2010年7月1日

チクングニア レユニオン
オロプーシェ熱 ペルー PAHO

● チクングニア レユニオン
PRO/EDR> Chikungunya (21): Reunion 
Archive Number: 20100701.2199
 情報源: Institut de Veille Sanitaire, Point Epidemiologique no 45 [in French]、2010年6月24日
3月17日以降、Reunion Island レユニオン島内で、チクングニア熱 Chikungunya に感染する患者が確認されている。患者が確認された地域に沿って、複数の地域での疫学サーベイランスが強化されている。
6月9日から新たに6人の患者と3人の可能性例が確認されている。新たに確認された患者の居住地は、Saint Denis (1 case), Saint Andre (2), and Saint Paul (3; 1 case at l'Ermitage and 2 cases at St-Gilles-les-Bains). であった。
3月17日から6月23日までの期間中に、合計122人の域内感染が確認されている -- 94人が確定患者であり、28人は可能性例である。
南半球の冬期が近づくにつれ、ベクターにとっては不適切な温度となりつつあるが、西海岸 (Saint-Gilles-les-Bains, L'Ermitage) での域内感染が続いている。6月21日の週には、Saint Andre の同じ場所で、2人の住民の感染が確認されており、12日から15日にかけて発症したことから、サーベイランスが強化されている。Plateau de Caillou 地域では、5月19日の週以来、発生は確認されていない。
[Mod.TY- チクングニア熱の確定患者数は、5月5日の52人から、6月24日には94人となり、疑い患者も16人から28人に増えている。URLのサイトには、島内での患者発生地域の地図が示されている]
地図 the location of Reunion Island in the Indian Ocean 

● ハンタウイルス チリ
PRO/AH/EDR> Hantavirus update 2010 - Americas (27): Chile (OH O'Higgins) 20100701.2198
 情報源: El aMaule [in Spanish]、2010年6月25日
モール Maule において、新たに13歳の子どもがハンタウイルスに感染した。6月24日の保健当局の発表によると、the O'Higgins region (Chimbarongo) 出身のこの子どもは、モールの病院で治療を受けている。状態が悪いため、the Talca Hospital に転送され、集中治療室で人工呼吸器を装着されている。the Health SEREMI [Regional Ministerial Secretariat 地方当局] が小児の自宅に赴いて行った疫学調査で、ハンタウイルス感染の危険性が高い場所であったことが確認されている ... 
モールではこれまでに、7人のハンタウイルス感染が確認され、感染増加の傾向にあり、うち2人が死亡している。
[Mod.TY- チリ中央部にあるこの地域では、ハンタウイルス感染が散発していた。記述されていないが、ハンタウイルスの種類としては Andes virus と考えられる]
the long-tailed pygmy rice rat (_Oligoryzomys longicaudatus_), the sigmodontine rodent host of Andes hantavirus 
地図 the location of the O'Higgins region 

● Oropouche 熱 ペルー
PRO/AH/EDR> Oropouche - Peru (03): (SM) PAHO alert 20100701.2197
Current situation
 情報源: Pan American Health Organization Epidemiological Alert、2010年6月22日
オロプーシェ熱 Oropouche のアウトブレイクが、南北アメリカのブラジル、エクアドル、パナマ、ペルー、トリニダード・トバゴの農村地帯や都市部で見られている ... 
オロプーシェ熱ウイルスは、自然界で2つの感染サイクルを示す。
1つは野生タイプ、もう1つは都市流行タイプで、野生タイプでは霊長類やナマケモノ、そしてある種の節足動物といった野生の動物が保有宿主となっており、蚊がベクターとして作用し、都市流行サイクルの感染サイクルは、ベクター-ヒト-ベクターへというパターンで、ヒトが主な宿主として機能している。
この10年間に記録されたアウトブレイクは、主としてアマゾン地方で発生した。2010年5月、ペルー政府当局は、San Martin 県、Pachiza 地区、Bagazan でのアウトブレイク発生を検出し、疫学第23週の時点で282例のオロプーシェ熱症例が報告されている。41例が確定例であった。媒介蚊 Culicoides paraensis がこの地方で確認された。ペルーでは、1992年に初めてのオロプーシェ熱ウイルスが Iquitos 地方で検出された。
発生と増加に関与する可能性のある要因
・吸血性ベクターである Culicoides paraensis の分布濃度が高いこと。
・この疾患に感受性のある人が非流行地域から流行地域に移動すること。
一般的な推奨事項
1. アウトブレイクの調査
2.症例発見のためのサーベーランス活動強化
3.疾患を確定するための検査体制強化
4.医療従事者の数を増やすこと
5.ベクターと、保有宿主を決定する、昆虫学的サーベーランス強化
6.ベクターの密度を減らすための対策
7.個人の蚊に対する防護の重要性を認識させること。
8疾患情報や推奨事項を広めること。
参考文献 6編(原文参照願います)
[Mod.TY- ペルー国内では、6月13日の患者 160人以上(160よりどれくらい多いのかは不明: 20100618.2045)から 282人に増え、確定患者も増加した]

