2007年9月5日

炭疽 米国、動物の皮革
腸チフス パプアニューギニア、英国

● 炭疽 米国
PRO/AH/EDR> Anthrax, animal skin - USA (CT)
Archive Number: 20070905.2930
 情報源: WTNH、9月5日
ドラム製作用にアフリカから持ち込まれた動物の皮により、ドラム製作者が皮膚炭疽に感染した。
ダンベリー Danbury の 2人が、動物の皮革から炭疽 Anthrax 菌に感染した。ドラムの製作のためにアフリカから持ち込まれた動物の皮により、ドラム製作者が皮膚炭疽に感染した。製作者の家族の1人も、炭疽菌に暴露し感染した。市長は、この男性の感染は皮膚炭疽であり、男性から他のヒトに感染する恐れはないと説明した。.. FBI は、事例は関知しているが、テロによるものではないとしている。
[Mod.DK-感染動物の皮 hides の取り扱いによって炭疽に感染することはよく知られている。吸入する場合と、今回のように皮膚炭疽になる場合がある]

● 腸チフス パプアニューギニア、英国
PRO/EDR> Typhoid fever update 2007 (13)
Archive Number: 20070905.2928
[1] パプアニューギニア (Enga)
 情報源: Papua New Guinea Post Courier 、9月4日
Wabag 中学校 Secondary School の生徒数百人が、腸チフス Typhoid fever に感染していることが、2007年9月3日に Wabag 病院で確認された。匿名の生徒らによれば、事態は悪化しており、学校当局はこの件に関して無関心を装っているという。..
[2] パプアニューギニア (Enga)
 情報源:: Radio New Zealand International 、9月4日
PNG の Enga 州にある、腸チフス感染流行の感染源とされた学校当局は、不満のある学生によって、患者数が間違って伝えられていると話した。Wabag Secondary school 当局によると、腸チフス以外にもインフルエンザやマラリアなど様々な病気のため、何人かの生徒が受診しているが、学校の規模からすると、通常の範囲であるという。この学校の生徒は、Post-Courier 紙に、約 400人の生徒が腸チフスと診断されたと報告した。Wabag Hospital では、この学校の生徒数百人が診断されていることを認めている。
[Mod.LL-患者数に関して齟齬があるようだが、州都 Wabag の病院は、生徒の数を支持している]
* Enga州は、PNG の中で最も高い位置にあり、岩が多い rugged 
[3] 英国: Birmingham (UK) Post 、8月30日
イングランドとウエールズでは、2006年に、旅行中に感染した合計122人を含む、248人の腸チフス患者が発生した。
英国の健康保護局は、再び患者増加に転じないよう、腸チフスなどの多くの (myriad of) 疾患に対する予防接種の重要性を市民に啓蒙する、Valuing Vaccines campaign の実施を要望している。2006年、イングランド England とウエールズ Wales では、旅行中に感染した合計 122人(2002年101人)を含む、248人の腸チフス患者が発生し、2002年の 147人から 68 %の増加となった。同じ時期のパラチフス患者は、152人から 78 %増の 270人であり、海外での感染は 2006年に 152人(2002年 96人)であった。ワクチン啓蒙活動の一部として、英国のワクチン製造組合 UK Vaccines Industry Group は、オンラインや医師、学校から入手可能な、無料のパンフレットの経費を負担している。
[Mod.LL-渡航者以外の患者は、すでに感染していた移民なのか、英国内で、主に水系感染するこの疾患に罹患したのかは、明らかにされていない]

● 野兎病 ロシア
PRO/AH/EDR> Tularemia - Russia (Khanti-Mansiysky) (02)
Archive Number: 20070905.2932
 情報源: Interfax [in Russian, trans.]、8月31日
Berzovoの野兎病患者は、19人となった。
Berezovo (Khanti-Mansiysky 自治区)において、先週、野兎病 Tularemia 患者数の増加があり、19人となったことが伝えられている。2007年8月24日から 30日の期間に、地区の病院には野兎病と診断された患者が 11人入院し、このうち 3人は小児であった。
[Mod.NP-2007年8月16日より、Berezovo における野兎病感染流行が発生している。今日に至るまで、感染経路や、患者の病型に関する情報は入っていない。Rospotrebnadzor の報告では、2006年にロシアにおいて 65例の野兎病が報告されており、2005年の人口 10万対発生率 0.61が、0.05 となった。患者が最も多く発生したのは、Altai Republic (9 cases), Nizhniy Novgorod oblast (7 cases) そしてモスクワ Moscow (6 cases)であった]
[Mod.LL-Khanti-Mansiysky Autonomous Okrug (also called Yugra) は、西シベリア平原にあり、Tyumen 地方の一部である]

