2008年4月11日-13日

ヒトリンパ球性脈絡髄膜炎ウイルス ハムスター→臓器提供者→レシピエント
髄膜炎菌性髄膜炎 ブルキナファソ

● ヒトリンパ球性脈絡髄膜炎ウイルス 米国
PRO/AH/EDR> Human lymphocytic choriomeningitis virus - USA: organ donation
Archive Number: 20080412.1339
 情報源:wsnbc online, Reuters report、4月10日
全米最大の特殊ペット販売業者が,感染のあったハムスターを臓器提供者に売ったことにより移植肝に感染があったとして、夫が死亡した未亡人が Petsmart Inc 社を提訴した。 Petsmart in Warwick, RI が、2005年3月にある女性に販売したハムスターがリンパ球性脈絡髄膜炎ウイルス lymphocytic choriomeningitis virus (LCMV) に感染していて,購入した女性がその後脳卒中により死亡し、死亡したこの女性の肝臓が,提訴した女性の夫に移植された。1ヵ月後、 LCMV 感染により夫が死亡した。このほか、この女性から臓器提供を受けた他の 2人も死亡し、1人が重症となったとされる。感染の原因はハムスターであるとされている。

● 髄膜炎菌性髄膜炎 ブルキナファソ
PRO/AH/EDR> Meningitis, meningococcal - Burkina Faso (02): vaccinated areas
Archive Number: 20080412.1334
 情報源:allAfrica.com、4月11日
髄膜炎ワクチンを受けた人は、3年間防御効果を有すると考えられるが、最近住民に対して予防接種が施行された複数の地域で、髄膜炎 Meningitis, meningococcal 感染流行が発生していると当局が明らかにした。現状を分析していると述べた。
ワクチンは、2歳から30歳を対象に行なわれたが、患者の 80-90%がこの年齢層であった。1月1日以来、患者 7184人中 714人死亡した。髄膜炎には複数の原因があるが、髄膜炎菌 Neisseria sero-group はしばしば流行し最も重要である。金鉱山地帯は人々の移動が多いため(感染が発生する)と考えられている。調査は国内中西部Reo地方、中北部 Boulsa 地方、北部Titao地方、首都ワガドゥグー Ouagadougou の北にある Sig-nonghin で行なわれる予定である。この 4つの地区の住民は 2007年にワクチンを接種されているが、流行域に達している。国内全 55地区のうち、5地区が流行レベルとなっている。2008年、全人口 1400万人中 350万人がワクチンを受ける予定となっている。
[Mod.ML- 前回の 20080314.1017 の報告から、ブルキナファソの全髄膜炎患者数は2倍以上、死者もおよそ2倍に増えている。.. 髄膜炎菌およびワクチンに関する解説など]

● 麻疹 米国,カナダ,英国(4件)
米国
PRO/EDR> Measles - USA: (WI)
Archive Number: 20080413.1342
 情報源:Myfox NE Wisconsin, Associated Press report、4月10日
新たな 2例の麻疹 Measles 患者が、ミルウォーキー Milwaukee 地区で確認され、合計患者数は、過去10年を超える期間で最多の 4人となった。2008年4月10日に当局が発表した。.. 9日、当局は生後 5ヶ月および 12ヶ月の麻疹感染患者発生に関する注意を行っていた。いずれも 4日に報告されていた23ヶ月の患者と接触が確認されている。3人はともに、Greenfield daycare (保育所) に通園していた。37歳の男性患者 1名は、これらの患者との接触はなかった。

カナダ
PRO> Measles - Canada (02): Toronto
Archive Number: 20080413.1341
 投稿者:Ginger Switzer、4月12日
20080411.1327 に関するコメント。
1970年以前に生まれた世代には麻疹の自然感染による免疫があるとされているが、42才の患者発生や、米国で 1963-67年の不活化ワクチンを受けた世代が患者増に寄与した事例がある。1963年に不活化麻疹ワクチンが導入され、追加接種がなかったことから、1970年で分けることに妥当性がないように思える。

PRO/EDR> Measles - Canada: (Toronto)
Archive Number: 20080411.1327
 情報源:Toronto Globe and Mail、4月5日
公衆衛生当局者は、最近発生した麻疹感染流行のキャリアが依然として多く存在することを懸念している。報告された4人の患者にはいずれにも旅行歴がなかったことが確認されたためである。

英国
PRO/EDR> Measles - England (London)
Archive Number: 20080412.1335
 情報源:Eurosurveillance edition 2008 > Volume 13 / Issue 15 、4月10日
イングランド England およびウェールズ Wales では、2007年、1995年の統計記録開始以来、最多の麻疹感染患者数が報告され、971例の感染が確認されている。2006年の患者数は740例であった。ロンドン London は最も患者発生数の多い地域で、ロンドン北東部での麻疹大流行がその要因となった。2007年には、欧州の他の地域でも複数の麻疹感染流行が発生した。報告された件数は、 スイス Switzerland (3), フランス France (4) デンマーク Denmark (5)となっている。2008年になっても、greater London area での麻疹感染流行は継続しており、Lewisham で急増している。

