赤痢 デンマーク、タイベビーコーン Eurosurveillance
住血吸虫症 タンザニア
コレラ イラク WHO、インド
● 赤痢 デンマーク、タイ
2007年8月16日に、デンマーク Denmark 地域食品当局と Statens 血清学研究所 (SSI) は、赤痢菌 Shigella sonnei 感染事例発生を確認した。感染源として、8月初旬に販売された輸入ベビーコーンとスナップエンドウの可能性が示された。疑われた食品は卸売り業者 1社によって、青果商、ケータリング業者、レストランおよび全国の小売店に販売された。これらの食品に対しては強い汚染の疑いが浮上したため、獣医学食品局は 8月17日にベビーコーンとスナップエンドウの回収を発令した。さらに SSI は今回の感染の広がりとその感染源を確定するために調査を実施した。...
[Mod.LL-収穫から市場で販売されるまでの、どの過程で汚染されたのかは明らかではない。ベビーコーンは、多くの種類のコーンから栽培可能である。種苗会社は、ベビーコーンを栽培するために特別な種を提供しているが、いずれも通常のコーンと同じ大きさの草木と穂 ear に成長する。秘密は収穫にある。ベビーコーンの穂は、ear tips から silk が出た途端あるいは数日以内に、手で摘み取られる。コーンは急速に成熟するので、通常の穂 normal corn ears に成長してしまわないよう、時期を逸することなく慎重に行わなければならない。Baby corn ears は、通常長さが 4.5cmから 10cmまでで、半径は 7-17mmである。店で買うことができるベビーコーンは、アジア、特にタイで栽培・加工されるものが多い。ベビーコーンは、手摘みが必要なため、労働集約的すぎて、多くの西洋の農場には向かない。1976年以降、タイにとって重要な穀物となっており、他のアジア諸国も生産・輸出を行っている。ベビーコーンが、アジアの料理にしばしば登場するのは、このためと思われる。]
地図 デンマーク
PRO/EDR> Shigellosis, Thai baby corn - Denmark
Archive Number: 20070904.2913
情報源: Eurosurveillance weekly release, 2007 12(8) 、8月30日2007年8月16日に、デンマーク Denmark 地域食品当局と Statens 血清学研究所 (SSI) は、赤痢菌 Shigella sonnei 感染事例発生を確認した。感染源として、8月初旬に販売された輸入ベビーコーンとスナップエンドウの可能性が示された。疑われた食品は卸売り業者 1社によって、青果商、ケータリング業者、レストランおよび全国の小売店に販売された。これらの食品に対しては強い汚染の疑いが浮上したため、獣医学食品局は 8月17日にベビーコーンとスナップエンドウの回収を発令した。さらに SSI は今回の感染の広がりとその感染源を確定するために調査を実施した。...
[Mod.LL-収穫から市場で販売されるまでの、どの過程で汚染されたのかは明らかではない。ベビーコーンは、多くの種類のコーンから栽培可能である。種苗会社は、ベビーコーンを栽培するために特別な種を提供しているが、いずれも通常のコーンと同じ大きさの草木と穂 ear に成長する。秘密は収穫にある。ベビーコーンの穂は、ear tips から silk が出た途端あるいは数日以内に、手で摘み取られる。コーンは急速に成熟するので、通常の穂 normal corn ears に成長してしまわないよう、時期を逸することなく慎重に行わなければならない。Baby corn ears は、通常長さが 4.5cmから 10cmまでで、半径は 7-17mmである。店で買うことができるベビーコーンは、アジア、特にタイで栽培・加工されるものが多い。ベビーコーンは、手摘みが必要なため、労働集約的すぎて、多くの西洋の農場には向かない。1976年以降、タイにとって重要な穀物となっており、他のアジア諸国も生産・輸出を行っている。ベビーコーンが、アジアの料理にしばしば登場するのは、このためと思われる。]
地図 デンマーク
● 住血吸虫症 タンザニア
PRO/EDR> Schistosomiasis - Tanzania (Lake Eyasi)
Archive Number: 20070904.2912
情報源 GeoSentinel、9月4日
safari camp で、住血吸虫症の集団発生GeoSentinel, the global surveillance program of the International Society of Travel Medicine は、現在報告が続いている急性の渡航関連の住血吸虫症の集団発生の重要な感染源が、タンザニアのエアシ湖 Lake Eyasi に近い、小さなテントキャンプのホテルにある、遊泳用の人工池に明らかに局在していることを報告する。この小型の人造プールは明らかに汚染がひどく、まだ診断されていない、原因不明の非特異的な疾患や無症候性の帰国した旅行者が、世界中にいる可能性がある。診断がついたなら、praziquantel の投与という単純な治療 simple course で、ほとんどの感染が治療される。
