2010年7月2日

C型肝炎関連ウイルス、コウモリ バングラデシュ PLoS
鳥インフルエンザ、家禽か渡り鳥か: 羽繕い PLoS

● C 型肝炎関連ウイルス、コウモリ バングラディシュ
PRO/AH/EDR> Hepatitis C-related virus, bats - Bangladesh 20100702.2206
 情報源: EurekAlert, Columbia University's Mailman School of Public Health report 、2010年7月1日
Discovery of a hepatitis C-related virus in bats may reduce outbreaks in humans
世界中で5億人以上がウイルス性肝炎に感染し、肝不全や肝がんの原因となっている。研究者らから、アジアのコウモリに C型肝炎と関連性のあるウイルスが確認されたとの報告があり、C型肝炎の起源や他の動物種からヒトへの感染のメカニズムについての手がかりがつかめるかもしれない ... 
C型肝炎ウイルスに関係のある、GB ウイルスと呼ばれる複数のウイルス は、以前は霊長類に限って見つかっていた。しかし今回、最先端の分子技術により、バングラデシュのコウモリ _Pteropus giganteus_ で GB ウイルスが確認された。
the Center for Infection and Immunity (CII) at Columbia University's Mailman School of Public Health が行った研究 (詳細は原文)によると、遺伝子塩基配列を分析することにより、98頭のコウモリのうちの5頭の血液と1頭の唾液から、GB ウイルス A および C に関係するウイルスの遺伝物質が確認された。さらに、仮に GBV-D と命名された2種類のウイルス株の分析結果より、_P. giganteus_ bats がこのウイルスの自然界における宿主である可能性が示唆された。コウモリの唾液から GBV-D の核酸が検出されたことから、生物学的に、感染のあるコウモリからヒトを含む他の種に感染が伝播したとこの仮説が導かれると、研究チームは述べている ...
The online PLoS Pathogens report referred to above: "Identification of GBV-D, a Novel GB-like Flavivirus from Old World Frugivorous Bats (_Pteropus giganteus_) in Bangladesh.(The full report

● 鳥インフルエンザ、家禽か渡り鳥か: 羽繕い
PRO/AH> Avian influenza, poultry vs migratory birds (05): preening 20100702.2208
[1] 野生の水鳥の羽繕いが、インフルエンザAウイルス感染に寄与するか
"Can Preening Contribute to Influenza A Virus Infection in Wild Waterbirds?"
 情報源: PLoSone、2010年6月25日
要約:  
野生の Anseriformes および Charadriiformes 目(the Orders)の水禽は、すべてのインフルエンザ A ウイルスに関する、主な遺伝学的プールの保有宿主とされている。感染した鳥の糞に排泄される高濃度のウイルスにより、糞口感染が成立する。
数々の研究において、野生の水禽が生息する地表水から、鳥インフルエンザウイルス avian influenza viruses (AIVs) が検出されたことが報告されている。このように、水生環境でウイルスが分離されることから、野生の水禽の間での AIV の感染伝播に、(水生環境が) 大きな役割を果たしていることが示唆される。
しかし、水中では感染性排泄物が次第に希釈されることにより、宿主からのウイルス感染力が弱まる可能性もある。水禽での AIV 感染伝播に、別のメカニズムが関与している可能性を確かめる目的で、水鳥の羽に防水性を与える羽繕いの油脂 (preen oil) 分泌が、鳥類の体表面からの水分による AIV の希釈を妨げ、濃度を高めるメカニズムとして働くことで、結果として羽繕いの行為自体が感染性 (保持) の要因となっている可能性について、調査を行った。
345羽の野生のマガモ mallards の羽繕いを行った羽毛 feather の擦過検体 すべてにおいて、RT-PCR 法およびウイルス分離アッセイにより、感染性のAIV が検出された。さらに、quantitative real-time (qR) RT-PCR assay 法を用いた検査室内での実験で、preen oil を施した feather (n=5) および cotton (n=24) を、AIV に汚染された水中に浸透させ擦過検体を採取したところ、表面に AIV が濃縮された形で検出されることも確認できた。これらのデータの考察により、野鳥でのウイルス保有システムの中の AIV の生態が、よりいっそう解明されるための情報が得られた。
[2] 投稿者:伊・Department of Veterinary Public Health and Animal Pathology (D.S.P.V.P.A.) Bologna University、Dr. Mauro Delogu D.V.M., Ph.D.、2010年7月1日

● ランブル鞭毛虫症 Giardiasis ニュージーランド
PRO/EDR> Giardiasis - New Zealand 
Archive Number: 20100702.2202
 情報源: Stuff.co.nz, The Dominion Post report、2010年6月15日
過去3ヶ月間に、全国のジアルジア Giardiasis の感染症例がおよそ50%増加し、ウェリントン Wellington 周辺での感染流行発生が危惧されている。2010年1月から3月までの期間中の、全国のジアルジア感染症例数は555人で、2009年10月から12月までの3ヶ月間の375人、および2009年同期の470人から大幅に増加した。ウェリントン地域では、6月1日の週に8人の患者が発生したが、5月24日の週には1人の患者しか発生していない。
Regional Public Health 当局は、直ちに問題の深刻化を否定した。動物やヒトの腸管内に常在する寄生虫で、糞便を介して感染が広がるが、一方で水路などの自然環境中でも長期間生存することができる。下痢、腹痛、嘔吐などの症状が見られることが多い。ありふれた症状であるため、診断されることは少ないが、便検査で発見されたものはすべて当局に報告されている

