鳥インフルエンザ、ヒト 中国、エジプト
マラリア ボツワナ
ディロフィラリア症 ロシア
● 鳥インフルエンザ、ヒト 中国,エジプト
PRO/AH/EDR> Avian influenza, human (43): China, Egypt WHO
Archive Number: 20080408.1292
中国
情報源:Reuters India、4月8日
2007年12月に鳥インフルエンザ Avian influenza により死亡した 24才の中国人男性 1名は、その父親に直接ウイルスを感染させるという、まれなヒト-ヒト感染のケースであったことが、2008年4月7日に研究者により報告された。中国政府当局はすでに、この(24才の)息子が、現在生存している 52才の父親を感染させたと発表していた。遺伝子配列解析などの検査の結果、このことが確かめられたと研究者が述べている。
「今回の中国本土で H5N1型高病原性鳥インフルエンザAウイルス感染が確定された症例における家族内集積において、初発患者が、この患者を入院中に介護していた父親にH5N1型ウイルスを感染させたものと 考えられる」と筆者らは医学雑誌 Lancet で述べた。
H5N1型鳥インフルエンザは通常、アジア、中東、アフリカ、ヨーロッパの鳥類の間で感染が流行する。ヒトに感染することはまれであるが、2003年以来世界で 376人が感染し 238人が死亡している。患者の多くは、感染した鳥類から直接感染しているが、少数のまれなケースとして、ある患者がもう1人の患者に感染させた例がある。このような例は、インドネシアで報告されており、2008年3月、パキスタンの兄弟2人ついても報告があったばかりである。感染は遺伝学的な関連のあるものどおしが主で、この2人の中国人も同じである。複数の専門家は、H5N1型感染に遺伝学的な感受性が存在すると考えている。..
ヒト-ヒト感染が容易となる変化が生じれば、大流行につながり、世界中で多数の死者が発生 するため、すべての感染が慎重に検討されている。北京の中国 CDC の Yu Wang らは、江蘇省で2007年12月に、1週間のうちに発生した男性とその息子のケースを調査した。また、この2人の男性と濃厚な接触のあった 91人 についても検査を行なった。いずれも感染していなかった。
男性は高熱、咳、水様下痢があり、男性の父親は、熱心に病院で看病していた。息子は死亡したが、 父親はタミフルとリマンタジンを服用し、治験の H5N1型ワクチンを接種された女性の血清も投与され、回復した。
医療関係者の特別な occasional 感染を除けば、ヒト-ヒト感染が疑われる事例はすべて、遺伝学的に関連のあるもの同士の間の報告であると、ベトナム政府機関の当局者はコメントしている。「今回の知見は、家族間という接触の強度や接近性に帰結する可能性もあるが、宿主のH5N1型感受性も関係している」とも述べた。H5N1型患者と密接で長時間の接触あれば、念のために抗インフルエンザ薬を服用すべきであるとしている。
2008年3月31日の週に WHO は、2007年におきたパキスタンの兄弟 3人の H5N1型感染で、ヒト-ヒト感染が発生した可能性があることを明らかにした。最大のヒトでの鳥インフルエンザ感染集積は、2006年5月に インドネシアで発生し、少なくとも家族7人が死亡している。
[Mod.CP-おそらく、この報告で最も重要で新たな事実は、息子から父親に感染が伝播した可能性が確認されたことではなく、現在生存している患者の治療に、治験の H5N1型ワクチンを接種された女性の血清が使用されたことである]
エジプト
情報源:World Health Organisation (WHO), EPR, Disease Outbreak News 、4月8日
エジプト保健人口省は、新たなヒトの鳥インフルエンザA型(H5N1型)ウイルスの感染症1例を発表した。患者は、Kafr El-Dawar District(Behera governorate)の19才の男性である。この男性は、2008年3月30日に発症し、同31日に入院したあと、4月4日に死亡した。男性の H5N1型鳥インフルエンザAウイルスの感染は、カイロCairoにある、米国海軍医科学研究ユニットUS Naval Medical Research Unit 3 (NAMRU-3)において確認された。男性の感染源に関する調査により、発病して死亡した家きんとの接触歴が認められている。エジプトでは、今日までに 48人の感染が確認され、21人が死亡した。
[Mod.CP- 20080406.1257で報告されていた、エジプト21人目の死亡の、WHOによる公式の確認である]
● マラリア ボツワナ
PRO/EDR> Malaria - Botswana (Selebi Phikwe)
Archive Number: 20080408.1287
情報源:BOPA Daily News、4月7日。
Bobirwa 地区で、合計 6人がマラリア Malaria に感染して死亡し、ほか 201人が治療を受けていると、公衆衛生の専門家が述べた。Selebi-Phikwe and Bobonong 地区担当の医師は、2008年3月1日から4月7日までに Mmadinare, Bobonong and Selebi-Phikwe の各病院で、患者らの感染が確定されている。通常数例程度の報告しかないこの地域としては、異常に高い数字であり、過去2年間の2倍に当たると述べた。
以下、発生地域の詳細、患者のマラリア感染に対する知識の欠如、マラリア迅速検査の開始、co-artem による薬剤耐性マラリアの治療など。
[Mod.EP-Selebi-Phikwe は、マラリアの低リスク地域と考えられている。ジンバブエと南アフリカに近い、ボツワナ東端にある。マラリアの増加は、ジンバブエでのマラリア増加と関連がある可能性があり、国境を越えた感染伝播か、あるいはマラリアに感染したジンバブエからの難民流入による。Co-artem はアルテミシン artemisinin の抽出物で、他の薬剤に耐性の熱帯熱マラリア感染に有効である]