[* 詳細報告部分を訳して下さった方がおられ、以下に転載します;
2グループのイスラエル人旅行者 28人が、タンザニアのサファリ旅行に行った。彼らは1日(2007年4月)に Lake Eyasi (塩水湖、住血吸虫は生存できない)の近くの Kisima Ngeda のテントロッジに1日滞在した。このホテルの淡水プールには草木が生え、感染した旅行者によるとカタツムリもいた。3人以外全員がこのプールで1回だけ、30分~1時間泳いだ。2名のイスラエル人ガイド以外は全員が、旅行中および旅行以前に、他の淡水暴露歴がなかった。 最初の患者が、帰国後4週間後に、数日前からの発熱と蕁麻疹の症状で我々の救急室を受診した。後に咳と好酸球増多が見られた。急性住血吸虫症の診断がなされ、同行者全員の検査を行った。プールで水泳した25人中23人が血清学的に感染していた。米国CDCで血清学検査により、ウエスタンブロット法により、ほとんどの旅行者は S. mansoni が陽性で、2名は S. mansoni と S. hematobium が陽性であることが確認された。23人中17人(74%)に症状がみられた。2名のガイドによると(2名とも重症)、過去何年にもわたりこのホテルに過去に数回滞在したが問題なかった。1週間前にこのホテルに滞在した別の家族 6人のうち 3人に類似の症状がみられ、現在検査中である]
[Mod.EP-以前にも、同じ水系の感染源に旅行者らが曝露したことによる住血吸虫症の集団発生の報告があった (see, for instance: Fuller et al. Schistosomiasis in Omo National Park of southwest Ethiopia. Am J Trop Med Hyg 1979;28:526-30; Harries et al. Schistosomiasis in expatriates returning to Britain from the tropics: a controlled study. Lancet 1986;i:86-8; Schwartz E et al. Schistosome infection among river rafters on Omo River, Ethiopia. J Travel Med 2005;12:3-8; Meltzer E et al. Schistosomiasis among travelers: new aspects of an old disease. Emerg Infect Dis 2006;12:1696-700)。感染しても多くの場合症状がないが、一部の患者では好酸球増多症や IgE 高値を伴う、住血吸虫特異抗体の検出により気づかれる場合がある。特異抗体の上昇には数ヶ月を要すため、帰国後数週間以内に行われる抗体検査が陰性であった場合、少なくとも 2ヶ月以上あけて再検すべきである]
◎ コレラ イラク WHO、インド
PRO/EDR> Cholera, diarrhea & dysentery update 2007 (32)
Archive Number: 20070904.2911
[1] コレラ-イラク(北部):WHO
情報源:UN Office for the Coordination of Humanitarian Affairs (OCHA), ReliefWeb, WHO report 、9月3日
2007年8月23日以降、急性水様性下痢症の患者数は 3-4倍に増えたことが、イラン北部 Sulaymaniyah の教育病院の1つから報告された。便検体の検査の結果、稲葉型コレラ菌_Vibrio cholerae_ serogroup O1 biotype Inaba が原因であることが確定された。2007年8月23日から 9月2日までの間に、同州の 11地区のうちの 4地区から報告された、急性水様性下痢症の累積患者数は 2930人で、うち 9人が死亡し、致死率は 0.30%である。報告患者のうち、便検体のコレラ菌が確認されたのは 187検体である。最初にコレラ菌が確認されたのは、2007年8月19日、下痢症患者全てに便検査を行っている Kirkuk 州の病院で、2006年と比較して 2007年の急性下痢症の患者数には違いは見られていないものの、2007年7月29日から 8月26日の間に、1例の死亡を含む 2968人の急性下痢症患者(致死率 0.033 %) が Kirkuk 州で発生している。コレラ菌が便から検出された数は 101例である。2007年9月1日、2007年8月23日以降報告されている感染流行は、11地区のうちの 4地区に拡大し、150万人あまりが感染の危険にさらされている。...入手された報告によれば、感染流行は当初 Sulaymaniyah 地区で開始し、他の 3つの地区 (Rania, Halabja, and Chamchamal) に拡大したものと見られている。この 4地区のほかにコレラ菌が確認されている地区はない。...
