2009年5月30日-31日

鳥インフルエンザ、ヒト エジプト
クリミア・コンゴ出血熱 セルビア

● 鳥インフルエンザ、ヒト エジプト
PRO/AH/EDR> Avian influenza, human (97): Egypt 77th case
Archive Number: 20090531.2024
[1] 生後14ヶ月の女児が感染し、77人目の感染者となった
 情報源: Kuna News Agency、2009年5月30日
30 日エジプト保健省は 77人目の H5N1ウイルス感染者を確認した。生後 14ヶ月のこの女児はカイロ Cairo 北部 Daqahliya にある村で高病原性鳥インフルエンザ A(H5N1)ウイルスに感染したと、記者会見で明らかにされた。この幼児は高熱・鼻汁・呼吸困難などの鳥インフルエンザ類似症状を発症し 5日前に入院した。H5N1 陽性と診断されたため、ウイルス薬タミフル [oseltamivir] による治療が行われている。Manshiyat Al-Bakri Hospital 病院に転院し治療が続けられている。この患者の発生により 2006年2月の感染流行発生以来エジプト国内でこの致死性疾患に感染した患者数は 77人となった。The National Higher Commission against Bird Flu は、ヒトにも感染することがあり,一般に鳥インフルエンザと呼ばれるインフルエンザ Aウイルスの亜型の1つである H5N1型ウイルスの新たな感染拡大防止対処法を採用した。これには、医療および自治当局だけでなく、マスメディアの参加も盛り込まれている。 
[2] 母親の家きんの処分の際に 14ヶ月の女児が鳥インフルエンザに感染
 情報源:SAIDR、2009年5月30日
生後 14ヶ月の女児 1名が 25日、発熱、鼻水、咳などの症状を発症した。29日に Mansoura Chest Hospital に入院となった。30日鳥インフルエンザに感染していることが判明した。母親が家禽を処分し羽むしりをした際に、児に濃厚接触があったと報告している。30日の時点で児の状態は安定していると報告されている; 胸部レントゲン撮影は正常であった。30日にカイロの Manshiyet El Bakry Hospital に転送された。保健省はこの患者はエジプトにおける 77例目の高病原性鳥インフルエンザ患者であると報告した。

● クリミア・コンゴ出血熱 セルビア
PRO/AH/EDR> Crimean-Congo hem. fever - Serbia: (KO)
Archive Number: 20090531.2023
[1] 夫婦1組が CCHF により死亡した 
 情報源 Hina MIA, emportal.re 、2009年5月30日
HINA [Information Service 情報機関] によると、コソボ Kosovo 中心部の Malisevo で 1組の夫婦がダニ刺咬により感染する出血熱のため死亡した。夫はプリシュティナ Pristina [コソボ自治区の首都] の病院で 27日に死亡し、 その妻はその 2日前に同じ疾患により死亡している。同じ家族の複数名も同病院に入院しており、重症ではないものの Crimean-Congo hemorrhagic fever (CCHF クリミア・コンゴ出血熱) と呼ばれる発熱性疾患に罹患している。2009年、コソボ中央部の Malisevo と Klina ほか 4都市から CCHF の症状のある患者 157人が報告されている。夏の暑い季節になりダニの刺咬が増えればさらに感染拡大のリスクは高まる。プリシュティナの同病院当局は治療薬は十分にあるとしながら、ダニの刺咬を受ける可能性がある地域は避けるよう市民に注意している。コソボでクリミア・コンゴ出血熱がはじめて報告されたのは 1957年のことで、その後多くの死者が出ていると地元メディアは伝えている。 
[2] ウシの世話の間にダニに刺され CCHF で死亡した 
 情報源:Earthwatch, Biohazards、2009年5月30日
Malisevo 近郊の Mlecane 村の住民 1人が、コソボで 2人目の出血熱による死者となった。コソボの報道機関によるとこの男性の妻も 3日前に同じ病気で死亡して いる。いずれもプリシュティナの the University Clinical Center で死亡した。同病院に入院中の夫妻の娘の状態は安定していると医師は述べている。死亡した患者の息子によると、彼の父親はウシの世話をしている最中にダニに刺された。住民らは数年以上にわたってこの疾患が発生しており、地域全体で大きな問題となっていると言う。毎年同じことが起き死者が出ていると親類の1人が話し、学校の児童に対して注意する以外の対策は何も取られていないと述べた。最新の患者の発生を受け、衛生研究所は家族からの聞き取り調査を行い;感染した場所を突き止め、自宅の庭と周辺地域に噴霧消毒を行った。