● ディロフィラリア症 ロシア
PRO/AH/EDR> Dirofilariasis - Russia (Kirov region)
Archive Number: 20080408.1286
情報源:IA Rosbalt-Privolzhie [in Russian]、4月7日
Human dirofilariasis diagnosed in Orenburg province
2008年、2例のヒトでのディロフィラリア症 dirofilariasis 感染が、キーロフ地方で報告されている。同地域で初めてのヒトの感染発生であると、同地方 Rospotrebnadzor (連邦消費者保護福祉局) の広報が明らかにした。この 2例の患者は、同地方 Kotelnichsky 地区で確認された。蚊族の刺咬により感染したものと見られている。感染源 (保有動物) は、ペットのイヌ・ネコや、まれに野生の肉食獣 (オオカミ、キツネなど) である。ヒトや動物への感染伝播は、5月から9月にかけて発生する。
[Mod.NP-ディロフィラリア症は、イヌの感染やベクターの分布など、疫学・環境・気候などの条件により、発生地域が拡大している。2007年の Rospotrebnadzor の報告によれば、ロシアの Tula, Voronezh, Belgorod, Ivanovo, Vologda, Camara, Nizhniy Novgorod, Saratov, Chelyabinsk, Orenburg, Penza, Omsk, Ulyanovsk, Kurgan, Amur (Blagoveschensk), Krasnodar, Krasnoyarsk and Altay の各地方で発生している] [Mod.EP-_Dirofilaria_ spp. がヒトに感染することはまれで、皮下に結節を形成する。蚊族の伝播する線虫の保有宿主は、ネコとイヌ(dog lung worm イヌ肺虫)である]
参考項目
Opisthorchiasis, human - Russia (Chelyabinsk) 20031012.2564
● プリオン病 英国、スペイン
PRO/AH/EDR> Prion disease update 2008 (05)
Archive Number: 20080408.1285
[1] 英国: National CJD Surveillance Unit -- monthly statistics as of 7 Apr 2008
2008年4月7日、クロイツフェルトヤコブ Creutzfeldt-Jakob 病 月例報告
情報源: UK National CJD Surveillance Unit, monthly statistics 、4月7日
Summary of vCJD (変異型クロイツフェルトヤコブ病) cases - 死亡
Deaths from definite vCJD (confirmed): 115 Deaths from probable vCJD (without neuropathological confirmation): 48 Deaths from probable vCJD (neuropathological confirmation pending): 0 Number of deaths from definite or probable vCJD (as above): 163 Summary of vCJD cases - 生存例
Number of probable vCJD cases still alive: 3 合計
Number of definite or probable vCJD (dead and alive): 166 1ヶ月間、新たに診断されたvCJD患者はなかった
[2] Suspected cases of vCJD (スペイン)
情報源:Spanish News in English 、4月7日
Castilla y Leon で死亡した若者2人の原因は、変異型クロイツフェルトヤコブ病 vCJD によるものと確認された。この2人は、およそ 8年前に感染した牛肉を食べたものと考えられている。スペインの専門家らは、今後数ヶ月間、同様の患者がさらに発生する可能性があると見ている。... 2005年に帰国したマドリッド Madrid の 1名の 26歳女性患者以来の死亡となった。1人の死亡は 1ヶ月前のことであり、もう1人はそれ以前であった。いずれも農業関係者ではない。
[3] Suspected cases of vCJD in Spain
情報源:swissinfo.ch, Reuters report 、4月7日
スペインで 2人が vCJD により死亡したと、2008年4月7日 Castilla y Leon 地方衛生当局が発表した。1980年代に英国で初めて確認された BSE は、欧州など複数の国々で確認されている。研究者によると、感染した肉骨粉をエサとして食べたウシに感染が拡大し、ヒトでは vCJD の原因となる。
当局によれば、スペインで vCJD による死亡が発生したのは、今回が初めてではない [スペインではこのほかに 1例のみ発生している]。
[Mod.CP-非常に紛らわしい報告で、もし確定されたなら、これだけで vCJD の深刻な拡大を示唆する。2007年11月までに、英国で163例、 そのほかの国で39例の vCJD 症例が確定されている:その多くが英国と関連があった:フランス 23、アイルランド 4、米国 3、オランダ 2、ポルトガル 2、イタリア・カナダ・日本・サウジアラビア・スペイン各1。
"youngsters" とされている患者の年齢、BSE 感染の肉、英国への渡航などの詳細な情報が望まれる。]
[4] Kuru and sCJD prion probable identity
