レプトスピラ症 ニューカレドニア,ペルー
● レプトスピラ症 ニューカレドニア,ペルー(2件)
ニューカレドニア
PRO/AH/EDR> Leptospirosis - New Caledonia
Archive Number: 20080407.1281
情報源:Pacific Magazine、4月7日
2008年2月にデング熱感染流行が宣言され未だにコントロールされていない上に、ニューカレドニア New Caledonia では水に関係する疾患、すなわちレプトスピラ症に立ち向かわなければならなくなった。首都ヌーメア Noumea とその周辺地域だけでなく、北東部のリフ Lifou 島 (Loyalty island group) でも、320人以上の患者が発生している。...
地図1 New Caledonia:"sui generis collectivity (自治共同体)" であるが、事実上フランスの海外県となっている 主島 (Grande Terre), the Loyalty Islands と小島で構成されている
地図2 Melanesia in the southwest Pacific
ペルー
PRO/AH/EDR> Leptospirosis - Peru: (Loreto), new species
Archive Number: 20080407.1279
情報源:Science Daily、4月6日
アマゾンで新しく発見された_Leptospira licerasiae_は、同地域の約40%のレプトスピラ症の原因であった可能性がある。
ペルー Peru のアマゾン Amazon 地域で、熱帯病であるレプトスピラ症の調査中、カリフォルニア大学サンディエゴ校の研究者は、同疾患の患者の最大 40%の原因である可能性がある、新興の細菌を発見した。重症のレプトスピラ症の患者は、黄疸・腎不全・肺出血の症状が見られ、死亡率が高い。この研究者は、リマ Lima の研究者らと共同で、動物からヒトにまで拡がるレプトスピラ属の新たな種の発見につながった研究を指揮してきた。レプトスピラ症は、重症の、水系感染によって動物からヒトに伝播される疾患で、毎年世界中で数千万人の患者が発生している。致死率は一部の地域では 20-25%に及ぶ。人口の密集した熱帯地域や、レプトスピラに感染したネズミなどの動物の尿で汚染された水に曝露する農村部などに、特に多い。新たに発見された種は、アマゾンの生物多様性を反映し、Peruvian Amazon region of Iquitos のレプトスピラ症の主な原因となっている。... ごく少数の患者からの培養による新たな種である _Leptospira licerasiae_ は、8匹のラットでも確認され、遺伝子レベルで従来の他のレプトスピラ菌とは大きく異なっており、新たな生物学的特長を有している。... 881人の有熱患者についての、前方視的研究より、41%の患者がこの新たな株の抗体のみを有していた。...
[Human leptospirosis caused by a new, antigenically unique _Leptospira_ associated with a _Rattus_ species reservoir in the Peruvian Amazon. PLoS Negl Trop Dis 2008; 2(4): e213. DOI: 10.1371/journal.pntd.0000213]
[Mod.LL-Iquitos area of the Peruvian Amazon (in Loreto Region) で、相当数の患者が感染していることが判明した。ペルーの他の地域での血清学的調査では、この血清型に多くの患者が反応した地域は2カ所だけ -- Ucayalo and Ayacucho-San Francisc -- であった。世界の他の地域にも、この種が存在するかについては、確かめられていない]
● 黄色ブドウ球菌 米国
PRO/EDR> S. aureus, contaminated injections - USA: (FL), alert
Archive Number: 20080407.1280
情報源:Tallahassee.com、4月4日
ペインクリニックでの治療後、12人のブドウ球菌感染 注射薬の汚染が疑われている
フロリダ Florida 州保健当局は、Tallahassee の 1ヶ所のペインクリニックで治療を受けた12人に発生した、黄色ブドウ球菌感染流行の原因を調べるため、検査の結果を待っているところである。患者らの動向を追っている Leon County の衛生当局者は、薬剤耐性の MRSA ではないと説明した。ほかにも入院中の患者あるが、ブドウ球菌の感染は確認されていない。the Pain Institute of North Florida の調査に当たっている感染症の専門家は、皮膚の接触や、不衛生な器具による可能性を否定した。調査は、汚染の可能性のある使用された薬剤に集中して行なわれていると、医院の経営者が話した。感染した1人である、Bainbridge (ジョージア Georgia) の 64歳の女性は、およそ 2週間前にクリニックで注射を受け、ひどい背部痛がいくぶん和らいでいたと述べた。しかしその後,からだの左側のひどい痛みが始まり、幻覚を生じ、自分の子供が判らなくなったという。触られただけで叫び声が出るほど、強烈な痛みであった。クリニックでは、この女性を受診させ、血液培養を採取して、救急外来を受診させた。ブドウ球菌感染と診断され、直ちに抗生物質による治療がおこわなれ、1週間半が経過した、2008年3月24日に退院した。この感染流行で、17人が経過観察のために入院した。専門家は薬剤の汚染が疑われるとし、薬剤が注入された部位に病巣 injuries があり、組織の深部であったと説明した。
[Mod.LL-どのようにして汚染されたのかは不明だが、1本のバイアルの薬剤が、多数の患者に使用された可能性がある。各々の感染者が、別々のバイアルの注射薬を使用されていたとすると、生産過程の汚染ということになる。もしそうであれば、別の場所で、さらに患者が発生することになる]
