2010年10月1日

エキノコッカス症 ボリビア
ラッサ熱 シエラレオネ

● エキノコッカス症(包虫症)ボリビア
PRO/AH/EDR> Echinococcosis - Bolivia: (PO) RFI 20101001.3562
 情報源 Periodico Digital Educacion Radiofonica de Bolivia (Erbol) (in Spanish)、2010年9月24日
保健省の当局者が,'hydatid cyst(包虫症)' と呼ばれる,イヌからヒツジやヤギに感染する病気が、新たにこの地方でヒトに感染したと発表した。Tupiza, Potosi Department の病院で肝疾患の患者数が多く出た事から当局が調査を行い、この地域ではこれまで確認されたことがない新たな人獣共通感染症が発生していることがわかった。国内の他の地域では見過ごされることはない。
当局者の説明によると,この病気はイヌのフンに汚染されたヒツジやヤギの飼料により(ヤギなどに)感染が拡大し、それら動物の内臓を食べて the hydatid cyst(のう胞)がヒトに感染する。ヒトの体内で肝臓や肺に寄生し破壊する。携帯超音波装置を持ったウルグアイ人医師の協力でこの病気が発見され、400人を検査した中で17人が陽性だった。
イヌのフンについても the copro-antigen test 検査が行われ、イヌからの感染であったことが証明された。
肝 hydatid cyst はボリビア国内では比較的ありふれた病気であり、肺のほか、少数ではあるが腎臓、骨、脳、筋肉、脾臓、眼球などにも嚢胞が形成される。成長が緩徐な腫瘍のような症状で、のう胞の場所や大きさによりさまざまである。画像検査で偶然見つかることが多い。
この深刻な事態を受け、the Pan American Health Organization (PAHO) の協力で新たな超音波装置が導入され,全国的に検査が行われることになった。
[Mod.EP- 南米ではほとんどの国で _Echinococcus granulosus_ が発生しているが、特に発生率が高いのはアルゼンチン、ボリビア、ブラジル、チリ、ペルー、ウルグアイの各地で、これらの地域ではこの寄生虫が公衆衛生上の深刻な問題となっている。
WHO/OIE Manual on Echinococcosis in Humans and Animals: a Public Health Problem of Global Concern from 2001) 
超音波で検査された400人が健常人なら、17人が陽性と言うのはかなり高率となる。嚢胞を含む生肉の摂取でヒトに感染すると言う部分は真実ではないだろう。ヒトなどの哺乳類の感染は、感染したイヌなどによって環境中に散布された卵によって感染する]
 
● ラッサ熱 シエラレオネ
PRO/AH/EDR> Lassa fever - Sierra Leone: (NO) 20101001.3555
 情報源 Romandie News, Agence France-Press (AFP) report [in French]、2010年9月27日
西アフリカの複数の国で発生しているラッサ出血熱 Lassa fever がシエラレオネに到達し、これまでに2人の死亡が確認されたと、27日に政府保健当局が発表した。45歳の女性とその6歳の息子が Kameni (Northern region) の病院で死亡したと当局者が述べた。検査機関での検査により、死因はラッサ熱ウイルスの感染であることが確かめられたと述べた。ほか7人が感染し3人は重体である。ラットを感染源とし、1969年に初めての患者が確認されたナイジェリアの町の名前に因んで病名がついた。ヒトからヒトへは、血液、尿その他の患者の体液との接触を通じて感染が広がる。北部地方で食料とされることの多いラットについて、当局は摂食しないよう呼びかけている。感染初期の発熱、嘔吐、腹痛などの症状は、マラリア、赤痢、黄熱に似ており、初期診断を困難にする。WHO によると西アフリカで毎年30万人から50万人が死亡している。ナイジェリア各地、ギニア、リベリア、シエラレオネに常在し、時にセネガルなどの他国でも発生することがある。
[Mod.CP- ラッサ熱は人獣共通感染症で、動物の宿主は一般に "multimammate rat" と呼ばれている the genus _Mastomys_ のげっ歯類である (写真)。動物は感染しても発病しない。感染したヒトのおよそ80%が無症候性だが、残りの患者は重篤な多臓器疾患を発病する。ウイルスの影響のあるのは、肝臓、脾臓、腎臓などである。潜伏期間は6-21日間である。当局が、ネズミを摂食しないよう呼びかけているのは、ラッサ熱が食品媒介性疾患であるからではない。(食材とする場合に)生きたあるいは死んだ動物に触れたり、動物を取り巻く環境に暴露することで、ウイルスに感染する(ので危険である) という意味である]