[Mod.LL-コレラ菌_V. cholerae_の鞭毛抗原 flagellar (H) antigens は、数多くの水生ビブリオも共有しているため、感染性コレラの原因菌を鑑別することには役立たない。しかし、体性抗原 O (somatic) antigens によって、_V. cholerae_ は、現在知られている 139種類の血清型に分類することが可能である。ほとんど全ての_V. cholerae_は無毒性である。ベンガル型(O139、"non-O1=非O1") が新興するまでは、O1型と呼ばれる血清型のみが、コレラ感染の原因菌であった。O1 biotypes生物型には、Ogawa, Inaba, and Hikojima の 3種類があり、いずれも古典型とエルトール El Tor型の表現型をもつ。生物型は、表面抗原の A,B,Cの表出によって鑑別される。Ogawa型は Aおよび B抗原を、Inaba 型は AとC、Hikojima型は A,B,C を含有する。後者の serotype [*biotype ?]は、比較的まれである。]
[2] コレラ-イラク(北部)
情報源:Reuters UK News 、9月4日
207年9月4日、WHOは、イラン北部で数千人がコレラに感染しているが、感染源については解明されていないと説明した。クルド人半自治区での衛生当局者は、2007年8月29日から 9月2日の間に、 Sulaymaniyah の浄水施設で、コレラ菌が検出されたことを明らかにした。井戸水の汚染も、感染源である可能性がある。Kirkuk においては、水道管の破裂により汚水が流入したことが原因と見られている。...ヒト-ヒト間の直接感染はまれであると WHOのウェブサイトに説明されている。当局者は、Sulaymaniyah の患者数は、数週間の間に減少しつつあるものの、コレラ感染が継続している可能性があることを強調している。コレラ患者の多くは経口補水塩で治療可能であるが、一部の患者では、点滴や抗生物質が必要である。
[3] インド(Orissa)
情報源: UN Office for the Coordination of Humanitarian Affairs (OCHA), ReliefWeb, Agence France-Presse (AFP) report 、9月4日
2007年9月4日、インド東部のコレラ感染流行による死者の数は169人に達し、数千人の患者が治療中であることを、当局が明らかにした。貧困である Orissa 州都 Bhubaneswar の 500km南東の、感染が発生した 4つの地域の自治体で死者が発生している。州都の対策室が監視する中、5000人以上のコレラおよび赤痢患者が現在治療中である。
Archive Number: 20070904.2911
[1] コレラ-イラク(北部):WHO
情報源:UN Office for the Coordination of Humanitarian Affairs (OCHA), ReliefWeb, WHO report 、9月3日
2007年8月23日以降、急性水様性下痢症の患者数は 3-4倍に増えたことが、イラン北部 Sulaymaniyah の教育病院の1つから報告された。便検体の検査の結果、稲葉型コレラ菌_Vibrio cholerae_ serogroup O1 biotype Inaba が原因であることが確定された。2007年8月23日から 9月2日までの間に、同州の 11地区のうちの 4地区から報告された、急性水様性下痢症の累積患者数は 2930人で、うち 9人が死亡し、致死率は 0.30%である。報告患者のうち、便検体のコレラ菌が確認されたのは 187検体である。最初にコレラ菌が確認されたのは、2007年8月19日、下痢症患者全てに便検査を行っている Kirkuk 州の病院で、2006年と比較して 2007年の急性下痢症の患者数には違いは見られていないものの、2007年7月29日から 8月26日の間に、1例の死亡を含む 2968人の急性下痢症患者(致死率 0.033 %) が Kirkuk 州で発生している。コレラ菌が便から検出された数は 101例である。2007年9月1日、2007年8月23日以降報告されている感染流行は、11地区のうちの 4地区に拡大し、150万人あまりが感染の危険にさらされている。...入手された報告によれば、感染流行は当初 Sulaymaniyah 地区で開始し、他の 3つの地区 (Rania, Halabja, and Chamchamal) に拡大したものと見られている。この 4地区のほかにコレラ菌が確認されている地区はない。...
