
[2] アラブ首長国連邦 (ドバイDubai)
 情報源 7 days (United Arab Emirates) [edited]、2月7日。
4人の髄膜炎に感染した児童が登校した学校は、生徒の両親に対し、子供の髄膜炎症状に注意するよう通知を出した。Deiraの同じ建物に住む4人の児童が細菌性髄膜炎と診断を受けたことが公表されたことを受けての通知であった。このうち男女2人の兄弟は、Our Own Indian School の幼稚園に通っていた。3例目の子供の通う、Our Own English School にも同じ知らせが届いた。
[Mod.LL- 菌種について述べられていないが、集団発生であることから、髄膜炎菌 N.menigitidisである可能性がある。ドバイはUAEで人口が最も多く、アブダビに次いで2番目に大きい都市である]
[3] ブルキナファソ
 情報源 WHO Epidemic and Pandemic Alert and Response、2月7日。
ブルキナファソで髄膜炎菌性疾患--2007年2月7日 2007年1月1日から1月31日の間に、ブルキナファソの保健省は、国内で96人の死亡を 含む789人の疑い患者( 致死率12.2%)を報告した。Ouargaye 地区は流行閾値を超える発生率で、ほか Banfora, Batie および Sapouyの3地区は、警戒フェーズであ る。閾値の規則に関する詳細な情報は、記事にある 脳脊髄液検体のラテックス検査による A 群髄膜炎菌検査は陽性であった。保健省は今週 Ouargaye において、ワクチン一斉接種を計画している。

● 鳥インフルエンザ、ヒト エジプト、インドネシア(2件)
エジプト WHO
PRO/AH/EDR> Avian influenza, human (33): Egypt, WHO 20070207.0481
 情報源 World Health Organisation (WHO), CSR, Disease Outbreak News、2月6日。
エジプトの鳥インフルエンザ状況-WHO 更新
2007年2月6日、エジプト保健人口省は、新たなヒトでのH5N1型鳥インフルエンザAウイルスの感染患者を公表した。この患者は、エジプト中央公衆衛生研究所および米 国第3海軍医学研究部門(NAMRU-3)の検査により確定された。この Fayyoum 行政区在 住の17歳の女性は、2007年1月25日に発症し、当初季節性のインフルエンザとしての治療が行われた。2月1日、発熱と呼吸困難のため入院し、2007年2月2日に死亡した。女性の感染源に関する初期調査により、発症前の数日間にわたって自宅の家禽が病死していたことが明らかにされて いる。エジプトでは、これまでに確定された患者20人のうち、12人が死亡した。

インドネシア
PRO/AH/EDR> Avian influenza, human (32): Indonesia 20070207.0476
 情報源 Reuters Foundation AlertNet 、2月6日
インドネシア: 新たに2名のH5N1ウイルス感染患者
Two more human cases of H5N1 virus infection

大きな被害が出ているインドネシアで、新たにジャカルタ Jakarta 近郊の高級住宅街 upscaleの 15才の少女と 、西ジャワ州の 30歳男性の 2人が、鳥インフルエンザに感染 したと、2007年 2月6日に保健省担当者が述べた 。政府高官や外交官らが住む首都 Menteng 地区在住のこの少女が捕らえた野鳥が 2日後に死亡したと、同省鳥インフルエンザセンター当局者が述べた。西ジャワ州の男性の居住地域では多数の家禽の死亡が発生して いたと述べた。ほとんどの人がニワトリを飼育しているインドネシアでは、ほかのどの国よりも多い 63人の H5N1 型高病原性鳥インフルエンザウイルスによる死者が出ている。2007年には、17000の島からなるインフラ設備の貧しいインドネ シアにおいて、その多くが感染した家禽との接触により感染した6人が死亡してい る。全体としては、同ウイルスにより 10カ国 [ナイジェリアの死者 1名を加え 11カ国となった] で 165人が死亡し、研究者らは人々の間で容易に感染拡大を行うウイルス株への変異により、世界中に広がる大流行につながることを危惧している。
(→2月8日)
[Mod.CP- この報告は、 H5N1の検査が陽性であった 15才の少女が、家禽との接触からではな く、捕獲後死亡した野鳥 から感染した可能性があるという点で、例外的である。これらの最新の患者 2名の検査陽性が確定されれば 、インドネシアの H5N1 感染確定患者 数は 83人となる]