● ウエストナイルウイルス カナダ、米国
PRO/AH/EDR> West Nile virus update 2007 - Western Hemisphere (21)
Archive Number: 20070905.2931
[1] カナダ: human surveillance
 情報源: West Nile Virus Monitor, Public Health Agency of Canada 、8月25日
第34週以降、変化なし。20070901.2881参照。
[2] カナダ: bird surveillance
 情報源:Canadian Cooperative Wildlife Health Centre 、8月30日
9月1日の 20070901.2881 以降、7つの州の死亡したトリの検査による、WNV の感染数と種に変化なし。
[3] カナダ: additional report (Saskatchewan)
 情報源: Regina Leader-Post 、8月31日
2007年8月中に、新たに南部 Saskatchewan 州の 2名(男女各 1名)の死亡原因が、ウエストナイルウイルス West Nile virus によるものであったと報告された。この最新の犠牲者は、Saskatoon および Sunrise (Yorkton) 保健管区の住民で、(以前に死亡した)1人目の患者は、同州南東部の Sun Country Health Region 在住の80代の女性であった。3人の患者はいずれも慢性の基礎疾患を有していたと、医療当局者が説明した。同当局者は、[ウェブサイト上の WNV 患者数は、先週より 308人増えて、この夏、(確定および疑いをあわせて) 647例となった]と、述べた。
[4] 米国: CDC/ArboNET
 情報源: US Centers for Disease Control and Prevention (CDC), Division of Vector-Borne Infectious Diseases, West Nile virus 、9月4日
[5] 米国: USGS/CDC maps
 情報源: CDC, Division of Vector-Borne Infectious Diseases, West Nile virus 、9月4日

● ビブリオ菌、希少サンゴ 英国
PRO/AH/EDR> Vibrio, rare coral - UK
Archive Number: 20070905.2933
 情報源 Practical Fishkeeping 、9月5日
英国の希少なサンゴに疾患発生。
英国の科学者らは、国際的な絶滅危惧種 threatened species にリストされている種において、冷水のサンゴの疾患が初めて発生した事例について記録した。海洋研究所 Marine Institute(プリマス Plymouth 大学) の専門家らは、イングランド England 南西部の海洋保護地域の、pink sea fan(_Eunicella verrucosa_)に、疾患が発生していることを報告した。 pink sea fan は、gorgonian の 1種で、野生生物と自然法 Wildlife and Countryside Act の Schedule 5 によって保護されており、IUCN(=International Union for Conservation of Nature and Natural Resources ; 国際自然保護連合)の絶滅危惧種 Red List に掲載されている。...
[ModTG- Gorgonin とは、タンパクの複合体で、ふんだんに含まれることが多いヨウ素と臭素が、角のある骨格を形成している]

● 炭疽 ボツワナ,ロシア(2件)
ボツワナ
PRO/AH/EDR> Anthrax, wildlife - Botswana (Chobe): susp.
Archive Number: 20070905.2927
 情報源: Palapye.com News Blog 、9月5日
Kasane 野生動物国立公園で、ゾウ7頭やキリン、バッファロー、レイヨウ、シマウマなどが死亡し、原因が判っていない。
Kasane 野生動物国立公園課は、Chobe 地方の炭疽感染流行発生の可能性があり、調査を開始した。数頭の野生動物が死亡し、原因が分かっていないことを受けて行われている。当局からの報告では、ゾウ 7頭、キリン2頭、バッファロー、レイヨウ、シマウマ各 1頭が死亡し、原因がはっきりしていない。獣医師は、炭疽菌感染を疑い、死体からの検体を採取したと述べた。2007年 9月3-7日には調査が完了する予定となっている。Chobe 地区では炭疽菌感染の流行発生は珍しくない。2004年、761頭の動物が、2003年には 385種類species [sic] の動物が死亡している。2006年には[この後の部分が消えている]。