● 鳥インフルエンザ、ヒト エジプト H5N1
PRO/AH/EDR> Avian influenza, human (44): Egypt
Archive Number: 20080411.1332
 情報源:Middle East online、4月11日
エジプト衛生省は、2008年4月11日、30才の女性1名が H5N1型鳥インフルエンザ Avian influenza 感染により死亡したことを発表した。2006年にエジプト国内で初めて発生して以来、49例目の患者であり、22例目の死者となった。この女性は、4月2日に発症し、9日にカイロ Cairo の病院に転送され死亡した。1週間のうちで2人目の死亡となった。5日に Nile Delta province of Beheira の 19歳の少年が、タミフルによる治療の効果なく鳥インフルエンザ感染により死亡している。1月には、わずか 1週間で 4人が鳥インフルエンザ感染により死亡している。経緯など。

● 発疹熱 日本、インドネシアから
PRO/AH> Murine typhus - Japan ex Indonesia (Bali) (02): background
Archive Number: 20080411.1326
 情報源:GIDEON (Global Infectious Disease & Epidemiology Network)、4月11日
旅行に関連する発疹熱 endemic typhus のエピソードはあまり多くない。 2003年のベトナムでの日本人の発症例など

● 結核 ペルー
PRO/AH/EDR> Tuberculosis, MDR, XDR - Peru
Archive Number: 20080412.1337
 投稿者:Juan Carlos Celis-Salinas, MD、4月11日
ペルー国立衛生研究所抗酸菌研究室では、2007年、第2次抗結核 Tuberculosis 薬耐性菌の発生を確認した。

● 蝿蛆症 イエメン
PRO/AH/EDR> Screwworm myiasis, animal - Yemen (03): conf., FAO
Archive Number: 20080413.1343
[1] 家畜に蝿蛆症 Screwworm myiasis 感染が拡大している。
 情報源:IRIN, UN Office for the Coordination of Humanitarian Affairs、3月31日
[2] イエメン西部で、Old World Screwworm (OWS) の感染流行発生
 情報源:FAO AGA NEWS, March 2008

● 鳥インフルエンザ ロシア,韓国(2件)
PRO/AH/EDR> Avian influenza (61): Russia (Primorskiy)
Archive Number: 20080412.1340
ロシア政府、極東 Primorye 地方の鳥インフルエンザ感染発生確認
 情報源:India Times、4月12日
政府農業省は、極東の Primorye 地方の 1ヶ所の村で、鳥インフルエンザ Avian influenza の感染流行が発生したことを確認した。ニワトリ数十羽が死亡し、検疫が行なわれている。ウラジオストク Vladivostok の北 110kmにある、Vozdvizhenk の村において、「2日間で、1ヶ所の農場のニワトリとホロホロドリ guinea fowl 42羽のうち 28羽が死亡した」と、2008年4月10日に報告された。国立検査機関は、H5N1型鳥インフルエンザウイルスによるものと確認した。

PRO/AH/EDR> Avian influenza (60): South Korea, 4th outbreak, duck
Archive Number: 20080411.1321
 情報源:The Chosun Ilbo、4月10日
Yeongwon-myeon area of Jeongeup(North Jeolla Province)のカモ農場1ヶ所で、高病原性鳥インフルエンザが確認された。2008年4月3日以降、同じ地域で4件目のH5N1型鳥インフルエンザ感染流行となった。4月7日には、検疫区域から遠く離れた South Jeolla provincial area において、新たな流行が報告されている。9日、当局は Huji-ri (Yeongwon-myeon, Jeongeup, North Jeolla Province) における H5N1型感染流行を確認したと発表した。... 現在、10カ所の鳥インフルエンザの発生が疑われる農場の調査を行なっている。

● 慢性消耗性疾患、シカ 米国
PRO/AH/EDR> Chronic wasting disease, cervids - USA (CO): live test
Archive Number: 20080411.1333
 情報源:National Park Service、4月10日
エルクの Live Chronic Wasting Disease Test に関する研究
2008年1月、ロッキー山国立公園において、慢性消耗性疾患 chronic wasting disease (CWD) に対する、生きたエルクの検査法の評価研究が始まった。この手法を用いて、free ranging 放し飼いのエルクの CWD 検査が行なわれるのは、初めてのことである。

● ボツリヌス中毒、鳥類 中国
PRO/AH/EDR> Botulism, avian - China: (HK)
Archive Number: 20080411.1331
 情報源:Hong Kong's Information Services Department、4月11日
当局は、Lok Ma Chau で発見された 51羽の野ガモの死因は、ボツリヌス中毒 Botulism であったことを確認した。8羽の northern shovelers [ハシビロガモ、_Anas clypeata_] と 43羽の Eurasian wigeons [_Anas penelope_] が、2008年3月25日に Mass Transit Railway Lok Ma Chau Spur Line の湿地保全区域 compensation area で捕獲された。香港では一般的な冬の渡り鳥である。H5亜型の検査はすべて陰性で、ボツリヌス菌 _Clostridium botulinum_ 産生毒素が原因であった。毒素は、土壌や湖の堆積物から検出されることもある。

● 狂犬病 米国
PRO/AH/EDR>, bat, human exposure - USA: (TX)
Archive Number: 20080411.1323
 情報源:KLBJ News Radio online、4月9日
Williamson County 保健当局は、2008年4月7日に Twin Lakes YMCA daycare playground  で発見された1匹のコウモリの、狂犬病 Rabies 検査の結果が陽性となり、保護者らに注意するよう呼びかけている。捕獲される前に少なくとも2名の小児との接触があり、それ以上の可能性もある。

● ウリ科の病気,べと病 インド
PRO/PL> Downy mildew, cucurbits - India: (PU)
Archive Number: 20080411.1322
 情報源: Webindia123、4月10日
マスクメロン muskmelon に被害