2007年9月17日

コレラ、下痢、赤痢

● コレラ、下痢、赤痢
PRO/EDR> Cholera, diarrhea & dysentery update 2007 (37)
Archive Number: 20070917.3087
イラク (北部): WHO
 情報源: UN Office for the Coordination of Humanitarian Affairs (OCHA), ReliefWeb, WHO report 、9月16日
20070914.3050 で投稿された2007年9月14日の報告から、新たな発生地区の追加はない。
インド (Haryana)
 情報源: Express India 、9月15日
女性 1名を含む合計 3人が、2007年9月14日にコレラ Cholera のため死亡した。衛生当局によると、コレラは、アムバーラ Ambala Cantonment のおよそ 6ヶ所の集落で発生しており、ほかに 50人以上の人々が、急性の嘔吐や下痢症に苦しんでおり、このうち 35人は入院している。死亡した3人の成人は、いずれも Alu Godam と Teli Mandi (Ambala Cantt) の住民であった。35人の入院患者のうち、2人は重症で、他院 PGI へ転送された。医療当局の責任者は、医師団が感染地域に派遣されたことを明らかにした。地下パイプを通じて供給されている水の汚染が、感染の原因であると思われると述べた。2007年8月、Noorpur 村 (Ambala subdivision) の約 500人が、同様の症状を発症したことが報告されている。
南アフリカ (Eastern Cape)
[1] 情報源: News24 、9月15日
2007年9月15日に、Ilinge Township, the SABC (South Africa Broadcasting Corporation) における、コレラ感染が疑われる流行発生の報告があったことを受け、 Eastern Cape 衛生当局の作業チームが、Queenstown へ派遣された。SABC 当局は、先週に汚水があふれ、下痢症を発症した患者が出ていたと報告した。Chris Hani District の担当者らが、飲料水の塩素消毒を開始したと、SABC は伝えている。
[Mod.LL- 今回の感染流行がはっきりコレラと定義されたわけではなく、次の投稿では否定されている。2006年、WHO に対してコレラ感染患者の報告はされていないが、過去には、Eastern Cape を含めた南ア国内において、コレラ感染流行が発生している。Northern Cape 州では、川の水からコレラ菌 _Vibrio cholerae_ が検出されている(20070406.1157)]
[2] possibly not (可能性なし): Daily Dispatch 、9月17日
Queentown の Ilinge Township でコレラ感染流行の発生が報告されたが、町の水源の検査からその証拠がないことが判明した。水質汚染とコレラ確認という、メディアの報道をうけ、2007年9月15-16日にかけて調査のため現地を訪れた衛生環境当局者らは、軽症下痢症の患者ら54人が治療を受けていたことが、騒ぎの原因とのべ、塩素消毒の開始も不必要であることが判った。
[Mod.LL- コレラの初期診断が間違っていたとするこの報告は、水源においてコレラ菌が検出されなかったことと、臨床症状が比較的軽症であったことを、その理由としている。今回の集団発生がコレラによるものか否かは、基本的には、患者の便検体からコレラ菌が検出されるかどうかによる]
コンゴ民主共和国 赤痢 (Kasai Occidental)
 情報源: Agence France-Presse (AFP) 、9月12日
2007年9月12日、WHO は、コンゴ民主共和国中部の致死性のエボラウイルス感染流行と平行して、感染性赤痢 dysentery の赤痢菌が検出されたことを確認した。検査機関の検査により、過去4ヶ月間に Kasai 西部のエボラ感染が疑われる患者約372人の中に、_Shigella dysenteriae_ type 1 の感染が確定されたと、WHO当局者が話した。DRC 保健省は、166人の死亡の原因がエボラ感染流行によると、今週初めに発表したが、WHO によると、検査により確定されているのは 5例に過ぎない。赤痢菌が検出されたことで、”対策はいっそう複雑になる”と、WHO 当局者が述べた。
[Mod.LL- 赤痢菌_S. dysenteriae_には、多数の血清型が知られており、このうちserotype 1 は、感染流行の可能性、Shiga-toxin 産生、重篤な合併症などがある点で、特に注意が必要である]

● 口蹄疫、ウシ 英国(2件)
PRO/AH> Foot & mouth disease, bovine - UK (England) (28)
Archive Number: 20070917.3088
 情報源: The Times 、9月17日
2007年9月16日、政府獣医学当局は、3件目となる口蹄疫  Foot & mouth disease、FMD 感染流行を確認した。DEFRA は未確認で ある、この感染流行発生の知らせは、ちょうど 9月17日に、EU が英国政府の感染流行対策に対する公式調査を開始する時期に重なった。The Times は、2007年9月14日に処分されたウシの検査の結果、感染があったことが判明した情報を入手した。このウシは、[Chertsey 近郊の] Surrey 州 Egham 近郊の Milton Park Farm で飼育されていたウシであった。2007年9月14日にウシの感染が確認された、Stroude Farm (Virginia Water) の隣の小規模農場のブタ 24頭の検査の結果を待っているところである。ブタたちは、感染のおそれがあるとして処分された。

PRO/AH> Foot & mouth disease, bovine - UK (England) (27)
Archive Number: 20070917.3085
[1] 情報源: DEFRA Information Bulletin, ref 302/07、9月17日
Protection Zone 内の一見して健康なヒツジの予備的血液検査の結果は、口蹄疫 FMD への曝露を示唆するものであった。これらの動物は、地域内で行われているサーベイランスの中で見つかった。この農場の動物は、感染疑いを理由に処分された。詳細な検査が現在行われている。
[2] 口蹄疫検査、陽性: BBC News 、9月17日

● アジアダイズさび病 コンゴ民主共和国
PRO/PL> Asian soybean rust - Congo DR: 1st report
Archive Number: 20070917.3086
 情報源: The American Phytopathological Society, Plant Disease 2007; 91(9): 1204 、9月17日
コンゴ民主共和国、ダイズの_Phakopsora pachyrhizi_ を原因とするさび病の初報告