● ウエストナイルウイルス 米国
PRO/AH/EDR> West Nile virus update 2008 - Western Hemisphere (04)
Archive Number: 20080407.1278
情報源:The Daily Leader、4月1日
ミシシッピ Mississippi 州の衛生当局は3月31日、州内では 2008年初となるヒトのウエストナイルウイルス West Nile virus (WNV) 感染症例が Lincoln 郡から報告されたことを明らかにした。患者の詳細は明らかにされていない。この症例は、2008年の全米においても 2例目の患者である。州内にウイルスが存在し、他の地域にもある可能性があると、疫学担当者が述べた。通常真夏から秋にウイルスが増えるため、3月に WNV 感染が確認されることは異例だが、これまでにも 1月から12月まで、患者発生が報告されている。2007年、合計 136人が感染し、4人が同ウイルスの感染により死亡した。WNV に感染しても 20%しか症状が現われないため、2007年そして 2008年にも、報告されたよりも多くのヒトが感染している。... やや長文、原文参照願います。
● デング熱 ブラジル,グアドループ,ニュージーランド,フィリピン
PRO/EDR> Dengue/DHF update 2008 (14)
Archive Number: 20080407.1270
ブラジル
[1] ブラジル (Sergipe)
Sergipe 州の7都市でデング感染流行発生
情報源:Globo.com [in Portuguese]、4月2日
州保健大臣によると、Sergipe 州の7都市でデング感染流行が発生し、6つの市で危険性が高まっている。感染流行が発生しているのは Laranjeiras, Neopolis, Carira, Tobias Barreto, Riachuelo, Malhador, and Campo do Brito である。住民 10万人当たり 301例以上の発生を流行とみなす。Aracaju, Nossa Senhora do Socorro, Stone Mole, Brejo Grande, and Sao Cristovao は、10万対10-300の発生があり、感染流行となるリスクがある。2008年州内では 653例が発生した (2007年1年間の発生は861例)。3ヶ月で 4例の死亡例が確認されている。...
[2] ブラジル (Rio de Janeiro)
情報源:O Globo Online [in Portuguese]、4月2日
リオデジャネイロのデング感染流行により、2008年4月1日、公衆衛生ネットワークが破綻した(多くの患者のため、各病院が受け入れ不能になった)。3月31日、Rio において、新たに 5人の小児を含む 13人のデングによる死亡が確認された。2008年1月以降、少なくとも 67例の死亡が確認されており、うち 40例は小児である。2008年3月29日までの疫学第13週までの、国内のデング感染総患者数は、12万人あまりである。
[Mod.TY-追加情報として、Rio 市内では、44例のデングによる死亡が発生し、うち 23例は 12歳以下の小児であった、州内の死者は 67人である。国内全体では、デングに関連する 74例の死亡があり、48例は DHF、残りは関連する合併症によるものである]
グアドループ
情報源:Institut de Veille Sanitaire, Point Epidemiologique [in French]、3月25日
情報源:Institut de Veille Sanitaire, Point Epidemiologique [in French]、3月25日
患者数:19200人
期間: 17週間(疫学第35-52週、ピーク第43週=10月末)
重症化率 0.8%(5%DHF)
優位であった血清型:DEN-2(2-8月)、DEN-1(9-12月)
死者3,うち2人は DEN-2 ウイルス感染と直接的な関連性があった
[Mod.TY- 2008年の状況(感染継続の有無など)についても報告を望む]
ニュージーランド、トンガから
ニュージーランド、トンガから
23人以上が感染、トンガでの流行への注意喚起
情報源:New Zealand Herald 、4月2日
23人以上のニュージーランド人が、蚊族媒介性のウイルス性疾患 (デング熱) に感染した。2人は入院を必要とした。「トンガにおいて感染流行が発生しており、注意が必要である」と、オークランド Auckland の医療担当医師が述べた。
[Mod.TY-2008年3月2日、ProMED では、トンガにおける 200人を超えるデング患者を報告した (20080309.096)。ニュージーランドでデング感染患者が発生したとの上記報告から、トンガでの感染流行が継続していることが想像される。トンガからの情報を希望する。]
フィリピン (Negros Oriental)
フィリピン (Negros Oriental)
Negros Oriental の患者数、2008年3月に 50%減少
情報源:Sun Star、4月2日
保健局によると、ネグロスオリエンタル Negros Oriental のデング患者数は、2008年3月に 50% 減少した。疫学サーベイランスユニットは、1-26 日の間の患者数はわずか 34例であったと報告した (2月は 70例、1月は 130例)。当局者は、患者数減少は夏季に入ったためとしているが、昨年よりも以前高率であるため、引き続き注意するよう呼びかけている。
● 腎症候性出血熱 ロシア
PRO/AH/EDR> Hemorrhagic fever w/renal synd - Russia: (Udmurtia), forecast
Archive Number: 20080407.1276
情報源:Udminfo News Agency [in Russian]、4月2日
2008年、げっ歯類とともにヒトでの感染が増加すると見込まれている。
