2007年8月15日

マラリア キルギスタン

● マラリア キルギスタン
PRO/EDR> Malaria - Kyrgyzstan (04): Bishkek
Archive Number: 20070815.2669
 情報源 IA 24.kg [trans]、8月10日
Bishkek の政府衛生疫学センターによると、2007年8月8日現在、キルギスタンの首都ビシケクにおいて、在住者 23人および旅行者23人の、計 52例のマラリア Malaria 患者が報告されている。4人が感染症病院に入院中であり、48人はすでに治療が完了している。患者の多くは、Chuysky 地方の貯水池 (Archunsky) に近い、新しい居住区域である、Bosogo, Olmo and Kalys-Ordo の住民である。
2005年以降、この貯水池がマラリア(を媒介する)蚊族の繁殖場所の1つとなっている。2007年8月中旬より、市内及び郊外の全ての池に、Gambuzia(魚)を放流し、ボウフラを食べさせる計画を立てている。
[Mod.NP- 2007年のビシケクのマラリア患者は52人であるが、状況としては落ち着いているものと思われる。2007年7月24日から 8月10日にかけての 17日間に、患者数は 3人増加した。一方、7月11日から 24日にかけての増加は 10人で、5月から 7月までに34人発生した。このように、ビシケクにおけるマラリア患者の発生は、2007年5-6月の期間に発生しており、現在は減少傾向にある、2006年には、ビシケクの 125人を含め、キルギスタンで 330人のマラリア患者が発生し、キルギスタンはマラリアの土着感染地域である。2002年以降、キルギスタンのマラリア患者数は、3000人以上から、現在のレベルまで減少した。2002年まで、10-15年に渡ってマラリア患者数は増加した。これは、アフガニスタンやタジキスタンからの移民の増加によるものと思われる。キルギスタンのマラリアが減少しているのは、国際機関の支援による "Control of malaria over Kyrgyzstan," の活動による。Osh, Batken, Jalalabad 地方と Bishkekは、依然として土着感染を起こしたままである]

● エンテロウイルス感染症 ロシア、ベラルーシ
PRO/EDR> Enterovirus infection - Russia (Buryatia) & Belarus (Gomel)
Archive Number: 20070815.2672
[1] Enterovirus infection - ロシア (Republic of Buryatia)
 情報源 IA Regions.ru [trans. from Russian]、8月13日
ブリヤート Buryatia 共和国の7つの集落 settlements から、エンテロウイルスEnterovirus 感染流行が報告されており、140人の 18歳以下のこどもが発病した。当局者の話によると、調査の結果、Selenga 川などでの遊泳が感染の原因と考えられている。発病した子供らは全て入院し、接触者の追跡調査が行われている。消毒作業が開始され、上水道と池について、定期的な水質調査も行われている。幼稚園やキャンプ場などに、特に注意が払われている。
[2] Enterovirus infection - ベラルーシ (Gomel region)
 情報源 IA Belorusskie novosti, [trans. from Russian]、8月13日
Rogachevski 地方で、3-16歳の小児を中心に、40人がエンテロウイルスに感染した。36人の患者は、髄膜炎と診断された。地方主席公衆衛生医師は、現在も入院中であるのは、30人のみであることを報告した。エンテロウイルス感染流行は、飛沫感染など複数の感染経路を持つことが観察されていて、感染源の確認が困難となっている。...現在の患者数増加は、季節性の有病率の変化と説明されている。...Golel 地方では、1997年に最新の深刻な感染流行が発生している。

● チクングニア熱 インド
PRO/EDR> Chikungunya - Indian Ocean update (22): India (West Bengal)
Archive Number: 20070815.2671
 情報源 DailyIndia.Com 、8月10日
重症の発熱疾患であるチクングニア熱 Chikungunya の患者が数十人、西ベンガル West Bengal 州 North 24 Pargana 地区から報告されている。すでに検査機関に送付されている 36件の検体中、21件の検査の結果、陽性であった。
[Mod.TY- 以前に報告されている、カルカッタ Calcutta と周辺地域での感染流行したチクングニアウイルスの、感染拡大によるものと思われる(20070807.2568)]

● 病原性大腸菌 O157 英国
PRO> E. coli O157 - UK (Scotland): sliced meat susp. (02)
Archive Number: 20070815.2666
 情報源 Gideon 、8月15日
スコットランド Scotland Paisley で最近発生した感染流行から、スコットランドは英国の他の地域に比べ、病原性大腸菌 O157の発生率が、2倍以上となっている事実が注目される。アイルランドや米国の発生率も入れた

