2007年5月3日

炭疽、ヒト、野生動物-キルギスタン
痘瘡ワクチン、外陰病変-米国

● 原因不明の大量死、ミツバチ-米国(複数の州)
PRO/PL> Undiagnosed die-off, apis - USA : (Multistate) (02) 20070503.1436 
全米のミツバチが激減した原因として、ヨーロッパやアジアで広く見られる_Nosema ceranae_という原虫が疑われている。
情報源:Los Angeles Times、2007年4月26日。
全米でミツバチが激減したColony Collapse Disorderと呼ばれる謎の現象の主犯格は、ヨーロッパやアジアのミツバチの集団に広く蔓延して被害をもたらせている真菌の1種である可能性がある と、2007年4月25日にUC San Francisco の研究者らが述べた。しかし、きわめて予備的な結果であり、Merced郡のLe Grandの少数の巣だけに関するものであるため、原因が解明されたとの予断を与えるものではないとしている。他の研究者らも、_Nosema ceranae_という原虫を確認している[真菌ではない]。...
[Mod.DHA 注-_Nosema_に関する解説など]

● 仮性狂犬病、ブタ-米国 (ウィスコンシン Wisconsin 州) (04)
PRO/AH/EDR> Pseudorabies, swine - USA (WI)(04) 20070503.1437 
ウィスコンシン州獣医学担当医師は、第2期の仮性狂犬病隔離をうけたブタの検査の結果は陰性であったことを、2007年5月2日に明らかにした。
情報源:The Brownfield Network、5月2日。
ウィスコンシン州獣医学担当医師は、第2期の仮性狂犬病隔離をうけたブタの検査の結果は陰性であったことを、2007年5月2日に明らかにした。
[Mod.TG 注-要求されている30-60日後の検査が終了するまで、Stage-5の仮性狂犬病清浄状態と捉えるのは、楽観に過ぎるかも知れない。]

● 鳥インフルエンザ (77)-バングラディシュ
PRO/AH/EDR> Avian influenza (77): Bangladesh 20070503.1438
家禽7万羽以上の処分が行われている。
情報源:AFP via Yahoo.com [edited]、5月2日。
バングラディシュ国内に鳥インフルエンザが拡大し、1平方キロの地域で約8500羽のニワトリが処分されたと、2007年5月2日に当局者が述べた。同ウイルスが初めて確認されたのは、国営農場と付近の3農場であった。これまでの処分総数は、7万羽以上に上る。...
[Mod.AS-2007年2月5日にバングラディシュで現在の感染流行が開始して以来、当局からOIEに対し、家禽での12件の感染流行が報告されている。北部への拡大とは、既に報告済みの流行であるのか、新たな感染発生であるかが判然としない]

● 麻疹-米国 (フロリダ Florida 州)
PRO/EDR> Measles - USA (FL) 20070503.1439 
フロリダ州Alachua郡では、20年ぶりとなる麻疹感染が発生し、ワクチン接種を受けなかった大学生を含む3人が感染した。
情報源:AM850 online Health News [edited]、5月2日。
フロリダ大学の学生1名を含む、Alachua郡の3人が感染力の強いウイルスに感染した。同地域では、20年ぶりの麻疹感染流行となった。発病した学生は、宗教上の理由から麻疹ワクチンの接種を受けていなかった。保健当局者は、感染拡大に懸念を示している。念のため、この学生とともに、未接種の学生らにも登校しないよう確認している。この学生は、学内の Hare Krishna(クリシュナ)共同体との接触もあり、この共同体はthe plaza of the Americasにおいて、昼食を提供していた。このためクリシュナに対して、30日間の昼食提供の停止を求めた。管理者は、なぜ昼食だけが疑われたのかと述べた。

● 炭疽、ヒト、野生動物-キルギスタン(北部)
PRO/AH/EDR> Anthrax, human, wildlife - Kyrgyzstan (North) 20070503.1440 
キルギスタンの皮膚炭疽患者は、死亡したレイヨウsaigaとの接触で感染した。
投稿者:Asankadyr Junushov、5月3日。
キルギスタンの炭疽患者に関するRepublican Center for Quarantine & Especially Hazardous Diseasesからの情報
患者は40才男性で、the "1st May" village in the Sokuluk rayon, Chui oblast (North Kyrgyzstan)在住である。2007年4月12日、カザフスタンPhurmanovka地方Chu川へ釣りにでた。帰宅途中、saiga(レイヨウ恐らく死体)を見つけ、これを捌いた。肉は傷んでいたらしく、彼はこれに油をかけて焼いた。4月26日、皮膚炭疽と診断された。不確定の長い潜伏期間に疑問を持つかも知れないが、病歴は確かである。キルギスタンのこの地域の家畜は、平時より炭疽に感染している。
地図 Sokuluk 

