2007年5月1日

閉塞性細気管支炎 米国、ダイアセチル diacetyl
エルシニア症 ロシア

●  閉塞性細気管支炎 米国
PRO/EDR> Bronchiolitis obliterans, diacetyl, food workers - USA
Archive Number: 20070501.1408
 情報源:Reuters、2007年4月26日
食品添加物 food flavoring 工場で働く従業員らに、まれであるが生命の危機のある肺疾患である閉塞性細気管支炎の危険があると、2007年4月26日、米国CDC当局が述べた。しかし、職業安全衛生管理局Occupational Safety and Health Administration (OSHA) は、この問題に注意を払っていないと専門家は指摘している。咳や息切れなどの曖昧な症状で発症し、しかし着実に悪化する治療困難なこの疾患は、職場環境での有害ガスへの曝露が原因であるとされ、人工的なバター風味を付けるためのダイアセチル diacetyl を含んだ化学物質に曝露した、電子レンジ用ポップコーン工場の従業員においての報告があったと伝えられている。...以下、29才男性と40才女性のカリフォルニアCalifornia州の労働者の経過、OSHAの発表したポップコーン工場従業員に対する対応策、CDCは、ダイアセチルを始めとする化学物質の安全基準が明確でないとしていることなど。
[ModTG- Diacetylにはいくつもの同義語がある; Biacetyl; 2,3-Butanedione; 2,3-Butadione; 2,3-Diketobutane; Dimethyldiketone; Dimethylglyoxal; Glyoxal.以下、曝露による症状、IDLH (immediately dangerous to life and health concentration 直ちに生命や健康に危険を及ぼす濃度)が設定されていない、ダイアセチルと閉塞性細気管支炎との因果関係は確立されていないことなど。ダイアセチルは、タンパク質中のアルギニンと反応し、SOD(スーパーオキシドジスムターゼ)やグルタチオン還元酵素のような、酸化ダメージから細胞を保護する際に重要な酵素を阻害する。butter flavoringには、数多くの未解明の問題があることなど。閉塞性細気管支炎の説明(いくつも中毒や喫煙、コカインの使用などの条件との相関])

● エルシニア症 ロシア
PRO/AH/EDR> Yersiniosis - Russia (Yugra)
Archive Number: 20070501.1412
 情報源:Regnum News Agency [trans.]、4月24日
Megion の住人11人が、偽結核[エルシニア症 Yersiniosis]として知られる急性感染症で入院した。感染の保有宿主は、動物、鳥類、齧歯類である。ヒトは、汚染された食品の摂取により感染する。ニジネバルトフスクNizhnevartovsk および Megionの 当局者は、患者らは冷蔵庫のない簡易宿泊所に寝泊まりし手itaと、2007年4月24日に説明した。食品を床の上で保管し、齧歯類が食材を汚染しやすい状況であった。市内の教育施設に食品を配送する業者の点検が行われている。野菜やフルーツをお湯でよく洗うよう、専門家らが忠告している。
[Mod.LL- 仮性結核菌 Yersinia pseudotuberculosis 感染は、多くの動物を宿主とする人獣共通感染症で、齧歯類、ウサギ、シカ、多くのトリなどが保有する。最も感染が多いのは、小児と若年者である。主な症状は、腸管リンパ節炎に発熱と右下腹部痛を伴い、急性虫垂炎と間違われやすい。発熱性の胃腸炎を起こすこともあり、日本では泉熱 Izumi syndrome と呼ばれている。長期の後遺症として、反応性関節炎や結節性紅斑の可能性がある。以前よりいくつもの関連性が指摘されていたが、_Y. pseudotuberculosis_ と食品の関連性に関する、最も強力な研究は、2004年にフィンランドから出されたものである。この論文について、編集者がつけたコメントは、生鮮食品に関係する感染症の危険性についてのよくまとめられた議論である。この細菌の感染の診断は、リンパ節または糞便中の病原体の分離により可能である。血清学的診断も有用であるが、エルシニアと、一部のサルモネラ菌などの他の腸管病原体との交叉反応が見られる。参考文献2件。]
地図 Yugra (Khanty-Mansiyskiy自治区)は、ウラルUral山脈からオビ川Ob River沿いに、東西約1400kmの西シベリア平原にある 