● 炭疽 アルゼンチン,カナダ,米国(3件)
アルゼンチン
PRO/AH> Anthrax, human, livestock, 2009 - Argentina 20100702.2207
 投稿者:Laboratorio Azul Diagnostico SA・Dr Ramon Noseda、2010年6月25日
2003年に始まった、アルゼンチン国内における、the "Rural Carbuncle"A? [Anthrax Control & Surveillance] programme の現況に関する年次報告を紹介する。これは、ウシの畜産に関係する、ウシとヒトの症例について、いくつもの疫学的なシナリオをモニターしている。
1.ブエノスアイレス Bunos Aires 県では、5件のウシの炭疽感染流行が Juarez, Navarro, Tres Arroyos, Carlos Tejedor, and Tandil 郡で発生した...
2.省略
3.ブエノスアイレスと La Pampa 県で、128検体が検査され、11検体 (8%) が陽性となった。
4.1977-2009年の間に、ブエノスアイレスにある郡のうち51郡から炭疽が報告されている。2009年に炭疽感染流行が発生したのは10郡で、 Carlos Tejedor (1 outbreak), Juarez (1), Mar Chiquita (1), Navarro (1), Pringles (1), Rauch (4), Saavedra (2), Tandil (1), Tres Arroyos (1), Villarino (1); total 14 件だった。....
5.国内の10社が110万頭分あまりの Sterne 株ワクチンを製造した
6.全国で炭疽に感染したのは3人で、2人はブエノスアイレス県、1人はブエノスアイレス市の住民であり、いずれも皮膚炭疽だった。ブエノスアイレス市の患者は、近郊の県からの移送患者と見られる。

カナダ
PRO/AH/EDR> Anthrax, bison - Canada: (NT) 20100702.2209
Bison anthrax outbreak in N.W.T. lowlands
 情報源: CBC News 、2010年7月1日
the Northwest Territories の政府野生動物当局のチームは、イエローナイフ Yellowknife の南、Fort Resolution から南東に約 80km の地点で発生した、炭疽感染流行への対応を開始した。the Slave River Lowlands で発見された、合計7頭のバイソンが、検査の結果、炭疽であることが判明した。6月23日に行われた空中からのサーベイランスで、8km 圏内に点在していることが確認されていた。この地域には、およそ600頭のバイソンが生息していると、当局は説明している

米国 
PRO/AH/EDR> Anthrax, livestock, wildlife - USA: (TX) 20100702.2204
 投稿者: Mod.MHJ Martin Hugh-Jones、2010年7月2日
Anthrax deaths in Uvalde County, Texas
2010年6月25日、テキサス Texas A&M 獣医学検査所, College Station において、Uvalde 郡のwhite tailed deer 1頭が、炭疽感染により死亡したことが確認されたとの、確かな情報を得た ... Rock Springs 近郊にあるこのシカ農場でおよそ10頭のシカが死亡していた...

● 果樹の病気 チェコ共和国、米国
PRO/PL> Fruit tree diseases - Czech Republic, USA 20100702.2203
[1] Apple scab, 原因不明の真菌 - チェコ共和国 Czech Republic
Fruit volumes down in Czech Republic
 情報源: FreshPlaza, Czech Fruit Growers Association report、2010年6月28日
今年に入ってからこれまでの天候不順により、フルーツの収穫量は、過去数年間の平均を下回る恐れがあると見られている。果実の開花時期に当たる5月の冷涼で湿った天候と、真菌性の病気の広がりが原因と見られている...アプリコットは60%の減少、サワーチェリーとナシも収穫量が落ちると見込まれている...リンゴは品質の低下により価格暴落の恐れがある..
[2] Multiple diseases - 米国 (オレゴン Oregon)
Wet weather fuels disease pressure

 情報源: Capital Press 、2010年6月24日
まれとされる病気の流行により、州内の果実畑に被害が発生している。オレゴン州立大学の専門家は、2010年春に、22年ぶりとなる病気の発生があったと述べた...記録破りの降雨となったこの春、 brown rots, scabs, anthracnose, blossom blights and leaf spotsなどの果樹の病気が一斉に広がった。
[3] Cytospora canker, cherry - 米国 (モンタナ Montana)
州内に感染の拡大 Cytospora canker is widespread in Montana
 情報源: Char-Koosta News、2010年6月17日
(モンタナ州) ミゾーラ Missoula 周辺のチェリーの木で、Cytospora canker が発見された後、現在では、モンタナ州全体のポプラ aspen、ヤナギ willow、ハコヤナギ cottonwood、メイプル maple に感染が広がっている。