ロシア
PRO/AH/EDR> Anthrax, bovine - Russia (Buryatia)
Archive Number: 20070905.2924
 情報源: IA Regions [in Russian, trans.]、9月3日
Kiren 集落(Tanukin地方、Buryatia)で処分された生後 1.5年の動物 1頭の予備的診断で、炭疽が確認された。10日後に確定検査が終了する。...
[Mod.NP- Buryatia の 19の地方に、200を超える炭疽感染の動物の埋め立て場所がある。このため、常にウシやヒトへの新たな感染のリスクが生まれている。ロシア国内の他の地域と同様に、正確な位置は把握されていないことが多い。現在、Buryatia では、動物製品(肉など)は、生産者から直接消費者の手に渡り、獣医師のみが、感染対策の役目を果たしているが、どこにもいるわけではない.]
[Mod.MHJ- 炭疽感染の確定に 10日間を要するということは、炭疽の診断は、せいぜい2-3日しかかからないことから、Buryatia の獣医学的診断システムが十分ではない creaking を意味している。もちろん、死体や肉の発見された状態により遅れが生じることもある。医学的監視を受ける人々の数に注目すると良い [* 記事には人数が書かれていない]。昔と変わらないロシア式の報告で、ロシアの炭疽感染流行の獣医学的報告には、ヒトのことは書かれていない。もう一つの興味深いこととして、獣医師による animals in the 3 neighbouring streets [* sic} のサーベイランスがある。これは、感染した動物が、Kiren の個人の庭先で飼われていたのであり、たぶん年齢が小さいyoungうちは他と一緒で、夏の間は放牧されていることを表す [* not unlikely with an animal this young but as it is summer it should be out grazing on pasture.の部分の構造、意味が今ひとつわかりませんでした]。しかし、Bavaria のように、村の近くの共同農場で放牧されていたのかも知れない。]
地図 Buryatia: Lake Baikal 東岸沿いのシベリア Siberia 地方、bordering Mongolia

● ブルータング 欧州
PRO/AH/EDR> Bluetongue - Europe (32): FRA (OIE), BEL (OIE), GER
Archive Number: 20070905.2929
[1] フランス, Followup Number 8 summary
 情報源: OIE WAHID (World Animal Health Information Database) Disease Information 2007; 20(36) 、9月5日
[2] ベルギー, Followup Number 8 summary
 情報源: OIE WAHID (World Animal Health Information Database) DiseaseInformation 2007; 20(36) 、9月5日
[3] ドイツ
 投稿者: 独・Thomas Mettenleiter, President Friedrich-Loeffler-Institut、9月5日
2007年6月1日から 9月3日までの間に、ドイツのウシとヒツジで、新たに 1500例以上のブルータング BT の感染例が報告された。今回の感染流行は、2006年にも流行の発生があった、Cologne とBonn の東部の地域から発生し、北/東/南の方向へ感染が拡大している。現在までに感染の報告があったのは、Bavaria, Hesse, Lower Saxony, North Rhine-Westphalia, Rhineland-Palatinate, Saarland and Thuringia の各地方。

● 流行性出血病、ウシ 米国
PRO/AH/EDR> Epizootic hemorrhagic disease, bovine - USA (OH): 1st rep
Archive Number: 20070905.2922
 情報源: Ohio Department of Agriculture News Release 、8月30日
シカに感染するウイルスが、オハイオ州南部のウシの群れで発生。
2007年8月30日、オハイオ Ohio 州農業部の当局者は、通常、オジロジカに感染するウイルスである、感染性出血性疾患 EHD を、Pike 郡のウシ牧場2ヶ所で確認した。同州では、ウシで同ウイルスが確認されたのは初めてのことであるが、当局者は、ヒトへの健康被害や、牛肉の消費への影響はないことを強調した。...シカもウシも、ブヨ gnats やサシバエ ? (biting flies)により感染する。動物間や、動物からヒトへの感染はない。しかし、感染した動物についた虫が、周りの動物に感染を拡げることがある。...ミュールジカ Mule deer, エルク elk, オオツノヒツジ bighorn sheep, pronghorn antelop レイヨウなどにも感染する。

● マメの病気 Mungbean yellow mosaic virus, pulses インド
PRO/PL> Mungbean yellow mosaic virus, pulses - India (Punjab)
Archive Number: 20070905.2921
 情報源: New Kerala 、8月26日
パンジャブ州の Pulse crops (=urdbean, mungbean, and soybean など)が、害虫であるコナジラミwhitefliesによる被害を受けている。
写真1 MYMV leaf symptoms on mungbean 
写真2 同上