● チクングニア熱 タイ
PRO/EDR> Chikungunya (18): Thailand
Archive Number: 20090531.2022
 情報源:Bangkok Post、2009年5月29日
過去5ヶ月間に 2万2276人のチクングニア Chikungunya ウイルス感染が確認されたと公衆衛生省が発表した。公衆衛生大臣は、南部のパッタルン Phatthalung 県でウイルス撲滅キャンペーンを開始しており、2009年1月から5月の間に the lower south から the upper south  にかけての地域で、チクングニア熱が警戒すべき勢いで感染が拡大していると述べた。28の県で感染者が確認されているが、死者はでていない。 Songkhla 県では最多の 9078の感染者が治療を受け、次いで Narathiwat, with 7011 および Pattani, with 2942 の順となっている。この疾患では関節痛と高熱が認められる。 
[Mod.TYー チクングニアウイルス感染伝播はゆっくりではあるが絶えることなく半島を徐々に北上し続け、現在タイ南部でその勢いを増し、北部でも散発的に患者発生が報告されている]

● インフルエンザ A(H1N1) 
PRO/AH/EDR> Influenza A (H1N1) - worldwide (53): case counts
Archive Number: 20090531.2025
[1] WHO - global updates (06:00 GMT) 
[2] PAHO - Americas regional updates (18:00 GMT-4) 
[3] News briefs: 31 May 2009 
[Mod.MPP−....間違いなく南半球にかなりの数の感染伝播が生じ継続しており、チリとオーストラリアが最も患者数増加が著しい国となっている]

PRO/AH/EDR> Influenza A (H1N1) - worldwide (52): seasonal vaccine
Archive Number: 20090530.2010
 投稿者 London School of Hygiene and Tropical Medicine, London, UK・Motoi Suzuki, MD, MSc 5月29日
Seasonal flu vaccine for 2008/2009 has no protective effect on novel
influenza A (H1N1) virus in Japan
 ... 神戸市で報告された 5歳から 44歳までの平均 17歳の 43例 RT-PCR confirmed cases を調べた結果,ワクチンの接種歴が判明した 42例中,52.4% が pre-seasonal vaccination for 2008/2009 season を接種していた。この年齢層の日本人の全国平均の接種率は 27.9% と推定される。
pre-seasonal vaccine for 2008/2009 season による the novel influenza A (H1N1) strain に対する感染予防効果は認められなかった 

● エボラ出血熱 コウモリ コンゴ(民)2007
PRO/AH/EDR> Ebola hemorrhagic fever, fruit bat - Congo DR, 2007
Archive Number: 20090530.2014
 情報源 allAfrica.com, ex SciDev.Net 5月29日
Central Africa: scientists find more signs of bats' role in Ebola
2007年に 186人が死亡した大規模なエボラ出血熱のアウトブレイク a large Ebola [hemorrhagic fever] outbreak が発生した,コンゴ民主共和国の農村部 the remote Kasai-Occidental and Kasai provinces of the Democratic Republic of Congo (DRC) で集められたデータから,いくつかの新たな発見が得られた。
この研究チームのメンバーの一部は,2005年にオオコウモリ fruit bats がエボラウイルスの自然界の保有動物 a natural reservoir of the ebolavirus であることの発見にも携わった。
ガボンの国際医学研究センター the International Centre for Medical Research in Franceville, Gabon の研究者らが主導した今回の新たな研究では,感染患者らの背景の聞き取り調査が行われているが,毎年行われるコウモリの移動 the annual migration of the fruit bat _Hypsignathus monstrosus_ が,2007年は特に大規模だったとの証言が得られている。
野生動物が手に入りにくい地域において,コウモリは重要なタンパク源となっている。しばしば射殺されて血が付いたまま売買される。2007年のアウトブレイクの感染源となったと考えられる男性は,市場でコウモリを購入していた。この男性は生存しており,微熱以外に症状はなかったが,4歳の娘が突然発熱と嘔吐を発症し死亡している ... 
参考項目 2007
Ebola hemorrhagic fever - Congo DR (13) 20071121.3758

