2007年2月5日

鳥インフルエンザウィルス オランダ、ノルウェー、英国、ロシア
ハンタウイルス 米国

● 炭疽 オーストラリア 20070205.0453
 情報源 News.com.au/AAP 、2007年2月5日。
ウシの死骸を取り扱った後、炭疽に感染したビクトリア州の 34才の奉仕労働者は回復に向かっている。点滴の抗生物質による入院治療を受け、完全に回復すると見込まれている。同州では10年ぶりの、このヒトでの感染患者は、2007年1月28日-2月3日の週に、皮膚炭疽と診断された。数週間前から、州北部のStanhope地区の4つの農場で、25頭のウシの炭疽感染が発生していた。

● クロイツフェルトヤコブ病 CJD(新変異型) 20070205.0455
[1] 英国月例報告、2月5日。前回1月8日の報告から変化なし。
 情報源 UK Department of Health, Monthly Creutzfeldt-Jakob DiseaseStatistics
[2] Current data as at January 2007* 
 情報源 EUROCJD
国名 / 一次患者総数 (生存者数) / 累積英国滞在者数 (6ヶ月を超える) / 血液による二次感染(生存者数)
英国 / 162 (6) / 165 / 3 (1)
フランス / 21 (2) / 1 / 0
アイルランド / 4 (1) / 2 / 0
イタリア / 1 (0) / 0 / 0
米国 / 3 (1*) / 2 / 0 / 0
カナダ / 1 (0) / 1 / 0
サウジアラビア / 1 (1) / 0 / 0
日本 / 1** (0) / 0 / 0
オランダ / 2 (0) / 0 / 0
ポルトガル / 1 (1) / 0 / 0
スペイン / 1 (0) / 0 / 0
合計/ 198 (12) / - / 3 (1)
* 米国の 3例目の患者は、サウジアラビアで生まれ育ち、2005年から米国に定住している 米国の症例報告によれば、サウジアラビアで感染した可能性が高い
** 日本の症例は、1980-1996年の間に 24日間英国に滞在している
[3] 4例目の英国での輸血関連のvCJD感染症例
 情報源 Eurosurveillance weekly releases 2007, Volume 12 / Issue 1 、1月18日。
[4] 創成された抵抗性、ウシ:
 情報源 Reuters HealtheLine, 1月2日。
2006年12月31日、日米の研究者らが、遺伝子工学を用いて、狂牛病に抵抗性を持つウシを作ったと報告した。牛海綿状脳症 BSE のない、乳製品 ・ ゼラチンなどの製品を生み出すことが期待されている。(このウシは)月齢20ヶ月において健康で、オスから採取した精子によって正常胚を作成することができたが、通常の繁殖力を持つかは未確認である。 BSE、スクレーピー、ヒトの CJD 等の原因となるタンパクである、神経系プリオンが欠如している。キリンビールの黒岩義巳氏らは、gene targeting と呼ばれる方法を用いて、特異遺伝子を”ノックアウト”したウシを創った...
[5]、[6]プリオンタンパクの生成を停止させることで、病状の回復が見られたとのマウスの実験報告。情報源1:Nature News online, 1月31日 、情報源2;BBC News online, 2月1日。

● 結核、超薬剤耐性XDR 世界各国 20070205.0456
 情報源 Emerging Infectious Diseases、2月5日。
世界の結核研究所に対し、2000-2004年の間に、一次および二次薬剤処方ラインに抵抗性であった、結核菌_M. tuberculosis_ の薬剤感受性結果の提出を求め、その抵抗性のパターンの地理的分布を解析した報告

● コレラ、下痢症、赤痢 (06) 20070205.0457
[1] コンゴ共和国
 -コレラ(Kouilou,Pool)
 情報源 International Herald Tribune、2月4日。
2006年11月以降、多くは南部の商業の中心であるポワントノワールPointe Noire市で、53人以上がコレラのため死亡したことが、4日公式に発表された。
* コンゴ共和国南西部クイルKouilou地方Pointe-Noire市 ブラザビルは南西部プールPool地方
 -コレラ(Kouilou,Pool)
 情報源:Reuters、2月4日。
コレラ感染流行は、首都ブラザビルにまで及び、死者4人が発生したことで、2007年の死者は82人となった。発生開始は2007年1月で、内陸の首都ブラザビルから515km離れた、沿岸の石油積み出しの都市 Pointe Noireであった。
[3] ソマリア(Hiraan)、コレラ
 情報源 AllAfrica.com and IRIN、2月5日。
ソマリア中央部Hiraan地方のBeletweyne, Buulo Burte および Jalalaqsiの町で発生したコレラ感染流行により、過去10日間に82人以上が死亡した。
* Hiraanはソマリア南部、西にエチオピアとの国境がある
[4] ウガンダ(Ntungamo)、コレラ
 情報源 SomaliNet、2月3日。
2007年1月から、ウガンダ西部 Ntungamo [*県?]でコレラの感染流行により、19人以上が死亡し、ほかに188人が入院した。10人は医療施設内で死亡したが、9人は自宅で死亡したものと考えられる。
* Ntungamoはウガンダ南西部で、南にルワンダとの国境がある
[5] アンゴラ (ベンゲラBenguela州)、コレラ
 情報源 Angola Press、2月2日。
2007年1月までに、792人のコレラ患者が発生し、22人が死亡したことが、南部 Benguela 州の 9地区にある保健当局に報告された。
* ベンゲラ州はアンゴラ西部中央に位置し、西は大西洋に面している 
[6] ジンバブエ (ハラレHarare)、コレラ
 情報源 News24 、2月2日。
ジンバブエの首都ハラレの、貧困な東部の町MabvukuとTafaraの住民19人がコレラに感染し、1年ぶりの感染流行となった。第1例は、2007年1月26に診断され、その後増加している。
* ジンバブエの首都ハラレは北東部にある 
[7] インド(デリーDelhi):、コレラ 
 情報源:ExpressIndia 、2月5日。
5日、コレラ患者1名の発生が明らかとなった。
[8] コレラ-世界各国-WHO WER notifications