● デング熱 /デング出血熱 パラグアイ、ブラジル、フィジー、インドネシア
PRO/EDR> Dengue/DHF Update 2007 (18)
Archive Number: 20070501.1409
[1] パラグアイ
 情報源:UN Office for the Coordination of Humanitarian Affairs (OCHA), ReliefWeb, International Federation of Red Cross and Red Crescent Societies (IFRC) report、4月26日
2007年4月14日、公衆衛生社会福祉省は、2007年初めからの古典的デング熱の確定患者が合計25955人を記録したと発表した。52例のデング出血熱が検査室で確認され、ほか43人が疑われている。[公式の死亡患者数は13人であるが]6人がデング出血熱/ショックで死亡し、5人は古典的デング内臓型で、2人の血清型[恐らく病型のこと]ははっきりしない。正確な患者数は不明である。...
[2] ブラジル
 投稿者: Luciano Goldani
Porto Alegreから約600kmのリオグランデドスルRio Grande do Sul (Girua市およびErechim市)北西部で、およそ200人の疑い患者および11人の確定患者が報告されている。この地域はデングのない州である。付近の市でもデング熱の疑われる患者が報告されている。これらの地域は、デング熱の土着感染が著しい農村地域マトグロッソドスルMato Grosso do Sulからの労働者の流入に直面している。例年摂氏20度以下となるリオグランデドスルRio Grande do Sul州の秋の気温が、2007年は30度以上となっている。デングがブラジル全体に拡大する可能性がある。
地図 ブラジル 
[3] フィジー
 情報源:Radio New Zealand International、4月26日
デング熱感染患者は現在40人となり、増加が続いている。太平洋共同体事務局the Secretariat of the Pacific Community, or SPC の疫学医師がデング対策について解説している。...医師は昆虫忌避剤、蚊帳の中での睡眠、発症すれば直ちに医師の診察を受けることなど。
[Mod.TY- ネッタイシマカ_Aedes aegypti_は昼間にさす蚊族day-biting mosquitoなので、昼寝をする場合を除いては、蚊帳よりも忌避剤の方が効果が大きい] 
[4] 香港 インドネシアからの輸入例
 情報源:Health and Community News.gov.Hong Kong、4月27日
健康保護局は、North Pointの59才女性に起きた、デング熱の輸入患者1名を確認した。この女性は、2007年3月29日から4月15日までインドネシアを旅行し、2007年4月11日に発熱、頭痛、発疹を発症した。4月15日に入院し、23日に退院した。旅行の同行者には症状が認められなかった。2007年において、6例目のデング輸入患者で、2006年には31例が発生しているが、全て輸入例であった。

● ムンプス カナダ
PRO/EDR> Mumps - Canada (NS) (06)
Archive Number: 20070501.1411
 情報源:Public Health Agency of Canada, National Summary、4月26日
ムンプス Mumps の活動性増加は、カナダの3つの州(Nova Scotia, New Brunswick, and Prince Edward Island)から報告されている。....ムンプスの一般的説明、現状(2007年4月26日現在、3つの州で確定患者数183人;患者の90%(ノバスコチア州)および25%(New Brunswik州)が大学に関連;遺伝型Gのムンプスウイルスは、2006年のノバスコチア州や米国の複数の州、2004年と2006年の英国での感染流行株と同じである。...患者背景の分析、対策など。

● 原因不明の死亡 バングラディシュ、インド
PRO/EDR> Undiagnosed deaths - Bangladesh, India (03)
Archive Number: 20070501.1413
 情報源:The Statesman, Calcutta, Statesman News Service, [edited]、5月1日
5人が死亡したNadiaに、熱帯学大学の疫学チーム3人が2007年4月30日に入った。Krishnagarの患者2人(Chowdhuriparaの36才とDakshinの48才が、2007年4月27日と28日に死亡した) の自宅を訪れ、濃厚な接触のあった10人の血液採取を行い、Chapra で家族3人が死亡した家にも採血に向かった。48才の患者の義子も発病した。当局によれば、患者らは、高熱、頭痛、けいれんなどのウイルス性脳炎症状を示した。疫学者らは現地調査の結果、2人の死亡の原因はウイルス性脳炎だと結論した。脳炎もデングも蚊族により媒介される疾患であるため、蚊族対策が実施されていると、述べられている。
[ModCP- 専門家らの派遣によっても原因不明の疾患の本質は明らかにされていないが、現在のトータルの意見の流れとしては、デング熱の感染流行に向いている]

