2008年4月16日

鳥インフルエンザ、ヒト 日本 H5N1 ワクチン
マラリア ドイツ,バハマから

● 鳥インフルエンザ、ヒト エジプト,日本 H5N1
PRO/AH/EDR> Avian influenza, human (45): Egypt, Japan
Archive Number: 20080416.1370
エジプト
[1] エジプト:鳥インフルエンザ感染状況-WHO 更新9 
 情報源:World Health Organization, EPR, Outbreak News 、4月14日 
エジプト保健人口省は、新たなヒトでの H5N1型鳥インフルエンザ Avian influenza Aウイルス感染を発表した。患者は、Al-Matarya (Cairo Governorate) の 30才女性である。2008年4月2日に発症し、11日に入院して死亡した。中央公衆衛生研究所とカイロの米海軍医科学研究ユニット 3 (NAMRU-3) において、H5N1型インフルエンザAウイルス感染が確認された。女性の感染源に関する調査により、発病して死亡した家禽との接触があったことが確認されている。 [20080411.1332 の 49例目の患者(22例目の死者)の WHO による公式確認] 
[2] エジプト: 新たな感染患者発生の疑い 
 情報源:All Africa (Reuters)、4月16日
エジプトの 2歳男児が、H5N1型鳥インフルエンザウイルスに感染し、アラブ最大の人口を持つ国における感染者数は 50人となったと、2008年4月16日に報じられた。この幼児は the Nile Delta province of Sharkia 出身で、自宅の鳥類から感染していた。この幼児が発病したのは 13日で、翌日病院を受診し抗ウイルス薬タミフルの投与が開始されている。現在、状態は落ち着いている。2006年2月にはじめてエジプトに鳥インフルエンザが発生して以来、合計 22人のエジプト人が H5N1型鳥インフルエンザウイルスによって死亡している。
日本
 情報源:CIDRAP News 、4月15日
2008年4月15日、厚生労働省は、医療関係者に対してプレパンデミックワクチンを接種する計画を承認する見通しであると発表した。このような目的で国家備蓄のワクチンが使用されるのは(日本が)世界初となる。16日の承認を待って、約6000人の検疫および医療担当者らに、2008年末までに接種される予定である。日本政府はすでに、1000万人分の中国、インドネシア、ベトナムのH5N1型ウイルスを元に製造されたプレパンデミックワクチンを承認し備蓄している。厚労省は、このワクチンは、阪大微研と北里研究所によって製造されたものと述べている。2005年11月に WHO に対して示された、国立感染研の田代博士らによってまとめられた、日本製パンデミックワクチンに関する臨床研究成果により、この計画は政府の援助を受け、いずれの製造業者も、アルミ・アジュバンドの全ウイルスワクチンと同じ製法 formulation を用いて製造したことが明らかににっている。もしこの初期の治験で、プレパンデミックワクチンの安全性と有効性が確認されれば、同省は、議員、警察、医療従事者ら1000万人以上に対して接種する考えを示した。第2期ワクチン接種対象者には、ガスや電気など社会インフラの維持に携わる業種の関係者も含まれると伝えられている。国際医療機関当局者は、国家備蓄されている現在のワクチンが、将来発生するパンデミックウイルスに対しても交叉防御作用を有するのか、研究者においても確かめられていないため、パンデミックに先んじてワクチン接種を行なうことに関しては慎重な姿勢をとってきた。また、ワクチンの使用によってどのような副反応が生じるかは不透明で、この戦略の有用性を評価することを難しくしている。2007年5月の紀要の中で、WHO は、プレパンデミックワクチンの使用が可能となり、家禽業者、医療従事者、そしてすべての人々に使用できると発表した。しかし、WHOは、各国がこの戦略を採用することは推奨しなかった。WHO の広報担当者は、プレパンデミックワクチンは、"a big roll of the dice (大きなかけ)" であるが、ワクチンを使用する国に反対することはないと述べた。2007年、欧州 CDC (ECDC, European Centre for Disease Prevention and Control) は、プレパンデミックワクチンの開発を賞賛したが、加盟各国に対して、WHO がパンデミックのレベルを (現在の 3から) 5ないし6 段階に引き上げ、重大なヒト-ヒト感染が発生したことが示唆されるまで、ワクチンを使用することを支持しない旨を表明している。 
[Mod.CP-WHO が慎重な対応を取っても、一部の国ではプレパンデミックワクチンのトライアルを選択するだろう。たとえば、ベトナムにおいても最近ワクチンのトライアルが始まっている(20080328.1166)。「at this juncture(この重大な局面で)、プレパンデミックワクチンの接種は "a big roll of the dice(大きな賭け)" 」とのコメントは的を射ている]