● H5N1型鳥インフルエンザウィルス オランダ、ノルウェー、英国、ロシア 20070205.0458
[1] オランダ、警戒態勢:Expatica.com、2月5日。
農業省は、国内の家禽業者らに全ての家畜を週末にかけて、屋内に入れておくよう求めた。この対策は、イングランドのサフォーク州の七面鳥農場で鳥インフルエンザウィルス感染流行が発生したことに対応したものである。[以前のオランダ政府による、家禽の屋内飼育要求は、2006年9月に終了している。電子版の新聞によれば、商業用とペットのいずれのトリも、屋内で飼育するよう2007年2月3日から義務づけられている]
[2] ノルウェー、警戒態勢:NRK/Press release via Norwaypost 、2月5日。
ノルウェー食品安全局は、イングランド南東部の家禽でH5N1型鳥インフルエンザが確認されたことを受け、ノルウェーの複数地域がハイリスク地域であると宣言した。住民らには、死亡し鳥の食品安全局への報告が求められている。
[3] 英国(イングランド)、対策、ウイルス由来の調査:Independent, UK、2月5日。
2007年2月4日、オランダ・ユトレヒト Utrecht のヨーロッパ・インフルエンザ監視計画の議長は、サフォーク州の七面鳥農場において、H5N1型ウイルス感染流行が発生したことを受け、ヨーロッパの全ての家禽に鳥インフルエンザワクチン接種を考慮すべきであると述べた。以下、英国は、症状がマスクされる一方で、感染拡大は防げないことを危惧していること、オランダでは90%が接種されていること、鶏肉の売れ行き不振なことなど(中略)。ロンドンのSt. Mary大学のウイルス学者は、最初の流行は野鳥とニワトリが接触できる、小さな放し飼いの養鶏場で始まったと見ている。ウイルスを伝播した野鳥は恐らく通気口から侵入したとし、また別の専門家は鶏舎の外にあるコンクリートの縁 apronに落ちたフンが、作業者の靴について持ち込まれた可能性を指摘している...
[4] ロシア、Krasnodar:ITAR-TASS [edited]、2月5日。
全ロシア動物保護研究所が、Krasnodarの小農場で45羽の飼育されていたトリが死亡したのは、鳥インフルエンザによるものであることを確認した。「Upornaya, Lenin およびBorodinskoye村で採取された組織検体から、H5N1型鳥インフルエンザウィルスによる死亡であることが確認された」とした。先週、新たな死亡はなかった。.. 2007年初めてのKrasnodar地区での鳥インフルエンザ症例だが、2006年には、1つの養鶏場で30万羽以上が鳥インフルエンザで死亡している。
[この報告は、20070129.0384.の情報の繰り返し、または続きであると思われる。OIE に提出された、ロシアの鳥インフルエンザに関する最終報告は、2006年8月3日である]

● ハンタウイルス 米国 20070205.0459
 情報源 HelenaIR.com Independent Record /AP、1月25日。
Gllatin市衛生当局は、Gallatin郡の43才の女性1名が、ハンタウイルス肺症候群により死亡したことを、2007年1月24日に公表した。ハンタウイルスは、感染したシロアシマウスのフン、唾液、尿が乾燥した飛沫核の吸入によって、ヒトに感染する。症状は、発熱、嘔吐、筋肉および体部痛と全身倦怠感である。患者の肺には液体が貯留し、呼吸困難をおこす。この病気は、初めて確認された、韓国のHantaan Riverに因んで命名された。モンタナ州全域で年中ハンタウイルスに暴露する可能性があるが、感染は比較的まれで、毎年1-2例の患者が確認される程度である。」1983年に初めてこの病気が確認されて以来、モンタナ州全体で27人がハンタウイルス感染と診断され、うち7人が死亡している。この女性の感染はGallatin郡における2例目の患者であるが、死亡したのは初めてであった。死亡しなかった1例目の患者の報告は2001年であった。
地図 モンタナ州 Gallatin郡