情報源:Proc. Natl. Acad. Sci.USA, 10, 1074Sci.、3月2日
kuru および古典的 (散発性)CJD の原因プリオンの感染伝播パターンが解明されたとの報告。
● レプトスピラ症 ニューカレドニア
PRO/AH> Leptospirosis - New Caledonia (02): background
Archive Number: 20080408.1291
情報源:GIDEON (Global Infectious Disease & Epidemiology Network) 、4月7日
ニューカレドニアで最近発生した感染流行により、太平洋地域で高率にレプトスピラ症 Leptospirosis が発生する地域の1つであることが明らかにされた。 レプトスピラ症は(ニューカレドニアの)west coast の牧牛地域やメラネシア農村部に多く、Bourail area において最も高率に発生し、3月から5月が発生のピークである。
以下、毎年平均4例の死亡が発生していることなど。
● 小麦,菜種の病気 中国
PRO/PL> Wheat stripe rust, oilseed rape sclerotinia - China
Archive Number: 20080408.1297
情報源:China View 、4月8日
● 結核、ウシ 米国
● 結核、ウシ 米国
PRO/AH> Tuberculosis, bovine - USA (04): (MN) status downgrade
Archive Number: 20080408.1296
情報源:Minnesota Farm Guide 、4月8日
USDA 米農業当局、ミネソタ Minnesota 州のウシ結核感染状況,下方修正
● 鳥インフルエンザ インド,韓国
USDA 米農業当局、ミネソタ Minnesota 州のウシ結核感染状況,下方修正
● 鳥インフルエンザ インド,韓国
PRO/AH/EDR> Avian influenza (59): India (Tripura), South Korea (N Jeolla)
Archive Number: 20080408.1295
インド (Tripura)
情報源:Reuters India 、4月8日
2008年4月8日、死亡した家禽の鳥インフルエンザ Avian influenza 感染が確認されたことから、バングラデシュとの国境にある北東部の辺境の村々で、数千羽のニワトリの処分と住民の発熱に関する調査が開始された。Dhalai district(Tripura state)の8つの村のニワトリとカモが集められている。
[Mod.AS-バングラデシュ国境地帯内ではあるが、今回の感染流行は著しい感染範囲の拡大と成っている]
韓国 (N Jeolla)
韓国 (N Jeolla)
[1] 韓国 (North Jeolla) 韓国で新たな鳥インフルエンザ感染流行確認
情報源: Reuters Health、4月7日
2008年4月8日に韓国政府は、すでに養鶏場での感染が報告されている南西部の、カモ農場1ヶ所で、新たな鳥インフルエンザ感染流行が発生したことを確認し、このほかにも2ヶ所で発生が疑われるため調査を行なっていることを明らかにした。先週6000羽の家禽が死亡した Jeongeup farm では、6500羽のカモの処分が開始された。このほか、付近のカモ農場 2ヶ所でも、5日から6日にかけて数百羽が死亡し、調査が行なわれている。[the Korea Times によると、これらの農場は Gimje and Sunchang (North Jeolla province) にある]
この地域は、先に韓国では13ヶ月ぶりとなる H5N1型感染流行が報告されている、ソウルから 215kmの、Gimje からわずか 27kmの地点である。.. 韓国では、2006年1月から2007年3月にかけて、致死性H5N1型鳥インフルエンザ感染流行が7件発生している。
[2] 韓国 (North Jeolla) Jeongeup で強毒性鳥インフルエンザが確認された
情報源:The Dong-A Ilbo、4月8日
南西部 Jeongeup 市で、高病原性鳥インフルエンザウイルスが確認された。North Jeolla Province では、Gimje の養鶏場につづき2件目の流行となった。当局は、2008年4月7日、3日に報告されていた Jeongeup 近郊の Yeongwon の農場で死亡したカモの死因が、H5N1型鳥インフルエンザウイルスであることを確認したと発表した。先週、Yeongji の養鶏場で確認された第1の感染流行語、鳥インフルエンザが疑われる感染流行は、4件となった。地域検疫担当局は、5日に700羽が死亡した Gobu のカモ農場を調査している。... 精肉業者の対応など...
[Mod.AS-4月2日の韓国政府の OIE への報告では、血清型は調査中となっていたが、H5N1型と確定されている]
● ブルータング オランダ、スイス
● ブルータング オランダ、スイス
PRO/AH> Bluetongue - Europe (21): BTV-8, fetal infection, vaccination
Archive Number: 20080408.1294
[1] オランダ, Fetal infection/changes
情報源:The Veterinary Record, 162:422-423 (2008): letters 、3月29日
オランダでのブルータング Bluetongue 感染流行後、仔牛の水頭無脳症 Hydranencephaly
[2] スイス, vaccination ブルータングワクチン接種指示
情報源: Swiss Federal Veterinary Services web-site [trans from German]、4月4日