2007年5月5日

デング熱  マレーシア、タイ、フィリピン、フィジー

● ムンプス カナダ 20070505.1455
[1] オンタリオ Ontario 州
 情報源:Canadian Broadcasting Corporation News, Fri 4 May 2007
オンタリオ州で複数のムンプス感染が発生した。Nova Scotia州で大学生を中心として始まったムンプス感染が、講義の終了に伴う学生の帰宅による分散のため、他の州に拡大している。2007年5月4日、ムンプスワクチンの再接種を呼びかけるキャンペーンを、当局が考慮していることをニュースが伝えた。Nova Scotia州では、2007年2月以来、先週新たに発生した50例を含め、203人のムンプス患者が確認されている。New Brunswick と Prince Edward Island においても、20代の青年を中心とするムンプス患者が報告されている。オンタリオ州では、これまでに6例が発生した。咳、くしゃみ、飲み物の共用、キスなどで感染する、感染力の強いムンプスは、Halifaxのダウンタウンのバーや、Dalhousie大学のキャンパスで、多くの患者が感染したと、保健当局者は説明した。2週間前(2007年4月20日)に試験が終了し、学生らの多くは、キャンパスを後にし、ムンプスの病勢は衰えたように見えるとDalhousieの広報担当が述べた。同州として、大学の学齢期にある学生と医療従事者への新たなワクチン接種計画の検討に入っている。
[2] ムンプス感染流行、Maritimes(Nova Scotia州、New Brunswick、Prince Edward Island)よりオンタリオ州に拡大
 情報源:Toronto Star, Sat 5 May 2007 [edited]、5月5日
Maritimesからオンタリオ州に入ったムンプス感染流行により、確定患者3人と5人の疑い患者が発生したと、2007年5月4日に当局者が述べた。Nova Scotia州では、追加catch-upのワクチン接種を、大学生と医療従事者に行うことを検討中である。今週、Nova Scotia州で、患者が157人から203人への飛躍的に増加した。その他、New Brunswick州では 34人の患者が発生し、 Prince Edward Islandでの確定患者は1人のままである。Maritimes以外への波及は、学期の終了によりHalifaxの学生がそれぞれの自宅へと分散するためである。...