● 炭疽 バングラデシュ
PRO/AH/EDR> Anthrax, human, bovine - Bangladesh (20): 6 new cases
Archive Number: 20101001.3570
[1] ヒト: IEDCR update
 情報源 Bangladesh Institute of Epidemiology, Disease Control and Research (IEDCR) 、2010年10月1日
[2] Sirajganj, ヒト
 情報源 : bdnews24.com 、2010年9月29日
Kamarkhand Upazilla in Sirajganj でさらに4人が感染し、地域内の感染が218人となった。
[3] ウシ: economic impact
 情報源 The Financial Express 、2010年9月29日。

● 日本脳炎など インド
PRO/AH/EDR> Japanese encephalitis & other - India (22): (UP) 20101001.3568
 情報源 Net India 123、2010年9月28日
Uttar Pradesh ウッタルプラデーシュ州東部の Japanese encephalitis (JE 日本脳炎) の死者がこの24時間に起きた新たな3人の死亡により361人に達した。

● ポリオ コンゴ民主共和国 
PRO/EDR> Poliomyelitis - worldwide (19): Congo DR 20101001.3564
[1] コンゴ民主共和国
 情報源 Radio Okapi [trans]、2010年9月30日
New cases of wild polio detected in Kasai-Occidental
合計7人の野生株ポリオウイルス感染患者について、ワクチンキャンペーン中の Kasai Occidental 州から報告があったことを、9月29日に WHO the Kananga sub-office の責任者が明らかにした。患児はすべて15歳未満であった。
[2] Polio eradication initiative weekly summary
 情報源 Polio eradication initiative website 、2010年9月28日

● クリミア・コンゴ出血熱 パキスタン
PRO/AH/EDR> Crimean-Congo hem. fever - Pakistan (04): (PB Punjab) 20101001.3563
 情報源 newdawn.com Islamabad 、2010年10月1日
More Crimean-Congo fever suspects land in Pindi hospitals
9月30日、市内の各病院に Chakwal および周辺地域から15人の致死性のクリミア・コンゴ出血熱 Crimean-Congo haemorrhagic fever(CCHF)の患者らが運び込まれた。合計11人が Holy Family Hospital (HFH) のほか District Headquarters (DHQ) Hospital and Benazir Bhutto Hospital に各2名が入院した。医師の話によると、患者らは6日前から発熱があり、一部の患者の歯肉から出血が始まっているという。患者は Chakwal city の1人と、Rawalpindi city の5人 ...
[Mod.CP- もし確定されれば、パキスタンで過去最大の CCHF 感染流行と言うことになる。the HFH hospital in Rawalpindi では、院内感染に加え他の地域からの紹介患者も受け入れている]
[Mod.JWー 血液検査の結果を待って CCHF の治療を行わないのは危険である。病院職員らは発症しているのか、それとも単に観察のために隔離されているのだろうか]
関連項目 
Crimean-Congo hem. fever - Pakistan (03): (PB) nosocomial 20100930.3547

● 狂犬病 メキシコ
PRO/AH/EDR> Rabies - Mexico: (NL) human, feline 20101001.3567
 情報源 milenio.com [in Spanish]、2010年10月1日
Rabies outbreak in Garcia, Nuevo Leon, Mexico
Garcia の町で1人の女性が感染した1ひきのネコに襲われたのは、狂犬病 Rabies の動物による事例としては30年ぶりのこととなる。事件が起きたのは9月20-24日の週で the district of Advance Popular の住民1人が、突然野良猫に襲われた。噛み付かれたり、ひっかかれたりした後、この女性は必死でネコを退治した。
* the province of Nuevo Leon ; Garcia is a municipality located to the northwest of the Monterrey metropolitan area in the state of Nuevo Leon 