Udmurtia における、2008年の腎症候性出血熱 hemorrhagic fever with renal syndrome (HFRS) 発生に関する予測は、好ましいものではない。げっ歯類での症例の増加が予想され、これに伴って、ヒトでの発生も増加すると見られている。現地 Rospotrebnadzor 当局は、3-4年ごとに発生していると説明している。昨年 (2007年)、Udmurtia において、383例の HFRS 患者が発生した。都会に比べ、農村部での有病率は 2.9倍である。30.5% がIjevsk 市で発生した。Kezsky と Krasnogorsky の 2ヶ所では発生していない。最も被害が大きかったのは、Syumsinsky, Kiznersky, Yak-Bodyinsky, Grakhovsky, Uvinsky, Alnashsky, Karakulinsky, Vavozhsky, M-Purginsky, and Igrinsky であった。37.9% が森林地域で発生し、住居内 32.1%、工場内 12.5%、都市部の庭園 9.7%の発生があった。感染のリスク低減のため、げっ歯類の進入防止対策が勧められている(その他、衛生環境の改善など)。最も感染 (機会) のリスクが高いのは、冬が終わった後はじめて小屋など訪れるときである。"wet methods" による小屋の清掃で十分 only であるとされている。最も一般的な感染様式は、85%を占める air-dust である。室内の徹底的な換気も必要である。げっ歯類から食料を遠ざけ、げっ歯類との接触のあった食品は使用しないことである。食事の前に必ず手洗いをし、ベッドの寝具は2-3時間日光に当てる。
[Mod.CP、VM-2008年夏の HFRS 感染は大変であると予想されている。森林のげっ歯類は、暖冬により相当な数が繁殖しており、住居に移動している可能性がある]
● 鳥インフルエンザ チェコ共和国、フランス(2件)
チェコ,訂正
PRO/ERR> Avian influenza (58): Czech Republic, NOT, corr.
Archive Number: 20080407.1283
投稿者:チェコ・University of Veterinary and Pharmaceutical Sciences Brno、Assoc. Prof. MVDr. Petr Lany, Ph.D.、4月7日
20080406.1259 に関して。
2007年7月5日の BBC ニュースから取られた情報で、チェコで最後にシチメンチョウとニワトリの鳥インフルエンザ感染流行が発生したのは、2007年6月と7月である。
フランス、否定
PRO/AH/EDR> Avian influenza (57): France, swan, NOT, corr.
Archive Number: 20080407.1273
投稿者: 仏・Ministere de l'Agriculture et de la Peche、Patrick Tallon、4月7日
"Avian influenza (57): France, swan 20080406.1259" に関して。
ProMED のこの投稿は、2007年7月5日付けの古い BBC ニュースからの情報で、フランスで新たな H5N1型鳥インフルエンザウイルス発生と間違って伝わっている。仏農漁業省は、フランスにおいて、新たなH5N1型鳥インフルエンザ発生はないことを明らかにする。 [Mod.AS-すみません ...]
● 炭疽、ウシ インド
PRO/AH/EDR> Anthrax, bovine - India (02): (Orissa)
Archive Number: 20080407.1277
情報源:The New Indian Express (Newindpress.com)、4月7日
Agalpur block [in Balangir, Orissa] において合計 20頭のウシが死亡し、炭疽菌 Anthrax に感染していたことが確認された。死後解剖の結果判明した。ヒトへの感染拡大がないか、調査するよう指示がだされた。 3つの panchayats [村レベルの行政単位] of Agalpur block -- Jharnipali, Podapali, and Bharsuja-- が監視下に置かれている。約40万回分のワクチンが、臨時 extended 接種用に調達された。
[Mod.MHJ-OIEは、2004年以来毎年 Orissa 州における炭疽感染流行を報告して来た]
● 菜種 oilseed rape の病気、真菌性疾患 英国、カナダ
PRO/PL> Fungal diseases, oilseed rape - UK, Canada
Archive Number: 20080407.1272
[1] _Phytophthora_ root rot and clubroot - 英国
情報源:Farmers Guardian 、4月4日
まれな病気が oilseed rapeの収量に被害を出した
[2] Clubroot 根こぶ病 - カナダ (アルバータ Alberta)
情報源: The Edmonton Journal、4月1日
キャノーラ canola のカビとの戦い
● マンゴーの病気,Bacterial black spot インド
PRO/PL> Bacterial black spot, mango - India: (AP)
Archive Number: 20080407.1271
情報源:The New Indian Express (Newindpress.com) 、4月3日
クリシュナ Krishna 地区の季節はずれの降雨の被害を受け、2008年のマンゴシーズンは低調に始まった。Banginapalli, Thotapuri, Nuzvid Chinnarasalu などの品種は、大きな市場からの需要がある。Banginapalli は、予期せぬ雨のため、'mangu' [bacterial black spot]病の被害を受け、黒い斑点がでるため、よい値段がつかなくなる。...