● 鳥インフルエンザ (78)-ガーナ (アクラ Accra): 確定、OIE
PRO/AH/EDR> Avian influenza (78): Ghana (Accra), conf., OIE 20070503.1441 
情報源:OIE Disease Information, WAHID Disease Alerts [edited]、5月3日。
[*オリジナルのURLで、表地図などが見やすい]
感染開始時期 2007年4月14日、初報告
原因ウイルス H5N1型高病原性鳥インフルエンザウイルス
発生地 Greater Accra (Kakasunanka, Tema Municipal)
感染種 トリ 2391羽中447羽、死亡447羽(破棄処分1944羽)
感染源不明
イタリアのOIE委託研究所に検体が送付され、結果が待たれている
[Mod.PC-致死率が100%となっていることに注目。ナイジェリアの国立獣医学研究所医師によると、同ウイルスでこのような状況が発生することは珍しいことではない。一両日のうちに数百羽のトリが死亡することを観察してきており、西アフリカの鳥インフルエンザウイルスが、トリの死亡に関わっていることは、明らかである。ガーナでは初めての発生であり、同ウイルスがどのように侵入したか、綿密な調査が必要である。西アフリカにH5N1型ウイルスが発生して1年以上が経過し、これを制圧しようとするならば、ウイルスの感染拡大様式の解明が重要となっている。]

● 口蹄疫-キルギスタン (Batken)
PRO/AH/EDR> Foot & mouth disease - Kyrgyzstan (Batken) 20070503.1442 
Batken oblast (region)での家畜での口蹄疫感染流行発生を受け、2007年5月2日に禁足令が宣言された。
情報源:News Agency AkiPress [trans. by Mod.NP, edited]、5月2日。
Batken oblast (region)での家畜での口蹄疫感染流行発生を受け、2007年5月2日に禁足令が宣言された。同日時点で、家畜78件の感染が報告されている。
地図 Batken 

● 痘瘡ワクチン、外陰病変-米国 (アラスカ Alaska 州)
PRO/EDR> Smallpox vaccine, vulvar lesions - USA (AK) 20070503.1443 
痘瘡ワクチンを接種された軍関係者と性的関係にある女性が、外陰部にワクシニア感染を発症した
情報源:MMWR Weekly, 56(17);417-419、5月3日。
2006年10月、アラスカ州において、新しい男性パートナーを持った生来健康な女性が、10日前より増強する外陰潰瘍病変を主訴に受診した。当初の州でのウイルス検索では診断がつかなかったが、2007年1月にCDCに検体を送付し、ワクチン株のワクシニアウイルスであることが判明した。彼女の新しいパートナーが、米軍で働き、彼女との関係が始まる3日前に痘瘡ワクチンを接種していたことが明らかになった。...臨床像、検査所見、疫学調査、編集部注(長文)
[Mod.CP-以下の3つの重要なメッセージが含まれている 1)医療関係者は、痘瘡ワクチンを受けた人物との接触のある、対応する外陰病変を持つ患者について、ワクシニア感染の可能性があることを銘記する 2)ワクチン接種を受けて間もない従事者servicemenには、痘瘡ワクチン接種後、適切な衛生手順を遵守させる 3)原因不明の疾患の病原体診断には、新たな、強力な技術が利用可能となっている;例えば、DNAが混在する検体の、遺伝子配列に左右されない、単一プライマー増幅反応 the sequence-independent, single-primer amplification (SISPA) of complex DNA populations (described by Reyes and Kim in Mol Cell Probes 1991;5:473--81.)である。]

● ペスト、リス-米国 (コロラド Colorado 州) (02)
PRO/AH/EDR> Plague, squirrel - USA (CO)(02) 20070503.1444 
情報源: 9 news.com、5月2日。
2007年5月2日、郡衛生環境当局は、Littleton地区で死亡して発見されたリスの検査の結果、腺ペストが陽性となったとの通知を受けた。このリスは、Wadsworth Boulevard と Chatfield Avenueに囲まれた、グリーンベルトで見つかった。先週、デンバーDenverのCity Perk付近のリスにおいて、ペストが確認されている。...
地図 Litteletonはデンバーのやや南