● E型肝炎ウイルス ウガンダ(2件)
PRO> Hepatitis E virus - Uganda (04): (KT)
Archive Number: 20090530.2012
 投稿者 インドネシア・Dr Hugh Nelson MBBS DCH DTM&H 2009年5月30日
ヒトの排泄物ではなく,主として動物の排泄物を介して感染伝播される E型肝炎 Hepatitis E の原因が,トイレの不足とするのは間違い。有機肥料を使用した生野菜のサラダも関係する。

PRO/EDR> Hepatitis E virus - Uganda (03): (KT)
Archive Number: 20090530.2009
Hepatitis E kills 2, leaves 60 infected in Kitgum
 情報源 Daily Monitor 5月29日
Kitgum District の最新のデータによると E型肝炎により 2人が死亡し,ほか 60人がこの 2週間に感染した。2008年の流行開始以降の同地区内の感染者数が 1010人となり,死者数は 160人となった。
関連項目 
Hepatitis E virus - Uganda (02): (KT) 20090507.1705

● 麻疹 ボスニア
PRO/EDR> Measles - Bosnia
Archive Number: 20090530.2007
 情報源 Individual.com, BBC Monitoring via COMTEX 5月27日
Measles epidemic in Bosnian Serb towns
the municipalities of Prijedor, Bosanska Dubica, and Kotor Varos [western Bosnia] では,15歳から19歳を中心に 161人の麻疹 measles 感染が確認され,流行発生が宣言されたと,保健当局の広報担当者 the [Bosnian] Serb Republic Health Institute が述べた

● クリミア・コンゴ出血熱 トルコ
PRO/AH/EDR> Crimean-Congo hem. fever - Turkey (04)
Archive Number: 20090530.2006
 情報源 Today's Zaman 5月29日
Experts advise vigilance against ticks
2002年にトルコ国内でクリミア・コンゴ出血熱 Crimean-Congo hemorrhagic fever (CCHF) が発生して以来,全国の 100か村で 2315例が感染し,140人死亡している ... 
関連項目 
Crimean-Congo hem. fever - Turkey (03) 20090528.1989

● 伝染性ウマ子宮筋炎 米国
PRO/AH> Contagious equine metritis - USA (12): (multistate)
Archive Number: 20090531.2018
 情報源: Horsetalk.co.nz、2009年5月29日
米国内において、性感染症の contagious equine metritis (CEM 伝染性ウマ子宮筋炎) に曝露したウマの頭数は 900頭に達した。州および米政府当局は 2008年12月中旬に初めて感染が確認されて以来、感染した可能性のある症例を調査してきた。調査により the US Department of Agriculture's National Veterinary Services Laboratories (NVSL 米・農業省の獣医学研究所) で CEM 陽性が確認されたのは合計19 stallions となった。これ以外にも 5頭のメスで原因菌である _Taylorella equigenitalis_ 性が確認されている。いずれのウマにおいても感染源は分かっていない。

● ブルータング イスラエル ウシ
PRO/AH> Bluetongue, bovine - Israel: OIE, BTV-8
Archive Number: 20090530.2008
 情報源 OIE, WAHID (World Animal Health Information Database), weekly disease information 2009; 22(23) 
Bluetongue, Israel
Start date: 19 Nov 2008
Reason for notification: new strain of a listed disease
Manifestation of disease: clinical disease
Causal agent: bluetongue virus
Serotype: 8
Outbreak Location: Hazafon [North] (Kefar Rosh Haniqra. Acco)
種/個体数/感染/死亡/廃棄/と畜
ウシ Cattle / 250 / 80 / 12 / 0 / 0