● 食中毒 ロシア 
PRO/EDR> Foodborne illness, recreation center - Russia (Novgorod)
Archive Number: 20070815.2665
 情報源 Itar-Tass 、8月15日
Novgorod 地方の Lesnaya Skazka children's recreation center における集団食中毒発生により、合計 119人が入院したと、2007年8月15日に当局者が発表した。患者らの中には、成人も含まれている。”患者らのうち 24人は、中等症であり、18人は軽症 satisfactory で、のこる 77人は問題ないとされているが、健康監視が続けられている。いずれも命に別状はない” と説明された。食中毒の報告は、2007年8月14日に行われた。当時、124人が同センターにいた。専門家らは、細菌が原因の食中毒によるものと考えている。当日、子供らにはヨーグルトと stewed fruit (とろ火で煮た果実) が出され、後者が原因である可能性がある。全ての食品サンプルは、分析のために Veliky Novgorod に送付されており、いずれ感染源が判明するものと思われる。
[Mod.LL- この集団食中毒の原因は不明で、さらに情報が必要である。食事から発症までの潜伏期間、発熱の有無、特異的な消化器症状などが、有用である。もし、記事に示されているように、もし潜伏期間が短い場合、特に12時間以内であり、さらに発熱がないかほとんど見られないなら、(ブドウ球菌などの) 毒素産生性疾患の可能性が高い。化学物質やウイルスに関連する疾患である可能性もある。124人中 119人で、発生率が 96 % というのは、衝撃的である]

● ボツリヌス中毒 米国、ロシアから
PRO/EDR> Botulism, canned fish - USA (NY) ex Russia: recall
Archive Number: 20070815.2668
ロシア製のニシンにボツリヌス菌汚染の恐れ、商品回収。
 情報源 United Press International 、8月14日。
米国 FDA は、ボツリヌス中毒 Botulism の恐れがあるため、商品名 "7 Uzlov" のニシン herring の回収を発表した。ニューヨーク州の Krasniy Oktyabr Inc.社は、パック(金属製の丸い容器)入りニシンの Special Ambassador "7 Uzlov" が、ボツリヌス菌の汚染の可能性があることが明らかになったため、商品回収を開始したことを、FDA が明らかにした。...この商品は、ロシア製である。

● サルモネラ感染症 米国
PRO/AH> Salmonellosis, free unpasteurized milk - USA (PA)(03)
Archive Number: 20070815.2667
 投稿者 イリノイ州、Sue Diederich、8月12日
殺菌処理 Pasteurization が必要となるのは、酒造業者が swill [酒の絞りかす?] を捨てなくても良いように、醸造と平行して酪農を始めた場合である。かかる信じられないほど低品質の穀物を与えられた、狭い場所で飼われているウシは、病気になり、ミルクにも影響する。被いかかる疑いの影にもかかわらず、適切な衛生環境によって、ウシ自身や搾乳時の乳房から、疾患の要因が取り除かれることが証明されている。実際、本物のミルク(すなわち、殺菌処理されていない、成分無調整のミルク)の自然の酵素群は、36時間以内に、疾患の原因となる可能性のあるほとんどの細菌を死滅させる。このことは、USDAやFDAにより十分すぎるほど記述されている。ミルクの低温殺菌処理や成分調整によって、そのためにミルクを飲んでいる栄養価のほとんどが除去されてしまうことを証明する研究は枚挙に暇がない。過去50年以上の間に、ただの一度も、責任ある農家からの生乳が、疾患の責任であったことが科学的に証明されたことはない。何度も責めを受けているが、証明されたことはない。
正当な研究を行い、過去の JAMA などの医学誌を検索し、その上で、公衆の消費のために寄稿してもらいたい。
[Mod.LL-(上記意見に対して) 1.酪農家とアルコール醸造との関連性が明確でない 2.低品質の飼料は、未殺菌乳の汚染源ではなく、通常ウシの消化管内の細菌や乳房の汚染が原因である 3.FDAなどの生乳の安全性と高栄養価の記載については、2004年のFDAによる "Got Milk? Make Sure It's Pasteurized" がある(本文も紹介)。5.以下の投稿にある参考文献は全て JAMA、NEJM 等の記事で、いずれも、未殺菌処理ミルクの摂取を勧めているものはない]

● 鳥インフルエンザ フランス、ベトナム 
PRO/AH/EDR> Avian influenza (141): France, wild birds, Viet Nam
Archive Number: 20070815.2673
[1] フランス (モーゼル Moselle), 野鳥
 情報源 AP via International Herald tribune 、8月14日
フランス東部の池で死亡して発見された 4羽のカモの検査の結果、H5N1 型鳥インフルエンザ Avian influenza が陽性であったことを、2007年8月14日に当局が明らかにした。この4羽は、2007年8月8日にモーゼル地方の Diane Capelle として知られている地区で発見された。2007年6月後半以降、同地方では 5羽のハクチョウが死亡して発見され、同ウイルスが陽性であった。このうち 2羽は、 Diane Capelle 地区で発見されており、残る 3羽は約 15km 離れた場所で発見されている。...2006年2月に東部アン Ain 地方で鳥インフルエンザが流行したが、直ちに制圧され、家禽へのワクチン一斉接種などが行われた。しかし、いくつもの国が、フランス産の家禽やフォアグラ foie gras の輸入を、短期間停止した。
[2] ベトナム Viet Nam, Cao Bang
 情報源 Reuters alertnet 、8月15日
2007年8月15日、ベトナム政府農業省は、2007年8月に入って国内では 2件目となる、中国国境の北部 Cao Bang 省において、家禽の鳥インフルエンザ感染流行を確認したと発表した。2007年8月11日、1農場のニワトリとアヒル 89羽が死亡し、ハノイ Hanoi における検査の結果、H5N1型ウイルスの感染が確認されたと、農業省の報告の中で明らかにされた。感染が発生した農場のある Thach An 地区は、中国の広西荘族自治区との国境から約 70km南に位置する。前回の感染流行が発生したのは、2007年8月2日の Dien Bien 省で、Cao Bang省 や南部の Dong Thap 省と共に、現在も政府の鳥インフルエンザ監視地域のリストに挙げられている。...以下、ベトナムでのヒトでの感染状況の説明。