[Mod.LL-コレラ菌_V. cholerae_の鞭毛抗原 flagellar (H) antigens は、数多くの水生ビブリオも共有しているため、感染性コレラの原因菌を鑑別することには役立たない。しかし、体性抗原 O (somatic) antigens によって、_V. cholerae_ は、現在知られている 139種類の血清型に分類することが可能である。ほとんど全ての_V. cholerae_は無毒性である。ベンガル型(O139、"non-O1=非O1") が新興するまでは、O1型と呼ばれる血清型のみが、コレラ感染の原因菌であった。O1 biotypes生物型には、Ogawa, Inaba, and Hikojima の 3種類があり、いずれも古典型とエルトール El Tor型の表現型をもつ。生物型は、表面抗原の A,B,Cの表出によって鑑別される。Ogawa型は Aおよび B抗原を、Inaba 型は AとC、Hikojima型は A,B,C を含有する。後者の serotype [*biotype ?]は、比較的まれである。]
[2] コレラ-イラク(北部)
情報源:Reuters UK News 、9月4日
207年9月4日、WHOは、イラン北部で数千人がコレラに感染しているが、感染源については解明されていないと説明した。クルド人半自治区での衛生当局者は、2007年8月29日から 9月2日の間に、 Sulaymaniyah の浄水施設で、コレラ菌が検出されたことを明らかにした。井戸水の汚染も、感染源である可能性がある。Kirkuk においては、水道管の破裂により汚水が流入したことが原因と見られている。...ヒト-ヒト間の直接感染はまれであると WHOのウェブサイトに説明されている。当局者は、Sulaymaniyah の患者数は、数週間の間に減少しつつあるものの、コレラ感染が継続している可能性があることを強調している。コレラ患者の多くは経口補水塩で治療可能であるが、一部の患者では、点滴や抗生物質が必要である。
[3] インド(Orissa)
情報源: UN Office for the Coordination of Humanitarian Affairs (OCHA), ReliefWeb, Agence France-Presse (AFP) report 、9月4日
2007年9月4日、インド東部のコレラ感染流行による死者の数は169人に達し、数千人の患者が治療中であることを、当局が明らかにした。貧困である Orissa 州都 Bhubaneswar の 500km南東の、感染が発生した 4つの地域の自治体で死者が発生している。州都の対策室が監視する中、5000人以上のコレラおよび赤痢患者が現在治療中である。
● チクングニア インド
2007年9月2日、新たに 8例の患者が報告され、Jaipur 地区 Mugpal Kelasahi 村のチクングニア患者の数は 91人となった。各地の病院で、現在も 50人以上の患者が治療を受けているが、死亡した患者の報告はない。9月1日、医師らは、現地で感染患者からの血液検体を採取し、検体は、Indian Council of Medical Research(Bhubaneswar) に送付された。
[Mod.TY-感染流行がチクングニアウイルスによるものと確定されたとすれば、このウイルス性疾患の感染流行がインドで継続していることになる。この短い記事には、蚊族対策が行われたことについては書かれていない。検査結果に関する情報が提供されることを望んでいる]
PRO/EDR> Chikungunya - Indian Ocean update (24): India (Jaipur), susp., RFI
Archive Number: 20070904.2910
情報源: Newindpress.com 、9月3日
Jaipur 地区 Mugpal Kelasahi 村のチクングニア患者の数は 91人となった。2007年9月2日、新たに 8例の患者が報告され、Jaipur 地区 Mugpal Kelasahi 村のチクングニア患者の数は 91人となった。各地の病院で、現在も 50人以上の患者が治療を受けているが、死亡した患者の報告はない。9月1日、医師らは、現地で感染患者からの血液検体を採取し、検体は、Indian Council of Medical Research(Bhubaneswar) に送付された。
[Mod.TY-感染流行がチクングニアウイルスによるものと確定されたとすれば、このウイルス性疾患の感染流行がインドで継続していることになる。この短い記事には、蚊族対策が行われたことについては書かれていない。検査結果に関する情報が提供されることを望んでいる]
● サンゴ礁 コスタリカ
PRO/AH/EDR> Coral reef kill - Costa Rica
Archive Number: 20070904.2915
情報源: Reuters 、8月29日
侵襲性の藻類が、コスタリカのサンゴ礁を蝕んでいるホテルのゴルフコースからの肥料や、不適切に処理された汚水によって、熱帯の藻類が繁殖し、コスタリカで最も重要なサンゴ礁を破壊しつつあると、研究者らが述べた。...
● ダイズの病気、突然死症候群 米国
PRO/PL> Sudden death syndrome, soybean - USA (NE)
Archive Number: 20070904.2909
情報源: Cattle Network 、8月27日
ネブラスカ州各地のダイズ農場で、2週間以上にわたり、Sudden death syndrome (SDS) の発生が確認されている。この疾患が、同州内で初めて確認されたのは、2004年のことである。同疾患は、真菌の _Fusarium solani_ f. sp. _glycines_ が原因で、シーズン早期に被害をもたらせた真菌とは別の種類である。
ネブラスカ州各地のダイズ農場で、2週間以上にわたり、Sudden death syndrome (SDS) の発生が確認されている。この疾患が、同州内で初めて確認されたのは、2004年のことである。同疾患は、真菌の _Fusarium solani_ f. sp. _glycines_ が原因で、シーズン早期に被害をもたらせた真菌とは別の種類である。