2008年4月10日

発疹熱 日本 インドネシアから

● 発疹熱 日本 インドネシアから
PRO/AH/EDR> Murine typhus - Japan ex Indonesia (Bali)
Archive Number: 20080410.1318
 投稿者:国際医療センター、Nozomi Takeshita, MD、4月10日
インドネシア Indonesia のバリ Bali 島から帰国した 23才の男性1名が、発疹熱 murine typhus に感染していることが、2008年4月10日に確認された。2008年1月20日から3月11日までのバリ島滞在中、しばしば Madewi および Kuta のビーチでサーフィンを行っていた。3月24日(発病後7日目)に入院となった。入院時、発熱、血小板減少症、腎機能障害が認められた。第8病日より、紅斑性発疹が出現したため、リケッチア症が疑われた。国立感染症研究所において行われた、血液および皮膚検体についての  PCR法による検査により、_Rickettsia typhi_ DNA が検出された。さらに、_R. typhi_ 抗原反応性抗体の間接免疫蛍光アッセイ indirect immunofluorescence assay (IFA) と免疫ペルオキシダーゼアッセイ immunoperoxidase assay (IP) により、抗 IgMおよび IgG抗体の上昇が認められた。男性はミノサイクリンにより治療され、後遺症なく回復している。
2008年4月に、千葉県においても別の発疹熱症例の報告があり驚いている。この患者の血液から、_R. typhi_ DNA が検出されている。
日本には発疹熱の土着感染はないものと考えられており,発疹熱の潜伏期間を考慮すると、患者らは海外で感染したものと見られる。2例目の患者についての検討が続けられている。続いて起こった日本での輸入発疹熱症例の発生によって、バリ島のサーフィンスポットの一部では、発疹熱が endemic であることへの注意が必要となるだろう。 
[Mod.LL-日本では発疹熱が endemic ではないと述べられているが、徳島県の男性 (1) や福井県 (2) で診断された症例の報告がある。文献 (1) には、1950年代以降、日本では発疹熱が報告されたことはなく、国内での black rats の増加により再興した可能性があると述べられている。今回の報告は、さらに進歩した DNA法にによる診断である] 
文献 1.Remerging murine typhus, Japan. Emerg Infect Dis. 2004;10: 964-65. 2.Murine typhus infected in Oku-etsu area, Fukui prefecture. J Jap Assoc Infect Dis. 2001;75:341-44.

● サルモネラ感染症 米国
PRO/AH/EDR> Salmonellosis, municipal water supply - USA (04): (CO), co-pathogens
Archive Number: 20080410.1315
 情報源:KKTV 、4月9日
2008年4月8日、コロラド Colorado 州公衆衛生環境当局は、CDC によって行われた Alamosa の水質調査の結果を公表した。検査結果によれば、ジアルジア Giardia とクリプトスポリジウム  _Cryptosporidium_ という、下痢症の原因となる 2種類の原虫が確認された。... 
8日、合計 389例のサルモネラ感染症患者が確認されており、うち 107例は検査により確定され、16人が入院した。
関連項目 20080408.1285

● vCJD スペイン
PRO/AH> vCJD - Spain: susp.
Archive Number: 20080410.1311
 情報源:The Associated Press、4月7日
2008年4月7日、当局は、2005年以来となる、スペインにおける 2人のヒト型狂牛病による死亡が発生したと発表した。40才と51才で、2007年12月に1名、2008年2月にもう 1例が死亡した。これまでスペイン唯一のクロイツフェルトヤコブ病が 2005年に発生し、マドリッド Madrid で 26才の女性が死亡している。当局はこの 2名の患者の感染は明らかに 2001年以前の感染によるもので、それ以後対策は強化されていると説明している。

● ニパウイルス バングラデシュ
PRO/AH> Nipah virus - Bangladesh (05): transmission
Archive Number: 20080410.1310
 投稿者、4月9日
コウモリからのニパウイルス伝播 (20080406.1263) について。
まず、マレーシア Malaysia におけるコウモリから家畜のブタへのニパウイルス Nipah virus 感染の正確な機序は判っていない。今回の感染流行の初発となった農場において、果樹が豚小屋の真上に直接植えられていたため、落下する果実によりウイルスが伝播された可能性があるし、樹上のオオコウモリがおとす糞尿に感染された豚小屋で発生したかもしれない。実験によると、コウモリの尿中で最大4日間ニパウイルスは生存する。

● 狂犬病 米国
PRO/AH/EDR> Rabies, animal, human - USA: (AR, AZ, GA, NY)
Archive Number: 20080410.1319
[1] 米国 - New York: キツネ, ヒト
 情報源:PostStar.com、4月9日
Lake George の男性1名は、2008年4月7日に、アパートメントの2階の階段を婚約者と上がろうとしたところ、繰り返される攻撃を避けようとして、1匹の狂犬病 Rabies のキツネによる咬傷と擦過傷を負った。このキツネは、SUV のタイヤを何度も咬もうとした。Warren County における、2008年初めて確認された狂犬病の動物による攻撃となった。
[2] 米国 - Arkansas: ペットのイヌ 
 情報源:todaysthv.com、4月9日 
Hatfield近郊に住む一家は、208年4月1,2日頃からペットのイヌが不調となり、攻撃的になって咬むようになったと述べた。病状が悪化し安楽死させられ、狂犬病の検査が行われた。放し飼いにされていた上、狂犬病のワクチンを受けていなかった。数週間前に、このイヌはスカンクを殺した。このスカンクが狂犬病感染源であるのは間違いないと当局は述べた。 [3] 米国 - Arizona: bobcat, ヒト 
 情報源:TriValleyCentral.com、4月10日
Pinal County 公衆衛生当局は、すべての住民に対し動物の狂犬病に関する勧告を発令した。2008年3月31日、Oracle 近郊の Peppersauce キャンプ場のボブキャット1匹が、狂犬病の検査で陽性となった。このボブキャットに、少なくともキャンプサイトで2人が襲われた。
[4] 米国 - Georgia: キツネ, ヒト 
キツネに襲われた場合、狂犬病予防が必要 
 情報源:Chattanooga Times Free Press onllne、4月10日 
Whitfield County, GA の狂犬病のキツネによる咬傷事例発生により、ジョージアおよびテネシーの各州は狂犬病対策を強化する。

● ウマヘルペスウイルス 米国
PRO/AH/EDR> Equine herpesvirus - USA (KY)
Archive Number: 20080410.1320
 情報源 The Horse 4月9日
Murray State University Takes Precautions Against Spread of Equine Herpesvirus

● トリパノソーマ症、ウシ ウガンダ
PRO/AH/EDR> Trypanosomiasis, bovine - Uganda (Tororo)
Archive Number: 20080410.1316
 情報源:New Vision (Kampala) via Allafrica.com 、4月8日
Tororo において、Nagana 感染が流行し食の安全が脅かされていると、獣医学当局者が述べた。ツェツェバエ tsetse flies により感染が伝播し、ウシに感染するこの疾患は、同地区の食料源として重要な地域の家畜を死滅させる。... 最も被害が深刻な地域は、West Budama countyである。
[Mod.AS-Nagana 病はトリパノソーマ_Trypanosoma brucei_ を原因とし、ツエツエバエtsetse fly- (Glossina spp) によって伝播されるウシの病気である。ウマ、ラバ mules , ラクダ、イヌを死亡させる。ウシ、ヒツジ、ヤギは、通常死ぬことはないが、ある株は例外となる。アフリカ原産の多くの偶蹄類 ungulates には被害が及ぶことはない]