● デング熱 マレーシア、タイ、フィリピン、フィジー 20070505.1462
[1] マレーシア:Daily Express - Kota Kinabalu,Sabah,Malaysia、5月4日
Tuaran地区のデング熱感染状況は、衛生当局の積極的対応により鎮静化しつつあると、述べられた。迅速な対応がとれるよう、引き続き状況の監視が行われている。2007年4月、この地区の60才代の女性がデング熱により死亡した。衛生当局は、このほかに6名のデング患者を、2007年のこれまでに確認している。同地区の15の村にンネッタイシマカの繁殖地があり、デング熱感染伝播の原因となっていることを確認しており、住民らにこの地域の一掃を求めた。Trayong, Bakut, Selaud, Labuaya, Giling Laut, Rambai, Bawang, Bontoi, Tamparuli town, Kalipasuan, Soromboton, Guakon, Malinsou, Roun and Taman Nabaluの各村である。
地図 マレーシア サバSabaf州の衛生からの写真 
[2] タイ:People's Daily Online - Beijing,China、5月4日
保健省は、今年に入ってデング熱による4人の死者と、全国の患者6000人が発生していることを受け、感染拡大防止のために最大限の警戒態勢をとっていると、2007年5月3日に報じられた。感染の中心は、バンコクBangkokから400km南東のTrat県で、カンボジアとの国境に位置し、マレーシアとの国境のうち、最も南の県である。...例年より雨期の開始が早く、降雨量が多いことや、南部での暴動が、感染発生の要因であり、制圧を困難にしている。例年、雨期である5-8月にデング患者数は最高となるが、2007年第1期の4ヶ月間に、デング患者数は6070人となった。全国では人口10万対10人で、最も高い地域はTratの46人で、以下、Pattani42人、Yala33人となっている。
地図 タイ 
[3] フィリピン:People's Daily Online - Beijing,China、5月4日
デング熱感染流行により、フィリピンにおいて2007年のこれまでに54人が死亡し、一部の県だけでなく、首都マニラManila近郊の複数の地域も脅威にさらされていると、2007年5月3日に保健省当局が発表した。同省の最新のデング調査報告によると、患者の集団発生があり、一家族で1人以上のデング熱患者報告があったbarangay(近郊地域)は、首都マニラManilaのMalabon, Navotas 、 Quezon市 、北部Ilocos NorteのBangui、および南部ダバオDavao市の Cabantian と Sasaである。全国で2007年1月4月21日までにデング熱で入院した患者数は、4858人であるとも発表されている。死者報告数は54人である。患者数5696人、死者78人であった昨年同時期に比べ、14.7%の減少となっている。...対策など。
地図 フィリピン 
[4] フィジー
 投稿者: ニューカレドニア・パスツール研究所 Laurent Guillaumot、5月3日。[Dengue/DHF update, archive no. 20070501.1409.に応えて]
フィジーは、デング熱に関して特殊な問題に対峙しなければならない。
すなわちフィジーには3種類ベクター蚊族が存在する:ネッタイシマカ_Aedes aegypti_ に加え, ヒトスジシマカ_Ae. albopictus_ (1980年代終盤に導入), および _Ae. polynesiensis_である。このうち、後者の2種の蚊族(感染効率は低いと考えられているが)は、人工的な容器ばかりでなく、例えば Ae. polynesiensisは、陸ガニが作った穴のような自然の水たまりでも繁殖する。
さらに、フィジーには、2種類の固有ベクター蚊族も存在する: _Ae. pseudoscutellaris_および _Ae. rotumae_である。
しかしたとえ蚊族が昼間に刺咬するとしても(できれば殺虫剤処理をした)蚊帳の有用性についての医師の発言を支持する。次の3つの群のヒトは、昼間にベッドで過ごすため、蚊帳による防護を必要とする;すなわち、1)乳幼児、特に多くの親は副作用を恐れ昆虫忌避剤の使用をためらうため 2)昼寝をする全てのヒト、多くの太平洋の住民はきわめて朝の早い時間から仕事を始めるため昼寝をする 3)そしてさらに重要な、既に他の疾患に罹患しデングの破壊的効果から防護されるべき患者や、デング熱に罹患しており伝播循環を断ち切るために蚊族の刺咬から防護する必要がある患者である。
地図 フィジー

● 旋回病、魚類 米国 20070505.1454
 情報源:The Baltimore Sun [edited]、5月4日
身体が曲がる病気 Curb Diseases のため、メリーランド州当局は、新たに2万匹のマスを処分

● ペスト、リス、ウサギ 米国 20070505.1455
 情報源:CBS4 Denver [edited]、5月4日
ペストによりJefferson郡のリス死亡;専門家「ヒトへの脅威は小さい」
衛生当局は、コネチカット州デンバーDenverの都市部で、2007年4月から5月にかけて14匹のリスがペストで死亡したと報告した。最新の症例は、ChatfieldとWadsworth近郊のJefferson郡で発生した。デンバーのCity Parkでリス3匹とウサギ1匹がペストで死亡しているのが発見されて以来、監視が強化されている。専門家らは、ヒトにとって深刻な問題はないとしているが、ノミによって感染する可能性がある。...

● アフリカ豚熱(豚コレラ)ケニア 20070505.1456
 情報源:OIE Disease Information, WAHID (World Animal Health Information Database), weekly disease information, 2007; 20(19) [edited]、5月5日
感染開始時期 2006年10月13日
前回流行開始 2001年8月
原因病原体 --
5件の感染流行の詳細
疫学 
感染源:違法な動物の移動、汚水を与えたことSwill feeding
コメント:感染したブタは、それぞれの豚小屋で飼育されていたが、エサを求めて市中を徘徊していた
[Mod.PC- リフトバレー熱の感染流行をおそらくは制圧したケニアの動物衛生当局は、このアフリカ豚熱の感染流行のコントロールには、困難を極める指標がいくつか見受けられる。その1つめは、5件の流行はいずれも現在進行形であること。2つめは、地図を見れば広大な範囲に5件の流行が拡散していること。最後に、スペインのOIE委託研究所は、2007年2月の報告を確定したが、2007年3月までKabete研究所の結果は明らかとならず、2007年5月までOIEに報告されなかった。適時の対応がなされていないことは明らかで、感染流行の経過が見えない。]