● マラリア ジャマイカ
PRO/EDR> Malaria - Jamaica (Kingston) (07)
Archive Number: 20070501.1414
 情報源:Jamaica Observer、5月1日
新たなマラリア患者報告
2007年4月始めから、新たに合計11人のマラリア患者が報告されていると、2007年4月30日に保健省が報告した。4月1-7日に6人、8-14日に3人、15-21日に2人が報告され、年齢は10-59才であった。4月22-27日の新たな2名の患者について、同省は初めて患者が発見されたDenham Town and Greenwich Town (それぞれ4月4日と9日に開始)で発生し、熱帯熱マラリアであったことを明らかにした。

●  口蹄疫 サウジアラビア
PRO/AH/EDR> Foot & mouth disease - Saudi Arabia: RFI
Archive Number: 20070501.1415
 情報源:Al Hayat Newspaper via WATA ? World Association of Arab Translators and Linguists [abridged and edited]、5月1日
2007年4月29日、サウジの農業水資源省Ministry of Agriculture and Waterは、国内の口蹄疫発生件数が46件となり、感染頭数は2417頭に上ることを明らかにした。ウシ1767頭、ヒツジとヤギ650匹である。死亡した動物は229頭である。...
[Mod.AS- 世界口蹄疫研究所 World Reference Laboratory for FMD (WRLFMD) のウェブサイトのサウジアラビアの項によれば、同国内では、SAT1 (1970), O (2005), A (2005), Asia 1 (1994?), C (1984), SAT2 (2000)が感染循環している。ProMED投稿20070126.0345では、2006年サウジアラビアでAイラン05株が感染循環しているとのダマスカス会議の議事録を掲載した。少なくともサウジアラビアにおいて、O型およびA型の感染循環が予想されるが、2006-7年の公的な報告が出されていない]

●  鳥インフルエンザ ガーナ
PRO/AH/EDR> Avian influenza (75): Ghana, suspected, RFI
Archive Number: 20070501.1416
 情報源:Myjoyonline.com, Accra, Ghana [edited]、5月1日
ガーナ政府、鳥インフルエンザ症例の調査
Joy Newsに入った情報によると、食糧農業省の獣医学局は、ガーナの鳥インフルエンザ感染症例に関する調査を実施している。この症例は港湾都市であるTemaで発見された。[アクラAccraの東にある http://www.lib.utexas.edu/maps/africa/ghana_pol_1995.pdf] 初期検査では鳥インフルエンザの可能性が示唆されているが、厳密な結論にはさらに検査を要する。血液検体が、解析のためイタリアのWHOの研究所に送付された。ナイジェリア、ブルキナファソ、コートジボワール、ニジェールなどの感染発生国からの、羽毛を含めた、家禽などのガーナへの輸入は禁止されている。市民への鳥インフルエンザに関する啓蒙活動が行われている。数年前にも国内で鳥インフルエンザが確認されたとの誤報により家禽産業が瀕死の状態となった。
[Mod.AS- 確定されればアフリカで9カ国目、世界では2003年以降40カ国で鳥インフルエンザの発生が報告されている;(発生件数の多い順に)Vietnam, Thailand, Egypt, Indonesia, Turkey, Romania, Russia, 中国, Myanmar, Nigeria, Ukraine, Pakistan, 韓国 Afghanistan, Cambodia, Sudan, Kuwait, Malaysia, Bangladesh, 日本, Laos, Israel, Hungary, Palestinian Aut. Territories, India, Burkina Faso, Cote d'Ivoire, Iraq, Albania, Niger, Azerbaijan, (以下1件のみの国)Saudi Arabia, United Kingdom, Cameroon, Denmark, Djibouti, France, Germany, Jordan, KazakhstanBurkina Faso, Cote d'Ivoire, Iraq, Albania, Niger, Azerbaijan, Saudi ]

●  ウイルス性出血性敗血症、魚類 米国
PRO/AH/EDR> Viral hemorrhagic septicemia, fish - USA (Lake Erie)
Archive Number: 20070501.1418
 情報源:Cleveland Plain Dealer - Cleveland, OH, USA [edited]、5月1日
Ebola-like virus to hit Lake Erie fish again
エボラのようなウイルスが、再びエリー湖の魚を襲っている.

●  馬ヘルペスウイルス 米国
PRO/AH/EDR> Equine herpesvirus - USA (multistate) (10): IL
Archive Number: 20070501.1419
 情報源:NWI.com、5月1日
馬ヘルペスウイルス感染流行のため、Balmoral厩舎を隔離

●  結核、ウシ 米国
PRO/AH/EDR> Tuberculosis, bovine - USA (OK)
Archive Number: 20070501.1420
 情報源:Official Release From State Veterinarian [edited]Oklahoma Department of Agriculture, Food and ForestryAnimal Industry Services、5月1日