2007年2月6日

鳥インフルエンザ、ヒト ナイジェリア WHO、エジプト
リフトバレー熱 タンザニア
黄熱 ボリビア
● サルモネラ感染症 スウェーデン、鳥類
PRO/AH/EDR> Salmonellosis, avian - Sweden: RFI
Archive Number: 20070206.0474
 情報源 International Herald Tribune/AP、2月6日。
サルモネラ感染症感染流行により、スウェーデンで10万羽のトリ処分 スウェーデン南部の地方当局は、同地方の7つの養鶏場における、この10年間で最悪 と見られるサルモネラ感染症流行対策として、10万羽以上のニワトリの処分を行った と、当局者が2007年2月6日に発表した。
[Mod.MHJ-(記事中の、「ネズミが感染を拡大させた」との当局者の発言に対し) 7つ の農場にネズミが感染を拡げたというのは信じがたい。もしそうであるなら、感染拡大にかなりの時間を要し、その途中で発覚するはずである。論理的には、共通の汚染されたエサが原因と考えられるが、どのように 6ないし 7つの養鶏場に同じ汚染されたエサが運ばれたのかは、そのこと自体、興味深い。血清型が判明すれば、教えて頂きたい]

● 炭疽 ジンバブエ、オーストラリア(2件)
ジンバブエ
PRO/AH/EDR> Anthrax, human, bovine - Zimbabwe (Mashonaland East) 20070206.0473
 情報源 The Herald (Harare)/AllAfrica.com、2月6日。
Wedza で炭疽感染流行: ジンバブエ Wedza 地方の3つの村で、[2007年1月?]炭疽感染流行が発生し、隔離措置が行われている。これらの村で、6人が感染したウシを処分し肉を食べたことから発病した事から問題が明らかとなった。感染したウシと同じ症状を呈したが、問題なく治療され回復した。
[Mod.MHJ- ヒトでの感染症例の記述に混乱がある。治療に成功したのは、皮膚炭疽を発病した 3人で、腸炭疽ではないと思われる。ウシも皮膚炭疽になるが、汚染された土壌や血液のついた土の摂食による全身型に比べて頻度は少ない。ともあれ、早期に診断し治療されたのであれば幸いである]

オーストラリア
PRO/AH/EDR> Anthrax, human, bovine - Australia (VIC) (02) 20070206.0471
[1] 投稿者 Hugh Millar、2月5日。
北部ビクトリア州Stanhopeにおける、地域的に限局し制圧された炭疽感染事例のサ マリー
[2] 情報源 AAP.News.com.au 、2月6日。
炭疽に感染したウシの死骸を始末した際に、炭疽に感染したビクトリア州の奉仕労働者 knackery worker の、職場のに人々は予防策として抗生物質の投与を受けている。
関連項目 20070205.0453

● 鳥インフルエンザ、ヒト エジプト、ナイジェリア(2件)
エジプト
PRO/AH/EDR> Avian influenza, human (31): Egypt 20070206.0469
 情報源 Reuters Foundation AlertNet 、2月5日
WHO confirms Egyptian girl died of bird flu
概要  WHOは 2007年2月5日、Fayyoum 出身のエジプト人の 17才の少女 1人が、H5N1型鳥 インフ ルエンザが死亡し、エジプトで確定された死者は 12人となったことを明らかにした。 WHO 地域アドバイザーは、少女が病死した鳥類との接触により感染したと考えられ る。新たな患者を加え、エジプトは、アジア以外で最多の鳥インフルエンザ患者数と なった。死亡した少女は、2007年1月後半に鳥インフルエンザの症状を発症したが、 初期の検査では季節性のインフルエンザとされていた。その後の検査で、H5N1型鳥イ ンフルエンザウイルスの検査が陽性となった。死亡した日時は発表されていない。以 下、一般的説明、2006年12月ノガルビーヤ県での最新の患者のウイルスにおいて抗ウ イルス薬タミフルへの抵抗性が確認されたこと、この患者は初期に鳥インフルエンザ 陰性であったため、タミフルで治療されたかどうかはっきりしないこと、294S として 知られる変異株は、2005年にベトナムで感染から回復した10代の少女で初めて確認さ れ、WHOはタミフルを治療の第一選択として勧めているが、患者によってはアマンタ ジンの使用を考慮するとしていることなど。