● 原因不明の死亡、ラクダ サウジアラビア
PRO/AH/EDR> Undiagnosed deaths, camels - Saudi Arabia: RFI (03)
Archive Number: 20070815.2664
 情報源 A reliable source known to ProMED-mail、8月15日
Wadi Al-Dawaser の事例に関する情報は依然として少ないが、2007年8月14日の地元のアラブ系日刊紙は、(約 850頭の) ラクダの死亡増加と、発病するラクダの増加 (約 1400頭)について伝えている。周りの地面に血のようなものが見えるところに、横向きになって死亡する1頭のラクダの写真も掲載されている。
[Mod.AS-この写真はさらに混迷を深める。当局の公式な調査と結果の情報が待ち望まれる。とりわけ、毒物あるいは炭疽を始めとして感染などによる、公衆衛生的なリスクの除外が必要である]

● 口蹄疫、ウシ 英国
PRO/AH/EDR> Foot & mouth disease, bovine - UK (England) (16)
Archive Number: 20070815.2663
[1] 口蹄疫 最新状況: 疫学報告、移動制限の変更、最新の検査結果
 情報源 DEFRA News Release Ref 261/07、8月15日
Surrey 州の Protection and Surveillance Zones の区域外に、口蹄疫感染流行が拡大した可能性は極めて低い。....
[2] FMD 2007. Summary Epidemiology Report
 情報源 DEFRA web-site: Interim Epidemiology Report, Day 10 、8月15日
[Mod.AS- 上記報告によれば、新たな一時制限区域を設定した、口蹄疫感染の疑われた Kent (ウシ) と Surrey (ヒツジ) の感染流行の検査の結果は、陰性であったようである。最終的な確定が望まれる]

● トウモロコシの病気、Cyst nematode 米国
PRO/PL> Cyst nematode, maize - USA (TE): new species
Archive Number: 20070815.2662
 情報源 North American Plant Protection Organisation, Phytosanitary Alert 、8月8日
センチュウ学者 nematologist sは、2006年、テネシー Tennessee 州北西部の平地 field の土壌から、新種のシストセンチュウ Cyst nematode を発見した。2007年7月に、報告内容が確認された。土壌のサンプルは、幼若化し、レモン様のシストを形成した、成長の止まったトウモロコシの周囲から採取された。
写真 Females and cysts of new nematode 

● 炭疽 米国
PRO/AH/EDR> Anthrax, livestock - USA (TX): equine
Archive Number: 20070815.2661
 投稿者 Ken Waldrup, DVM、8月14日
2007年8月13日、テキサス州獣医科学診断研究所から、ウマ 1頭における炭疽 Anthrax 感染の報告があった。この症例は、2007年 7月に Tom Green 郡のウシの炭疽感染発生地点から、約 20マイル離れた場所で発生した。この牧場のウシは、炭疽ワクチンの接種を受けていたが、ウマには接種されていなかった。この牧場内にいたウマ6頭のうち、2頭が死亡した。生き残ったウマに対して、ワクチンの接種が行われている。死亡したウマ 2頭の死体は焼却された。
[Mod.MHJ-この地域に土着感染していることは一部では知られているが、他の人々にとって炭疽という疾患は、なじみがない。San Angelo の北北西10マイルにある、1農場で約 25頭の家畜が死亡した前回の感染流行調査において、雇用されていた獣医師は、炭疽感染のリスクがあることを知らなかった。牧場主も、約 250頭の家畜に、blackleg 気腫疽をはじめ、いずれのワクチンも接種していなかった。年老いたウシを失った隣人の 1人は、子牛のうちにワクチンを接種しておけば済むと信じていた;幸運にも、10-15 歳のウシは、炭疽ではなく中毒と老衰で死亡した。この感染流行において、以下のことが明らかとなった。すなわち、ウマが高所の草を食べている背景には、おそらくはオジロジカ whitetail deer と思われる感染例が存在し、口器部分が炭疽菌に汚染されたアブにより罹患した。彼は、群れのワクチン接種を行っていた。テキサス州は、より積極的に啓蒙活動を行う計画を開始すべきである]