● デング熱 / デング出血熱 フィリピン、 インドネシア
PRO/EDR> Dengue/DHF update 2007 (06) 20070207.0478
[1] フィリピン(マニラ首都圏 National Capital Region)
 情報源 Manila Standard Today - Manila, Philippines 、1月31日。
2007 年1月31日、Pasig 市の Rizal 医療センターに、1月だけで27人以上のデング熱感染 患者が入院中となって いる。1月29日に入院した最新の患者はTanguig 市 Fort Bonifacio 出身で、診察した医師はデング出血熱の2 期であると診断した。
[Mod.TY- この地域で、年間を通じてデングウイルス感染伝播が発生している事は、よくない ニュースである。内容 が正しければ、地方衛生当局は一年間を通じてベクターコン トロール対策を行わなければならなくなる。居 住地や職場内やすぐ近くの水たまり の危険性を周知させる、住民への教育は重要である。地図 フィリピンの州
[2] フィリピン (ネグロス・オリエンタル Negros Oriental州 [*中部ビサヤ地方] )
 情報源 Philippine Information Agency - Philippines、2月1日。
Dumaguete 市の衛生部 (DOH ) は、2006年のNegros Orienal のデング患者数が、 2005年の1203人から978人に減少したと報告した。しかし、2005 年の死者6人に対し、2006年の死者は8人( 発生地の内訳あり、省略)が記録され た。現在デング熱感染流行の確認されているのは、Lagusan、San Pedro, Laguna, Bayugan, Agusan del Sur である。
[3] フィリピン(農村部)
 情報源: Philippines Information Agency、2月1日。
In San Lazaro Hospital だけで, 189人のデング患者が確認されており、その他にデ ング患者が発生してい るのは、 Marikina, Rizal, Pasig, Laguna, Agusan del Sur, Cagayan de Oro, Osamis および Bukidnon である。2005年、中部ビサヤ Central Visayas 地方において最多の 3306 人の患者報告があり、そのうちセブ Cebu 州が最も多 く、2313人の患者と 75人の死者を報告した。以下、各地の患者発生数、当局からの環境保清 の働きかけなど。
[4] インドネシア
 情報源 Bernama.com, Malaysian National News Agency、1月30日。
保 健省レポートによれば、2007年 1月だけで、死者 75人を含む、合計4862人のデング 熱患者が、インドネシ ア国内で報告されている。患者は、国内全33州のうち14の州 で発生した。首都ジャカルタ特別区が最多であ った。以下、西ジャワ州、中央ジャ ワ州、スマトラ島 Lampung と続いている。2006年12月には、28の州で合 計 5400人がデ ング熱に感染し、192人が死亡した。
地図

● 口蹄疫 イスラエル
PRO/AH/EDR> Foot & mouth disease, bovine - Israel (05): Hazafon, OIE 20070207.0486
 情報源 OIE Disease Information, WAHID Vol 20 No. 6 [edited] 、2月7日。
原因ウイルスFMD virus O1 
血清型O
新たな感染流行  Ilut, Kineret, HazafonとGazit, Yizreel, Hazafon
2007年1月31日および2月2日に流行開始
感染種 ウシ

● 炭疽 オーストラリア
PRO/AH/EDR> Anthrax, human, bovine - Australia (VIC) (03) 20070207.0483
 情報源 ABC News Online、2月7日
ビ クトリア Victoria 州 GoulburnValley、Stanhope の感染流行地域の東にある、Tatua の1農場で 炭疽が確認されている 。一次産業部門 The Department of Primary Industries は、 新たに 4頭のウシが、この細菌性感染症で死亡したことを確認した。これにより、炭疽で死亡したウシの合計は、2週間前に初めて確認されてから、29頭となった。5カ所で感染が発生しており、うち 4カ所が Stanhope である。
[Mod.MHJ- Stanhope に近くなければ、Tatua の症例は見逃されていたに違いない]
関連項目 (02) 20070206.0471

● 大量死、ウミガメ、イルカ バングラデシュ
PRO/AH/EDR> Die-off, sea turtles, dolphins - Bangladesh 20070207.0480
 情報源 Reuters、2月6日
相次ぐカメの死亡、漁業関係者らに責任過去数週間に、1000匹近い大型のカメが、バングラデシュとインドのベンガル湾岸 に死亡して打ち上げら れていると、2007年2月5日に当局者と活動家らが述べた。漁 師の網が原因で死亡したとされている。
[Mod.MHJ- メキシコ湾でも同じ理由とされる死亡したウミガメが見つかっている。ベンガル湾での急激な増加は、意識の高まり、漁業形態の変化の結果であるかもしれない。自然なことで、毒物などによる可能性は低い]