ナイジェリア WHO
PRO/AH/EDR> Avian influenza, human (30): Nigeria, WHO 20070206.0466
 情報源 World Health Organization (WHO), CSR, Disease Outbreak News、2007 年2月3日
Nigeria: Avian influenza situation
- WHO Update
鳥インフルエンザ流行状況-ナイジェリア更新 WHO(EPR)
ナイジェリア政府は、2007年 2月 3日、ラゴス出身の 22才女性患者が、H5N1 型鳥インフ ルエンザAウィルスに感染していたことを公表した。ナイジェリアの検査室での初期 検査における陽性結果は、ロンドンの WHO協力インフルエンザ委託研究センターで確 認された。患者の感染源特定のため、詳細な検査が続けられている。患者との接触者 全員の検体は、WHO 協力センターによる検査で陰性であった。H5N1型鳥インフルエン ザウィルスは、ナイジェリアの家禽の感染流行において確認されており、他の感染国 わけではない。WHO は、ナイジェリア政府とともに、監視強化に努めており、人々が インフルエンザ様症状で受診した場合、新たな疑い患者の報告が行われることもあり 得る。H5N1型鳥インフルエンザウィルスは適切に処分され調理された食品からはヒト には感染しない。ヒトが H5N1 型に感染した例では、自宅で処分し、感染または死亡し たトリを調理前に取り扱ったことに関連することが、しばしばである。このような作 業は、ヒトへの感染にとって最もリスクの高いもので、最も重要なことは行わないこ とである。生の家禽や生鳥または死鳥を取り扱う際には、手指と体表の石けんと水に よる消毒は必須である。消費者は調理の際に、鶏肉の温度が全ての部位で70℃以上に なり、卵は全体に十分に調理されていることを確認する必要がある。

● デング熱/デング出血熱 パラグアイ、ボリビア、ブラジル
PRO/EDR> Dengue/DHF update 2007 (05) 20070206.0467
[1] パラグアイ
 情報源 Pan American Health Organization Emerging Diseases (PAHO) Updates Vol.4 No.1、1月29日。
2007 年1月15日、パラグアイ公衆衛生社会福祉省は、デング熱患者数に関して全国に 疫学的注意喚起を発し、デング出血熱(DHF)症例が実際に発生する可能性を宣言し た。2007年1月20日、初めてのデング出血熱による死者2名が報告された。 以下、1月29日現在の患者数 1394名、DHF患者8人、死者3人、患者発生地はアスンシオ ンAsuncion, Central, Amambay, Alto Parana, Cordillera, および Guaira の各県で あること。2006年10月まで続いた、デング熱3型(DEN-3)によるアスンシオンでの流 行。2007年1月の第1週の390人から始まり、161人,120人(死者2人)と徐々に患者数 が減少している今回の流行で、DEN-3 が確認されたことで、適時適切な対策にもかか わらず、大流行となる可能性があること。予防策、対策;ベクターコントロール;デ ング熱蚊族(対策)の日の周知;メディア;外部からの技術協力に分けて論じられて いる(省略)。
地図 パラグアイ1 パラグアイ2
[2] ボリビア (サンタクルスSanta Cruz 県): 緊急事態 red alert
 情報源 Los Tiempos.com, Bolivia [transl. ]、1月31日。
県 の衛生当局は、2007年1月30日に、1月26日にDHFで死亡した22才の女性1名を確認し た。同県では、3年ぶりのDHFによる死者となった。2003年、5人がこの病気で死亡し ている。以下、患者47人とDHFによる死者1名がサンタクルス県と、ほかにCochabamba と Beniで発生していることなど。
[サンタクルス県は、ボリビア低地最大の都市で、大規模なデング流行が危惧される]
[3] ボリビア (Beni 県)
 情報源 China View、2月2日。
ボ リビアで、デング熱患者7人が新たに報告された 地域の衛生当局は、2007年2月2日、ボリビアの北部ベニ県で、数日間のうちに新たな 7人のデング熱患者を確認した。当局は、デング熱を伝播するネッタイシマカ対策を 住民に呼びかけている。集中豪雨が、殺虫剤の効果を弱め、噴霧消毒はほとんど効果がないと述べた。以下、サンタクルス県のDHFの死亡例など。
[4] ブラジル (Mato Grosso do Sul 州]
 情報源:China View 、2月1日。
2007年1月中に、ブラジル南部のマットグロッソドスル州で、13000人以上のデング熱 患者と、うち2人のDHF患者が報告されていると、政府機関紙 "Brasil" が、2007年1月 31日に伝えた。