● デング熱/デング出血熱
PRO/EDR> Dengue/DHF update 2010 (31) 20100701.2196
[1] インドネシア (バリ)
 情報源: The Bali Times、2010年6月23日
保健当局は、デンパサール Denpasar では、依然として死亡につながる可能性のあるデング出血熱DHF の恐れが消えていないとして、注意を呼びかけている。公式に雨期が終了したとされているが、デング熱を媒介する蚊族であるネッタイシマカがいなくなったことにはならないと述べた上で、デンパサールで6月中に3人の子どもがデング熱で死亡したことを明らかにした。今も病院はデング熱患者でいっぱいである...
地図 Denpasar in Badung, Bali, Indonesia
[2] スリランカ
 情報源: Colombo Page、2010年6月24日
the Epidemiology Unit of the Health Ministry(保健省疫学当局)による最新のデング熱発生状況によると、2010年のこれまでのデング熱による死者は 113人と発表されている。デング熱と診断された患者は 17411人であるが、最多であった1月の 4672人から、5月には 1888人に減少したことが判った...
[3] フランス(海外県)、メイヨット
 情報源: Institut de Veille Sanitaire, Point Epidemiologique no. 46 [French]、2010年6月24日
コモロ諸島 the Comores でのデング熱流行の発生を受け、La Mayotte において、3月からデング熱サーベイランスが強化されている ... 3月初めから行われているサーベイランスでは、検査された 666人のうち、49人のデング熱感染が確認された。6月9日以降も、新たに 10人の患者が発生している。
関連項目 20100517.1620 
[4] カーボベルデ
 情報源: Afrique en ligne [in French]、2010年6月26日
カーボベルデ諸島政府は、島嶼内で新たに発生したデング熱流行対策の全国衛生キャンペーン実施に参加できるよう、7月2日の政府および民間業務を休止とすることに決定した...
[5] ホンジュラス
 情報源: Tiempo [in Spanish]、2010年6月22日
ホンジュラス国内に波及したデング熱感染流行は、大きな被害発生の危険性を帯びている。公立病院においては、1日あたり1人がデング出血熱で死亡している計算になる。中米および一部のラテンアメリカで発生したデング熱は、降雨量の増加に起因する部分もあるが、ホンジュラスに限って言えば、デング熱を媒介するネッタイシマカへの対策を怠ってきたことが要因である...
記事紹介 The 19 Jun 2010 edition of Tempo : the Seguro Social Hospital (テグシカルパ Tegucigalpa)は連日 10-15 patients の入院を受け入れており、国内では2010年のこれまでに 10 780 dengue cases ; 461 hemorrhagic dengue fever and 10 deaths.が発生。そのほとんどは、19歳以下だった。
[6] プエルトリコ
 情報源: Primera Hora.com [in Spanish]、2010年6月22日
プエルトリコでは依然としてデング熱が健康上の問題となっている。保健省の責任者が6月22日にこう述べた。5月27日の時点で、236人のデング熱患者が報告されており、うち22人がDHFと診断されている。2人がデング熱により死亡した...

● 麻疹 フランス 
PRO/EDR> Measles - France 20100701.2191
 情報源: Famil.fr, (from Le Figaro) [French]、2010年6月25日
the Institute of Health Surveillance (INVS 保健サーベイランス研究所) によると、2010年はじめからフランス国内で報告されている麻疹患者が2000名を超えたことが明らかになった。2009年の患者数は 1544人であった。患者の10%が 1歳未満の小児だった。フランス国内における麻疹感染流行は、特にリール Lille およびボルドー Bordeaux 近郊を中心に勢いを増している。
2010年初めにも、欧州全域 (ブルガリア、スペイン、アイルランド、ドイツ)で麻疹感染流行が複数発生していたが、フランスの流行が最も深刻であると、INVS は報告している ... このほか、マラウイ、ブルキナファソ、南アフリカ、チャドなどの途上国からも、麻疹による多数の感染および死亡発生が報告されているが、ワクチン接種により沈静化している..

● 小麦の病気,Karnal bunt 欧州
PRO/PL> Karnal bunt, wheat - Europe: risk assessment 20100701.2190
 情報源: Food Ingredients First、2010年6月21日
当局による小麦の真菌疾患評価 EFSA evaluates wheat disease fungus
EFSA [European Food Safety Authority 欧州食品安全当局] は、現時点では欧州に存在しないthe karnal bunt fungus _Tilletia indica_ に関する研究報告を準備している。輸入小麦により持ち込まれる可能性があり、真菌の発生が確認されている地域からの小麦はすべて、収穫および出荷の際に検査し、芽胞の混入がないことを確認すべきと結論づけている.....

● 口蹄疫 日本: 宮崎
Subject PRO/AH/EDR> Foot & mouth disease - Japan (30): (MZ) 20100701.2189
 情報源: Isria.com 、2010年6月30日
菅首相は、総理官邸で口蹄疫対策本部会議を開催した。冒頭において、まず行わなければならないこととして、感染拡大の防止があり、自身が全力を尽くすとの発言があった....