● ウエストナイルウイルス ユーラシア ウマ OIE
PRO/AH/EDR> West Nile virus - Eurasia (08): SP, GR, equine OIE 20101001.3569
[1] スペイン (Andalusia): OIE, immediate notification
 情報源 OIE, WAHID (World Animal Health Information Database), weekly disease information 2010; 23(37)、2010年9月10日
[2] Spain (Andalusia) OIE, follow up report no. 1
 情報源 OIE, WAHID (World Animal Health Information Database), weekly disease information 2010; 23(40) 、2010年10月1日
[3] ギリシャ (Macedonia)
 情報源 OIE, WAHID (World Animal Health Information Database), weekly disease information 2010; 23(39) 、2010年10月1日

● 原因不明の大量死、鳥類 ロシア 野鳥
PRO/AH/EDR> Undiagnosed die-off, avian - Russia: (KX) wild birds, RFI 20101001.3566
 情報源 Rosselkhoznadzor News (Russian Federal Service for Veterinary and Phytosanitary Surveillance)、2010年9月27日
[Krasnoyarsky Krai (Krasnoyarsk territory)] の The Territorial Administration of Rosselkhoznadzor [Federal Service for Veterinary and Phytosanitary Surveillance] 当局は、9月18日に湖 Lake Tagarskoe of the Minusinskiy Rayon [Minusinsk district] of [Krasnoyarsk] で野鳥が大量に死亡しているのを確認した。およそ1000羽以上が死亡しており、現在原因が調べられている。
[Mod.AS-HPAI (highly pathogenic avian influenza) に関する検査結果を]
[Mod.JW-湖と言う場所柄、おそらく水禽と考えられる。種が重要]

● 流行性出血病、シカ 米国
PRO/AH/EDR> Epizootic hemorrhagic disease, cervid - USA (03): (MI) 20101001.3565
 情報源 Michigan Live (mlive.com), Kalamazoo Gazette report 、2010年9月29日
Biting flies are carrying a virus that's killing deer in Southwest Michigan
Epizootic hemorrhagic disease (EHD 伝染性出血性疾患) の地域内感染流行は、霜が降りてシカの間のウイルス伝播を助ける the midges (ヌカカ) が死滅するまで続くとの見方を、the Michigan Department of Natural Resources and Environment (DNRE) in Plainwell.の専門家が示した。EHD によるシカの死亡は Cass, Van Buren, Ottawa, and Berrien counties などで起きている。

● 口蹄疫 モザンビーク
PRO/AH/EDR> Foot & mouth disease - Mozambique: (GA) bovine, ovine, susp. OIE 20101001.3561
 情報源 OIE, WAHID (World Animal Health Information Database), weekly disease information 2010; 23(39)、2010年9月30日
Foot-and-mouth disease, Mozambique
感染開始時期 2010年9月24日
前回流行時期 2003年8月
原因ウイルス Foot and mouth disease virus Serotype: pending
新たな感染流行
発生地 Messano, Messano, Bilene, Gaza 農場
感染した種など

● トマトの病気,Buckeye & bacterial blight インド
PRO/PL> Buckeye & bacterial blight, tomato - India: (HP) 20101001.3560
 情報源 Sindh Today News, Indo Asian News Service (IANS) report、2010年9月26日
降り続く雨により、国内有数の産地である Himachal Pradesh 州のトマトの60-70%に壊滅的な被害が出ている。Solan, Shimla, Mandi, Sirmaur, Bilaspur, and Kullu [districts] の作物に被害が出ていると、当局者が述べた。真菌による buckeye rot と 細菌による leaf spot が原因とされている。
[Mod.DHA-その特徴的な果実病変から Buckeye rot とも呼ばれる Phytophthora blight of tomato は、主に the fungus-like pathogen _Phytophthora nicotianae_ (previously _P. parasitica_) を原因とするが、ほかにも _Phytophthora_ species such as _P. capsici_ などにも関係する ...Bacterial (leaf) blight (also called leaf spot) of tomato の原因は、 _Xanthomonas vesicatoria_ (previously _X. campestris_ pv. _vesicatoria_)]