● リフトバレー熱 タンザニア
PRO/AH/EDR> Rift Valley fever, Eastern Africa (14): Tanzania 20070206.0465
 情報源 France24, Agence France Presse (AFP)、2007年2月6日。
ケニアを席巻したリフトバレー熱 Rift Valley fever が、隣国タンザニアに拡大し2人が死亡したと、当局者がのべた。これらの死亡は、先週北部 Arusha から報告され、感染流行となるおそれがあると、地方長官が述べた。「Teradi 村でリフトバレー熱により2人が死亡し た」と語った。保健省は WHO からの医師が、この蚊族により感染伝播する疾患の対策のため派遣された事を明らかにした。ケニアではこの発熱性疾患で、2006年12月中旬に初めての患者が診断されてから 162人以上が死亡し、数百人が感染している。専門家は、リフトバレー熱の患者は、発熱、全身倦怠、背部痛、めまい、吐血、著しい体重増加などが、発症時から見られるが、多くの場合1週間以内に回復するが、中には死亡する例があると説明した。この病気は、1930年代にケニアのリフトバレーで初めて報告され、それ以来アフリカの各地で報告されている。
(→2月12日)
[Mod.CP- タンザニアの北部 Arusha 地方は、現在のケニアのリフトバレー熱発生地区に隣接している。リフトバレー熱の患者発生は、予想されており、感染流行は未だ収束してい ないことは明らかである]
関連項目 (13): Kenya 20070203.0435

● 黄熱 ボリビア
PRO/AH/EDR> Yellow fever - Bolivia (La Paz) 20070206.0464
 情報源 Los Tiempos, Bolivia [translated] 、2007年2月5日。
ボリビア保健省疫学長官は、2007年初の患者である、黄熱による死者1名を報告し た。この17才男性は、先週ラパスの病院で死亡したが、感染したのは熱帯地方のラパ ス県Yungas地方[土着感染地帯]Asuntaである。2006年、ボリビアでは黄熱により8 人が死亡した。2007年4月、保健省は2-43才の年齢層を対象にしたワクチンの一斉接 種を予定している。
[Mod.TY- この症例 は、ボリビアの Yungas 地方に、黄熱ベクターのネッタイシマカ _Aedes aegypti_ が発生しているかとの疑いを生じる。対象を絞り込んだワクチン接種だけでなく、ベクターの蚊族の調査も、現在のリスクだけでなく、将来の黄熱ウイルス常在地域のリスクも考え合わせ、重要となる。患者が入院していたラパスは、寒冷な気候でネッタイシマカが存在しないことから、ウイルス感染伝播の恐れはない。ラパスは海抜 4000m近くにあり、熱帯の Yungas よりかなり寒い。国際保健規約では要求されていないが、常在地域の住民もしくは旅行者にとって、黄熱 ウイルスに対する予防接種の必要性があることを、この症例が示唆している。]
地図 Yungas Yungas2

● 結核、ウシ 米国
PRO/AH/EDR> Tuberculosis, bovine - USA (CO) 20070206.0470
 情報源 Nine News.com、2月6日。
1974年以来となる、コロラド Colorado 州でのウシ結核の報告