● マラリア ドイツ,バハマから
PRO/EDR> Malaria - Germany ex Bahamas: (Great Exuma)
Archive Number: 20080416.1369
 情報源:GeoSentinel、4月15日
2008年3月15日に、2週間の滞在からドイツ Germany に帰国した、58歳のドイツ生まれでドイツ在住の女性患者は、1週間前から体調を崩していた。発熱、頭痛、側頭動脈炎の疑いで神経内科に入院した。
バハマ Bahamas はマラリア Malaria の非侵淫地と考えられていたにもかかわらず、幸運にも、マラリアの厚層塗沫標本検査の指示が行なわれた。十分な問診によって、その他のマラリア感染国への渡航は認められなかった。バハマは通常マラリアの感染伝播はなく、抗マラリア薬の服用は勧奨されていない。2007年8月に Great Exuma において、小規模なマラリア流行が発生したため、2007年8月から12月13日まで、米国 CDC は Great Exuma への旅行者に予防的なマラリア内服を勧告していた。その前の 2006年の春の終わりから夏にかけても、 Great Exuma においてマラリア感染流行が発生している。今回の渡航関連のマラリア感染症例の発生により、3度目の感染流行が示唆される。 
[Mod.EP-2006年の感染流行と、2007年の2件について、CDC が調査を行い、感染源はハイチ Haiti からの gametocyte (生殖母体) のキャリアである可能性が高いことが判明した。これまでのところ、バハマにおいてマラリアの感染伝播は発生していないが、gametocytes を保有した移民による感染伝播をコントロールすることは困難である。現時点で、バハマへの旅行者に対するマラリア予防内服は、適応がない]

● サルモネラ感染症 米国
PRO/AH/EDR> Salmonellosis, serotype Agona, breakfast cereal - USA
Archive Number: 20080416.1366
[1] FDA report 
 情報源:US Food & Drug Administration (FDA) News, press release、4月12日 
2008年4月12日、FDA は、13州の少なくとも 21人が、最近商品回収が行なわれた Malt-O-Meal 社製 unsweetened (無糖) Puffed Rice と Puffed Wheat Cereals から検出された菌と同じ、_Salmonella enterica_ serotype Agona を原因とするサルモネラ感染症 Salmonellosis と診断されたとの報告を受けた。この商品はほかにも、Acme, America's Choice, Food Club, Giant, Hannaford, Jewel, Laura Lynn, Pathmark, Shaw's, ShopRite, Tops, and Weis Quality などの商品名で販売されている。消費期限は "Best If Used By" dates from 8 Apr 2008 (coded as "APR0808") through 18 Mar 2009 (coded as "MAR1809")となっている。
[2] CDC report 
 情報源:US Centers for Disease Control and Prevention (CDC)、4月11日 
[Mod.LL-1998年の同社_S._ Agona 関連する感染流行について、Multistate Outbreak of _Salmonella_ Serotype Agona Infections Linked to Toasted Oats Cereal -- United States, April-May, 1998. MMWR. 1998;47: 462-4]

● ムンプス アイルランド
PRO/EDR> Mumps - Ireland: (Limerick)
Archive Number: 20080416.1365
 情報源:Limerick Post、4月15日
リマリック Limerick [province of Munster] の公衆衛生当局は、Mid-West area 全域から 18例のムンプス Mumps 感染症例の報告を受けており、このうち半数以上は the University of Limerick (UL) の大学生であった。リマリックの GPs (general practitioners かかりつけ医ら) に対して、ムンプス症例の増加について注意するよう通達がなされた。おりしも、アイルランド Ireland が、麻疹 measles 発生数で欧州最悪国の1つとなっている最中のことであった。現在 77% の MMRワクチンの接種率の低さのため、アイルランドは、WHO の調査により、成人と小児の麻疹、ムンプス、風疹の免疫保有率が極端に低いと名指しされている。

● イネの病気,Bacterial leaf blight バングラデシュ
PRO/PL> Bacterial leaf blight, rice - Bangladesh
Archive Number: 20080416.1364
 情報源:UN Integrated Regional Information Networks (IRIN)、4月14日

● 穀物のウイルス 米国
PRO/PL> Cereal viruses - USA: (OR, KS)
Archive Number: 20080416.1363
[1] _Wheat mosaic virus_ - オレゴン Oregon 
 情報源:The Walla Walla Union-Bulletin 、4月12日
[2] _Barley yellow dwarf virus_, grasses - オレゴン Oregon
 情報源:Capital Press、4月4日
[3] Triticum mosaic virus, wheat - カンザス Kansas 
 情報源:Agriculture Online、3月25日