● 鳥インフルエンザ パキスタン、英国(2件)
PRO/AH/EDR> Avian influenza (28): Pakistan 20070207.0479
[1] パキスタンで新たな鳥インフルエンザ感染流行
 情報源 World Poultry Net 、2月7日。
パ キスタン政府当局は、約1年ぶりとなるニワトリとクジャクの小集団における、2件 の H5N1型鳥インフルエ ンザウイルス感染を確認した。イスラマバードに近い Rawlpindi でこの致死性のウイルスが確認された後、 40羽の群れのニワトリは全て死 亡した。「死亡した18羽の鳥でH5N1型ウイルス感染が確定され、残りは処分 され た」。北西辺境州 North-West Frontier Province のクジャクでも同ウイルスが確認さ れており、18羽が 死亡し、残りが処分された。ヒトでの感染は確認されていない。 商業用の家禽においては、このウイルスは 確認されていない。パキスタン政府は、 十分量のワクチンを業者らに提供している。
[2] Mansera・Pindi において、ペットの鳥の鳥インフルエンザ確定
 情報源 Pak Tribune 、2月6日。
ラー ワルピンディ RawalpindiとMansera の数カ所において、ペットのトリで鳥インフ ルエンザが確認されて いる。18羽のペットのトリが、H5N1型株により、Saddar, Rawalpindi, および Mansera の数カ所で死亡した 。詳しい記事によれば、 Rawalpindi Saddar 地域のある男性が自宅で多数のトリを飼っており、その後18羽 が 鳥インフルエンザウイルスにより死亡した。一方、食糧農業畜産省は、数百羽のニワ トリを飼育する養鶏 場からペットのトリへの感染例はないことを強調した上で、 ペットのトリにおける鳥インフルエンザ感染例 を確認した。商業的養鶏において、 大規模な H5N1ワクチン接種が施行され、好結果を生んでいる。
[3] パキスタンで H5N1 型鳥インフルエンザ確認
 情報源 'Pakistan Times' Wire Service、2月6日。
2つの家禽の群れでH5N1ウイルスを確認してから1年ぶりに、パキスタンの科学者らが イスラマバード近郊の ニワトリの群れで同ウイルスを確認した。
[4] PMA (パキスタン医学会) が鳥インフルエンザ報告を憂慮
 情報源 DAWN the Internet Edition、2月7日。
国内の不衛生な取り扱いなどに関する憂慮など

PRO/AH/EDR> Avian influenza (27): UK (England) 20070207.0477
[1] サフォーク Suffolk 州の鳥インフルエンザ流行: 処分終了
 情報源 Defra/UK、2月6日。
2007年2月5日、DEFRA獣医学副長官は、鳥インフルエンザ流行が発生したサフォーク 州の養鶏場の、トリの 処分が完了したと述べた。以下、詳細など(省略)。
[2] EU、英国の家禽輸出禁止に正当性がないと主張
 情報源 Reuters 、2月6日、
EU 欧州委員会は、2007年2月6日、高病原性H5N1型鳥インフルエンザ感染流行を受けて の、英国産家禽輸出の 全面禁止には根拠がないとした。多くの国が英国産のニワト リの輸入を禁止すると発表し、他国もこの動き を注視している。以下、輸入禁止を 表明した国名など。
[3] EUの獣医学者らが、鳥インフルエンザ防護策検証
 情報源 AFP、2月6日。
英 国の鳥インフルエンザウイルス感染流行のあと、27カ国に拡大する恐れがある中、 EUの獣医学専門家らは 、EUにおける致死性の鳥インフルエンザ感染防御対策の検証 を行った。「英国が、多数の死亡を確認した後 直ちに行った対応のスピードと効果 に、EUの委員会は満足している」と広報担当者がコメントした。中略。 日本を始め とするEU外の国々の、英国産家禽の禁輸措置に対し、根拠がないとしていることな ど。
[4] 七面鳥の処分終了し、政府 ・ 業者ともにウイルス感染拡大停止に期待
 情報源 The Guardian 、2月6日。
[Mod.MPP- 感染が疑われた患者の最終診断結果 は、H5N1および季節性のいずれのインフルエンザ も陰性であった]